脳内妄想無双は好きだが実現するのは違うと思う   作:大鷹とび

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いつも見てくださってありがとうございます。大鷹とびです。

今回は学園祭襲撃事件後の話となっています。

ここから大きく物語が動いていきます。

それでは楽しんでいただければ幸いです。


51話 変わりゆく世界

ラウラ達のメディカルチェックが完了するまでの間、俺を含む残りのメンバーは会議室で待機していた。

 

「専用機持ちに話って何なのよ?」

 

俺が待ち時間で今回の戦闘のデータを整理していると鈴が話しかけてくる。

 

「今回の襲撃についてだ、俺からも皆に話さないといけないことがある」

 

「成る程ね...」

 

俺が答えると鈴は納得したのか元いた椅子に座った。

 

「皆すまない」

 

「お待たせしましたわ」

 

タイミングよくメディカルチェックを終えたラウラやセシリアさんが会議室に入ってくる。

 

「2人とも大丈夫だったか!?」

 

「問題ありませんでしたわ、かすり傷適度でした」

 

「私もだ、レーゲンはこっぴどくやられたがな」

 

「ならよかった...」

 

一夏が心配そうに戻ってきた2人に様子を聞いていたが特に大きな怪我はしていないようだ。俺としても心配していたので安心した。

 

「全員揃っているな?では更識姉、頼むぞ」

 

「分かりました織斑先生」

 

少し間を置いて織斑先生と楯無先輩が会議室に入ってきて、そのまま今回学園を襲撃してきた敵の正体について説明が始まる。

 

「皆座ったわね?じゃあ今回学園を襲撃してきたテロリストについて説明するわ...まず、テロリストの正体は『亡国機業(ファントムタスク)』という組織よ」

 

「亡国機業...」

 

「第二次世界大戦中に生まれて以来ずっと活動してると言われているけどその活動目的は現時点では不明よ、世界の裏で戦争を操ってきたとか世界征服を企んでるとか色々考えられるけど、どうとも言えないわ、ただ1つ言えるのはここ最近あらゆる国のISを強奪しているということよ」

 

「あ、ISを強奪!?」

 

「そう、とにかく警戒するに越したことは無いわ、現に一夏くんは白式を奪われかけた訳だしね」

 

楯無先輩の言葉に一夏がぐっと手を握りしめるのが見えた。よほど悔しかったのだろう。

 

「今後も襲撃が予想されるからあなた達専用機持ちは有事の際に動けるようにしておいて頂戴」

 

楯無先輩の説明が終わると会議室は静まり返っていた。

 

「じゃあ、続きは任せるわ海くん」

 

「分かりました」

 

俺は楯無先輩と入れ替わる形で前に立つと皆に向かって口を開く。

 

「楯無先輩からの情報で正直混乱してると思うけど俺の話も聞いてほしい、今から俺が話すことは、これからの世界においてとても重要な事なんだ、専用機持ちの皆なら絶対に無関係じゃいられないことだ」

 

「か、海?どうゆうことだ?それは」

 

皆にそう告げると一夏が思わず俺に問いかけるが俺はそれを制するようなリアクションを取ってから薄い三角形のデバイスを取り出して教壇の上に置く。

 

「皆に説明する上で紹介しておきたい人?でいいのかは分からないけど知っていてほしい奴がいるんだ。ユメ、出てきてくれ」

 

俺が声をかけると三角形のデバイスからユメが投影される。

 

『初めまして、私は海の専用機、ダブルオーガンライザーのコア人格のユメです』

 

デバイスから映し出されたユメが自己紹介をしてからペコリと頭を下げると教室全体が一度スッと静かになり、次の瞬間...

 

「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」」

 

専用機持ちの皆が椅子から転げ落ちるように驚いていた。

 

「ほ、本当にコア人格はあったんですの!?」

 

「前代未聞だぞ!?」

 

「コア人格!本当にあったんだ!!」

 

皆三者三様のリアクションを取って驚いていた。簪さんは...うん、何となくわかってたよ、好きだもんなこうゆうの。

 

「皆びっくりしただろうけど改めて彼女がダブルオーガンライザーのコア人格であるユメだ、第二形態移行に伴って会話が出来るようになっていたんだ」

 

「い、今更だけどもう何でもありねアンタ...」

 

「そう言われても鈴、なんか話せるようになったからとしか言えないしなぁ...まあ今回言いたいことはこれが本題じゃないんだ、ユメ、『敵対組織XOO』のデータを出してくれ」

 

『分かった』

 

全員から見える位置に大きめのホロウィンドウが現れて臨海学校で俺達を襲ってきた

アルケーガンダム、そして今日の学園祭で俺の妨害をしてきたガンダムヴァサーゴ・CBと

ガンダムアシュタロン・HCが表示される。

 

「っ...その赤い機体は、臨海学校で一度海を墜とした...」

 

「ああ、その通りだよ簪さん、そして今回学園を襲撃して最後に現れてサイレントゼフィルスを援護したあの2機と臨海学校で俺達を襲ってきた赤い機体は同じ組織だと考えてる、そして亡国機業とは協力関係にあると見ていいと思う」

 

「なんだと!?」

 

「奴らの目的は正直何とも言えない、でも...」

 

続きを話そうとして俺は口をつぐんだ...MSは既にこの世界に普及してしまっているからそのことに関しては問題ない、だがアルケーやアシュタロン、ヴァサーゴはおそらくISだろう、MS型ISともいえるかもしれない、そしてそれは俺のダブルオーガンライザーにも言えることだ。

つまり、それを話すと何故俺のISと奴らのISが何故似ているのかという事になるし、何より俺の転生の事に近付きかねない。

 

「どうしたの?海くん」

 

「そこから先はこの私が話そう!とうっ!」

 

楯無先輩が疑問に思って俺に声をかけた直後に何処からともなく聞き覚えのある声が聞こえたかと思えば、束さんが部屋の後ろでヒーロー着地的なポーズをとっていた。

 

「はぁ...束、いい加減にしろ」

 

織斑先生が溜息を吐きながら束さんを臨海学校の時のように鷲掴みにしようとするが...

 

「おっと、ちーちゃん、悪いけど今回は束さんも大真面目なんだ、だからまずは話を聞いてほしいな」

 

「ふむ...いいだろう」

 

「じゃあ、という訳で...こほん」

 

束さんが俺の隣に立つと胸の谷間から小型のデバイスを取り出しユメのデバイスに接続する。わざわざそこから出す理由はあったのだろうか?

 

「ユメちゃん、今接続したデバイスからMSの普及率と各国の動向のデータを表示してくれる?」

 

「分かりました!お母さん!」

 

束さんがユメに声をかけるとホロウィンドウに現在、世界でどのくらいMSが普及しているかのデータと本来極秘であろう各国の方針に関するデータが表示される。しれっとユメが束さんをお母さんと呼んでいたのは置いておくとしよう。

 

「これを見てもらえれば分かると思うけど、大体一か月前に発表されたMSは驚異的な普及率を見せていて、現在は全世界でなんと有人機無人機合わせて10000機が購入されてる、それに伴ってISの保有台数が少なかった国では既に主戦力をISからMSへ転換して女性対男性で紛争が起きかねないような所もある」

 

「ISの代わりが出てしまったからもしやとも思ったけど...」

 

「そう、これから第三次世界大戦が起こるといっても過言ではないよ、いやもう起きてしまっているといってもいいかも、アメリカみたいなISの保有台数の多い大国はISとMSの同時使用をすることで均衡を保ってるけどドイツを中心とした一部の国はMSを中心にすることを決定、アラスカ条約の脱退、女性優遇制度の撤廃を直ぐにでも宣言しようとしてる」

 

「なっ...ドイツが...」

 

「そしてこれこそが奴らの狙い...MSの普及による女性対男性の戦争を起こすこと...束さんはそこまでたどり着いたよ、つまりワールド・イノベイション社が奴らの隠れ蓑だったってことだね」

 

「戦争...」

 

束さんの話を聞いた皆は驚きの表情を隠しきれないでいるようだった。特にドイツの代表候補生のラウラはショックが大きいようだ。

 

「な、ならそのワールド・イノベイション社をなんとか抑えれば!」

 

シャルルさんが声を上げるが束さんの反応は芳しくない。

 

「残念ながら既にワールド・イノベイション社は存在していないよ、MSの修理キットや整備方法その他諸々はしっかりとばらまいといて既に代表の2人は雲隠れしてる」

 

「そ、そんな...」

 

がっくりとシャルルさんが肩を落とす。他の皆も更に気落ちしている様子だ。そんなみんなの様子を見て俺は口を開く。

 

「そして世界をこんな風に貶めている元凶があの赤い機体や今回襲撃していた2機の機体のパイロットって訳だ。俺はまだいるとは思っているが...」

 

「で、でもよ海、その組織がMSを普及して戦争を起こそうとしてる理由は何なんだよ?」

 

「それはまだ分からない...でも俺達が生きてる世界を戦火で染める訳にはいかない、だから俺は蒼機兵として独自に動くことにする」

 

「なっ...武藤、そんな事駄目に決まっているだろう!」

 

織斑先生が俺の言葉に驚きながら即座に止めてくる。それもそうだろう。専用機持ちや千冬さん、束さんで頭数を揃えてから何とかするものだと俺が入学した時にした話で千冬さんは想像していたのだろうから。

 

「俺は...大丈夫です。それに代表候補生の皆も近いうちにそれぞれ自分の国から帰還命令が出ると思います。だから結局散り散りになるのは決まっているかと...」

 

俺が答えると織斑先生は口を噤んだ。改めてみんなの方を見回してから俺は口を開く。

 

「これから世界は大変なことになっていくと思う、でも皆は自分を見失わないで貫き通してほしい、危なくなったら直ぐに俺が飛んでいくし、束さんと協力して奴らの居場所を見つける。だからそれまで絶対にやられないでくれ!頼む!」

 

「海、とにかく悪い奴らがいてそいつらと戦うために今は準備が必要って事だろ?」

 

「まあ、簡単に言えばそうだけど...」

 

「なら、大丈夫だ!なんかあっても俺達は自分の身は自分で守れるしなんとかする!」

 

「一夏...」

 

一夏の言葉に他の専用機持ちの皆も頷く。

 

「皆...ありがとう」

 

俺は皆に頭を下げる。束さんが協力してくれたのもあるが、急にこんな話をした俺を信じてくれたからだ。そんな皆には俺は筋を通すのが当然だろう。

 

「そうと決まれば俺から皆に渡すものがある」

 

俺はダブルオーライザーの拡張領域から片手で持てるぐらいの大きさの立方体を取り出し専用機持ちの前にそれぞれ一つづつ置いた。

 

「海?これは何だ?」

 

皆首を傾げながら立方体を持ちまじまじと見たりしている中、箒が俺に立方体の正体を聞いてくる。

 

「それ1つでラファールの半分程の拡張領域を持っているデバイスだ、その中にはそれぞれ皆に対応した必要な『もの』が入ってる。ただし今はロックがかけてある。それぞれ皆にとって本当に必要な時にロックが解除される筈だ。だから今は俺を信じて皆のISの拡張領域に仕舞ってほしい、かなり小さめにしてあるし、ISの装備扱いじゃないから一夏の白式の拡張領域にもギリギリ仕舞える筈だ」

 

「分かった、海を信じて仕舞っておくとしよう」

 

箒の言葉に皆それぞれ立方体を仕舞った。

 

「皆、聞いてくれてありがとう!これから大変だと思うが決して自分を見失わずに頑張っていこう!」

 

「「「「「おう!」」」」」

 

こうして俺達は解散して会議室を出てそれぞれの部屋へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして学園祭襲撃事件から丁度1週間後、世界は過激派の男性を中心とするMS派と女尊男卑を掲げる女性を中心とするIS派に分かれ、後にMSIS戦争や男女戦争とも呼ばれる第3次世界大戦が勃発したのだった...

 

IS学園の生徒もそれぞれの母国の招集に応じ帰国、有事に備えるようになった為IS学園は一時休校となった。

 

「人類はよほど戦いが好きと見える、まあそう仕向けたのは僕達だけどね、さあ君はどうする?武藤海...」




という訳で学園祭後の会話でした。

世界にMSが普及してこれから一気に世界中で戦いが増えるようになります。

ガンダム要素というかオマージュ等を取り込みながらオリジナルの展開にしていく予定です。

それでは今後も楽しみにしていただければと思います。
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