今回からタイトルの付け方を少し変えていきます。今後も主人公の心境等に合わせて変化させていく予定なのでご了承ください。
今回を学年別トーナメント編の最後にして次回から臨海学校編に入る予定です。
俺はハッピーエンドが好きだが曇らせが無いとは言ってない(暗黒微笑)
それでは楽しんで頂ければ幸いです。
---IS学園 学生寮 廊下
自室で待機してきた俺だが夕方になると待機命令が解除されたので大浴場の使用について山田先生に聞いたところもう使えるとのことだったので俺はそのままの足で大浴場に向かっていた。もちろん一夏達には連絡済みだ。
「今日は疲れたしゆっくり浸かって疲れが取りたいっすね~っと」
おちゃらけた独り言を言っている内に大浴場に着いた。もちろん独り言は誰にも聞かれていない。
そのまま扉を開けると誰もいなかったので俺が一番乗りという事だ。
「一夏じゃねえけどやっぱ日本人なら湯船に浸からんとなぁ」
さっさと服を脱いで脱衣所から浴室に入る。あまりの大きさにぐるっと頭を動かして見渡してしまった。
「こりゃ大きいな!これだけの広さの風呂を独り占めはテンションが上がる!」
すっかり上がったテンションのまま俺は身体と頭を先に洗ってしっかりと汚れを落とし浴槽に浸かった。
「あ”あ”あ”あ”ぁぁ~...い”き”か”え”る”う”ぅぅぅ....」
肩までしっかりとお湯に浸かるとそれはもう疲れが溶けていくようで思わずおっさんのような声が出てしまった。やっぱり風呂最高!たまんねぇ!
俺がすっかり蕩けた顔で湯船に浸かっていると...
「やっぱり先に入ってたんだな、海」
浴室の扉を開ける音と一緒に一夏の声が聞こえた。
「お~う一夏、先に入ってるわ~、やっぱ風呂はいいぞ~」
「はははっ!なんだよ海だってめちゃくちゃ風呂楽しんでるじゃねぇか!」
「別に山田先生に言われた時も嫌いとは言ってなかったぞ~、ただ、久しぶりに入ってあまりの気持ちよさに完全に取り込まれただけだ~」
「海のそんなだらけ切った声初めて聞いたぜ?これは期待できそうだ」
俺と会話している内に一夏は身体を洗い終わって湯船に入って来た。
「おーっ!こりゃいいな!海の言う通りだ!」
「だろ?今まで入れなかったのが悔しく思えるレベルだわ...」
一夏は俺の向かい側に座るとテンションを上げながら楽しそうにしていた。
「ふぅ...海...話したいことがある」
「どうした急に?」
「真剣な事なんだ」
「そうか...分かった」
一息ついたところで一夏が真剣な表情で俺に話をしてきたので俺は体勢を直して向き合った。
「今日ラウラと戦ったりお前と無人機の戦闘を見て思ったんだ...俺はまだまだだって...このままだと何も守れないって」
「...」
「だから海...幼馴染としてのお前じゃなく...この世界で最もISを動かしている『蒼機兵』として俺を鍛えて欲しい!」
「成る程な...一つ聞いて良いか?一夏」
「お、おう...なんだ?海」
「お前は『何も守れない』って言ったけどその守りたいものってのは何なんだ?」
「それは......それは...」
「あー...大丈夫だ一夏、高1で即答出来るやつなんて普通はいねぇよ...だからそんな落ち込んだ顔すんな...」
俺だって根本は何かを守ろうとして戦ってる訳じゃないしな...
「でもそれが答えられないと鍛えてくれないんだろ...?」
「そうとは言ってねぇよ、ちゃんと鍛えてやる、その代わり...」
「その代わり?」
「どれだけ時間が掛かってもいい、絶対に自分の守りたいものを見つけて俺に教えてくれ、それが条件だ」
俺がそう言うと一夏は一度深呼吸すると俺の目を見ながら答えた
「分かった、絶対に見つけてみせる!俺の守りたいものを!だから俺を鍛えてくれ!海!」
「それで大丈夫だ、明日以降出来るタイミングでガンガン鍛えてやるからそのつもりでいてくれ」
「おう!」
俺は一夏を鍛える約束をした、俺と違って一夏は真っ直ぐだから直ぐに自分の守りたいものも見つかるだろうな...
「さて、今はゆっくり風呂を楽しもうぜ?一夏」
「そうだな!せっかくの機会だし」
話がひと段落着いたところでもう少し風呂を楽しもうと一夏を話をしたところで...
「お、お邪魔しまーす...」
浴室の扉を開ける音と一緒にシャルルさんの声が聞こえた...って...は?
「シャル!?今男子の時間だぞ!」
「だ、大丈夫!今僕は男子だから...」
「シャルルさん!?俺もいるんだけど!?」
「武藤君がいることも分かって来てるから...」
なんてこったい...山田先生から話を聞いた時に立てたフラグを思いっきり回収しちまったじゃねえか...
「いぃぃぃ今すぐ上がるから!」
「お、おい待てよ海!」
俺はトランザム発動時が如く目を閉じながら素早く浴槽から上がりさっさと大浴場を出ようとした...
「待って!」
出ようとした俺の腕をシャルルさんに捕まれた...あぁぁぁ!手が柔らかい近い目が開けれん!今までやること多くて全く意識してなかったから大丈夫だったけど俺前世から続いてまともに女子と触れ合ってないし当たり前に童貞なんだよ!
「さっき武藤君の所属してる月兎製作所がデュノア社を買収したってニュースが流れたよ...それから武藤君の所属してる月兎製作所からテストパイロットの案内も来たんだ...武藤君が手をまわしてくれたんだよね?」
「全部俺がやったわけじゃない...」
「それでも武藤君が動かしてくれたからだよ...本当にありがとう...」
「礼なら一夏に言ってやってくれ、俺が動いたのもアイツが切っ掛けだからさ...それと...これから同じ会社の所属になるから、よろしくたのむよ」
「うん!」
「じゃあ俺はこれで」
シャルルさんが手を放してくれたので俺は脱衣所に戻った。後は原作と同じようなやり取りを一夏とするだろう...
とにかくシャルルさんが離してくれて良かった...あのままだったら絶対キャラ崩れてただろうな...
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---IS学園 学生寮 屋上
「デュノア社の件はありがとうございました。それで...俺の身体を調べてたらしいですけどどうでした...?束さん」
大浴場から出た後、事情聴取の時に言っていた俺の身体の事を詳細に聞くため学生寮の屋上で俺は束さんと電話していた。
『分かった事については今日言った『ニュータイプ』『Xラウンダー』であること、『脳量子波』が出ている事、そして...』
「そして?」
『細胞異常はかーくんが怪我してから直ぐに全身に広まっていて少しずつ身体を蝕んでいる事...かーくんはこのままだとIS学園卒業ぐらいまでしか持たない事...あの赤いGN粒子を含む攻撃をまた食らったら更に悪化する事...』
聞くだけ聞くと束さんの言っていることは絶望でしかないが...まあ分かっていたことだ...束さんには申し訳ないけど...
『最後に...まだ治療法が見つからない事...』
「そうですか...まあ今すぐに症状が出る訳じゃ無さそうなんで引き続き誤魔化しながらやっていきますよ」
『かーくん!君はどうして...どうしてそんなに冷静なの!?このままだと死んじゃうんだよ!』
「束さん...俺は元々この世界の人間じゃないって前に言いましたよね?」
『う、うん、あの時に話してくれたね、それが?』
「あの無人機とか正体不明の敵とか俺の存在の所為で現れていると思うんですよ、だからそいつらを倒したら俺も死のうと思ってたんです、丁度良かったんですよ」
『...』
「その証拠に俺『ニュータイプ』と『Xラウンダー』の能力は高いですけど『脳量子波』は制御出来ないんですよ、自分の元の世界のアニメでは『脳量子波』を制御できる人間を『イノベイター』って言ってたんですけど俺はイノベイターにはなれない可能性が高そうです、そのイノベイターがアニメの中で細胞異常を治したんですけどね...あ、ちなみに『ニュータイプ』と『Xラウンダー』もアニメで存在してたんで元々束さんに教えるつもりだったんですけど自分で見つけちゃうなんて流石ですね!」
『...ない』
「束さん?」
『そんなの絶対許さないから!かーくんが自分で死のうとしても束さんがかーくんを絶対に死なせない!』
「束さん...でも俺はいわばイレギュラーなんですよ...」
『そんなの知らない!どんな敵が出てきたって私が倒す!かーくんがどんな病気になったって私が治すの!』
貴女はどうしてそこまで...ああ...そうゆう事ですか...気付くのが遅くてごめんなさい束さん...でもその想いには応えられませんよ...
「分かりました...でも俺以外の事もちゃんとやってくださいね?」
ごまかして悪いけどここではこう言うしかなさそうだ...
『かーくん...良かった...じゃあ束さんもやること多いからもう切るね!かーくんがそう言ってくれたから箒ちゃんの専用機作ったりしなきゃ!じゃあまた今度!ご飯楽しみにしてるよー』
「えっ!?ちょっ束さん!?最後にしれっと何を!?切れてる...」
結局箒は束さんに専用機を頼んだのか...今日の無人機襲撃で自分は一夏と並んで戦えなかったのが心残りだったとかそんな感じだろうな...
「はぁ...いったいどうなることやら...」
俺は自分一人しかいない屋上で大きな溜息を付きながら先の事を案じた。
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---IS学園 1年1組教室
昨日の無人機襲撃事件は一回目の時とは違い先に観客の避難が済んでいた為大事にはならなかった、タッグトーナメントは中止になってしまったがそれもアリーナ機器の重大なトラブル等によるものというアナウンスがされている。
「織斑君と付き合うチャンスが...」
「武藤君が離れていく...」
「デュノア君が遠い...」
例の噂がどうにもならなくなったクラスの女子達は項垂れているが...
そうこうしている内にチャイムが鳴ったがシャルルさんがまだ席にいなかった、まあ女子だったということをばらすのであろう、もう問題は解決したからな。
「み、みなさん、おはようございます...」
声に元気が無く、どこかふらふらとしている山田先生が教室に入って来た。
「ええと...今日は皆さんに転校生を紹介します。転校生というか既に紹介は済んでるというか...えっと...」
山田先生の訳の分からない説明にクラスがざわつき始めた。
俺は察しているのでまあ冷静だが...
「見てもらった方が早いですね...入って下さい」
「失礼します」
そう言って教室にシャルルさんが入って来た、女子の制服を着て
「理由があって男として過ごしていましたが、それが解決したので改めて自己紹介します。シャルロット・デュノアです、今は武藤君と同じ月兎製作所の企業代表になってます、皆さんよろしくお願いします」
そう言って一礼するシャルル...いやシャルロットさん。
クラス全員が時が止まったようにぽかんとして固まっていた。
「デュノア君はデュノアさんでした、ということです。はあぁ...私の睡眠時間が...」
大きな溜息をしている山田先生には同情するしかない、ほんとお疲れ様です...
「え?デュノア君が女...?」
「ワケガワカラナイヨ!?」
「ガッデム!?」
教室内が一気に騒がしくなった。まあそりゃそうだろなぁ...
「ちょっと待って!昨日って確か、男子が大浴場使ったよね!?」
「織斑くん同室だし、気付かなかったってことは無いわよね!?」
「まさか武藤君も!?」
誰かが発した一言によりピキッっと空気に亀裂が入ったような音が聞こえた気がする。
「殺気!?」
俺のニュータイプの感がひしひしと隣のクラスから発せられた殺気を伝えてくる。
「い~ちぃ~かぁ~!!!」
教室のドアが勢いよく開き俺が感じた殺気の正体が現れた。まあ分かり切っていたけどそれは鈴だった。ISを纏って双天牙月を構え一夏を睨みつけている。
「何か言い残すことはあるかしら?」
『甲龍』の衝撃砲が発射準備完了なのか空間が歪んでいる。
「ま、待ってくれ鈴!話せば!話せば分かる!シャルロットさんとは何もないって!」
「そ、そうだよ鳳さん落ち着いて!」
「なんであんたが庇うのよシャルル...いやシャルロット!庇うって事はほんとに何もなかったの!?こいつのラッキースケベに巻き込まれなかったの!?」
一夏を庇ったシャルロットさんに対して鈴はそんな質問を興奮交じりに投げかける。
「...」
鈴の質問にシャルロットは顔を赤くしながら沈黙した。まあそうよな...一夏ラッキースケベでシャルロットさんの裸見てるし...
「...一夏のえっち」
「シャルぅぅぅ!なんでそれを今言うんだよぉぉぉ!」
頼みの綱のシャルロットさんに裏切られて叫ぶ一夏、あと殺気がもう一つ増えた...さよなら一夏...いいやつだったよ...
「よし殺す」
鈴が双天牙月を構えて一夏に近づいていく、シャルロットさんはもう鈴に道を譲っていた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
一夏は教室から何とか逃げようとするが進行方向を青い何かが立ち塞がる。
「あら?一夏さん。どこへ行かれるのですか?私、少し一夏さんにお聞きしたいことがありますのに...」
今までで一番稼働率高いんじゃないかと思わせるレベルでBT兵器を動かしているISを纏ったセシリアさんがこれまたゆっくりと一夏に近づいていく。
「あ、そっかぁ...」
「な、なにが『そっかぁ』なの武藤君!?」
この後庇ってくれるラウラが既に諸々の事件を解決させて、俺達と一緒に教室の隅に避難している事を考えると誰が代わりに一夏を庇うのだろうかと少し考えて...自分しかいないと思い立った末に口からポロっと出た言葉なのだが、近くにいた女子が必死の形相で俺に問いかけてきた。
「とりあえず、織斑先生呼んできて」
「りょ、了解!」
俺がそういうと丁度扉に一番近かった相川さんが教室を飛び出して行った。
「あとは頑張れ一夏...」
織斑先生がくればまあ解決するだろうって感じで俺は一夏に声をかけた。
「無茶言うなよ海!どうすりゃいいんだ!」
ちなみに織斑先生の名を聞いてセシリアさんは踏みとどまったようだが...
「千冬さんか...じゃあさっさとしないと...」
鈴には逆効果だったようだ、既に双天牙月を振りかぶっている。
「箒ぃ!海ぃ!助けてくれぇ!」
「断る」
箒は即答である、俺はISを展開して千冬さんに怒られるのが嫌なので一応どうするか考えている。庇ってやるのは確定だろうけど...
「せめてもの情けよ、苦しまずに逝けるよう1発で仕留めてあげる」
鈴は振りかぶった双天牙月を振り下ろそうとしているので思いついた事をとりあえず実行する。
「そぉい!」
俺は近くにあった椅子を持ち上げてから鈴に向かってぶん投げた。飛んで行った椅子は鈴の手に直撃してガンッと鈍い音を立てて...
「...あれ?」
「へ?」
一夏と鈴の間の抜けた声が聞こえた。俺の投げた椅子によって鈴の狙いがずれて一夏の頭の横10cmの壁に双天牙月が刺さっていた。
「お...おぉぉぉ...」
俺が椅子を投げて鈴を妨害出来たことに一部の女子がパチパチと混乱したまま賞賛の拍手をしていた。
「さ、サンキュー海...助かった...」
「なんであんたが邪魔するのよ海!」
「いや...ISの無断展開ダメだし...普通に一夏死にそうだったし...」
「こんな時に変に真面目ね!」
いや、あれマジで普通に一夏死んでたろ...ここまで話が変わってもこういう部分は原作と変わらないのな...
「お前達何をしている!」
俺と鈴が話している内に相川さんに連れられて織斑先生が教室にやって来た。
「ISの無断展開は厳禁だぞ!そんなことも分からないのか!」
その後は織斑先生の一喝によりなんとか騒動は収まった。鈴やセシリアさんは織斑先生に引きずられて行った。
昼食の時に親の仇でも見るような目で睨まれたが知った事ではない。
「今日もIS学園は平和です...」
襲撃事件はあったがこうやって馬鹿が出来てる間は平和だとしみじみ俺は感じた...
---秘密ラボ内
「かーくんのトンデモ発言については言質取ったし今は愛しの箒ちゃんの為に頑張りますかね!」
「束様、手が震えていますが私の方で海様の観察もとい監視は続けておきましょうか?」
「クーちゃぁぁぁん(泣)おねがぁぁぁい(泣)」
「この分では海さまからお願いされたデュノア社の管理等も私がしばらくやった方が良さそうですね...」
自分に縋り付いて泣きじゃくっている恩人を見てクロエはそう思った...
と言う訳で学年別トーナメント後の男同士の裸の付き合い(混浴イベント巻き込まれ)+
覚悟ガンギマリオリ主の束さん曇らせフラグでした。
これからオリ主は一体何人曇らせるのか...
それでは次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。
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