脳内妄想無双は好きだが実現するのは違うと思う   作:大鷹とび

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いつも見てくれてありがとうございます!大鷹とびです。
評価バーに色が付いて日刊ランキングに一瞬本作が乗りました!
本当にありがとうございます。

いよいよ入学、原作突入です!オリ主を加えて物語がどうなるか
楽しんでいただければ幸いです。


11話 入学したけど嫌な予感がした

---IS学園1年1組教室

 

<一夏視点>

 

俺は今物凄く気まずい状況にいる...何故なら...

 

「あれが二人の男性操縦者の内の一人だよね?」

 

「けっこうイケメンだね!」

 

「話しかけてみたら?」

 

この教室にいる男子は俺一人で俺の席は一番前の真ん中でこの学校は本来女子高だからだ!めちゃくちゃ気まずいぜほんと...でもさっき女子が二人の男性操縦者の内の一人って言ってたな...

俺がホテルに監禁状態の間にもう一人見つかったのか?ホテルの中ではテレビも見れなかったからぜんぜん今の世の中の情勢が分からないんだよなぁ...

 

「皆さん揃っていますね!私はこのクラスの副担の山田真耶です!よろしくお願いしますね!」

 

「よろしくお願いします。」

 

え?山田先生に挨拶返したの俺だけ?挨拶ぐらいちゃんと返すべきだと思うけどなぁ...

 

「じゃ、じゃあSHRを始めますね、皆さんには自己紹介をしてもらいます。」

 

自己紹介かぁ...こんな状況で何て言えばいいのかなぁ...こんな時に海がいてくれたら助けてくれるんだろうなぁ...

 

「おり...くん」

 

「織斑くん!」

 

「え?あ!は、はい!」

 

「すみません、今「あ」から始まって「お」なので自己紹介をお願いしてもいいですか?」

 

「わ、分かりました...」

 

俺は席を立って前に出て自己紹介をしようとする、やべぇ緊張して頭真っ白だ...

 

「あーっと、織斑一夏です。」

 

そんなに見ないでくれよ、もうなんも思いつかねぇ...

 

「い、以上です!」

 

ズコーッ!

 

えー...みんなそんなギャグ漫画みたいにならなくてもいいじゃねえかよ...

 

バシンッ!

 

「いってぇ!」

 

「お前は碌に自己紹介も出来んのか!」

 

「え!?千冬ね」

 

バシンッ!

 

「織斑先生だ」

 

「わ、分かりました織斑先生」

 

千冬姉がここで教師をしてたなんて知らなかったな...それになんか教室の雰囲気が変わったような...

 

「「「「「きゃあああああああああ!」」」」」

 

「どわぁ!?」

 

耳がおかしくなる...

 

「本物の千冬様よ!」

 

「私ファンなんです!」

 

「生きててよかった!」

 

千冬姉ってやっぱり凄いんだな...

 

「はぁ...何故私が担当するクラスはいつもこんな奴らばかり集まるんだ...」

 

千冬姉も苦労してるんだなぁ...

 

「まずは静かにしろ」

 

まあ話進まないもんな...千冬姉が言えばみんな静かに...

 

「「「「「きゃあああああああああ!」」」」」

 

「お姉様もっと叱って!」

 

「私も罵って!」

 

「踏んでください!」

 

え?静かにならないのか!?千冬姉に言われて黙らないとか命知らずにも程があるだろ!

 

「織斑、余計なことは考えるな、あと一度席へ戻れ」

 

「は、はい」

 

千冬姉に考えを読まれたけど疲れてるのか叩かれなかったな、今度久しぶりに千冬姉にご飯を作ることにしよう...

 

「入学式早々だがこのクラスにはもう一人入ることになっている。」

 

ん?もう一人?入学式に特殊な事情で出席できなかった生徒とかか?

 

「入れ」

 

教室の扉が開くと眼鏡を掛けて少し髪が伸びているが見間違える筈の無い俺の親友がいた。なんであいつが...

 

「もうご存じかもしれませんが、男性操縦者のもう1人で月兎製作所の企業代表としてきました、武藤海です。趣味は料理とゲームです、よろしくお願いします。」

 

教室に入って来たのは俺の幼馴染で親友の海だった...

 

———————————————————————

 

<海視点>

 

「武藤海です。改めてよろしくお願いします。」

 

俺は自己紹介をして改めて頭を下げた。

 

「織斑、自己紹介とはこうするものだ、分かったか。」

 

「は、はい」

 

「2か月ぶりだな一夏。」

 

「海!どうしてお前がここにいるんだ!」

 

「なんだテレビ見てなかったのかよ、俺はもう一人の男性操縦者及び月兎製作所の代表としてここに来たんだ。」

 

「マジかよ...海もIS起動しちまったのか...」

 

急に教室が静まり返り、俺と一夏以外の生徒がぷるぷる震え始めた。

 

「「「「「きゃあああああああああ!」」」」」

 

「うわっ!」

 

「うるさっ!」

 

「明るい感じの織斑君と対になる闇がありそうな感じのイケメン!」

 

「カッコいい!」

 

「しかも織斑君とは知り合い!?今年のネタはこれで決まりね!」

 

えー...ここでも闇がありそうとか言われるのか...俺普通に話すし明るい方だと思うんだけどなぁ...あと今年のネタってなんだよ...

 

「織斑先生、何とかなりませんか...」

 

「悪いがこれは私にもどうしようもない...」

 

「そうですか...」

 

俺はため息をつきながら自分の席についた。IS学園では入学式の日から授業があるため俺は参考書やノートを出して授業の準備をした。

 

 

最初の授業は山田先生がISの基本について説明しながら進めていくものだった。山田先生の説明が分かりやすいのもあったが元より俺は束さんの所でISについては散々勉強したし、入学前に配布された参考書も全て覚えてしまったので全く問題なかった。

 

しかし一夏は...

 

「織斑君、武藤君、何か分からない所はありますか?」

 

「ほとんど全部分かりません!」

 

おいおい全部ってこたぁ無いだろ...今やってるのってめちゃくちゃ基本的な事だぞ...入学前に配布された参考書を読めば...あぁ...そういえばそうだったな...

 

「え...?ぜ、全部ですか...?」

 

「はい!全部です!」

 

自信満々に言うなよ一夏...

 

「え、えっと...織斑君以外で、今の段階で分からない人はどれくらいいますか?」

 

山田先生の問いに対してはもちろん誰も手を挙げなかった。俺も含めて。

 

「おい海!お前も分からないんじゃないのか?」

 

「残念ながら全部分かる、とゆうかこの範囲は入学前に貰った参考書に全部書いてあったぞ?」

 

「あ...あれか...」

 

参考書の事を聞くと途端に一夏が動揺し始めた。やっぱりか一夏...

 

「織斑、入学前の参考書はどうした?」

 

明らかに挙動不審な一夏に対して千冬さんが参考書について訊いてきた。

 

「古い電話帳と間違えて捨てました!」

 

バシンッ!

 

阿保ちゃう?大丈夫か一夏...そら千冬さんも出席簿アタックするわな...

 

「必読と書いてあっただろう馬鹿者が。」

 

確認は大事だと俺もあれほど言ったのに...

 

「後で再発行してやるから一週間で全て覚えろ。」

 

「え?あの分厚さを一週間はちょっと...」

 

「やれと言っている...」

 

「や、やります...」

 

千冬さんににらまれて従うしかなくなってら、まあ自業自得だからフォローはしないぞ。

 

「織斑、『自分は望んでここにいるわけではない』と思っているな?」

 

なにやら千冬さんは一夏に思うところがあるみたいだな。

 

「望む望まないに関わらず、人は集団の中で生きていかなくてはならない、それすら放棄するなら、まず人であることを辞めることだな。」

 

成程ね、今の一夏に現実を見させるにはいい言葉だ。俺もこの状況を望んでいた訳では無いけど

もう夢が出来たからな...

 

「....」

 

一夏が千冬さんの言葉を聞いて俯くと同時に終了のチャイムが鳴った。

 

「え、えっと、織斑君。分からないところは授業が終わってから放課後教えてあげますから頑張りましょう?ね?」

 

「はい...放課後にまたお願いします。」

 

「私は織斑君を応援してますから!いつでも頼ってくださいね!」

 

山田先生が一夏に声をかけてから授業終了の挨拶をして最初の従業は終わった。

 

 

「改めて久しぶりだな一夏、大丈夫か?」

 

「ああ、大丈夫だ、ありがとうな海。」

 

「これぐらい普通だ、それよりも一週間で参考書の内容全部覚えられるのか?」

 

「いや、絶対無理だ!助けてくれ海!」

 

「じゃあこの一週間の飯をお前が奢ってくれるなら助けてやろう。」

 

「なっ...足元見すぎだろ!」

 

「ふーん?また千冬さんの出席簿攻撃を食らいたい訳だ...」

 

「わ、分かったよ、俺だって千冬姉には迷惑かけたくないしそれで手を打つよ...」

 

「交渉成立だな、まいどありー」

 

俺は満面の笑みを一夏に向けてやった。たまには痛い目に遭うがいい!

 

「...ちょっといいか?」

 

俺と一夏が話していると突然ポニーテールの女子が俺達に話しかけてきた。凄く見覚えがあるポニーテールだ、なにやら周りにいる女子がざわつき始めたな...

 

「...箒?」

 

「ああ、久しぶりだな一夏、海。」

 

「本当に久しぶりだな!箒!元気にしてたか?」

 

「ああ、二人も変わりないようだな、まさかこんなところで再会するとは思わなかったが...」

 

「それは俺もだよ箒、どうだ近いうちに久しぶりに一勝負しないか?引越ししたあと剣道の全国大会で優勝とかしてたろ?」

 

「知っていたのか!?海」

 

「偶々新聞で見てね、俺も今まで鍛錬を欠かさずやって来たし一本どうだ?」

 

「せっかくの誘いだ、乗らせてもらおう。」

 

「一夏、お前も一緒に来い、中学生の時は必要費を自分で稼ぐってバイトの為に剣道辞めただろ?鍛え直してもらえ。」

 

「え!?あ、ああ、そうだな...」

 

俺と箒の武人的な会話に一夏はすっかり置いていかれていたようで、俺が話を振るとビクッと反応した後に返事をした。

 

「おいおい、大丈夫かよ一夏...」

 

「ああ...悪いちょっと考え事しててな...」

 

これは千冬さんの言葉が効いているかな?まあいい傾向だろう。

 

「まあ、とりあえずまた試合するときに連絡するよ。」

 

「ああ、楽しみにしているぞ海。」

 

そろそろ次の授業が始まるので箒は早めに自分の席に戻っていった。俺も自分の席に戻ろう。

 

次の2時間目の授業は特に問題なく進み、相変わらず一夏は首を傾げていたがノートを取ったりして何とかやっているようだ。

 

そのまま2時間目の授業も無事に終わり、一夏はまた俺の所にやって来た。

 

「やっぱ難しいぞ海...」

 

「それでも1時間目よりは頑張ってたじゃないか、良い事だぞ?」

 

俺が一夏の姿勢の変化を素直に褒めていると何やら金髪の女子がこちらに近づいてきた。

 

「ちょっと、よろしくて?」

 

もちろん原作を知っていて、入学前に各国の代表や候補生を全員調べつくした俺は彼女が誰か知っているが実際に相対するとなんか、めんどくさそうな空気が漂ってきて溜息が出そうだ。

 

めんどくさいなぁ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにこの後金髪の彼女が俺の入学試験の成績を聞いて心が折れかけたのはもう少し後の話である。




というわけで原作突入・入学編でした。

一夏も箒もオリ主の影響で原作よりはまともになっています。

特に箒に関してはオリ主が篠ノ之流剣術を習って鍛錬を続けていたのもあって武人としてのライバルが増えているような感じです。

それでは次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。
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