サキュバスサイド
「これで一通りのサイズを測りました。ウリエルさんは、MサイズよりLサイズの方が身体のダメージを少なく出来て、何より測っておいたからダボダボにならない筈なのでサイズは会うと思いますし、オススメですよ。後は、水着の種類と柄ですかね。どのような水着を選びますか?」
「そうですね、せっかくですし花柄のワンピースの水着などを探しているのですが。」
「フムフム、花柄でワンピースのLサイズ水着ですね。あ、ありました。試着室が丁度空いてるので着替えて彼氏さんに見せてあげると喜ぶと思いますよ。」
「はい、そうさせて頂きます。あの、それと……彼とはまだ付き合ってなくて、まだ彼氏ではないのですが///」
「成る程、見た感じ彼は優しいだけでそれ以上はなかなか踏み出して来そうにありませんしね」
「そうなんですよ!一緒に手を繋いでくれたりしてくれるのに肝心のアプローチは一切ない。だから、今日の夕方彼に告白しようと思いまして///」
「それなら、街を見渡せる屋上の観覧車を使うのが良いですよ。お昼までに予約すると半額らしいので丁度今がチャンスですね。良ければ私が予約を申し入れて来ましょうか?」
「良いですよ、そこまでしてもらう事なんて、…それに彼が乗り気じゃなかったらと思うと」
「(つまり彼に合わせて行動してるという事か。なかなか言い出せない女子の定番だな)それじゃあ、彼の腕に両手で巻きつくと良いですよ。そしたら、彼自身が貴方への対応ももっと多くなり次第に彼の鼓動が早くなるのを感じる事が出来ますから
「そうなんですか!教えてくれてありがとうございます。それじゃあ着替えて来ますね。あの、出来れば……///」
「大丈夫です、彼も待機させておきます」
それから数分後
「淳君、どうですか?似合ってますかね///」
「うん、花柄のワンピース水着とても似合ってるよウリエル」
「(ん、今ウリエルって言わなかったしら?ウリエルって確か七大天使の中でミカエルの次に凶暴だと言われてるわよね。でも物質界まで来て好きな男を追いかけて来るような天使なんて聞いたこともないけど…気の所為かしら?でも、天使の眩いオーラが無いわね。やっぱり気のせいなのかもしれないけど、彼の指先から異常な光が発生している事には変わりはない。だけどここまで来たら私も気になるから付いていきたい所なのよね。まあ、結果は目に見えたも当然だけど)」
淳サイド
あれからウリエルが急に抱きついて来て「観覧車に乗って探した方が効果的ですよ!」だと言ってきた。確かにそれは名案なんだが、胸を押し付けられるのは少しだけ男として女の子の顔を見る事が出来ない理由がある事を今後ウリエルには知って欲しい。じゃないと俺のアレが保てなくなる。いくら天使だから人生経験が豊富でも一般市民の俺からしたらめっちゃ恥ずかしいんだよ!それからショッピングモールの屋上にある観覧車のチケットを買い、早速ウリエルと乗ってみた。
17:00
ショッピングモール 屋上
丁度タイミングが回って来たのか並んでいるお客さんがどんどん観覧車へ入っていった。後ろの列を見ると、お母さんらしき人物がいるのは気のせいであって欲しいと思っているところである。それからすぐに観覧車の中に入り、席に座った。
「あの、淳君。実は報告したい事があって!聞いてもらって良いですか?///」
「嗚呼、構わないぞ。それに俺からもウリエルに話したい事があったしな」
「え!?淳君から私に!///」
「そこまで驚くような事か?」
「嗚呼、すいません。少し勘違いしてました」
「それで、ウリエルの報告したい事ってなんだ?」
俺がそう聞くと、ウリエルは俺の隣の席に座って片腕を両手でまたホールドされた。
「あの、///……実は、私淳君の事が///」
「ちょっと待って!」
「え!?」
「さっきから覗いてる奴がいるぞ。誰だ!?」
「え?誰もいなさそうですが」
「此処じゃない!後ろだ!やはり母さんだったか、息子の写真をどんだけカメラのフィルムに収めれば気が住むんだ?あの人」
「あれ?一緒に誰か乗っていません?」
「あの格好、確か水着の選び方を教えてくれた店員さんだ!何故お母さんと一緒にいるんだ?」
「あ、あの!///」
「ん?どうした、ウリエ、!?」
その瞬間、ウリエルから押し倒されてマウントを取られてしまった。
「これなら、お母さんにも撮られる心配はありませんよ///」
「え?ウリエル、何を………なんか顔がどんどん近づいてるんだけど!///」
ウリエルはどんどん顔を近づけて、顔を赤くしたまま俺の口元に目を瞑ったまま柔らかい唇を乗せてきた。しかも、抵抗出来ないように両手を恋人繋ぎで封じられされるがままの状態が続いている。このシチュエーションはまさか!?
「私、淳君の事が実は前から好きだったんです。///あの時、私を宥めようと私を抱きしめてくれた時からずっと!だから、今すぐに返答を聞きたいのですが…///私と付き合ってくれますか?///」
一方その頃、淳のお母さんは………
「よーし、これなら観覧車デートも隠れられてもバッチリだわ」
「あの、それ盗撮って言うんじゃ?」
………事態は数時間前に遡る。………
お母さんサイド
今日の朝、オシャレをして来たウリエルちゃんと隣に引っ越して来た座土器さんが朝から訪問しに来た。私は淳を呼んだ後、後ろからこっそりと玄関を覗いていると、なんだが淳がげんなりした顔をしていた。それに引き換え、ウリエルちゃんは顔を真っ赤にして可愛らしくモジモジしている。そこで、淳が「まあ、それに俺とウリエルのデートなんて久々だしな。悪魔退治した後ゆっくり羽を伸ばすか。」と言った。悪魔退治はよく分からないけどデートか。これは息子のフィルムを収めるチャンス!私はこうしてはいられないと思い、先日貯めた貯金で買ったドローンを封入している箱を開けて、淳とウリエルちゃんの後を追うことにした。途中で、南薩摩市のショッピングモールで初々しいカップルのように手を繋いで歩いている所はもう撮り終えた。次に水着の販売店へ二人は寄った。数分後淳が水着の販売店から淳が出てきて少しスマホをいじって時間を潰しているようだったが、途中でこっちに気づいたのか怪しい目で私の方を見てきたので他人の振りをしてそこから離れた。その後も二人を
「うーん、あんまり進展が見られないわね。」
「あ、彼女さんが彼の腕に両手でホールドしてますよ。と、言うことは定番のアレが見られるかもしれません。」
「フフフ、息子よ。貴方のフィルムを私がベストマッチな角度から撮ってあげるわ!」
「ちょっと声が大きいですよ。あれ、二人共窓ガラスから姿が消えましたよ?」
「考えたわねウリエルちゃん。押し倒して初チューを隠そうとするなんてまだまだ詰めが甘いわよ。まさかドローンを飛ばしてるなんて思ってないでしょう。よーし、これなら観覧車デートも隠れられてもバッチリだわ。」
「あの、それ盗撮って言うんじゃ?」
その頃淳達はと言うと、………
淳サイド
「そうか、確かにウリエルがそれらしい仕草をしてたような気がするし、まさかここまで大胆に攻めてくるなんて思わなかったな。」
「ちょっ!?///こんな事するの淳君くらいしかいませんからね」
「はいはい」
俺は笑いながらウリエルの頭を優しく撫でた。
「あんまり子供扱いしないで下さい!一応淳君よりも年上なんですよ///」
「分かってるよ、でもさ……とっても嬉しいんだ。ウリエルに告白されて、とっても…」
「なら、答えは?///」
「これからずっと俺の
「はい、勿論です///」
ん?なんだろう。外に小さな機械が飛んでるように見えるんだが、俺はこの状況で切り出すのも野暮だと思い、心の中に留めておいた。しかし、結局サキュバスを見つける事が出来ずに観覧車から降りた。
「淳君、少し屈んでもらって良いですか?」
「ん?嗚呼、構わないけど」
俺は言われた通り姿勢を低くして屈むと首に何か十字の付いたネックレスを付けられた。
「これは焔の剣と言って、私が天使時代に使っていた武器なんですが…今の私では天使の力を無くしてしまったので扱う事が出来ません。魔力を注げば武器として活用出来ますし、特別な精神干渉の魔法も弾く事が出来る優れものですが1日3時間しか使用出来ないという制限もあるので注意して下さい」
「え!?そんな貴重な物を何故俺に?」
「淳君への誕生日プレゼントがまだでしたからね。ルシフェルを見つけ出す為にも
「うん、ありがとうウリエル。」
俺はギュッとウリエルにハグをした。
「ちょっ!?こんな人だかりの前で恥ずかしいですよ淳君///」
その時、後ろからドローンらしき物を持ちながらお母さんが近づいて、同じくその後ろから水着の店員さんも近づいてきた。
「これからはお義母さんって呼んで良いわよ」
「え!///あの、これは…その!?///」
「なあ、ずっと気になってたんだが観覧車でお母さんと水着の店員さんは何してたんだ?」
「あの、ちょっとね」
「丁度座土器さんに今の瞬間を送ってあげたわ」
「ちょっ!?要らないお世話ですからそれ!」
すると、遠くから土煙を発生させながら此方に「ドドドドド!」と変態が向かって来ている姿が見えた。よく見ると、
「不純異性交遊は禁止ー!」
「ち!?もう筒抜けという事ですか」
「やっぱりか!許さん
そう言いながらザドキエルは俺の方に飛びかかって来た。俺は咄嗟に水着の店員さんを盾にして守りを固めた。
「ちょっと、一体何するのよ!」
その時、水着の店員さんの腰らへんに悪魔の尻尾のような物を出していた。俺はギュッとそれを握ると、店員さんは「ヒギイ!?」と声を出し、頭から黒い角が生えた。その瞬間その場がシーンと静かになり、ウリエルは俺の方に目が笑っていない笑顔を向けられた。同時にザドキエルは何処から取り出したか分からないプラスチックでできた手枷を水着の店員さんの手首に付けた。
「さあ、参りましょうか。怖がらなくても良いですよ、ちょっと取り調べを受けてもらうだけですから」とザドキエルが満面の笑みを浮かべて連行していった。水着の店員さんは「嫌〜!私善良な一般市民ですから!怪しい者じゃありませんから離してください〜!」と涙目で俺達に助けを求めていたが、その声は誰一人として耳に届かなかった。 俺は家に帰った後、お母さんがドローンを購入してた事が判明してお父さんとお母さんが久し振りに言い合いになっていた。俺は消えるようにお隣のザドキエルさん家に向かった。インターホンを押して出て来たのは凄い形相で睨んでくる上下赤のジャージ姿であるザドキエルだった。
「何の用かな
「黙れ変態!テメエ聞くところによると家事全般はウリエルがやってるそうじゃねえか!そろそろ独り身で生活をする努力を覚えた方が良いんじゃねえのか!」
「な、何を言ってるんだ君は!?そ、そ、そんな訳ないだろ。まさか、今日連行したサキュバスちゃんも一緒にズブズブな関係になる為の脅しか!?許せん!」
「嫌、まだ帰してあげてねえのかよ。こんな時間なんだからさっさと帰らせろよ馬鹿!」
「馬鹿とはなんだ馬鹿とは!天使様に向かってそんな汚い言葉使う奴には一切中に入れてあげません!」
ザドキエルはそう言って思いっきりドアを「バン!」と音が鳴るくらい閉めたが、数十秒後ドアが開き、メガネのガラスが左右割れて顔がタンコブだらけの状態に変貌したザドキエルの姿があった。ザドキエルは、「ど、どうじょ、お入りくだはい」と呂律があやふやな状態で招かれた。後ろにはムッと頬をハリセンボンのように膨らませている昼間の水着の店員さんと目が冴えられている笑顔の元大天使ウリエルが座っていた。
「その辺に座っていて、今からお茶出すから」といつの間にか顔のたんこぶとメガネが元に戻っている変態が台所の方へ歩いて行った。俺は言われた通り適当に座布団に座ると昼間の水着の店員さんが口を開いいた。
「おいアンタ、良くも私を盾にしてくれたわね!アンタが私の尻尾を触ったせいであんな恥ずかしい喘ぎ声が出ちゃったじゃない!挙げ句の果てに何処の誰だか分からない変態の家にいるし、一体私をどうしてくれんのよ!」
「どうするも何も、それを考えるのはあの変態だよ。それに物質界に来たアンタは何が目的だったんだ?」
「アンタにそれは関係ないでしょ!そんな事よりも手を貸して!一刻も早くここから出たいの。お願い急いで!?」
そこで、鼻歌を歌いながらザドキエルがサキュバスに後ろから抱きついた。
「ちょっと!?やめなさいよ変態!少し重いのよアンタ!それにその胸はなんだ!私に対する当てつけか?いい加減私から離れろ!」
「それは無理ですよ。今から取り調べの続きをするんですから」
「ちょっ!さっき終わらせたじゃない。他に何が残ってんのよ!」
「貴方の身体を測るためです。明日からこの子達の通う高校に行ってもらいますからね。」
「何故私がそんなことをしなければならないのよ。人間の通う学校なんてお金が入らないじゃない!今後の生活費どう稼げば良いのよ!」
「大丈夫、今度から私が身元保証人になりますから生活費の事を考えなくても良いですよ。瓜江ちゃん、後ろから抑えて下さい!」
「お、おい!何故お前も私を取り押さえる?お前も同じこの変態の悪事を嫌ってるだろ!?」
「そうですよ!だからこそこの変態に毎日抱きつかれながら寝る事をサキュバスの貴方に譲ろうとしてるんじゃありませんか。分かったら貴方も私と同じ仲間入りをして下さい!」
「嫌だ!私家に帰る〜!こんな変態と一緒にいたくない〜〜〜!」とサキュバスはガチで泣き始めた。どんだけザドキエルが嫌いなんだよ。三人が格闘して数分後、メジャーでサキュバスのサイズを測り終えた後、なんだかサキュバスは魂の抜けたようにぼーっとしていた。
「よし、これで明日学校にこの書類を出せば明後日には晴れて学生ライフをサキュバスちゃんは送れますよ!良かったですね、今度からこの天使ザドキエルが優しくおもてなししてあげますよ。グヘヘへへ!」
「嫌〜!助けて、お願いだから助けて!アンタ
「5000円払ってくれたら助けてやるよ。」
「薄情者!?」
「薄情者?何言ってんだよ悪魔風情が、今日の昼間会ったばかりだろうが」
「グスン、もう嫌」
その時、サキュバスの目から涙が流れた。その瞬間、ザドキエルはサキュバスの頭を撫でながら「ヨチヨチもう大丈夫よサキュバスちゃん。あんな酷い
「テメエ、人に面倒事を押し付けた癖に俺の事をクズ呼ばわりだと!ふざけんな、テメエはさっさと天界に帰って違う天使よこしやがれ!」
「ふ、それは無理だよ
「あ、ミカエル?ちょっと頼み事なんだけどさ、今度天界に駄菓子持って行ってやるから物質界の担当変えてもらっていい?え、駄目!?なんでだよ。え!そうなのか、お前ら苦労してんな。今度ポテチ持って行ってやるよ。じゃあな」
「あの、いつの間に総隊長の電話番号を?」
ザドキエルは顔を引きつって聞いてきた。
「嗚呼、ミカエルの事?それはな、一時期俺をパシリとしてミカエルが俺を使おうと考えた事があったらしくてその時に電話番号を教えてもらったんだよ。丁度今日の朝これで仕返ししようと思ってたんだけど当てが外れたわ」
「あの、何故ザドキエルを変える事が総隊長の苦労に繋がるんですか?」
今度はウリエルが不満そうに聞いてきた。
「それがさ、俺に物質界の面倒事をザドキエルに押し付ける事自体が天界の天使の総意だったらしくてさ。なんでも、色々な
俺が呆れ顔で説明すると、ジト目でウリエルとサキュバスがザドキエルを見つめた。
「あ、あの…それじゃあ私がここに来れたのは私の実力じゃなくて、」
「問題児をこっちに派遣させるには丁度良かったからだって」
俺が完結に答えると、家の隅でザドキエルは体育座りになった。
今度は何か出るかな〜