遅くなりましたが最新話になります。
SEEDFREEDOM最高でした!今度3回目を見に行きます!
--IS学園 校門
「準備は大丈夫?シャルロットさん」
「うん、問題無いよ」
俺は予定通りシャルロットさんと一緒にフランスに向かう為に校門の前で待ち合わせをしていた。
「じゃあ予定通りフランスに行こうか、もうチケットは押さえてあるからこれから空港に向かおう」
シャルロットさんと合流してそのままフランス行きの飛行機に乗るために空港へ向かう。
「あれ?武藤君荷物はどうしたの?手ぶらだけど...」
「荷物なら拡張領域に仕舞ってあるよ、その方が身軽だしね」
「その手があったね!じゃあ僕もしまっちゃおっと!」
そう言ってシャルロットさんも持っていたキャリーケースを自身のISの拡張領域に仕舞った。
「じゃあ改めて空港に行こうか、IS学園から空港までは直ぐだけど」
「そうだね、まあ世界中からいろんな人が集まるからこそ空港が近いここにあるんだろうね、IS学園も」
「そう言われたら確かに、ずっと日本に住んでたから気付かなかったよ」
他愛もない話をしながら、俺はシャルロットさんと空港に向かった。
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--フランス行 飛行機 機内
あれから空港に着いた俺とシャルロットさんは諸々の手続きを済ませてフランス行きの飛行機に無事に乗り込んだ。
俺は世界中に注目...というか警戒されているような人間だから周りの視線がちょっと気になったが、まあ特に問題も無かった。今は既に空の上だ。
「武藤君ちょっといいかな?」
「ん?何かあったの?シャルロットさん」
窓から空を見ていると俺の隣の席に座っていたシャルロットさんが話しかけてきた。
「お父さんが僕をフランスに呼び出してまで渡したいものって何なのかなって...聞いても教えてくれなかったし」
「うーん...でも今更騙すような事はないだろうし、シャルロットさんにとっていい影響のあるものだとは思うけど...」
俺も渡されるものについては詳細を聞いていない為、シャルロットさんと一緒に考えてみるが見当がつかない、久しぶりに前世でISの小説を途中で読むのをやめたことを後悔した。
「分からないけどお父さんを信じて行ってみようとしか...」
「そうだね、少し気が楽になったよ。ありがとう武藤君」
「礼には及ばないよ」
そうしてシャルロットさんとの会話が終わったので再び窓から空を見ようとした瞬間...
「全員動くな!!」
後ろから大きな声が聞こえて、数秒遅れて悲鳴が機内に響いた。声の聞こえた方を見れば銃を持って覆面で顔を隠した男達が数人確認できた。
「今からこの飛行機は我々がジャックする!」
運が悪いとしか言いようが無いが、どうやらこの飛行機にはハイジャック犯も乗っていたようだ。トラブル続きでつくづく嫌になる。
「我々はこの腐った世界を変える為に集まった!諸君らには同士を開放する為の人質になってもらう!」
テロリストが能書きを垂れている間に俺はシャルロットさんにプライベートチャンネルを繋げる。
『シャルロットさん聞こえる?』
『うん、大丈夫だよ』
『代表候補時代に訓練はしただろうから出来る前提で進めるけど、今から非殺傷武器をユメに頼んで作ってもらう。それとISを使ってテロリストを制圧するよ、緊急時だからしっかり展開して行動開始、シャルロットさんは他の乗客を守るためにシールドの用意もお願い』
『分かった、気を付けてね!武藤君』
『それはお互いにね』
『海!非殺傷の武器が完成したよ!スタンガンを拡張領域に入れたから使って!電気を直接弾丸にしているから撃って当てるだけで動けなくなる程度の電流を流せるよ!あとスタングレネードも作ったから!周りの人に配慮して閃光だけにしてあるよ!そのかわり5秒ぐらいは光るから食らったら視界は完全に塞げる!』
『ありがとなユメ、という訳でシャルロットさんにも、はい』
拡張領域からユメが作ってくれたスタンガンを1丁取り出してそっとシャルロットさんに渡す。
『今ユメが言った通り撃って当てるだけでいいから』
『うん、タイミングはどうするの?』
『3カウントでスタングレネードを投げるからそれと同時に状況開始するよ』
『了解!』
『じゃあ行くよ!3、2、1...今!』
「何だ...ぐわっ!?」
カウントと同時にスタングレネードをハイジャック犯の足元に転がし、同時にISを展開しながら立ち上がり、破裂音に合わせてスタンガンを構えて的確に撃ち込んでいく。もちろん俺とシャルロットさんはあらかじめハイパーセンサーの設定をいじってスタングレネードの閃光は防御している。
「ぎゃっ!」「ひぃ!?」
スタングレネードの閃光が完全に消えた頃には俺とシャルロットさんによってハイジャック犯は全員痺れて動けなくなっていた。
「ひとまずは制圧完了、シャルロットさん一般人への説明とパニックになってる人を落ち着かせてあげて!」
「分かった!武藤君は?」
「俺は別のブロックにいるハイジャック犯の制圧をしてくる」
「気を付けてね」
シャルロットさんには他の乗客の事を頼んでから俺は操縦室へと向かう。
「まずは操縦室...その後は他のブロックの制圧だな、GN粒子を全身に散布、ステルスシステム起動...」
鈴を救出するときに使ったステルスシステム...前は速度を重視する為にラウラに使ってもらったが今は俺が持っているので使用して光学迷彩を起動、透明になり俺はハイジャック犯を制圧していった。
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--フランス 空港
「本当にありがとうございました!」
「いえいえ、やるべきことをやったまでです」
俺とシャルロットさんはテロリストを拘束して空港でフランスの警察当局に引き渡し、調書の為に少し取り調べとISの戦闘記録映像の提出を行った後、職員と警察の人にお礼を言われながら空港を後にした。
「まさか同じ飛行機にテロリストが乗ってるなんて思わなかったね」
「まあたまたま俺達がいたから犠牲者も出ずに解決したけど今のご時世こんなことばっかりだからなぁ...」
歩きながら制圧したテロリストの事をシャルロットさんと話す。
「空港まで迎えが来るって話だったよね?」
「その筈だけど...ああ、あれじゃないかな?おっと...これはびっくり...」
あらかじめ聞いていた場所と特徴に合致した車を見つけてシャルロットさんにも分かるように指さした後で俺は車の近くにいた人物を見て思わず驚きを口にする。
「どうしたの武藤くん...あ...」
車の近くにはデュノア社長、シャルロットさんのお父さんがいた。
「既にご存じかとは思うがデュノア社社長のアルベール・デュノアだ。今日は遠いところをわざわざご足労頂き感謝する」
「初めましてデュノア社長、本日はシャルロットさんの護衛で参りました、武藤海と申します」
「此処ではなんだ、車に乗りたまえ、此方に来る機内でトラブルの対処をしたと聞いている、疲れているだろうし車内で座りながら話すとしよう」
「そうさせてもらいます」
デュノア社長に促されて俺は車に乗り込んだ。
「お、父、さん...」
「すまなかった...シャルロット...」
「え...?」
「続きは着いてから話そう、お前も車に乗ってくれ」
「う、うん...」
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--デュノア社
迎えの車の中ではデュノア社長がテロリスト制圧の事を労ってくれたり世間話をしたのだが...
「あ、えと...」
「どうした?」
「あの...いえ...何でもありません...」
「そうか...」
みたいなぎこちなさ過ぎる親子会話が続いて俺はなんとも気まずい気分になりながらちょくちょく話を繋げたりしていた。そうしているうちに車がデュノア社の本社ビルの前で止まった。
車から降りて伸びをしていると続いて降りてきたデュノア社長が話しかけてきた。
「やっと着いたな、すまない武藤君、気まずい空気にしてしまって」
「いえ、自分は大丈夫ですよ、それよりも...」
「それよりも?」
「シャルロットさんとちゃんと話してくださいね?親子がすれ違ったままなのは悲しいですから...」
「もちろんだ、今日来てもらったのはその為でもあるのだから...」
「なら自分から言う事は無いですね、色々と上手くいくことを祈ってます」
「感謝するよ武藤君、さあ2人ともついてきたまえ、これからデュノア社のIS関連施設に向かうぞ」
「どうしてそんなところに?」
「そこに渡したいものがあるからだ」
そう言ってからデュノア社長は歩き始めたので俺達はそのままついていく。
途中エレベーターに乗ったりしていたがその道中はとても静かだった。
「さあ、ここだ」
なにやら頑丈そうな分厚い鉄の扉の前で止まるとデュノア社長がコンソールを操作して扉を開ける。重く鈍い音がなり扉が空くと視界に眩しい光が入り目が眩む。
そのまま真っ直ぐ部屋の中に入ると広い空間が広がっていて、IS用のハンガーや機器があることからここが言われた通りISの関連施設だという事が分かった。
「あれは...」
シャルロットさんが見ている方を向いてみれば一番目立つところにあるハンガーに見たことがない形状のISが鎮座していた。そしてその近くにはとても技術者には見えない高貴な雰囲気の女性がいた。
「あれがお前に渡したかったもの...第三世代機『コスモス』だ...そして、すまなかった...シャルロット」
ISの近くまで来るとデュノア社長はシャルロットさんに頭を下げた。
「お父さん...」
「全てはお前を守る為だったとはいえ、許されないことをした...だから殴ってくれてもかまわない、話だけは聞いてくれないだろうか...」
「殴ったりなんてしませんから...話、聞かせてくれますか?」
「...ありがとう」
そこまでの会話を聞くとコスモスの近くにいた女性がデュノア社長と並んだ。俺は邪魔になるだろうから少し離れておこう。
「だから言ったじゃないですか、マリーの子よ?」
「ロゼンタ、だ、だが...」
「大体貴方が纏めて私たちを娶ってくれれば良かったのに変な所でヘタれなければこんなことにはならなかったのに...私だって皆で暮らすつもりだったんですから!」
「す、すまん...」
すっかりデュノア社長が委縮した所でロゼンタと言われた女性がこちらに向き直り口を開く。
「私からも本当にごめんなさいね...いきなり罵ってビンタしてくるような女なんて一生許せないでしょうけど...」
そう言ってシャルロットに対して頭を下げた。
「大丈夫ですから...」
そう言ったシャルロットさんの顔は納得がいってないような表情だった。
「マリー...お前の母親は本当に強い女性だった...」
そんなシャルロットさんを見てデュノア社長はポツポツと語りだした。
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<シャルロット視点>
お父さんが話した内容は僕にとって衝撃的なものだった。
お父さんとお母さん、そしてロゼンタさんは私が生まれる前から仲が良くて、お母さんとロゼンタさんはお父さんを取り合ってはいたけどもお互いに認め合っていた事。
お母さんが病気で亡くなった後、お父さんとロゼンタさんは僕を密かに支援してくれたり、見守ってくれていた事。
静かに暮らす僕を邪魔する気は無かったがデュノア社の中でお父さんと対立する派閥に僕の存在が察知されてしまった為、やむを得ず僕を引き取った事。
お父さんが僕にスパイを命じて冷たく当たったり、ロゼンタさんが僕を罵って打ったのは僕に情が無いように見せて派閥争いには使えないと思わせるという理由があった事。
IS学園に送ったのは僕を守るためで僕が学園にいる3年間で全てを片付ける予定だった事。
月兎製作所に買収されて派閥争いが片付いた今こそ、僕の力にしてほしいと開発していたISであるコスモスを渡そうと思ってフランスに呼んだ事。
そして...全ては僕のお母さんの「シャルロットを見守ってあげて」という遺言を守る為だった事。
「お母さんっ...」
「本当に済まなかったシャルロット...今更家族に戻れるとは思っていないが...コスモスだけは受け取ってくれないだろうか?必ずお前の力になるはずだ」
「そんな事言わないでくださいお父さん...僕...私はお父さんとも、ロゼンタさんとも家族でいたいです....」
「シャルロット...」
「お父さん...ありがとう」
僕はこちらを向いて頭を下げ続けているお父さんに近づいて、抱きしめる。
「私からも...ありがとう、シャルロット...」
ロゼンタさんが僕とお父さんを抱きしめてくれる。
「ああ...シャルロット、ロゼンタ、マリー...」
温かいな...そうか、僕が欲しかったのはこの温もりなんだ...
僕の心に何か足りなかったものがすっとしみ込んだような感覚を覚えた瞬間、ハンガーに鎮座していたコスモスが強くて優しい光を放ち始めた。
「父親ってのはいつも一言足りないもんだな」
『でも和解出来てよかったねぇ、それにこういうパターンも熱いよねっ!』
「なんでユメは皆の第二形態移行間近になるとテンションおかしくなるんだ?」
という訳でシャルロットの家族についての話と強化フラグ回でした。
次の回で強化機体はお披露目予定です。
それでは次回も楽しみにしていただければと思います。
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