今回から主人公の心境に合わせてタイトルの付け方を変えました。
それでは楽しんでいただければ幸いです。
---束さんの秘密ラボ
月のマイクロウェーブ送信施設は光学迷彩でこちら側から操作して隠すことが出来た。
束さんとラボに戻った後は、束さんが女の子の事を診ている間に約束だったご飯を作ることにした。
正直長時間のISの稼働でとても疲れているし、今すぐにでも帰って寝てしまいたかったが、約束を守るのと自分が人を殺めてしまったことへの気持ちの整理も兼ねて他の事をして落ち着こうと思った。今でも大きなガラスケースに入っている無惨な姿の子供達が頭から離れない...
「束さん、ご飯できましたよ!長距離移動で疲れているのと深夜なので食べやすいようにうどんにしました」
「おおー!ありがとうかーくん!」
俺が少し大きめの声で束さんを呼ぶと直ぐに束さんは近くにきて俺の作った夜食をキラキラした目で見ている。
「いただきまーす!」
「はい、どうぞー」
俺が束さんに会うようになってからいつの間にか用意されていた食卓でお互いに向かい合うように座り、うどんを啜る。
「束さん、救助した女の子はどうでしたか?あ、口の中が空いてから喋ってくださいね」
「んんっ!ごくんっ!ぷはっ!なんとか峠は越えたよ!一安心だね!」
「そうですか!良かった!」
「でも施設での実験でハイパーセンサーと同じ機能を持った目を移植されていて、しかも過剰適合しているみたい...日常生活に支障が出ちゃうと思う...」
「そんなことまでしていたなんて...」
「とりあえず、クーちゃんは束さんのところで預かることにしたよ!かーくんは安心してね!」
「分かりました。ところでそのクーちゃんと言うのは?」
「施設のシステムをハッキングしたときに見つけたんだよ、クロエ・クロニクルって名前をね。一緒に保存されていた資料も合わせて確認したからそれがあの子の名前で間違いないよ」
「そういうことでしたか。とりあえずあの子は束さんにお任せしますね、俺も時々様子を見に来ます」
「分かったよー、それでかーくんは今日はどうするの?」
「幸い今日は日曜日ですし少し寝てから帰りますね。また部屋を借ります」
「りょうかーい、あとの処理は束さんに任せてねー、おやすみかーくん」
「はい、おやすみなさい束さん」
俺は流石に限界が来たのでフラフラと束さんから休憩用の場所として借りているラボの一室に入り、そのまま倒れこんで眠った。
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---第2回モンド・グロッソ会場
一夏達と学生として生活しながら束さんと蒼機兵として各地の非人道的な実験施設を潰す活動をしている内に俺は中学2年になった。
今日は一夏と第2回モンド・グロッソの会場に来ている、千冬さんに招待されているのでVIP席の一番いい所で見ることが出来るそうだ、正直VIP扱いって憧れてたから興奮してます!
でも一夏誘拐事件が起きるから多分見れないんだろうなぁ...てか俺はどうなるんだこの場合。
「...い...海!」
「うおっ!なんだよ一夏」
「さっきから呼んでるのにお前が気付かなかったんだぞ?で、決勝前に一度トイレに行かないか?」
「ああ、悪い悪いちょっと考え事してたわ、んでトイレだっけか、そうだな先に済ませておくか」
俺は一夏と観客席を出てトイレに向かった。
「なんか妙なぐらい人がいないな」
「そうだな、さっさと済ませて席に戻ろうぜ」
トイレに向かう途中で俺は他に誰もいないことに気付いた。これ確実にここで誘拐されるな...さっきから妙な気配は感じるし、何故かとても嫌な予感がするし...
「あそこがトイレだな、早く行こう一夏」
「お、おう...」
俺は一夏の腕を掴みトイレに早歩きで向かった。トイレまであと5メートルというところで男が二人出てきて俺達の前に立った。
「なんでしょうか?俺達はトイレに行きたいのでどいてもらえませんか?」
男達を避けてトイレに入ろうとした所で俺達は囲まれていることに気付いた。
「...一夏、俺が合図したら走るぞ」
「えっ!?お、おう」
一夏に声をかけて俺はこの状況から脱出することにした。俺と一夏が会話している事に気付いた男たちはなにやらスタンガンのようなものを取り出し俺達に襲い掛かって来た。
「行くぞ一夏!」
「うおおおおお!」
俺は靴を片方目の前の男にぶつけて走り出し一点突破しようとした、俺の考えた通りに男は怯み突破することが出来たと思ったが、急に目の前にISが現れた。
「あ、IS!?」
「マジかよ...」
ISに逃げ道を塞がれて止まった瞬間に後頭部に激痛が走り俺は意識を失った...
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---とある倉庫
「っ...」
俺が目を覚ますとそこは倉庫のような場所で俺は縄で椅子に拘束されていた。俺の隣では一夏が同じように拘束されていてまだ目を覚ましてはいないようだった。
周りに見張りらしき人間はいるが俺が目を覚ました事には気付いて無いみたいだな...これならエクスエクシアを展開すれば何とかなる!
緊急事態だから展開と同時にトランザムを起動...見張りを無力化して一夏の拘束を解除して脱出...これでいこう。
「うーん...ここは?」
「!?(なんでこんなタイミングで目を覚ますんだよ一夏!見張りがこっち向いたじゃねえか!)」
「よお、二人ともお目覚めみたいだな」
「なんだよこれ!?どうゆうことだよ!?」
「お前らには悪いが織斑 千冬にはモンド・グロッソを2連覇されると困るんでな、人質になってもらった」
「なっ!?なんでそんなことするんだよ!」
「落ち着け一夏、ISっていうものには色々と国の事情が絡んでたりするんだよ...」
「そうゆうこった、そっちの坊主は随分と冷静だな」
「もうここ何年かで人間の暗い部分をとことん見てきたんでね、慣れた」
一夏から俺に注目が集まるように見張りの男と会話していると、部屋にISを纏った女が入って来た。
「何をしているの!人質なんて一人いればいいじゃない!千冬様の弟じゃない方なんて殺せばいいのよ!」
典型的な女尊男卑主義の人間か...なんでこういう人間って絵に描いたようなことしか言わないのかね。
「おいおい、そのブリュンヒルデにこいつも招待されている時点で関係者に決まってるだろ、俺達だって命は惜しいぞ」
「うるさい!男なんて汚らわしい!消えてしまえばいいのに!」
おうおう、キーキー喚いちゃってまぁうるせえのなんの...
「おい、ブリュンヒルデがこっちに向かってるらしいぞ、当初の目的は達成したしこれでずらかるぞ!」
「私に指図するな!この男はさっきから目が気に入らないのよ!」
そう言うなり女は俺の顔をIS用のブレードで切り付けてきた。
「っ...」
「海っ!」
とっさに目を閉じたから失明はしなかったが右目の上から斜めに切られて血が流れた。
「おいっ!もうすぐブリュンヒルデがくるってのになんてことしてんだ!」
「うるさいうるさいうるさい!」
この女ヒスってら...一夏がいるからエクスエクシアは最終手段にしたいしどうすっかなぁ...正直頭にきてるし今すぐ使いたいんだよなぁ...
バゴォン!!
「一夏!海!無事か!」
「「千冬(姉、さん)!」」
「ブリュンヒルデ!?もう来たのか!とっととずらかるぞ!」
千冬さん来た!これで勝つる!一時はどうなるかと思ったぜ...
「海!?貴様ら...許さんぞ!」
「千冬様!?私は貴女の為に!ぐぎゃっ!」
あ、千冬さんが俺の怪我見てキレた...千冬さん原作だとブラコンだったから一夏さえ怪我してなきゃ大丈夫だと思ったけど俺も千冬さんの弟分みたいなもんになってたかー
「一夏、海、大丈夫か!?」
流石千冬さん、強いなぁ...もうあのクソ女と周りの男たち無力化し終わってる...
「千冬姉!俺は大丈夫だけど海が!」
「海!直ぐに止血しないと!」
「大丈夫ですよ千冬さん、顔を切られましたが傷は浅いですし失明はしてません、運が良かったです」
「今も血が出続けてるじゃないか!直ぐに病院に行くぞ!」
「すみません...お言葉に甘えさせていただきます...それと、一夏を守れなくて申し訳ないです...」
「いいんだ...お前のおかげで一夏は無傷だ...お前ももっと自分を大切にしろ...」
その後、俺と一夏は千冬姉に連れられて病院で治療を受けた。一夏には何の問題も無かったが、俺は失明こそしなかったものの、右目の少し上から外側に向かって斜めに傷跡が残ってしまった。
まあこれはこれで男の勲章だと思っておくことにしよう。
ちなみに第2回モンド・グロッソ決勝戦だがこの事件により千冬さんが不戦敗と言う結果になってしまった。また、俺と一夏の誘拐場所の情報を見つけだしたドイツに、千冬さんは見返りとしてISの教官をする為に1年間出向く事となった。
あとは...俺の怪我の事を知った何処かの兎さんが焦っていなければいいけど...
「かーくんが怪我したって!どうしようクーちゃん!?」
「落ち着いてください束様!直ぐに情報を集めましょう!」
第2回モンド・グロッソまで来ましたね!原作突入もそろそろかも?
少しほのめかしていましたが、オリ主のもう一つの機体もちゃんと出てきますので楽しみにしていてください!
それでは次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。
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