今回から完全にオリジナルの話で進行していきます。
ガンダム的要素を散りばめつつオリ主とそれぞれ1回づつは絡めていく予定です。
それでは楽しんでいただければ幸いです。
52話 蒼としての覚悟
学園祭から1週間、世界は男性中心のMS派と女性中心のIS派に分かれての争いが始まっていた。
日本やアメリカなどはMSもISも導入し男女を平等に扱うようにしたことで国内で大きな戦闘を
発生させずに済んだが、元々ISの保有台数の少なかった小国ではISからMSの転換を決定、それに反対するISパイロットがクーデターを起こしたり、また別の国ではMSというISに対抗できる力を手に入れた一部の男性が暴走し、無差別テロを起こすなど既に世界各国のあらゆる場所で血が流れていた。
IS学園ももちろん無関係という訳にはいかず、代表候補生はそれぞれの国から招集がかかり、それに伴って休校、一般の生徒も帰省または寮で待機という事になった。
「束さん、世界情勢はどうなっていますか?」
「リアルタイムで全世界の動向を監視してるけどそれは酷いものだよ、まず中東やアフリカでは既に小規模な戦闘は勃発しているし、世界の株価やらも軒並み暴落、極めつけは空路も海路も戦闘が始まってからほぼ使えなくなったことだね、後おまけに中国もISからMSに転換しようとする動きがあるよ」
今現在俺は束さんと月兎製作所のラボで世界情勢を確認していた。現時点で世界は予想よりもかなり悪い方に進んでいる。このままでは本来無くていいはずの犠牲が増えることは確実だろう。
「案の定こうなっちゃいましたか...やっぱり動くしかなさそうですね...」
「それは...そうだけど...でもやっぱり駄目だよかーくん!かーくんが1人で世界中の戦闘に介入するなんて!」
「今一番動きやすい立場なのは俺なんです、俺が動かないとそれだけ多くの血が流れることになる、それだけは絶対にダメだ」
束さんの目を真っ直ぐに見ながら俺は束さんの説得に答える。何の因果か、俺はガンダムOOのソレスタルビーイングと同じように各地の戦争に介入しようとしているのだ。
「それでも!そんなことをしたらかーくんは世界中から狙われるようになる!かーくん1人で戦わなくたって...!」
「この世界にあいつらやMSが出来てしまったのは俺の所為なんです、だから俺が責任を取ります!」
「分かったよ...でもサポートはさせてね?」
「ありがとうございます!」
俺はお礼もそのまま部屋を飛び出してダブルオーガンライザーを纏い、研究用アリーナの窓から外に飛び出す。
「ユメ、コアネットワーク経由で束さんからの情報と照らし合わせながら世界中の情報を集めてくれ、ドイツと中国の情報は最優先で頼む」
『分かった、でもいいの?いくらお母さんが薬を打ってくれたとはいえ無理すると海の身体は...』
「MSとIS両方と戦う事になるから両方の事が分かる俺がやった方が早いだろ?、それにこの状況になったのは俺の所為だ、だから俺がやらなきゃいけないんだ、例えこの身が壊れたとしても...」
『海...』
「頼む...!ユメ...!」
『第二形態移行の時、私は貴方に付き合うっていったでしょ?だからずっと一緒にやるよ、早く済ませてサクッと帰るぐらい気概でいるから!』
「ああ...!頼りにしてる!」
『という訳でさっそくだけどドイツの情報が分かったよ、海が心配してるのはレーゲンの操縦者の事だね?』
「そうだ、俺が一方的に知ってて申し訳ないがラウラは普通の生まれじゃない、だからドイツがISからMSに主戦力を転換したら戦うために生み出されたラウラみたいな存在はどうなるかなんて火を見るより明らかだ!」
『海の推測は残念ながら大当たりだよ、代表候補生として従わざるをえない帰還命令を出してドイツに戻した後、ISを没収されて幽閉されてる。動きも早くて明後日には秘密裏に処分が決定してるよ、レーゲンからSOSが来てたから応答して情報を貰ったんだ』
「さっそくやったか...人間っていうのは俺も含めてとことん愚かだな!ユメ!ここからドイツまで全力で飛ばして間に合うか?」
『ダブルオーガンライザーはGN粒子をSEに変換して補給し続けられるから休みなしで飛び続けられるよ!今から飛ばせば余裕で間に合う!』
ユメの返事を聞いて俺はドイツの方向を見ながら心の中で改めて覚悟を決め直す。
「よし!今からラウラ救出ミッションを開始する!」
『了解!』
自分の覚悟が完了したことへの確認も含めてこれから行動を開始する旨を声にするとユメが返事をしてくれた。
本当に頼れる相棒だ...
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---ドイツ国内 ドイツ軍施設 牢獄
<ラウラ視点>
帰還命令に従ってドイツに帰った私を待っていたのはレーゲンの没収と黒ウサギ隊全員の投獄だった。無論私達の前に現れた上層部の人間に反論はしたが返ってきたのは
「お前達の役目は終わったという事だ、これまでご苦労だったな、お前達の『処分』は追って通達する」
という冷たい言葉だった。
「申し訳ありません隊長...私も何も聞かされていなくて...」
「お前は何も悪くないぞクラリッサ、正直...篠ノ之博士の話を聞いた時から予想していたことだ...」
「な...それならば何故隊長だけでも逃げなかったのですか!」
「隊長が部下を置いて逃げる訳にはいかないだろう?私が1人で逃げていたらそれこそお前達の命が危なかっただろうからな」
「隊長...それでも明日には私達は処分されてしまいます、ISも無いのにどうすれば...」
クラリッサは俯きながら私に如何したらいいのかと問うてくる。それに対して私は...
「うむ、現状私達に出来ることは何もないな」
「なっ!?それなら隊長はこのまま何もせずに消されるのを待つというのですか!」
「そう焦るな、現状と言ったのだ」
「それなら隊長には何かこの状況を脱する手段が?」
クラリッサの疑問に対して私は胸を張りながら堂々と答える。
「ああ、私のお兄様がきっと来てくれる」
「隊長のお兄様というのはまさか...!」
「そう、そのまさかさ」
私は暗い牢獄の中でお兄様が来るのを信じて待ち続けるのだった。
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<海視点>
「既にドイツの領空か...まあGN粒子は散布してるしかなり上空にいるから直ぐに見つかるという事は無いだろうが...さてラウラの居る施設は何処だ?」
ラウラ救出の為に休憩なしで飛び続けた俺は既にドイツの領空に侵入していた。上空からユメと一緒にラウラのいる施設を確認して作戦を立てる。
「俺としてはなるべく波風立てずに行きたいからやっぱりステルスモードとGN粒子を駆使して隠密に終わらせたいところだな」
『海、残念ながらその時間は無いみたい、処分の予定が変更になって、もう連れ出されてる!今から5分後には実行される!』
「っ!時間に余裕があるから見つかりにくいこの位置に来たのが仇になっちまったか!ユメ!ラウラの位置とシュヴァルツェア・レーゲンの詳細な位置を今直ぐ調べてくれ!」
『了解!』
ユメが返事をした5秒後には俺の視覚に位置データが表示される。それを確認した後、俺は施設に向かって急降下を始める。
「全速力で向かう!『TRANS-AM-FX』始動!」
ダブルオーガンライザーが真紅に染まり、爆発的な加速で目標に向かう。
『ハイパーセンサーで目標を確認!っ!MSの火器でやる気!?なんて悪趣味な...』
ユメの言葉にハイパーセンサーで地上を確認すると、ラウラの他に複数人に対してアヘッドとGN-XⅢがそれぞれの武器を向けているのが見えた。
「このままMSの武装を撃ち抜きながら突っ込む!」
GNツインドッズキャノンとGNソードⅡライフルモードで3機のMSの武装を撃ち抜きながら俺はMSとラウラ達の間に降り立つ。
「罪の無い命を好き勝手する権利なんてこの世界の誰にもねぇぞ、ドイツ軍さんよ」
俺はGNソードⅡの切っ先を向けながら自分への戒めも込めた言葉を目の前にいるMSと偉そうな格好をした人間に投げかけた。
「かーくんがいる時には言えないし無理はしてほしくないけど...何今の!?めちゃくちゃかっこよくない!?ねえ!?くーちゃん!上空から敵の武器だけを撃ち抜きながら降り立ってGNソードの切っ先を向けて啖呵切るなんてもう主人公だよ!?あんな事されて守られたら女だったら誰でも惚れるって!」
「落ち着いてください束様、興奮しすぎてかなり早口になってます」
という訳でMSの登場で処分されかけたラウラを救う回でした。
ラウラの恋愛対象は一夏から変わることは無いのでご安心?を
最後のシーンはエクシア初登場時とフリーダムの有名シーンを足して2で割ったような感じをイメージしました。
いいですよね...舞い降りる剣のフリーダム...
それでは今後も楽しみにしていただければと思います。
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