今回は学園祭襲撃事件の話となっています。
タイトルで分かる人は分かるかも...
それでは楽しんでいただければ幸いです。
楯無先輩の放送という名の一夏の悲劇の始まりから少し時間が経った後、俺と簪さんは相変わらず空き教室で駄弁りながら休憩していた。
「しっかしまあ、一夏もよく後ろから刺されないよなぁ...」
「むしろここまで無事に成長できたことが奇跡だと思う...」
「それは俺と弾の血と汗と涙の元成り立ってる平和があったからなぁ...」
「苦労してたんだね...」
一夏の女難を話のタネに簪さんと談話を続けていると...
ウーーー! ウーーー!
IS学園全体にサイレンが鳴り響いて警告を示す赤いホロウィンドウがそこかしこに出て火災と表示される。
「なっ...何!?」
『ただいまロッカールームにて火事が発生しました。お客様はホログラムガイド及び教職員の指示に従って避難をお願いします。繰り返します...』
「ロッカールームで火事なんて...あ、そっかぁ...」
「ど、どうしたの海?」
「いや、何でもな...『全員、聞こえているか?』通信?織斑先生か!」
簪さんに聞かれて誤魔化そうとしたタイミングで織斑先生から通信が入る。
『時間がないから手短に伝えるぞ。今発している火災警報はダミーだ。現在第4アリーナのロッカールームで未確認のISと織斑が交戦している』
「テロリスト...だよなぁ...」
「全員、即時ISを展開!状況に備えろ!」
「了解です」
織斑先生の指令と同時に俺はダブルオ―ガンライザーをを展開。
簪さんも同様に打鉄弐式を展開した。
ハイパーセンサーに反応があることから他の専用機持ちの皆も同様にISを展開したようだ。
「篠ノ之、オルコット、凰は哨戒につけ! デュノア、ボーデヴィッヒ、更識妹は学園内を警戒。来場客と一般生徒の避難をフォローしろ!武藤は織斑の援護に向かえ!まあ既に応援は向かわせているが念の為だ」
「了解!ダブルオーガンライザー目標に飛翔する!簪さんまた後で!」
「うん!海も気を付けて!」
俺達はそのままそれぞれ目標へと向かうために教室を飛び出していった。
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一夏の援護の為に第4アリーナのロッカールームへ向かっている途中、白式の反応が消えたと思えば、その近くに別のIS反応が現れた。
「この反応は...楯無先輩の
ハイパーセンサーからの情報と自分の知識を照らし合わせて状況を整理する。
「この分なら俺の出る幕は無いかな...」
ロッカールームまでの距離と現在の状況から俺が着くぐらいで戦いは終わっているだろうと予測する。
「言ってる間に白式の反応確認...そしてロッカールームで大きな爆発を確認...」
『こちら生徒会長よ、一夏くんの救援に成功したわ、でもテロリストは逃亡中よ!見つけ次第捕らえて!』
『こちらボーデヴィッヒ、逃亡中のテロリストを発見、現在AICにて拘束中』
『よくやったわラウラちゃん!そのまま押さえてて頂戴!』
逃げたテロリスト...まあ十中八九亡国機業のオータムだろうが、ラウラに捕らえられたようだ。
『皆さん、聞こえますか!誰か応答を!』
『セシリア?どうした?』
オープン・チャネルから聞こえてきたセシリアさんの焦るような声にラウラが返答する。
『所属不明の一機を逃しました!間も無く学園に到着する頃かと』
『なんだ...』
ラウラが確認しようとした瞬間にバチィとオープン・チャネル越しでラウラが何かに撃たれた音が聞こえた。
ハイパーセンサーで確認すれば現時点で1番ラウラと近い位置にいるのは俺だった、既に所属不明機が目を凝らせば肉眼で見える位置にいる。
「そうは問屋が卸しませんよ亡国機業さんや...」
ダブルオーガンライザーのサイドバインダーを後ろに向け、爆発的な加速力で一気に距離を詰める。
グングンと距離を詰めていく途中で見えたのはこの十数秒でボロボロになったラウラにレーザーが向かっていく光景だった。
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「ぐっ!」
「これで終わりだ」
ハイパーセンサーでラウラと侵入者の会話も直接拾える距離になったところで俺はFXバーストを使用しGNフィールドを展開しながらラウラとレーザーの間に一気に割り込む。
GNフィールドにレーザーが当たり甲高い音を立てながら掻き消えた。
「何ッ!?」
「お兄様!?」
「随分好き勝手やってるな亡国機業のMさんよ」
「貴様...蒼機兵...武藤 海か、何故私の事を知っている」
FXバーストを解除し、GNソードⅡの切っ先を向けながらあえてここでは俺が知りえない筈の情報を握っている事を漏らして注意を引き付ける。
「さあ?どうしてだろうな?聞きたきゃ後でゆっくり話してやるよ、お前を捕まえた後でな、そのサイレント・ゼフィルスもイギリスに返してやんな」
「ほざけ!」
Mが口を開くと同時にサイレント・ゼフィルスのビットと手に持っているスターブレイカーからレーザーが発射される。
レーザーは俺の目の前で曲がり、取り囲むような軌道を取りながら俺に襲い掛かる。
「危ない!」
俺に襲い掛かる複数のレーザーを見てラウラが叫ぶが...
「え...」
「ッ...貴様のISは一体どうなっているっ!!」
再び展開したGNフィールドによって全てのレーザーが弾かれ、見ていたラウラとMの顔が驚愕に染まる。
「ズルだとは思うが...テロリスト相手に手加減してやるほど俺は甘くないんでね」
「くっ...まだだぁっ!」
今度はスターブレイカーを高出力モードに変形させ強力なレーザーを放ってくる。
俺はそれを上に飛んで回避するとレーザーは俺を追いかけるように曲がってくる。
「これは防げまい!墜ちろぉっ!」
「【ドクンッ...】いやそうでもないんだなこれが!」
俺は視えた未来に従ってGNソードⅡを振るうとレーザーが切り裂かれ拡散する。
「なっ...!?レーザーを切っただと!?」
「お前じゃどうやっても俺には勝てない」
「だまれぇっ!!」
激高しながら再度俺に銃を向けてくるM、それに対して再び警戒した瞬間に...
「【キュルリィィィン!】っ...!?殺気!?」
濃密な殺気を感じて即座にその場から飛び退くと俺がいた場所に見るからに強力なビームが上空から降り注いだ。
「今のビーム...GN粒子のビームじゃない...まさか!」
俺は直ぐにハイパーセンサーで上空を索敵する。拡張された視覚は上空にいた『2機』を詳細に捕らえた。
「ガンダムヴァサーゴ・CBとガンダムアシュタロン・HC!?だが細部が違う!!」
上空にはこの世界ではアルケー同様俺の記憶の中にしか存在しない筈の2機のガンダムがこちらを見下ろしていた。
「本腰入れてきたって事か...来るっ!!」
2機がそれぞれの射撃武器を俺に向け、そのまま連続で撃ってくる。
「精度がっ!チッ...!」
襲い来るビームの雨を避けようとするがやはりパイロットの質が違うのか5発目には直撃コースに追い込まれ、更にラウラが射線上にいた為GNフィールドを使わされる。
「やっぱりそういう事か...分かってても対処は出来なかったし、しょうがないか...」
俺がGNフィールドでラウラと自身を守っている間にオータムをMに回収され、2機のガンダムも引き撃ちをしながら撤退していく。攻撃によって巻き上がった土煙が晴れたころには完全に逃げられていた。
「ラウラ!海!大丈夫か!?」
「一夏か、ラウラも俺も無事だ、敵には逃げられちまったけどな」
一夏が焦りの表情を浮かべながら飛んできたので俺の後ろにいるラウラを親指で差しながら無事を伝える。
「そうか...良かった...」
一夏が安堵の表情を浮かべているとその後ろから楯無先輩がやってくる。
「武藤君はラウラちゃんを守りながらも無傷みたいね、流石、蒼機兵の名は伊達じゃないわね」
「まあ今回は単純に機体の性能差がありましたからね、あの程度のレーザーならなんてことはありません。でも...」
途中で現れた2機のガンダムの事を考えながら俺は続ける。
「最後に現れた2機は...俺から説明したいと思います...サイレントゼフィルスの方は先輩からお願いします」
「分かったわ、後で関係者や専用機持ちを集めて話をしましょう、まずはラウラちゃん達のメディカルチェックがあるからそれが終わったらね」
「もちろんです」
ついに、俺が持ち込んでしまったこの世界を歪ませている『敵』について話す時が来たのだと...俺は改めて覚悟を決めた。
「かーくんはいよいよ話すみたいだね...じゃあ束さん達も行こっか」
「はい、束様」
「世界を変えた責任は私も取るよ、かーくん1人で背負い込む必要は無いからね...」
という訳で学園祭襲撃の話でした。
ヴァサーゴとアシュタロンはチラ見せでしたが本編より強化されています。
次回以降オリジナルストーリーを展開していく予定です。
それでは今後も楽しみにしていただければと思います。
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