脳内妄想無双は好きだが実現するのは違うと思う   作:大鷹とび

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いつも見てくださってありがとうございます。大鷹とびです。

今回は学年別トーナメント前の話となります。

楽しんでいただければ幸いです。



26話 目標にされるのも悪く無いと思った

---IS学園 保健室

 

一悶着あったホームルームから午前中の授業が終わって昼食の時間になり、俺と一夏とデュノアさんは鈴とセシリアさんのお見舞いの為に保健室に来ていた。

 

「失礼します。鈴、セシリア、来たぞ、怪我はどうだ?」

 

「一夏と武藤君から話を聞いたよ、二人とも災難だったね」

 

「お見舞いと糖分補給って意味でクッキー焼いてきたから二人とも食べてくれ」

 

俺は鈴とセシリアさんにそれぞれクッキーを渡してから近くにあった椅子に座って自分の食事を取り出して食べ始めた。

 

「相変わらず凄いわね...海の作るお菓子...」

 

「わたくし、海さんに女子力で負けている気がしますわ...」

 

「そうか?俺も海もこのぐらい普通だぞ?」

 

「そうゆうのを余計な一言っていうんだぞ一夏」

 

俺は一夏の頭を軽くチョップしながら注意した。

 

「いてっ!そうなのか?」

 

「そうゆうもんだ、お前は頼むから空気をもう少し読めるようになってくれ...」

 

「そうだね...一夏はあまりにも空気が読めなさすぎだと思う...」

 

「海さんってほんとに苦労人ですわね...」

 

「昔からだけどね...いつも一夏のフォローしてた結果二人で『光と闇の女たらしコンビ』って言われてたんだから」

 

「ふぐっ...今更俺の心の傷を抉らないでくれよ鈴...」

 

「あははっ、悪かったわね海、まああんたの苦労は私たちが知ってるから安心していいわよ?」

 

「どう安心したらいいんだよ...」

 

「なんなんだ?そのなんとかコンビって...」

 

「お前は知らなかったんかい...」

 

こうして鈴とセシリアさんのお見舞いがてら談笑していると急に地震でも起きたのか少し振動を感じた。

 

「なっなんだ!?地震か!?」

 

一夏がそう言った直後に文字通り保健室のドアが吹っ飛び、同学年の女子生徒がなだれ込んできた。

 

「織斑君!」

 

「デュノア君!」

 

「武藤君!」

 

「「「私と組んで!」」」

 

「ちょちょちょ...」

 

「なっなにっ!?」

 

「なんだぁ!?」

 

「このプリント見て!」

 

俺は自分の目の前にいた女子からプリントを渡されたのでそれに目を通した。

 

「えっと...『今月開催する学年別トーナメントでは、より実戦的な模擬戦闘を行うため、二人一組での参加を必須とする。なお、ペアができなかった者は抽選により選ばれた生徒同士で組むものとする。』成程、そうゆうことか」

 

「そうゆうこと!だから!」

 

「私と組もうよ!織斑君!」

 

「私と組んで!デュノア君!」

 

「力を貸してください!武藤君!」

 

つまりここに来た女子生徒全員が俺か一夏かシャルルさんの三人の内一人と組みたくて来たわけだ...とりあえずプリントの最後まで目を通しながら考えようとプリントに視線を戻すと、一番最後に注意書きがあった。

 

『なお、1年1組の武藤 海については特例として一人での参加とする』

 

俺一人で参加って書いてあるんですけど...しかもこれ直接表現してないだけで強制だろ...今度は絶対エクスエクシア使わないからな...

 

「頼んできた人には申し訳ないんだけど、プリントの一番最後に俺は一人で参加しろって書いてあるから...」

 

「えっ!?」「ほんとだ!」「そんなぁ...」

 

俺と組もうとしていた女子生徒達はがっくりと肩を落としていた。

 

「織斑君!私と組んで!」

 

「ちょっ...ちょっと待ってくれ!お、俺はもうシャルと組むって決めたんだ!」

 

「えっ!?」「そんなぁ...」

 

おそらく一夏も咄嗟に言ったのだろうが男装の件もあるし一夏とシャルルさんが組むのは最適解だろう。

 

「うーん、残念」「でも二人が組むならしょうがないね...」

 

それぞれ思い思いに口にしながら、彼女達は保健室を出て行った。

 

「嵐の様だったな...」

 

「ああ、びっくりしたぜ...」

 

「何事かと思ったよ...」

 

俺達は椅子に座り直して溜息を吐きながらそれぞれ愚痴をこぼした。

 

「ちょっ...わ、私と組みなさいよ!」

 

「いえ!わたくしと組んでくださいまし!」

 

「ダメですよ二人とも」

 

保健室に山田先生が鈴とセシリアさんに注意しながら入ってきた。

 

「お二人のISのダメージレベルがCを超えているので、当分は修理に専念しないとISの修復に支障が出て元通りにならなくなる可能性があります。トーナメントへの参加は許可できません」

 

山田先生にそう言われて2人とも悔しそうにしながら引き下がった。

 

「どうして、ダメなんだ?」

 

いまいち理解出来ていないのか、一夏は首を傾げていた。

 

「ISのダメージレベルがCを超えた状態で起動をすると、不完全状態でのエネルギーバイパスを構築しちゃうんだ、それが平常時での稼働に悪影響になるから良くないんだよ、要は骨折してるのに無茶したら筋肉とか痛めるのと同じかな」

 

俺が説明する前にデュノアさんが説明してくれた。これは助かる。

 

「まあ色々あったけどとりあえず鈴とセシリアさんは山田先生の言う通り今回は機体も自分自身も休憩って事だな」

 

「悔しいけど仕方ないわね...」

 

「無念ですわ...」

 

「二人の分まで俺達が頑張って優勝してくるから見ててくれよ!」

 

「無理ね(ですわね)」

 

「なっ...なんで即答するんだよ!」

 

「だって...ねぇ?」

 

「そうです...ね...」

 

鈴とセシリアさんが遠い目をしながら俺の事を見てきた。

 

「いくら特例で2対1になっているって言われても元代表候補生の山田先生と現代表候補生の私達2人を同時に相手して圧倒した規格外がそこにいるわけで...」

 

「一夏さんやシャルルさんには申し訳ありませんけど海さんが一人で優勝するビジョンしか見えませんわ...」

 

「そ、それでも俺は海に勝ってみせるぞ!」

 

「まあ期待して待ってるよ一夏、今月開催だからあんまり時間も無いだろうしシャルルさんと今日の放課後から特訓したらどうだ?」

 

「そうさせてもらうぜ!首を洗って待ってろよ海!」

 

「う、うん、まあ何かあったら武藤君にも連絡するね」

 

「まあ焦らずにな、さてそろそろ昼休みも終わりそうだし教室に戻るか」

 

「そうだな、海、シャル行こうぜ、鈴とセシリアはお大事にな」

 

「ありがとね、三人とも」

 

「感謝致しますわ」

 

2人から感謝された後俺達は保健室を出て午後の授業に向けて教室に向かった。

 

———————————————————————

 

---IS学園 第3アリーナ

 

「学年別トーナメントに向けて皆張り切ってるなぁ...ま、俺は一人ですけどね」

 

放課後になり俺は学年別トーナメントで2対1の戦いを複数回やらなければいけないだろうと予測を立てて万が一に備えての訓練の為にあらかじめ予約していた第3アリーナに夢幻を纏い立っていた。

 

「海?なんで明後日の方向を見ながら独り言言ってるの?」

 

「ん?ああ、ごめん簪さん、今度の学年別トーナメントが俺だけ特例で一人で出場だからちょっと達観してた」

 

後ろから簪さんにツッコまれて俺は我に返って振り返り簪さんの方を向いた。一人でアリーナを使うというのももったいなかったので、簪さんも一緒である。ちなみに誘ったのは俺で少し寂しかったから、というのは秘密だ。

 

「配布されたプリント見たら名指しで書いてあったから私もびっくりした。せっかくなら私と組んでもらおうと思ったのに...」

 

「こればっかりは学園から指定されちゃったからね...まあいろんな国の思惑も絡んでるだろうし、その通りにやらされるのも嫌だから夢幻の新武装のテストも兼ねて学年別トーナメントは夢幻で出場する予定だよ」

 

「そうなんだ...いいの?私に話しちゃっても...トーナメントで当たるかもしれないし」

 

「その時はその時になんとかするよ、簪さんは言いふらすようなことはしないだろうしね、ところで簪さんは誰と組む事にしたの?」

 

「私は本音と組む事にした、専用機は無いけど整備志望だから知識は深いし、ああ見えて一応私の従者でもあるから一通り戦えるし」

 

「成る程ね、それなら大丈夫そうだ」

 

「私達なりに海対策もしてる...だから負けるつもりは無いから!」

 

「こりゃ本番が大変そうだ...俺の事を警戒していないペアはいないって考えた方が良さそうだな」

 

「当日を楽しみにしてる...そろそろ訓練はじめよう?」

 

「そうだね、じゃあ最近夢幻で戦ってなくて一応慣らしから入りたいからシューター・フローで円状制御飛翔(サークル・ロンド)付き合ってもらってもいいかな?」

 

「もちろん、私も弐式で色々試したいことあるし時間の限り付き合うよ」

 

「じゃあ行こうか!簪さん!」

 

「うん!」

 

俺達はお互いに確認してから一気に飛翔して訓練を始めた。ちなみに訓練の様子は遅れてやってきた本音さん曰く...

 

「かんちゃんとむっきーが組めないのがもったいないぐらい息ピッタリな動きだったねー」

 

とのことだそうだ。簪さんは顔を真っ赤にしながら本音さんをぺしぺしと叩いていた。

 

———————————————————————

 

---IS学園 1年1組教室

 

学年別トーナメントまであと3日と迫ってくる中、学園ではとある噂についての話題で持ちきりになっていた、その噂とは...

 

『学年別トーナメントで優勝したら男性操縦者の内の誰か1人と付き合える』

 

と言うものだった。

 

「人の噂も七五日とはいうけど全く尽きる気配が無いな...一夏はともかくとしてあからさますぎてあっという間に俺の耳にも届いてきたし...」

 

今こうして教室で座っているだけでも、「誰と付き合いたい?私は織斑君かなぁ」「私は武藤君一択ね!」とか「そもそも武藤君に勝てなくない?」とか聞こえてきている。もうどうしようもないなこりゃ...

 

「海!昼飯食べに行こうぜ!」

 

「おーう、さっさと行くか」

 

噂について考えていたら一夏から昼食に誘われたので席を立つ。

 

「最近俺がどうとか海がどうとか聞こえるんだけど何なんだろうな?」

 

食堂に向かいながら一夏と話していると一夏がそんなことを言い出した。お前はやっぱり気付いて無いのね...

 

「なんだろうな?まあいいんじゃないか?気にしなくても」

 

「それもそうか!」

 

もうお前はそのままでいいよ...自分で気付けたら成長するだろうし...

 

「さっさと食堂にいくか」

 

そう言って話を切り上げて食堂に向かおうとすると後ろから声がした。

 

「織斑君!武藤君!良かった...やっと追いつきました...」

 

「山田先生?どうしたんですか?」

 

「お2人にいいお知らせです!やっと調整が出来たので3日後の学年別トーナメントの放課後から男子の大浴場の使用時間が確保されました!」

 

お、マジか!日本人たるものやっぱり湯船に浸からないとなぁ...

 

「本当ですか!やったぜ!」

 

一夏もテンション上がってるなぁ...

 

「俺も嬉しいです、ありがとうございます」

 

「時間等は追って連絡しますからデュノア君にも伝えておいてくださいね?」

 

「「分かりました」」

 

「では!」

 

山田先生は俺達に連絡事項を伝えると速足で教員室に戻っていった。忙しいんだろうな...

 

「3日後が待ち遠しいぜ!」

 

「風呂はいいけど学年別トーナメントちゃんと集中しろよ?」

 

「分かってるって!飯行こうぜ!飯!」

 

「ほいほい」

 

俺はテンションの上がった一夏に引っ張られるように食堂へ向かったのだった。ちなみに「あれ?ひょっとして一夏とシャルルさんの混浴イベントに巻き込まれる?」と一瞬思ったが流石にそんなことは無いだろうと直ぐに考えるのを辞めたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---秘密ラボ内

 

「かーくんに全然会ってないぃぃぃ...かーくんのご飯食べたいよぉぉぉぉ!」

 

「落ち着いてください束様、今度の臨海学校までの辛抱ですから」

 

「そうだけどぉ...かーくんのエクスエクシアの為に私が開発したこの『GNアーマー TYPE-EX』で今すぐ飛んでいこうかなぁ...」




と言う訳で学年別トーナメント前のそれぞれのキャラ同士の絡み回でした。

最後の最後に束さんがぽつっと言っていたとんでもない単語については臨海学校編までお待ちください!

それでは次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。
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