また期間が空いて申し訳ないです。
転職したりしていたので中々執筆が出来ませんでした...
---IS学園 第3アリーナ
<一夏視点>
学園祭から12日ぐらいが過ぎて...俺はアリーナと寮を往復する生活を続けていた。
「はぁ...」
「どうしたのだ一夏、そんなに大きなため息など」
俺が大きなため息を吐くと一緒にいた箒に聞こえていたらしく、どうしたのかと聞いてくる。
「いや...世の中がこんな状況だから皆自分の国に帰らないといけなかったのも俺達が寮とアリーナの往復だけの生活になるのも分かるんだけどよ...」
「そうだな、既に第三次世界大戦が始まっているとも言われている」
「どうしても海の事が気になってしょうがないんだ、あいつは蒼機兵として動くって言ってたけど、クラス対抗戦の時みたいにまた1人で全部解決しようとしてるんじゃないかって...」
「今回は姉さんも一緒だから大丈夫だとは思うが海の性格上確かに心配だな...」
「連絡しても全然反応してくれないから余計に気になってさ、ラウラや鈴の返事が無いのも気になるし」
あれからちょくちょく海や他の皆には連絡をいれているのだが、ラウラ、鈴そして海からは全く返事が無いのがとても気になっていた。
「それなら私が直接姉さんに確認してみよう、海は姉さんがサポートしている筈だし私からの連絡なら直ぐに出てくれる筈だ」
「悪いな箒」
「礼には及ばん、私も気になっていたところだったからな」
俺が感謝を伝えるとそう言って箒はそのまま紅椿で束さんに連絡を取り始めた。
———————————————————————
--月兎製作所
<海視点>
アイルランドから戻った俺は月兎製作所の施設に到着するやいなや、束さんによって人間ドック的な機械に放り込まれた。
「現時点で脳に関する異常は無し...なんか普通の人間ではほぼ使われていない部分が活性化しているからそれが原因?でも今回の事でそうなった可能性の方が...」
検査は既に終わって今はベッドに座っている俺の横で束さんがブツブツと呟きながら俺が死者の残留思念に囚われた事象について整理していた。
「束さん?俺は大丈夫ですから...確かにちょっと大変でしたけど怪我の功名というかなんというかお陰で他人の思考が多少分かるようになりましたし...」
「確かに今は数値上の異常は無いけど束さんは心配だよかーくん...また無理して束さんが細胞異常を治す前に何かあったら...ん?」
束さんが心配そうな顔をしながら俺に声をかけてきている時に何かあったのか束さんが反応した。
「箒ちゃんから連絡が来たよ、珍しいね、どうしたんだろう?」
箒から連絡が来たらしく、束さんは珍しいと言いながらそのままスピーカーで電話に出た。
『もしもし姉さん、箒です、今大丈夫ですか』
「箒ちゃんならいつでも大丈夫だよ!それでどうしたのかな?箒ちゃんから連絡なんて」
『そちらに海はいますか?一夏が連絡しても返事が無いと心配していて』
どうやら箒は一夏が俺に連絡が付かないと言って心配していたのを束さんに確認しようとしているのだろう。
「俺ならここにいるぞ、どうしたんだ?」
『やはり姉さんと一緒にいたか、いや一夏がお前やラウラ、鈴と連絡が付かないと心配していてな』
「悪かったよ、連絡は確認してたんだけど忙しくて返事が出来なくてな。今さっきやっと落ち着いたんだ」
『そうだったのか、だが一言ぐらい反応してやってくれ、一夏が訓練に身が入ってなくてかなわん』
「分かった分かった、次から気を付けるよ、ところでラウラも一緒にいるけど声聞くか?」
『何?何故ラウラが海や姉さんと一緒にいるんだ?』
「あーっとそれは色々とあってだな」
俺が言葉を濁しながら答えつつ束さんの方を見ると頷いたので俺はそのまま続ける。
「理由については今から話す、その前に一夏はいるか?」
『一夏なら今は私の隣にいるぞ、一夏、海がお前にも会話に参加して欲しいそうだ』
箒が一夏を呼んで直ぐに一夏が会話に参加してくる。
『なんだか久しぶりな感じがするけど...どうしたんだ?海』
「お前を呼んだのは俺やラウラ、鈴がお前の連絡に返事が出来なかった理由を説明する為だ、結論から言うとラウラはMSの台頭によってドイツに用済みとされ消されかけてた、それを阻止して救助する為に俺は動いてたって訳だ、鈴に関してもラウラ程ではないにしろ現在は軟禁状態にあるだろうと予測している」
『なっ...!?』
「ラウラや鈴だけじゃない、世界中でMSによるテロやMSとISの戦闘が起きて沢山の人が危険に晒されている、俺はこの目で実際に見てきたんだ、テレビだと報道規制されてるみたいだけどな」
『そんな...』
俺の話を聞いた一夏や箒は声を聞くだけでも驚きを隠せていないのが分かった。
「俺は準備が完了次第、鈴の救助に向かう、そのあとは各地のテロや戦闘に介入して少しでも被害を抑えられるように戦い続ける」
『な、なら俺も...』
「お前は関わらせるわけにはいかない、もちろん箒もだ」
『んなっ!?どうしてだよ!』
「お前らは世界から束さんの関係者と完全に認識されていてほぼ独立した勢力と扱われている俺と違って立ち位置があやふやなんだ、そんな状態で中国に侵入して戦闘行為してみろ、日本と中国で戦争が始まりかねないんだ」
『っ...』
「だからお前らを関わらせるわけにはいかない」
『でもっ...それでもっ!』
「大丈夫だ、束さんもいるし、今回はラウラも協力してくれる、そうだろ?」
「ああ、鈴の救出作戦には私も参加する、だから心配するな嫁よ、お兄様の援護は任せてくれ」
俺の言葉にいつの間にか部屋に入ってきていたラウラが会話に入ってきて頼もしい言葉をくれた。
『ラウラ!?お前だって海に助けてもらったばっかりなんだろ!それにドイツが...!』
「私はもうドイツに未練はないさ、なんせ用済みと言って殺そうとしてきたんだからな、今の私はただのラウラ・ボーデヴィッヒだ。第二形態移行もしたし安心してくれ。それにお兄様も準備が完了次第と言っていただろう、今すぐにという訳じゃない」
『ラウラ...』
「まあそういう訳だから心配するなとまでは言わないが鈴の事は任せてくれ、無事に取り戻してくる、それに今回は波風立てる気は無いからな」
『分かった...鈴を頼むぞ海』
「ああ!ある程度落ち着いたら会おうぜ」
『もちろんだぜ!箒もありがとな!』
『い、一夏が訓練に集中できてないと私も困るからやっただけだ!海、ラウラ、姉さんも無理はしないでくれ、それでは切るぞ』
「善処するよ」
「もちろんだ」
「はーいじゃあね箒ちゃん」
そう言って箒から通話が切れて、部屋に一瞬の静寂が訪れるも直ぐに束さんが口を開いた。
「さて箒ちゃんといっくんとの会話も終わったところで丁度話に出てた中国娘の現在が色々と確定したよ」
「俺の事診てた筈なのにいつの間にやってたんですか...」
「そのくらいのマルチタスク束さんにとっては朝飯前なのだ!という訳でほいっと」
束さんが空間投影ディスプレイを起動すると目の前に情報が表示される。
「これは...思ってたより深刻だな」
表示された情報を見て俺は思わず顔を顰めた。
「ISは取り上げずに病気の治療中の父親を実質的な人質にほぼ休みなく試作MSの仮想敵及び小さな内紛に投入して使いつぶしてる...か」
「即座に消し去ろうとしたドイツがまともに見えるな、まあそれでも戻る気は微塵も無いが...」
俺の隣で同じように情報を見ていたラウラが呟く。
「らうちゃんの時と違って直ぐに殺される心配は無いけどどっちにしろ時間は無いだろうねぇ、このデータの通りならもうすぐ潰れちゃうよ?この中国娘」
「そうですね...ってらうちゃん!?束さんがラウラの事を名前呼び!?」
「むーっ!前にもこんなことあった気がするけど失礼しちゃうな!束さんでも普通に人と会話ぐらいするんだってば!それにらうちゃんもコア人格と会話出来たみたいだしね、それだけで束さんの信頼度はぐーんと上がるのだ」
「こ、光栄です...」
「固い!固いよらうちゃん!もっとやわらかーくいこうぜぃ!もう軍人でもないんだしさー」
気を許した相手には急にダル絡みを始める束さんは置いておいて鈴救出の為の作戦会議を始める。
「とりあえず束さんは置いておいて今回は目標が2つあるから手分けして当たった方が良さそうだな」
「ああ、人質の父親も同時に救助しないと何をされるか分からないからな、分担はどうするのだお兄様?」
「その前にもう少し情報を...父親が人質なのは分かったが母親は...」
『甲龍の操縦者のお母さんなら今は日本にいるみたいだから大丈夫だよ海』
「そうか、ありがとうユメ、なら鈴の父親の救出をラウラに頼みたい、行けるか?」
「もちろんだ、任せてくれお兄様」
「ありがとうラウラ、必要な装備については全部用意する、一切悟らせずに連れだしてくれ、中国政府が勘付く前に全て終わらせる」
ちょっと不謹慎だけど作戦の準備でリーダーっぽいことするの楽しいな...
「俺は鈴の救助に向かう、軍の施設から戦場まで様々な場所にいることが想定されるから色々と応用が効いて直ぐに離脱も出来る俺の方がいいだろう」
「最低でも丸1日は休まないとだめだよかーくん、らうちゃんもね!」
「もちろんです、流石に疲れましたし...決行は明後日の早朝からにする予定ですよ、今日はご飯食べて寝ましょうか、という訳でこれからご飯を作ります、ラウラ手伝ってねー」
束さんの忠告通りに今日明日はしっかり休むのがいいだろう、なんといっても今日は色々ありすぎて疲れが...まあご飯は作るんですけどね。
「わーい!かーくんのご飯だー!」
「お、お兄様!私はあまり料理が...」
「大丈夫大丈夫!花嫁修業だと思って!ほらほら!」
「持ち上げないでくれお兄様!自分で歩ける!」
その後はなんやかんやで楽しい食卓を囲めたことを伝えておく。
「ラウラ、包丁を使うときは切りたいものを猫の手で押さえるんだ、じゃないと料理が鉄の味になるぞ」
「な、成る程...猫の手...猫の手...」
「かわいい...」
次は鈴を助けに行く話の予定です。この世界の政府なら用済みなら使い潰すぐらいしそうだなと...
それでは今後も楽しみにしていただければと思います。
よければ評価や感想、誤字報告などいただけると励みになります。