脳内妄想無双は好きだが実現するのは違うと思う   作:大鷹とび

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いつも見てくださってありがとうございます。大鷹とびです。

今回は臨海学校前の簪との一幕です。楽しんで頂ければ幸いです。


31話 友達かそれ以上か

---IS学園 第2アリーナ

 

「あ」

 

「海?急にどうしたの?」

 

「ん?ああ、簪さん...いや臨海学校が近いけど水着とか俺持ってないなって」

 

「そうなんだ...あ、私も水着持ってない...」

 

現在俺はアリーナでいつもの専用機持ちメンバーに簪さんを加えた面子で操縦訓練をしていた。ちなみに今は交代で俺と簪さんは休んでいて、アリーナではでセシリアさんとシャルロットさん、ラウラと一夏、鈴と箒がそれぞれ戦っている。

簪さんと箒達の顔合わせは気付いたら終わっていて何故かすんなりと受け入れられていた。

一夏とはまだ少し距離があるがそれ以外のメンバーとは割と話しているのを見かける。

 

「どうするかなぁ...」

 

「私は水着とかいいかな...」

 

「そうなの?せっかくだから着たらいいのに?」

 

「海は私の水着見たい...?」

 

「そ、そう聞かれると返答に困るけど正直に言うと見たい...かな?」

 

「そうなんだ...分かった...」

 

「え?な、なにが?」

 

「海はこの前公開したあの仮面ライダーの10周年記念の完結編の映画は見た?」

 

む、無視...いや、観に行きたいけど中々忙しくて行けなくてね...でも明日は丁度行けそうだから観に行こうかと」

 

「私も一緒に行っていい?その映画私も観てなくて...」

 

「あ、そうだったんだ!簪さんさえ大丈夫なら構わないよ!じゃあ今のうちにチケット取っちゃおう、あの映画人気だから早めに取らないと」

 

俺はオタク仲間とあのライダーの完結編を見れるという事に喜びつつ、スマホを夢幻の拡張領域から取り出し、近くの映画館を検索して11時から上映でど真ん中の一番いい席が空いていたので速攻で押さえる。

 

「レゾナンスの中にある映画館で11時からの上映分をど真ん中の一番いい席で確保できたよ!」

 

「じゃあ明日の9時に駅でいい?」

 

「簪さんに合わせるよ」

 

「それじゃあ明日の9時に駅で」

 

「うん、分かった」

 

そうしてお互いの予定を確認した後、次に休憩するメンバーのセシリアさんとシャルロットさんが戻って来たので俺と簪さんはISを纏ってアリーナに飛び出した。

 

「...あれ?これってデートになる?」

 

アリーナに残っていた一夏と模擬戦をしている最中にそんなことが頭をよぎって、一瞬隙になり、一夏が瞬時加速で一気に近づいてきたが攻撃の意識が相も変わらず隠せていないので、攻撃の軌道を読んでちょっと引いて躱してからショットガンを撃ったら吹っ飛んで悔しそうに唸っていた。

 

「異性と二人で映画鑑賞ってやっぱそうゆうことだよな...」

 

流石に今回は思考を振り払うことが出来ず、俺は残りの時間全部をもやもやした気持ちで過ごすことになったのだった。

 

———————————————————————

 

---モノレール駅 IS学園前

 

結局一度意識しだすとどうしようもなく、眠れなかったので簪さんを起こさない様に注意しながら夢幻とエクスエクシアのデータ整理で一夜を過ごし、シャワーを浴びてから身だしなみを整えて俺は早めにモノレール駅に着いていた。

 

「今は8時半か...少し早すぎたかな...」

 

腕時計を見て時間を確認すると予定よりも40分早かったので俺は携帯を取り出しニュースを見ていた。10分経つか経たないかぐらいすると学園の方からこちらに向かってくる人影が視界に入った。

 

「早いんだね...海」

 

「簪さんだって早いよ、俺だってついさっき来たばっかりだ」

 

それは簪さんだった、確かに真面目な簪さんなら予定の30分前に来ていておかしくないと思ったがまさかほぼ同じタイミングで合流するとは思っていなかったので思わず少し笑ってしまった。

 

「どうしたの?笑ってなんているけど」

 

「いや、おんなじこと考えて駅にくるタイミングまでほぼ同じだったから少しおかしくてね」

 

「そう言われれば確かに」

 

「まあいいや、もう合流出来たことだしレゾナンスに行こうか」

 

「うん」

 

そう言って俺と簪さんはホームに入った。

 

「あ、簪さん」

 

「ん...何?」

 

「服、似合ってるよ」

 

今の簪さんの服装は赤いスカートに白のカーディガン、スカートに合わせた赤いベレー帽を被っていた。簪さんの雰囲気とマッチしていて正直とても似合ってるしかわいい。

 

「っ...//ありがとう」

 

似合っている事を俺が言うと簪さんは顔を赤くしながら下を向いてお礼を言ってきた。そんな仕草もかわいい。

 

「でも...俺は...」

 

「海?何か言った?」

 

「いや、なんでもないよ簪さん、モノレール来たし、乗ろうか」

 

「うん」

 

いけない...俺は全部片付けたら死ぬんだから...こんな気持ちを持ったら...死にたくなるだけだ...大体...束さんと簪さんの二人にこんな気持ちを抱いてる時点で俺は最低の男なんだ...こんな気持ちは押し殺して...『敵』を倒すことをメインに考えないと...

 

———————————————————————

 

---レゾナンス ショッピングモール

 

「いやぁ...ほんと...いやぁ...しんどい...」

 

「理解は出来る...出来るけど...あんなのってないよっ...」

 

今、俺と簪さんは映画を観終わってレゾナンスの中のカフェで見てきた映画のラストがあまりにも衝撃的で心中穏やかでない状態を落ち着かせるために休憩していた。

 

「しんどいしか言えない...」

 

「私本当にあのライダー好きだったのに...」

 

はたから見れば二人の男女が表情をころころ変えながらため息を吐き続けている異様な光景に見えるのだろうが、生憎俺達に周りの目を気にする余裕は無い...俺ですらこのダメージなのだからハッピーエンドが好きな簪さんにはかなりのダメージだろう...

 

「「はぁ...」」

 

かれこれ30分はこのままなのだから俺達二人の精神的ダメージに関しては察して欲しい...でもそろそろ切り替えないと余計に傷つきそうだ...

 

「簪さん...」

 

「何...?」

 

「気持ち切り替える為にウィンドウショッピングでもしてどこかでご飯食べない?このままだと余計に傷つきそうだ...」

 

「そう...だね...私もそろそろ出た方が良いかなって思ってた...」

 

「じゃあ出よっか...」

 

俺と簪さんは立ち上がりカフェを後にした。未だに足取りは重いがいつまでもいる訳にもいかない。歩きながら簪さんに話しかける。

 

「ウィンドウショッピングでもとは言ったけど簪さん何か買い物はある?あるならそっちを優先するよ?」

 

「あ...なら丁度いいから臨海学校用の水着を...」

 

「あれ?簪さん別に要らないって言ってなかったっけ?」

 

「せっかくレゾナンスに来たからついでに買えるならその方が良いと思って」

 

「それもそうか、じゃあ水着売り場に行こう」

 

「うん...!」

 

簪さんの言う通りついでに買えるなら買っちゃった方がいいな...このご時世だから男物の水着が見つかればいいけど...

 

そう思いながら俺は簪さんとレゾナンスの水着売り場に向かった。

 

 

「ここか...とりあえず俺は男物の水着を探しに行くけど簪さんはどうする?」

 

「私も探しに行く...でも海の意見も聞きたいからある程度絞ったら連絡するね」

 

「俺の意見が役に立つとは思えないけど...分かった、じゃあまた後で」

 

簪さんと別れて俺は男物の水着売り場を探して店の奥の方へ進んだ。

 

「やっと見つけた...やっぱり中々無いもんだな...」

 

何分か歩きまわってやっと男物の水着の棚の前に到着したので少ない種類の中から自分好みのものを選んで手に取る。

 

「これにするか...まあ黒なら無難だろう、とゆうか他のがブーメランパンツと派手な色しかないから実質これともう一つの白いやつしか選択肢が無い...」

 

そうして自分の水着を選んで会計に持っていこうとした時に声が聞こえた。

 

「そこの貴方」

 

「?」

 

振り返るといかにもな化粧をした女性が立っていた。明らかにこちらを見下しているような表情で。

 

「そこの水着、片付けておいて」

 

女性が指さした先には大量の水着が山の様に置かれていた。

 

「(典型的な女尊男卑に染まった人間か...怠いな...)」

 

俺は無視して会計に行こうとする。

 

「ちょっと!貴方に言ってるのよ!あの水着片付けなさい!」

 

俺が無視して歩いて行こうとするとその女に肩を掴まれてキーキーと喚き始める。

 

「自分で出したものぐらい自分で片付けるべきでしょう?そんな事も出来ないんですか?」

 

「男のくせにうるさいわね!さっさとやりなさいよ、警備員呼ぶわよ!?」

 

「はぁ...脅したくは無いですけど...やめた方が良いと思いますよ?俺の事を知らないならそれはそれで別の手段はありますけど...」

 

俺はそう言って変装の為にサングラスになるようにレンズの色を変えていた夢幻の待機形態を外す。

 

「あ、貴方は...武藤海!?二人目の男性操縦者の!?」

 

「知っているなら分かりますよね?俺自身貴女をどうするつもりもありませんけど...」

 

俺がそういうと女は一気に血相を変えて離れていった。

 

「結局逃げるならISパイロットでもない癖に偉そうにすんなよ...はぁ...」

 

溜息を付きながら改めて会計に水着を持って行き購入した。丁度水着を買い終わったタイミングで簪さんからのメッセージが届いた。

 

『幾つか選んだから海の意見が聞きたい』

 

「成る程ね、『了解、そっちに向かうね』っと」

 

俺は簪さんからのメッセージに返信した後にそのまま簪さんの所に向かった。近い所にいたので直ぐに合流することが出来た。

 

「簪さんお待たせ」

 

「ん、大丈夫...とりあえず2つまでしぼったから海の意見が欲しい...」

 

そう言って簪さんが俺に見せてきたのは、オレンジのワンピースタイプ、レースの付いた黒いビキニタイプの水着だった。

 

「うーん、簪さんにはどっちも似合ってると思うけど、俺は簪さんの綺麗な白い肌が映える黒いビキニタイプの方がより似合ってると思うよ?」

 

「分かった...じゃあこっちにする...」

 

俺が答えると簪さんは速攻で黒いビキニタイプの水着を持って会計に行った。

 

「即決だったな...」

 

あっという間に簪さんが決めたことに驚きつつとりあえず簪さんが戻ってくるのを待っていると...

 

「あれ?海?お前も来てたのか!」

 

後ろから聞き慣れた声が聞こえ振り向くと一夏とシャルロットさん、そして何故か千冬さんもいた。

 

「簪さんと映画を観に来たついでに...でも一夏とシャルロットさんは分かるとしてどうして千冬さんも?」

 

「私も水着を持っていなかったから買いに来たんだが、そうしたら偶々こいつらを見つけてな、丁度いいから一夏に水着を選んでもらって買った所だ」

 

「成る程、そうゆうことでしたか」

 

「海、お前こそどうしたんだ?更識簪と映画観に来たついでと言っていたが...」

 

「言ったとおりですけど...何か変な事言いましたかね?簪さんと一緒に仮面ライダーの映画を観に来ただけですけど...簪さんとは趣味が一致しているのでよく会話もしますし、ルームメイトでもありますから」

 

「成る程な...悪いな呼び止めたりして...これは話をするメンバーが増えたな...

 

「?まあ、自分も簪さんを待っているところでしたので大丈夫ですよ、ほら、噂をすれば」

 

丁度いいタイミングで簪さんが会計を終えてこちらにやってきた。俺が誰かと話しているのを見つけて不思議そうな顔をしている。

 

「お待たせ、海、誰と話して...って織斑君...と織斑先生!?あ、あとデュノアさんも...」

 

「すまんな更識、海を見つけてつい話込んでしまった」

 

「い、いえ大丈夫です...」

 

「私はこれで帰るとしよう、あとは学生で楽しんでくれ」

 

「分かりました」

 

「もう帰るのか?千冬姉」

 

「ああ、一夏、お前ももう少し気を配れよ、色々とな」

 

千冬さんは一夏にそう釘をさして歩いて行ってしまった。

 

「俺達は後ご飯でも食べてって思ってたんだけど海達はどうするんだ?」

 

「ん?まあ同じくって感じだな...」

 

「じゃあ俺達と一緒に食べに行かないか?と言ってもこの辺の店が全部満員だったから弾の所に行こうと思ってるんだけど...どうだ?」

 

「そうだなぁ...簪さんが大丈夫ならって所だな」

 

「ん...私はそれで大丈夫...」

 

「じゃあ決まりだな!久しぶりに行こうぜ!」

 

「そうだなぁ、IS学園に入学してから行ってないしな」

 

俺は一夏の言葉に返事をしながら簪さんにプライベートチャネルを繋いだ。

 

『簪さん本当に大丈夫?無理してるなら今からでも断れるけど...』

 

『大丈夫...いつまでもうじうじしてる訳にもいかないし...』

 

『分かった、まあ一夏がまた空気読めなかったら俺が何とかするから』

 

『うん...ありがとう』

 

簪さんの意思を改めて確認してプライベートチャネルを切ると一夏が話し掛けてくる。

 

「おーい、早く行こうぜ」

 

「分かってるって」

 

俺と簪さんは一夏を追いかけるように歩いて行った。

 

———————————————————————

 

---五反田食堂

 

「こんちはー!」

 

「厳さんお久しぶりです」

 

「あっ!?一夏と海!?」

 

「こ、こんにちはー」

 

「こんにちは...」

 

五反田食堂に一夏に続いて入っていくと弾が驚いていた。まあIS学園に入ってからは俺達の情報はほとんど一般の人には分からない様になっているから急にきたらそりゃびっくりするだろうな...

 

「久しぶりだな、弾、飯食いに来たぞ」

 

「久しぶりなのに相変わらず海は冷静と言うかマイペースというか...」

 

「そういうなよ弾、俺も海も大変だったんだぞ?」

 

「分かった分かった、所で後ろにいる娘達は?」

 

「ん?ああ、同級生だよ、買い物した帰りに海達に偶々会ってせっかくだからって事で一緒に飯食いに来たんだ」

 

「成る程な、じゃあそこのテーブル席に座ってくれ」

 

「分かった、あ、俺はいつもの油淋鶏定食大盛りな」

 

俺は椅子に座りながら弾に昔からいつも頼んでいた定食を注文する。

 

「海はほんと好きだよなそれ、あ、俺はかぼちゃの煮物定食で」

 

一夏も座りながら弾に注文する。

 

「あ、えっと僕達は何にしたらいいかな...」

 

「ここのおすすめは業火野菜炒め定食かな結構おいしいと思うよ」

 

「じゃあ僕はそれで」

 

「私も...」

 

シャルロットさんと簪さんはそれぞれ一夏と俺の隣に座ってから俺に勧められた業火野菜炒め定食を注文した。

 

「了解!じゃあ出来るまで待っててくれ!じいちゃん!注文入ったぞー!」

 

「おう!早く伝票もってこい!」

 

奥から弾の祖父である厳さんの声が聞こえて弾は奥に引っ込んでいった。入れ替わりで弾の妹の蘭がお冷を持って出てきたのだが...

 

「えっ!?一夏さんと海さん!?」

 

俺と一夏を見て相当に驚いていた。まあ蘭ちゃんは一夏の事が好きなのは一夏以外分かってるし、IS学園に行ってほぼ会えなくなったと思っていた想い人が急に来たらびっくりするわな、ちなみに俺は蘭ちゃんの相談によく乗っていたりする。

蘭ちゃんはお冷を俺達の前に置いた後で直ぐに奥の方へ引っ込んでいった、多分弾に一夏が来ているなら言ってくれと文句を言いに行ったんだろうなぁ...

 

「なんだか賑やかなところだね」

 

「ん?ああ、そうだろ?俺と海は良く食べさせてもらってたし沢山遊びにも来てたしな」

 

「ここが海の思い出の一つ...」

 

「まあ幼馴染で悪友の店だからね」

 

一夏はシャルロットさんと俺は簪さんとそれぞれ話していると着替えておめかしした蘭ちゃんが定食を運んできてくれた。

 

「油淋鶏定食大盛りとかぼちゃの煮物定食、業火野菜炒め定食2つです」

 

「お!ありがとう!あれ?着替えのか蘭ちゃん?」

 

「あ、はい!お久しぶりです一夏さん」

 

「元気そうでよかったよ」

 

「一夏さんもお元気そうで何よりです」

 

一夏と話している時の蘭ちゃんの表情が完全に恋する乙女だ...そしてシャルロットさんが明らかに警戒している...

 

「関わらんとこ...いただきまーす」

 

俺は自分の前に置かれた油淋鶏を食べ始める

 

「うん!美味い!」

 

「これ...美味しい...!」

 

俺の横で簪さんが業火野菜炒めを食べて驚いていた。

 

「口に合ったみたいなら良かったよ」

 

「うん、今日は楽しかった...また...機会が会ったら一緒に出掛けたい...」

 

「そうだね、機会があればまた映画とか観に行きたいね」

 

俺が簪さんと会話しているとそれはそれでシャルロットさんの何とも言えない視線を感じたが反応しないことにした。

 

 

その後、弾と厳さんのいつもの喧嘩のようなやりとりがあったり蘭ちゃんがらみで色々とあったがまあいい思い出という事で...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---IS学園 学生寮 1035室

 

「今日は楽しかったね」

 

「うん...映画も内容はともかく観れて良かったし...」

 

「次は臨海学校があるから分からないけどまた行きたいね」

 

「うん...!」

 

「臨海学校か...覚悟決めないとな」

 

「海?どうしたの?」

 

「なんでもないよ簪さん」

 

軍用ISの暴走事件...どうなることやら...




と言う訳で簪とのデート回でした、意外とムッツリだなこのオリ主...

でも死ぬ気なので誰かの好意に答える気は無いみたいです...

それでは次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。
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