最近筆が乗ったので投稿を再開したいと思います。
楽しんでいただければ幸いです。
「俺がいた世界では...この世界もアニメや小説の世界でした、『インフィニット・ストラトス』という名前の...」
俺の言葉に束さんと千冬さんは信じられないといった表情をしていた。
「い、いくら何でも冗談が過ぎるよかーくん、そんな事あり得るわけ...」
「信じられないかもしれませんが事実なんです、もちろん俺が元居た世界での『インフィニット・ストラトス』とこの世界はかなりかけ離れ始めていますけどね...それでも今のところ大筋は一緒でした」
「だ、だが...証拠は無いだろう?証明は出来るのか...?」
「物的な証拠は確かにありません、でも俺はこれから何が起こるのか、そして今までもどのタイミングでどんなことが起こるのか、会ってきた人物は何者なのかほぼ全て分かっていました」
「な...」
「例えば...一夏と千冬さん、貴女達の出生に関しても分かっています」
「っ!?」
「それは全世界で束さんとちーちゃんしか知らない筈の秘密なのに!?」
俺が出生の秘密を知っていると言うと千冬さんの顔から血の気が引いて真っ青になった。まあそれも無理は無いだろう。
「第2回モンド・グロッソの時に俺と一夏を攫った奴らの大元の組織も分かってます、もちろんその組織の主戦力がどんな人間か、どんなISを使っているかも全て」
「うそ...」
「ここまで話したらお二人なら理解できると思います、俺がこの世界にとってどれほどのイレギュラーなのか...」
「「...」」
二人とも理解は出来たが認めたくないといった様子で俯いている。
「だから俺は俺のせいで発生したこの世界のイレギュラー...さっき情報を出したあいつらを全部消して...俺も消えます」
「そこまでしなくてもいいじゃん!元々かーくんのいた世界とは変わり始めてるんでしょ!?ならもうこの世界はかーくんを認めてるんだよ!やばいやつらだけ消してかーくんは今まで通り束さんと宇宙を目指そうよ!」
「束さんにそう言ってもらえて本当に嬉しいです...でも俺にはもう時間がありませんから...ユメ、頼む」
『いいの?見せても』
「遅かれ早かれこの二人にはすぐにばれることさ、束さんはもう半分把握してるしな」
『分かった...』
ユメに頼んで俺自身の身体データ、そしてGN粒子の毒素の浸食具合を示すデータを表示してもらう。そこには俺の身体は既に手遅れなレベルまで毒素に浸食されていることが表されていた。
「これは...こんな...」
「前の無人機襲撃の段階では数年は持つ状態でしたが、今日の戦闘でまた赤いGN粒子の攻撃を受けてしまいました...しかも胸のど真ん中に...俺はもう1年も持たずに死にます...」
「っ...武藤、いや...海...お前は...」
「束さん、千冬さん...今の世界は楽しいですか?」
俺は原作で束さんが千冬さんにこの場面で投げかけた質問を二人にぶつける。
「何故そんなことを...」
「かーくん...」
「俺はいたって真剣ですよ」
二人の事を真っ直ぐ見つめながら俺は答えを待つ。
「今の世界は...それなりに楽しめている、お前達のおかげでな...」
「束さんは...楽しいよ、かーくんのおかげでね...」
「そうですか...それなら、俺もこの世界に生まれた甲斐がありました...」
原作では束さんはこの世界がつまらないと千冬さんに答え後々とんでもないことを起こしていたから俺のおかげで束さんがこの世界に意味を見出してくれているならそれだけでも俺がいた意味はあっただろうと思う。
「そんな遺言みたいなこと言わないでよ!まだまだかーくんと一緒にやりたいこと沢山あるのに!」
「ありがとうございます束さん、俺みたいな人間に好意を持ってくれて...」
「っ...」
「武藤...お前気付いてたのか...」
「ええ...束さんの気持ちも、簪さんの気持ちも...でも死ななきゃいけない人間と一緒になっちゃいけないんです、二人とも...」
「かーくんのバカっ!もう知らないっ!」
束さんは俺の言葉を聞いた直後に目尻に涙を浮かべながら走り去ってしまった。
「束っ!行ってしまった...」
「今日はこれで解散にしましょう千冬さん、約束通り俺の転生のことと俺が1年も持たないこと誰にも話さないでくださいね」
「海...」
俺は千冬さんの返事を待たずに旅館の方に戻った。
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翌朝。朝食を終えて、すぐにIS及び専用装備の撤収作業に当たる。
そうこうして10時を過ぎたところで作業は終了し、全員がクラス別のバスに乗り込む。昼食は、帰り道のサービスエリアで取るとのことらしい。
「あ~...」
座席にかけた一夏がゾンビのような呻き声を上げる。しかも、その様相は明らかにゲッソリしていた。
どうしてそうなっているのかは分からないが、俺が束さんと千冬さん話している間に一夏達にもなにかあったらしいことだけは分かった。
「一夏、なんでそんなに疲れてるんだ?」
「まあ、色々あって...」
「そうか...」
まあ一夏も一夏で大変なのだろうと思って気にしないことにする。
「スマン...誰か、飲み物持ってないか...?」
一夏が飲み物を求めて声をあげると箒、セシリアさん、ラウラ、シャルロットさんがぴくっと反応する。
「しんどいなぁ...」
「「「「い、一夏っ(嫁よっ)」」」」
「んぁ?」
4人同時に立ち上がり、声に呼ばれた一夏が振り向く。それと同じタイミングで、車内に1人の女性が入ってきた。
「ねえ、織斑 一夏くんと武藤 海くんはいるかしら?」
「あ、はい。俺が織斑 一夏ですけど」
「武藤 海は俺です」
名前を呼ばれたので俺と一夏は素直に返事を返した。
その女性は、恐らく20代前半、少なくとも俺達よりは確実に年上で、鮮やかな金髪が夏の日差しを浴びて眩しく輝いている。
「君達が...へぇ」
女性はそういうと俺達の事を興味深そうに眺めてくる。
「あ、あの、あなたは...?」
「私はナターシャ・ファイルス。『
「え――!?」
予想外の言葉に困惑している一夏の頬に、いきなりファイルスさんの唇が触れた。
「チュッ...。これはお礼。『あの子』を止めてくれてありがとう、白いナイトさん」
「は?え、あ、う...?」
目を白黒させている一夏から顔を離したファイルスさんは、次に俺へと視線を向けてくる。未だに混乱している一夏に対して俺はいたって冷静だと思う。
「あの『蒼機兵』にも会えるなんて光栄だわ、貴方も助けてくれてありがとうね、キスは...止めておきましょう、私は消し炭になりたくはないもの」
そういってファイルズさんは俺に右手を差し出してきたので俺はその手を握り返す。
「貴方のようにISを相棒や大切な存在だと思ってくれる人が増えてくれればもう少し世界は平和なんですけどね...まあ消し炭にはさせませんから安心してください」
「それを聞いて安心したわ、機会があればアメリカにも是非来てね!じゃあ、またね。バーイ」
「「は、はぁ...」」
ヒラヒラと手を振ってバスから降りるファイルスさんを、俺達は手を振り返して見送る。
ゾワッ!
濃厚な殺気を感じて振り向くと...
「浮気者め」
「一夏ってモテるねえ」
「本当に、行く先々で幸せいっぱいのようですわね」
「夫の目の前で堂々と浮気か」
顔は笑ってるのに、目がまったく笑っていない。あぁ...ご愁傷様だ一夏...
「「「「はい、どうぞ!」」」」
「ぶへぁっ!?」
投げつけられた500ミリリットルのペットボトル×4本が直撃し、一夏が俺の足元に倒れる。
その一連の流れがニュータイプの能力なのかスローモーションに見えた。
「南無三...」
「なーむー」
俺といつの間にか俺の隣にいた本音さんは一夏に向けて合掌したのだった。
-- ???
「すまねぇな大将、しくじっちまった...」
「いや、当初の目的は達成されたよ、それどころかいいものを見せてもらったからね、報酬も上乗せしておこう」
「そいつはありがてぇ」
「ふん、次は我々の自由にさせてもらうぞ」
「好きにしたらいい、僕達の目標は同じなんだからね」
「では、そうさせてもらおう...さて貴様はどうする?武藤海...」
今回はオリ主の転生の秘密告白回でした。
余命1年未満覚悟ガンギマリオリ主はどうなることやら...
それでは次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。
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