今回は主人公の無双回みたいなものです。
楽しんでいただければ幸いです。
---IS学園
世の中を騒がせた男性操縦者発見のニュースから1週間が経ち、俺は入学試験を受ける為にIS学園に来ていた。
「でけぇなぁ...」
海に囲まれているのに全寮制をとれる程の施設の数と大きさに俺は開いた口が塞がらなかった。
「おい、こっちだ海」
俺がIS学園を呆然と眺めているといつの間にか千冬さんが目の前にいた。
「あ、お久しぶりです、千冬さん。」
「久しぶりだな、元気そうで何よりだ。」
「まさかこんなことになるとは思いませんでしたけど。」
「それはこちらもだ、一夏がISを起動した時は仕事が増えてそれどころでは無かったがお前のことも心配したんだぞ?」
「まあ一悶着ありましたけどなんとかなりましたよ、それで試験後に色々と話をしたいことがあるのですがお時間大丈夫ですか?」
「もちろんかまわないぞ、試験が終わったら迎えに行こう。」
「分かりました、よろしくお願いします。」
「では私は試験の準備があるからもう行くぞ、また後でな海。お前なら大丈夫だと思うが試験も油断するなよ?」
「ええ、もちろんです。また後で会いましょう。」
俺との会話を終えると千冬さんは試験の為にまた学園の中に戻っていった。
「じゃあそろそろ時間だし俺も頑張りますかねー」
腕に付けている時計を見ると試験の開始時間が迫って来ていた為、俺も会場へと向かった。
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---IS学園教室内
現在俺はIS学園の二つの入学試験のうち一つ目である筆記試験を受けているのだが実はあっという間に解き終わって時間を持て余していた。
(ISの問題は基礎中の基礎しかなかったし、普通の教科もなんてことなかったな...)
IS学園の筆記試験は教科毎にテストは分かれているが手元の端末で受ける為に教科毎で時間が分かれておらず、長時間でまとめて受ける方式が採られていた。俺は休憩を挟んで3時間ある試験時間の内の前半の1時間半で全部解き終わってしまい、とにかく暇なのであった。流石にこのままと言う訳にもいかないので教室の前にいる監督官の先生らしき人に手を上げて質問する事にしよう。
「はい!どうかしましたか?」
俺が手を上げるとその先生は直ぐに気付いて近くまで来てくれた。それにしてもこの人でかいな...どこがとは言わないが...
「えっと、全てのテストを解き終わってしまったので回答を提出したいのですがいいですか?」
「ええっ!?まだ半分しか経ってないのに6教科全部終わったんですか!?」
「はい、なので提出して早めに退出したいのですが...」
「わ、分かりました、名前を確認してそこのボタンをタッチしてください。」
俺は言われたとおりに名前を確認して指定されたボタンをタッチする。
「これでいいですか?」
「はい、大丈夫です。不正防止の為にこの教室にはもう入れませんけど大丈夫ですか?」
「それで構いません、ではありがとうございました、失礼します。」
俺は早々に退出して学園を見て周る事にした。
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---IS学園構内
「しっかし広いなぁ...」
俺の実技試験までは大分時間があるため俺はそれまでの間IS学園のうろちょろすることにした。
「まあ世界で唯一のIS操縦者育成をしている学校だし色々あって当たり前か...」
一人でぶつぶつと呟きながら廊下をだらだらと歩いているとふと後ろから人の気配を感じた。これは俺の事を尾行してる?
「どなたかは存じませんがそんな後ろからコソコソしなくてもちゃんと話しかけてくれたら対応しますよ?」
後ろに人がいるということは確実に分かっているのでとりあえず声をかけてみた。
「あららまさかこんなに早くばれちゃうとは思わなかったわ。」
声が聞こえてから振り向くとそこには水色の髪と赤い眼の女性が立っていた。まあ原作を知っているからもちろん誰かは分かっているが...
「自分に何の用でしょうか?IS学園現生徒会長更識楯無さん。」
「あら?私のこと知ってたのね?おねーさん嬉しいなぁ。」
「学園のホームページやらパンフレットに乗ってますしISに関わっている以上ロシア代表である貴女が分からない方が問題だと思いますけどね。」
「そうかしら?入学前にそこまで調べている人も中々いないものよ?」
「そうですかね?まあ誉め言葉として受け取っておきますよ。」
「うんうん素直な子はおねーさん好きよ?」
うーん...もっと話しててもいいけど流石に入学すらしていないこの状況で束さんとの関係やら専用機の情報を渡すわけにはいかないから牽制だけして実技試験の会場に戻ろう。
「まあ、俺の背後関係やら専用機やらが気になるのは分かりますけど入学すれば分かりますから焦る必要はないと思いますよ?」
「っ!?」
「それでは」
少し驚いた様子の生徒会長を確認して俺はその場から立ち去った。
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---IS学園アリーナ内
なんだかんだで時間が経って俺の実技試験の時間がやってきたので俺は控室で待機している。
「武藤海君、試験を開始しますのでアリーナに出てきてください。」
放送で呼び出されたので俺は束さんから渡された専用機を起動する。
「いこうか...
俺は0.5秒と掛けずに自身の専用機を纏う。
カラーリングは白と青と緑の三色で肩から腕に装甲はなく脚部はスラスターが付いているものの既存のISよりはコンパクト、背部のカスタムウィングも小型の物が2枚あるのみで、肩部付近にはこの機体最大の特徴である箱型の
これが俺が束さんから託された特殊第3世代機『夢幻』だ。ちなみに待機形態は眼鏡型の端末である。
そしてそのままカタパルトに乗りアリーナに向かって飛び立つ
「武藤海、夢幻、出撃する!」
アリーナに飛び出していくとそこには倉持技研の第二世代量産機である『打鉄』を纏った千冬さんがいた。
「まさかとは思いますけど俺の実技試験の試験官って千冬さんなんですか?」
「ああ、その通りだ海。他の教師でも良かったんだかそれだとお前が満足しないだろう?」
「いやいや、別に俺は戦闘狂とか戦い好きなわけじゃないですから相手によって戦い方を変えるだけですよ...」
「今までお前との模擬戦は道場の時も含めて100戦50勝50敗だ、だから今日で勝ち越させてもらう」
「めちゃくちゃ個人的な理由じゃないですか!それがメインの理由で無理矢理出てきましたね!?」
「いや他にも理由はあるぞ、お前のその専用機の調査とかな、割合としては勝ちたい気持ちが7割で残りが3割だ。」
「半分以上じゃないですか!」
「うだうだ言ってないでいくぞ!はぁぁぁぁ!」
「ちょっ!?くそっ!」
俺は打鉄の近接用ブレード「葵(あおい)」を持って超高速で迫って来た千冬さんに対して夢幻の基本装備(プリセット)である大型ナイフを即座に展開して対応する。
「まずは小手調べだ!」
千冬さんは俺の背後に回り込んで葵を振るってくる。
「させるかっ!」
俺は背後に回り込んできた千冬さんに対して振り向かずに後ろ手で葵を受け止めてから振り向く勢いで弾き飛ばした。
「鍛錬は怠っていないようだな!」
「そりゃそうですよっ!どれだけ訓練してたと思ってるんですかっ!」
俺と千冬さんはそれぞれの得物を最大限活用して激しく打ち合いを続ける。お互いに瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使ったりととても入学試験とは思えないような激しい戦いをしてシールドエネルギーを削り続けた。
「そろそろエネルギーも3割を切りそうですし俺は動くことにしますよ!」
俺は勝負を決める為に夢幻の特殊兵装である両肩付近にある箱のような
「させるか!」
千冬さんは俺が何かをしようとした瞬間に距離を詰めて阻止しようとしてくる。
「それを待っていたんだ!」
「なにっ!?」
零距離でショットガンを食らった千冬さんの打鉄はSEが0になり終了のブザーがアリーナに鳴り響いた。
「千冬さんが専用機だったら今のも躱されてたでしょうね...」
「いや、流石にずっとナイフで戦っていた状態からのショットガンは私も予想外だった。その
「まあ平たく言えばそうですね、正式名称は『
「成る程、器用な海だからこそ使える兵装だな、よく分かった。試験はこれで終了だ、確実に合格ではあると思うが結果は追って連絡する。」
「分かりました。ではまたあとで会いましょう千冬さん。お疲れ様でした。」
「ああ、仕事が終わったら改めて迎えに行くから適当に時間を潰しててくれ。」
「了解です。」
俺は千冬さんに返事をすると待機室に戻り夢幻を解除して大きく息を吐いた。
「だぁぁ!疲れたぁ!」
このままここで待ってしまおうと思いベンチに座ると俺はそのままウトウトとうたた寝してしまったのであった。
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---IS学園相談室
今現在俺は千冬さんにたたき起こされてIS学園内の相談室にいる。
「まさか待機室でそのまま寝ているとは思わなかったぞ。」
「千冬さんがガチでやるからめちゃくちゃ疲れたんですよ...」
「まあ、それはあれだ、私も久しぶりだったからついな...」
「勘弁してくださいよ...そもそも俺がISは全然動かしてない場合を考えてなかったんですか?」
「お前の性格からしてそれは無いと確信があったぞ」
「変なところで信用されても...」
「んん"っ...それよりも私に話したい事とはなんだ?海」
露骨に話を逸らそうとしているよこの人...まあ話すけども...
「そうですね...先ずは千冬さんは月兎製作所は分かりますか?」
「お前が企業代表を務めている企業だろう?今まで名前を聞いたことは無かったが...」
「では月兎製作所の社長の事は?」
「名前は分かっているが...それがどうかしたのか?」
「あれ、変装した束さんです。」
「なんだと!?」
「月兎製作所は束さんが俺と一夏の保護と専用機開発、そして宇宙進出開発の足掛かりを兼ねて作った企業なんですよ、俺のこの専用機も束さんが作ったものですし。」
「そうゆう事だったのか...」
「あの時の黒幕に対する対抗組織という面もありますから千冬さんにも束さんから連絡が来ると思いますよ?」
「あの時の?ああ...成る程...まだ解決していない問題だからな...」
「はい...とりあえず先駆けて然るべきタイミングで一夏も月兎製作所に引き込もうと思っていますけど大丈夫ですか?」
「それなら大丈夫だ、束と海なら信用しているし一夏も鍛えられるだろう。」
「分かりました。一夏は月兎製作所に所属させることで確定と言うことで。」
「ああ、あの愚弟を頼むな。」
「一夏は俺の親友ですから任せてください!」
千冬さんに月兎製作所の事を話した後俺は真っ直ぐ帰る事にした。
「とうとう入学か...色々と不安は多いけどとりあえずやるしかないか...」
俺はポツリと未来に対して不安をこぼしながら帰路についたのであった。
「えぇぇぇぇ!?あの子先輩に勝ったの!?このまま記録したら大事件になっちゃうじゃないですか...どうしたらいいの...」
今日の織斑千冬対武藤海の試合を見ていた記録・観察係のとある先生は試合の記録をどうするかで一人頭を抱えていた。
というわけで入学試験回でした。
オリ主と千冬は道場時代からよく模擬戦をやっていてだんだんと主人公が技術で上回った結果お互い50勝づつになっている訳です。
そして次回ついに原作突入します。設定も纏めて投稿しようと思っていますが、ストックが尽きてきたのでもしかしたら投稿ペースが落ちるかもしれませんがご容赦ください。
それでは次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。
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