今回は学年別トーナメント編最終回の予定です。
楽しんでいただければ幸いです。
---IS学園 第3アリーナ
<一夏視点>
俺達が準備を終えて海を待っているとハイパーセンサーに反応があった。
「この反応は...お兄様の夢幻か!」
俺が口を開く前にラウラが海がここにいる皆に知らせるように海が戻ってきたことを伝えた。
「無事に戻って来たみたいだな、前みたいにならなくて良かった...」
「前?前に何があったのだ嫁よ」
「それはまた今度話すよラウラ、それよりも海がアリーナに着陸したぞ、話を聞きに行こう!」
「そうだね、まずは状況確認からかな」
海に話を聞きに降りてきた海に俺とラウラとシャルルの3人で近づいていくと、海はらしくないような焦った顔をしていた。ちなみに箒は専用機持ちではないので下がっている。
「海?どうしたんだ?そんな焦った顔して、海らしくないぜ?」
「っ一夏か!今からくる敵は前のよりやばい!ラウラやシャルでも危ないかもしれないんだ!お前は下がった方が良い!」
「なっ!?いきなりどうしたんだよ?俺だって白式があるしSEだって充分にある!戦えるぞ!」
「そうゆう問題じゃない!近接攻撃しかない白式じゃかえって足手まといになる可能性がある!そのくらい危険な相手なんだ!」
「そう言って前みたいに一人で戦ってまたお前がボロボロになるんじゃないのか!」
「俺はいいんだよ!お前に何かあったら千冬さんに顔向けできねぇよ!」
「それはお前だって同じだろ!」
「ほんとお前は...はぁ...シャルルさんこいつに一本ライフル貸してやってくれ、多分元々タッグ戦の戦略に組み込んでたろ?」
「う、うん分かったよ武藤君」
シャルのライフルを俺に?海は何を考えているんだ?
「今から俺が考えた無人機の迎撃に対する作戦を伝えるぞ、ラウラとシャルルさんも聞いてくれ、いいか一夏、もう下がれとは言わない、その代わりそのライフルでお前もラウラとシャルルさんと一緒に後方から援護してくれ、俺が一人で前線でかき回すから3人は援護、もしくは牽制を頼む」
海が一人で前線?前よりやばいやつが来るって海自身が言ってたのにそれじゃあ何も変わらないじゃないか!
「海!それじゃあ結局変わらないじゃないか!一人で戦ってるのと一緒だ!」
「おいおい、後方からの援護があるのと無いのとじゃかなり違うんだぞ、それに前回は俺自身ギリギリの状態でやったからああなっただけで今回は俺は万全なんだ、それに...」
海は一度喋るのをやめると纏っていた夢幻を解除して蒼機兵に切り替えた。
「この防衛戦は絶対に負けるわけにはいかないんだ、最初から全力でいくさ、それでも俺の事が信じられないか?」
「海...」
昔から海はこうゆうやつだったな...お前が俺の事を理解してくれてたんだ...俺も信じなきゃな!海が本気を出したら絶対に負けないって!
「分かった!俺も海を信じるぜ!だから絶対に負けるなよ海!」
「誰に言ってんだ?当たり前だろ?一夏」
海は俺に向かって拳を突き出してきたので俺はそれに自分の拳をぶつける。
「さてそろそろ敵さんご登場だ!3人とも手筈通りに頼む!」
「おう!」「うん!」「分かった!」
俺達の返事を聞くと海は無人機が来る方向に振り向いた。
———————————————————————
<海視点>
<<戦闘BGM 機動戦士ガンダムOO FIGHT>>
一夏を説得して全員が纏まったので俺はエクスエクシアのセンサーをフル稼働させてこちらに向かってくる敵機の情報を確認する。
「あと1分もしないでこっちにくるぞ!皆構えてくれ!」
俺がそう叫ぶと一夏達は一斉に武器を構えて引き金に指をかけた。
そしてふたたび情報を確認する。どうやら天はこちらに味方したみたいだ。
「一番厄介なGN-XⅡキャノンを2機とも墜とせてたのはラッキーだったな!残りの6機もライフルや腕を破損してる機体がいるみたいだ、これならトランザムで一気に片付けられる!」
そうしているうちに視界に敵機が入って来たのでオープン・チャネルで3人に呼び掛ける。
「3人とも敵機が射程に入ったら当てなくてもいいから直ぐに撃ってくれ、その間に俺が一気に近づいて撃破する!」
「分かったぜ海!」「うん!」「了解!」
俺が振り向かずに伝えるとそれぞれ返事が返ってきた。これで万端だ。
「敵機レンジ内まであと5秒!4、3、2、1...来たぞ!」
俺が大声で敵機の接近を伝えると同時に後ろの3人の武器が火を噴き上空の敵機を襲った。弾幕と言うには薄いので躱されてはいるが、動きを鈍らせるには十分だ。
「行くぞ!トランザム!」
トランザムを発動してシールドバスターライフルとGNソードライフルモードを撃ちながら一気に接近していく、手負いのドードレス・ネオに直撃して1機墜とすことが出来た。
「うおぉぉぉぉ!」
俺は反撃で飛んでくるワイヤード・ビームライフルとGNビームライフルを避けながらGNビームダガーをGN-XⅡに投げて直撃させる。
「後4機!」
センサーの反応で背後から切りかかってくるGN-XⅡソードのGNバスターソードをGNソードで受け止めて鍔迫り合いになるが俺は即座に両腰のラッチのGNロングブレイドとGNショートブレイドの刀身を前方に回転させ両腕を切り落としてGNソードで切り裂いた。
「後3!」
GN-XⅡソードを撃墜した瞬間にドートレスネオとGN-XⅡが左右からビームライフルで、GN-XⅡソードが上からGNバスターソードで同時に攻撃してきた。
「このぉぉぉ!」
俺はGNシールドを展開してGN-XⅡソードに切らせて爆発させる事でおとりにしてサテライトGNキャノンを構えながら一気に距離を取り発射体勢に入った。
「圧縮粒子解放!これで終わりだぁぁぁぁ!」
サテライトGNキャノンからピンク色の強力なビームが放たれて残りの3機を飲み込み跡形もなく消し飛ばした。
「はぁ...はぁ...今度はちゃんと守れたな...」
丁度トランザムが限界時間で終了し、俺は周囲を確認してからアリーナに着地した。
———————————————————————
---IS学園 学園長室
防衛戦の処理等が終わり俺達は事情聴取の為に学園長室に来ていた。
「事態の対処に当たった、4名を連れてきました」
「分かりました、入ってください」
「失礼します」
織斑先生に続いて俺達は学園長室に入るとそこには齢70近いであろう初老の男性がいた。
「あれ?IS学園の学園長って女の人だったような...」
一夏がその男性を見ていきなりそういったので織斑先生が一夏の頭に軽く拳骨を落としながら謝るとその男性は少し苦笑いしながら口を開いた。
「それは私の妻ですね、こんな世の中ですから表向きは私の妻を学園長という事にして実務に関しては私が担当しているのです」
そうして一夏の疑問に対して答えるとその男性はそのままこちらに視線を向けて口を開いた。
「改めまして、この学園の運営に関しての実務を取り仕切っている、
丁寧に自己紹介されたのでこちらも会釈を返しながら頷いて事情聴取に応じた。一通りの事を全員話した後、これで大丈夫だという事で学園長室を出ていこうとしたときに呼び止められた。
「あ、すみません、織斑先生と武藤君は残ってくれますか?もう少し聞きたいことがあるので」
「分かりました、武藤も大丈夫だな?」
「はい、大丈夫です」
俺と織斑先生だけという事で少し驚いたが、特に問題も無いので大丈夫だと返して学園長室に残った。
「さて織斑先生と武藤君に残ってもらった理由ですが、今回の襲撃は最初に武藤君が知らせて織斑先生が自身の責任の下指示を出したと聞いています」
学園長...いや轡木さんと呼ぶことにしよう、轡木さんは一夏達が部屋を出てから改めて口を開いた。
「はい、武藤が私に直接伝えに来たので私はそれを信じて指示を出しました」
「何故武藤君は無人機の襲撃が分かったのですか?」
成程、轡木さんはどうして俺が早い段階で無人機の襲撃が分かったのか疑ってる訳だ、まあ当たり前だよな...ちょっとショックだけど...
「織斑先生にも言いましたが、確証に至る情報や物はありません、ただ自分の頭に無人機から攻撃されるアリーナの光景がよぎってそれが本当に起こると何故か確信出来たんです、それ以外何もありません」
「そうですか...にわかには信じられませんが確かに嘘をついている顔ではありませんね...では次に織斑先生にお聞きしますが、武藤君から襲撃を知らされた後、自身にかかって来た電話に出てから武藤君の言う事が真実だと言って指示を出したと山田先生から聞きました。つまりその電話で武藤君の言っていたことが真実だと確信した訳ですよね?その電話の相手とは誰でしょうか?」
「それは...」
『そこから先は束さんが説明するよ~』
織斑先生...いや千冬さんが言い淀んでいると学園長室にあるモニターが勝手に点いて束さんが映し出された。
「なっ!?貴女は...篠ノ之博士!?何故貴女が!?」
『はいはい今更私の事なんてどうでもいいからちゃっちゃと説明だけするよ、まずちーちゃんの電話相手だけどそれはこの束さんだよー、かーくんが前回の襲撃で傷ついてからIS学園の周辺を私独自で警戒してたらその警戒網に今回の無人機が引っかかったから連絡したよー』
「な、成る程...」
『あとはかーくんがなんで無人機襲撃があらかじめ分かったかについてだけど...そこのジジイがかーくんを疑ってたから仕方なく説明するね、かーくんの身体を束さんが調べ続けた結果、かーくんは通常の人間と比べて脳の使用領域がずっと広かったし脳波の形状も全然違ったんだ、だから色んな気配にも敏感になっていたし、未来予知のようなものも見えたんだね!さっすがかーくん!凡人とは一味も二味も違うね!』
「そ、そうでしたか...篠ノ之博士がそういうのであれば武藤君はそうゆうことなのでしょうね...」
『ちなみに脳の使用領域が広い事は使用領域を2種類に分けて『ニュータイプ』と『Xラウンダー』、そして特殊な脳波の事は『脳量子波』と呼ぶことにしたよ!人類史に残る研究成果だね!』
「束さん...説明してくれたのはありがたいですけど突然出てきてジジイ呼ばわりはひどいでしょう...」
『えー、だって束さんのかーくんが疑われるなんて気に食わないんだもん!』
「いつ束さんのものになったんですか...まあ俺の身体の事はまた改めて聞きますね、とりあえず学園長、聞きたいことは以上でしょうか?」
「あと一つだけあります、篠ノ之博士に聞きたいのですが大丈夫でしょうか?」
『えー?嫌だよ、なんで束さんがお前みたいな凡人の質問に答えなきゃいけないんだよ』
「束さん、次のご飯作りませんよ?」
『むーっ...分かったよ...ほら何が聞きたいか早く言ってよ』
「貴女は今回の襲撃の犯人についてご存じなのででしょうか?」
『それは束さんも現在進行形で調査中だよ、それだけ?じゃ、ばいばーい』
そう答えるとモニターがブツっと消えて静かになってしまった。
「相変わらず自由な人だな...すみません学園長、以上で大丈夫でしょうか?」
「はい、大丈夫です...それにしても本人から宣言があったとはいえにわかには信じられませんでしたが本当に武藤君は篠ノ之博士と知り合いなのですね」
「ええ、まあ昔から良くしてもらってます」
「では自分達はこれで失礼します、行くぞ武藤」
「分かりました、失礼します」
こうして束さんが出てきて一悶着あったものの学園長からの事情聴取は終わったのだった。
———————————————————————
---IS学園 学生寮 1035室
事情聴取が終わった後、生徒はそれぞれ自室で待機と言う指示が出ていたので俺は寮へと戻って来ていた。
「簪さんは大丈夫だった?」
「うん、私にも弐式が完成して正式に専用機持ちだったから他の生徒の安全を確保するように指示は貰ったけど無人機と戦うような事は無かったよ」
「それなら良かった」
俺が部屋に戻った時には既に簪さんが部屋にいたのでアリーナの外の様子などを簪さんに聞いたりして過ごしていた。
「海の方は?無人機は海が全部倒したんでしょ?」
「まあ最初は夢幻の重武装パッケージで先制出来たし、その後も一夏とラウラとシャルルさんの援護があったから苦戦はしなかったかな、一応こうして夢幻と蒼機兵のチェックはしてるけど」
「夢幻はともかく私の前で蒼機兵のデータなんて開いて良いの?私日本の代表候補生だけど...」
「簪さんの事信頼してるからね、今こうして話しててもこっそり写真に撮ったりしないでしょ?」
「海って偶にさらっと凄い事言うよね...」
「そんな凄い事言ったかな?」
「無自覚なんだ...」
簪さんと会話しながら夢幻とエクスエクシアをパソコンに接続してコンソールで情報を確認しているとおそらく無人機との戦闘中に新しく受信していたであろうデータをエクスエクシアの中に見つけた。
「なんだこれ...」
受信したデータを確認するとテキストデータの様だった、ウイルスの類も無く安全な事が確認出来たので開いて中身を見てみることにした。
<<
「ディバニテイター?なんだそれ...でもこのメッセージを送ってきたやつらが真の敵って事か...」
「海?どうしたの?突然黙り込んで」
「ああ、ごめん簪さん、なんでもないよ」
「そうなの?」
「うん、心配かけてごめんね」
「分かった、私に手伝えることがあったら言って」
「ありがとう、簪さん」
俺は簪さんと会話しながらまだ正体の分からない敵の事を考え続けていた...
-- ???
「万全な状態の彼なら既にGN-XⅡとドートレス・ネオでは相手にならないか...次はどうするか」
「次の臨海学校であの男の部下が仕掛けるみたいだからその時にまた様子を見ようよ兄さん」
「そうか...ならその時まで待つとしよう、彼のような選ばれし者を倒してこそ我々の存在が証明されるからな」
と言う訳で2回目の無人機襲撃の戦闘回でした。
どうしても主人公にトランザムを使わせてガンダムOOのBGMをバックに戦わせたかったので今回の様になりました。ガンダムを語るうえでBGMは外せませんよね!
それでは次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。
よければ評価や感想、誤字報告などいただけると励みになります。