ダンジョン探索者は今日も掲示板で駄弁っている   作:どるふべるぐ

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5話め。
今話から過去回想が入りますから前章のようにスレの会話と過去回想を分けて描写します。
回想の始まりと終わりには◆◆◆が挟まりますので、その間の内容は、スレではイッチが同様の事を説明していると思って下さいねー


その⑤『ペットと出かけよう』

551:異世界転移者

お待たせしました皆さん。朝ぶりですね

各手続きが一段落したのでひとまず報告したいと思います

 

552:名無しの探索者

д゚)ジー

 

553:名無しの探索者

キョロo(・ω・= ・ω・)oキョロ

 

554:名無しの探索者

気配無し。異常無し。よしヤツはいないな

 

555:名無しの探索者

と見せかけてか~ら~の~?

 

556:名無しの探索者

>>555

やめろ(真顔

 

557:名無しの探索者

>>555

シャレにならんからマジで

 

558:名無しの探索者

安全確認よーしっ。みんな集まれ~☆

 

559:名無しの探索者

確認班サンクス。イッチ朝ぶり~

 

560:名無しの探索者

ぶり~(゚∀゚)ノ

 

561:名無しの探索者

朝の終わり方がアレやったから心配したでイッチ~

 

562:名無しの探索者

一段落ってことは手続きは何事も無く終わった感じ?

 

563:異世界転移者

はい。色々ありましたけど無事に僕の探索者ライセンス取得もナナの使い魔申請も完了しました

今は京都アカデミーの食堂で三人で昼食をとっている所ですよ

 

564:名無しの探索者

お~よかったやん

 

565:名無しの探索者

心配で夜しか寝られんかったけどワイほっと一息(*´ω`*)=3

 

566:名無しの探索者

ん? 三人?

 

567:名無しの探索者

イッチとナナちゃんと……誰?

 

568:名無しの探索者

ワイのドッペルゲンガーかな

 

569:名無しの探索者

いや俺の分身体だろ

 

570:名無しの探索者

>>568

>>569

毎回自分だと主張してくる謎の根拠はなんなんだよww

 

571:異世界転移者

ここまでお世話になった探索者の人です。右も左も分からない僕たちに色々教えてくれた親切な人ですよ

 

572:名無しの探索者

あ~確かにイッチ達だけじゃよく分からんもんな

 

573:名無しの探索者

親切な人に助けてもらえたならよかったやん

 

574:名無しの探索者

男? ねえそれ男?

 

575:名無しの探索者

ナナちゃんに悪い虫が近づくのは我ら親衛隊が許さんぞ(#`皿´)

 

576:名無しの探索者

>>575

いつの間に変な集団が出来てる件ww

 

577:名無しの探索者

ヤリチンチャラ男は親切な顔して近づいてきて油断した所で女を奪っていくんやで。ワイはそれで彼女寝盗られました

 

578:異世界転移者

僕より少し年下くらいの女の人ですよ。悪い人では無さそうなので安心してください

 

579:名無しの探索者

ほう(ピクッ

 

580:名無しの探索者

とな(ピククッ

 

581:名無しの探索者

21のイッチよりちょい下となると19か20あたりかね

 

582:名無しの探索者

おっとここに来て新ヒロイン登場か!?

 

583:名無しの探索者

果たして美人系か可愛い系か……(面食い

 

584:名無しの探索者

おいおい大事なのは巨乳か否かだろ(おっぱい星人

 

585:名無しの探索者

何を言ってるか重要なのは中身。つまりSかMかだ!(М男

 

586:名無しの探索者

そこんとこ詳細はよ

 

587:名無しの探索者

女と分かったら急にがっついてきたなお前らww

 

588:名無しの探索者

これだから童貞は┐(´д`)┌

 

589:名無しの探索者

どどどど童貞ちゃうし!?

 

590:名無しの探索者

>>589

果たして単なるネタかそれとも……

 

591:名無しの探索者

>>590

やめてさしあげろ(武士の情け

 

592:異世界転移者

もちろんそのつもりです。ではあらためて、あの人との出会いからここまでのおおよその経緯を報告しますね

 

593:名無しの探索者

いよっ

 

594:名無しの探索者

待ってました~!

 

595:名無しの探索者

(*^ω^ノノ゙☆パチパチパチ

 

596:名無しの探索者

うん私としても心待ちにしていたよ。さあどうかきっとすごくとても興味深い話を聞かせてくれ

 

597:名無しの探索者

はい《Sプロトコル》発動―――!!!!

 

598:名無しの探索者

うおおおおお来やがったなッ!?

 

599:名無しの探索者

そんな気はしてた! してたけどさあ!?

 

600:名無しの探索者

ぬるっと気軽に来てんじゃねえよ!? 俺達パンピーなの! お前らみたいにSAN値バグってないの! やばいのに遭遇したら普通に減るの!!

 

601:名無しの探索者

おおおおおう上等だよこここここちとら朝は逃げたがもう逃げねえ! ナナちゃんを怖がらせるようならワイら親衛隊が相手になるで!! (o>д<)=○

 

602:名無しの探索者

おうやってやるぜい! 親衛隊を代表して>>601がな!

 

603:名無しの探索者

ナナちゃんを守るためならたとえ命を散らすことになろうとも躊躇わんで! >>601はな!

 

604:名無しの探索者

最後の強襲をかける>>601

スレ民達が闇の中に恐怖を見た時、親衛隊の企みが>>601を包む

 

605:名無しの探索者

次回『>>601散る』君は生きのびることができるか

 

606:名無しの探索者

あれこれワイ謀られとる(・ω・)?

 

607: 異世界転移者

あなたも朝ぶりですね。あなたのアドバイスもあって公的にもナナの安全を確保できました。ありがとうございます

 

608:名無しの探索者

いやいや礼などいらないよ。むしろ私が感謝しなければ。ナナ君を怖がらせてしまったからブロックされてしまうのではと思っていたからねえ

 

609: 異世界転移者

たしかにそのことについては正直思う所はあります。ですが、あなたの言葉が役に立ったのは事実ですし、なにより希少な同じダンジョンマスターとの繋がりはもっておきたいですからね。Sランクの《博痴》さん?

 

610:はくっち

何か勘違いしてないか? 私は《はくっち》だ。《博痴》じゃないよ

 

611:名無しの探索者

嘘つけ!?

 

612:名無しの探索者

はいダウトおおお!!

 

613:名無しの探索者

ちょっと可愛くしたコテハン付けても騙されねえよ!!(♯`Д´)ノ

 

614:名無しの探索者

イッチーー! はよブロック! イッチとナナちゃんとワイらのためにブロックかけてー!!(切実

 

615:はくっち

おやおやいやはやなんとまあ落ち着いてくれよスレ民諸君。私としても前回のようにナナ君を怖がらせるつもりはないんだ。その証に今回は、私がまた興奮し過ぎてしまっても止めることのできる知り合いをここに呼んでいるよ

 

616:名無しの探索者

知り合い?

 

617:名無しの探索者

いやいやSランクを止められる奴とかいるわけないやん。……いないよな?

 

618:名無しの探索者

自分何だかヤベエ予感がしてきたのですが

 

619:名無しの探索者

やめてよこれ以上何が来るってんだよぉ(((;´A`)))

 

620:666

えっと……皆さまこんにちわ。あの、これでいいですか? わたしの言葉はちゃんと入力されてますか? 

 

621:名無しの探索者

え誰?

 

622:名無しの探索者

どんなバケモンが来るかとビビってたら予想外に腰が低いのが来たんだけど

 

623:名無しの探索者

てかなんだよその厨二臭プンプンのコテハンww

 

624:名無しの探索者

なんだただの痛い厨二か(`艸´)プッ

 

625:名無しの探索者

しかもちゃんとレスできてるかも分かってないとかポンコツかよww

 

626:はくっち

ああ彼女は機械類の操作が苦手でね。いわゆる機械オンチというやつなんだ大目に見てくれないかな

 

君も安心してくれ。見ての通り音声入力はちゃんとできているとも

 

627:666

ふぅ……よかったです。

ここにアクセスするだけでも2時間以上かかっちゃいましたから、一時はどうなることかと思いました。

これもきっと、困っている者達を助けよという主の思し召しですね。《聖邪》と呼ばれる罪深き身ですが、あなた方の助けになれるよう尽くさせていただきます

 

628:名無しの探索者

 

 

629:名無しの探索者

 

 

630:名無しの探索者

 

 

631:名無しの探索者

(゜∀。)

 

632:666

あ、あれっ? あの……皆さま。どうかしましたか? なんでいきなり黙っちゃったんですか? わたし何かやっちゃいました?

 

633:はくっち

なんともいやはややれやれだ。コテハンを付けているのに通り名を名乗っては意味がないじゃあないか

 

634:666

ふぁっ!? あっ、そうですよね。わたしったらつい……皆さまが呆れて言葉を無くすのも無理はないですね

 

635:名無しの探索者

アッハイ

 

636:名無しの探索者

ソンナコトナイヨー

 

637:名無しの探索者

キニシテナイヨー

 

638:名無しの探索者

いろいろあったけどわたしはげんきですよー(゚ω゚)

 

639:名無しの探索者

アカンこいつらキャパオーバーで思考がフリーズしてやがる

 

640:名無しの探索者

まあ俺らみたいなある程度耐性ある上位ランクはともかく、他の奴らにはSランクがダブルでそれも虐殺シスターの《聖邪》とか精神的にキツ過ぎるわな

 

641:名無しの探索者

そのうちスレ民は考えるのをやめた

 

642:はくっち

彼女を皆がつつがなく受け入れてくれたようでなによりだよ。

 

さてイッチ。横から君の話を切る形になってすまなかったね。さあ再開しようか聞かせて教えて楽しませてくれ。私の脳味噌は待ちきれなくて疼いているんだよ

 

643:666

万が一の時はわたしが博……はくっちさんを止めますから、安心して進めてください

 

644:異世界転移者

666さん初めまして。お気遣いありがとうございます。ではその時は頼みますね。

 

では皆さんあらためて、ここまでの経緯をお話しします。

 

朝、スレから抜けた僕とナナは軽く身支度などを済ませてからアパートを出ました。

念のため使い魔登録をするまではモンスターであるとバレないようナナには犬耳を隠す帽子を被ってもらい、京都市中央部にあるという京都探索者アカデミーに二人で向かいました。

 

こっちの世界の市内を歩くのは昨日から二回目ですが、やっぱり元居た世界の見慣れた街並みとほとんど同じですね。それでもよく眺めてみると、店先に『探索用品各種取り揃えております』『ただいま武器全品割引セール開催中』『魔導書ネクラノミカン入荷しました』などダンジョン関連ののぼりや看板やあちこちにあり、見慣れた風景のようで確かに違う世界なんだと改めて実感しました

 

ナナなんかは犬の頃も含めて都会は初めてですから、物珍しそうにキョロキョロしてましたよ。それで気になった物があったら『ご主人さまご主人さま。あれは何ですか?』って聞いてくるんです。僕はそのたびに色々教えてあげるんですけれど、それを大きな目をキラキラさせて聞くナナと一緒に歩いているだけで、すごく幸せでそして懐かしい気持ちになりましたね                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

 

645:名無しの探索者

ああ、イッチがナナちゃんを連れて歩くのは犬だった時以来になるんやね

 

646:名無しの探索者

そりゃ懐かしくもなるか

 

647:名無しの探索者

一時は死に別れた犬と飼い主がまた仲良くお散歩かあ。……自分で言っててちょっとウルっときたわ(。´ω⊂)

 

648:名無しの探索者

>>647

ワイも。動物ものは涙腺にクるよねぇ

 

649:名無しの探索者

朝の終わりがあんなやったから、イッチもナナちゃんも楽しそうでよかったわ

 

650:はくっち

いやまったくだね。私も元気の無かったナナ君が楽しげにしていて嬉しいかぎりだよ

 

651:名無しの探索者

>>650

(#^ω^)

 

652:名無しの探索者

>>651

やめろそもそもそうしたのお前だろとワイも思ったけどSランクにツッコんだらあかん!

 

653:名無しの探索者

>>651

どーうどうどう落ち着け~落ち着け~気持ちは分かるけど下手に刺激したらどうなるかわからんぞ~

 

654:名無しの探索者

マッドサイエンティストの公開人体実験か虐殺シスターの虐殺ショーか……うーんどうあがいても絶望

 

655:はくっち

おやおや誤解があるようだね。言っておくが私は他人を使った人体実験などしないよ

 

656:666

あの、わたしもそう軽々しく虐殺は行いませんよ?

 

657:名無しの探索者

とおっしゃってますが

 

658:名無しの探索者

はははまたまた御冗談を

 

659:名無しの探索者

猫被ってんじゃねえよ人格破綻者共め

 

660: はくっち

嘘ではないよ。この私が人体実験なんて気持ちいい事を他人に任せるなんて勿体無いまねをするものか。実験材料は常にこの私自身。効果も副作用も自分の身体で確かめ感じ味わってこそ脳味噌が気持ちよくなれるんだよ

 

661:666

主に誓って、わたしが虐殺をするのはそれが必要な時だけです。それしか方法が無いとならば何時でも何処でも誰であろうとも虐殺しますが、幸い今はその必要はありませんから安心してください

 

662:名無しの探索者

アッハイ(二回目

 

663:名無しの探索者

アハハソウデスカー(脳内フリーズ

 

664:名無しの探索者

ワカリマシター(考えるのをやめた

 

665:名無しの探索者

だからツッコむなと言うたろうに……ッ!!

 

666:名無しの探索者

Sランクから正気の答えが返ってくるとでも思ったのか?

 

667:名無しの探索者

そしてSANチェックからの思考停止定期

 

668:名無しの探索者

ツッコまなければやられなかったのに!

 

669:名無しの探索者

悲しい事件だったな。さ、ワイらは冥福を祈りつつイッチの話を聞こうやないか

 

670:名無しの探索者

せやな。Sのナチュラル狂気を浴びた後は癒しが欲しいわ。イッチというわけで続きよろ

 

671:異世界転移者

いやあ、なんかようやく皆さんがSランクを怖がる気持ちが少しは分かってきましたよ。なるほどこれは強烈ですね。

 

さて、そうして街の中を歩いていた僕たちでしたが、そんな和やかな時間は唐突に中断させられました。きっかけは僕たちに背後からかけられた叫び声で、それは切羽詰まった調子でこう言っていました。

 

◆◆◆

 

「わーー!? そこの二人逃げてーー!!」

 

不意に背後から響いたその声に振り向いた僕の視界に映ったのは、今まさにこちらに突進してくる巨大な猫だった。

ぱっと見でも1m超え。虎かライオンのような大きさのそれはそのぎらついた双眸で前方に立つ僕を捉え、障害物と判断したのか唸り声を上げて飛びかかってきた。

 

「ご主人さま!?」

「うひゃーーー!? ちょっやめて駄目止まって使い魔が暴走して一般人を傷つけたとか一発でライセンス停止になっちゃうからああああああ!!」

 

動揺したナナと誰かの悲鳴が耳に届くも、僕は突然の事に思考が停止する。何が起こったのか咄嗟に判断できず、迫る大猫の鋭い爪が僕の肌を引き裂く——刹那、停止した思考ではなく『本能』が身体を動かした。

 

「——っ!」

 

反射的に跳ね上がる僕の両腕、開いた掌の軽く曲げた五指が、絡みつくように大猫の毛皮に埋まり

 

「ニャぅっ!? ニャニャっ……ぅニャ~ン♡

 

そして僕は、全力でその巨体を撫でまわしていた。

 

ワシャワシャワシャなでなでなでゴロゴロゴロにゃ~ん

 

「大丈夫ですかご主──って何してるんですかご主人様ーー!?

「……はっ!? 猫ちゃんが近づいてきたからついやってしまった」

 

目を丸くしたナナのツッコミではっと我に返る。

気が付いたら身体が勝手に動いていた。これはそう、本能だ。モフモフの動物が来たらとりあえず愛でずにいられないという——ケモナーの本能だ!

 

撫でる時は決して強引にしてはいけない。じっくりゆっくりソフトな力加減で。顔まわりは人差し指でゆっくりと、両足は付け根から足先まで撫で下ろすようにさすり、そして背中は頭のてっぺんから尻尾まで毛並みに沿って掌全体で軽く撫でれば

 

「うにゃあ~~ごろごろごろごろ(=´ω`=)」

 

牙を剥き出しにしていた顔をふにゃんとさせて喉をならしているその姿にはもうさっきまでの獰猛さは無い。

野良猫や猫カフェで長年鍛え上げた撫でテクは、荒ぶる巨大猫を鎮め、ふにゃふにゃの骨抜き状態にしたのだった。

た、助かった……。

 

◆◆◆

 

いやあケモナーでなければ死んでましたね

 

672:名無しの探索者

ケモナーすげえな!?

 

673:名無しの探索者

これが噂の撫でポか! ←違う。……のか?

 

674:名無しの探索者

即堕ち二コマとはたまげたなあww

 

675:名無しの探索者

大猫「ケモナーには勝てなかったよ……(ビクンビクン」

 

676:名無しの探索者

いやいやいやそんなのってある( ;゚Д゚)エェ?

 

677:名無しの探索者

勝手に体が動いて迎撃ってバトルマンガじゃあるまいし

 

678:名無しの探索者

いやまあ出来ない事は無いで。ベテランや上位ランクの奴ならぼちぼちやれる奴はいるわ

 

679:名無しの探索者

動きを意識じゃなく文字通り体に叩き込めば可能。まあ何度も繰り返さにゃならんが、一度身体が動きを覚えれば意外と勝手に動いてくれるもんだぜ

 

680:名無しの探索者

なに、お前らももう一つ上のステージに上がれば分かるようになるさ。待ってるぜ(Aランクワイが超上から目線でお送りします

 

681:名無しの探索者

>>680

野郎に待たれてても嬉しくない定期

 

にしても身体が反射的に撫で回しちまうとかイッチ今までどんだけ撫でてきたんだよww

 

682:異世界転移者

そうですね。とりあえず動物を見つけて撫でられそうなら撫でてきたので1000匹は超えてると思いますよ。

 

そんな僕でもさすがに大猫を撫でるのは初めてでしたが、いやあ気持ち良かったですね。毛並みの豊かさはもちろんですけど、なんと言ってもサイズが桁違いですから、両手どころか腕を回して抱き着くみたいに撫でられるのでもう最高でしたよ

 

683:名無しの探索者

あそれはワイも撫でてみた~い

 

684:名無しの探索者

モッフモフ系のモンスターを触るのは気持ちいいよね~(^^)

 

685:名無しの探索者

ケモナーワイ。イッチの撫でレポを見てムラっとしたので使い魔の化け猫を撫で回し中

 

686:名無しの探索者

おいおいイッチ~。イッチにはナナちゃんがいるやろ~。なのに他の奴を撫でてええんか~?

 

687:異世界転移者

まあそう思いますよね……ええ実際案の定でした。  

 

◆◆◆

 

「ご主人さま! ななななんでそのメス猫を撫でてるんですかっ!!」

「っとナナ、これは何と言うかこう身体が勝手にね……」

 

襲われた僕を心配する表情から一転、形の良い眉を吊り上げて睨んでくるナナ。

あ、これは不味いやつだ。額から嫌な汗が流れるのを感じた僕は、すぐさま大猫から両手を離そうとする……するんだけど……ッ

 

「勝手にって何ですか! ご主人の意思じゃないというなら今すぐ止めてください!」

「ああうんそうだね。止めないと……うん止めないとね……」

「そう言いながらなんで撫で続けてるんですかーー!?」

 

ごめん……だってこれ凄く気持ちいいんだ……っ!

触れれば手首まで埋まり掌をモフっと包んでくれる豊かな柔毛。その下の肌は程好い弾力

があって、なにより体の大きさが段違いだから撫で甲斐がありすぎる。

だから頭では今すぐやめなきゃとは思うけど、撫でるこの手が離せない止まらない。

うわあぁ~ずっとこれ撫でてたいなあ~。

 

「うにゃ~ふにゃ~(=^ω^=)」

がるるるるっ! そこのメス猫も離れなさいっ!! ご主人さまに撫でられていいのはナナだけですよっ!」

 

ついには僕の腕の中で喉を鳴らす大猫まで威嚇しだしたナナ。

ああ、そういえばナナって僕が散歩中に野良猫を見つけて撫でてた時も思いきり威嚇してたなあ。あと他の動物の臭いをつけてきても不機嫌になるんだよね。そういう時は決まっていつもよりしつこく身体を擦りつけたり舐めてきたりして自分の臭いで上書きしようとしてくるんだよねえ。いやあ懐かしいなあ。

 

「むーっ。ナナは怒ってるのに何でほっこりしてるんですかご主人さま!」

「ごめん。ちょっと昔を思い出してね。うん、いつもの元気な表情もいいけど怒った顔も可愛いよナナ」

「わふっ!? いっ、いきなり何言ってるんですかっ。そんなので誤魔化されるナナじゃないですよぉ……くぅん」

 

◆◆◆

 

なんて言いながら最後に頬を緩ませてるナナは凄く可愛かったです

 

 

688:名無しの探索者

焼きもちナナちゃん可愛ええ過ぎる件ww

 

689:名無しの探索者

うっは~~頬をぷくっと膨らませてるナナちゃんを想像しただけで心がぴょんぴょんするんじゃ~

 

690:名無しの探索者

これがご主人様が大好きだからこそって思うともう……もうっ(*≧д≦)ッカー

 

691:名無しの探索者

しかも犬の頃から焼きもち焼きとかっ。う~あ~~尊過ぎて転げ回らざるをえぬ~~~ゴロゴロ

 

692:名無しの探索者

親衛隊一同もナナちゃんの可愛さに床ゴロゴロ中

 

693:名無しの探索者

にしてもイッチも悪いやつやな~。ナナちゃんがいるのに他の奴に手を出すなんてな~(ニチャァ

 

694:名無しの探索者

これはナナちゃんが怒るのも無理無いわ~

 

695:名無しの探索者

イッチさいてー( -д-)

 

696:名無しの探索者

あ~思い出す~。付き合ってた彼女がヤリチンチャラ男と浮気デートしてたのを目撃した時を思い出す~。あん時のワイと同じショックをナナちゃんは受けとるわけかあ

 

697:名無しの探索者

失望しますたイッチのファン止めます

 

698:名無しの探索者

いや~でも正直、同じケモナーとしてはイッチの気持ちが分からないでもない

 

699:名無しの探索者

『撫でられそうならとりあえず撫でる』それ超分かる(*゚∀゚)ウンウン

 

700:名無しの探索者

ぶっちゃけケモナーの本能だよね~

 

701:はくっち

ケモナーではないが私も似たような覚えはあるよ。興味深い未知のものを見つけると、理性よりもまず本能で観察し解析し解剖したくなるよねえ。うんうん分かるとも

 

702:666

えっと、それは何か違うと思いますよ……。

 

イッチさん。猫さんを撫でる気持ちよさはわたしも分かりますが、でもナナさんをないがしろにするような真似はいけません。冒涜とまではいきませんけれど、あなたを慕う女の子を悲しませるのは罪ですよ

 

703:名無しの探索者

イッチ謝罪しろおおおおお!?

 

704:名無しの探索者

今すぐ土下座! 死にたくなければ土下座をするんじゃ!!

 

705:名無しの探索者

虐殺される前に早くうううう!!

 

706:名無しの探索者

虐殺シスターが怒ってるよぉ……イッチが虐殺されちゃうよぉ……っ((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

 

707:名無しの探索者

お慈悲をーー! お慈悲をどうかイッチにいいい!

 

708:異世界転移者

ええっ!? 僕いま命の危機なんですか!?

 

709:666

ちっ、違いますよ!? さっきのはこう、ニュアンス的には『めっ』っていう感じですからねっ。小さい子供を軽く窘めるような物なので怒ってなんていませんよ~!

 

710:異世界転移者

ああ、ならよかったです。

はい。僕もナナを傷つけるような事はもうしたくないので肝に命じます

 

711:名無しの探索者

ふい~助かったぁ( ;´Д`)=3

 

712:名無しの探索者

危うくスレが虐殺実況スレになるとこやったな

 

713:666

あの、皆さま? 誤解されるような言い方をしたわたしが悪いとはいえ、そこまで怖がらなくてもいいんですよ?

先ほども言った通り、わたしは無益な殺生も理由無き虐殺もしませんから。主に誓って、です

 

714:名無しの探索者

それってつまり決してやらない訳じゃなくて殺るときゃ殺るって事じゃ……

 

715:名無しの探索者

>>714

だからシーーーー!!

 

716:名無しの探索者

>>714

ワイも思ったしスレ民心の中で総ツッコミしたろうけど口に出しちゃらめええええ!!

 

717:名無しの探索者

イッチはよ進めてー!

 

718:名無しの探索者

これ以上ヤバい事になる前に早く!

 

719:異世界転移者

えーと、はい。では続けますね。

 

プンプンしてるナナは可愛かったんですが、さすがにこのままではナナに悪いので、名残惜しかったですけど僕は大猫を撫でてるのを止めて手を離しました。

それであらためて、この大猫は何なのだろうかとナナと一緒に首をかしげていた所に、あの人は現れました。

こういかにも慌てた様子で、息を切らせて僕たちに駆け寄ってきて

 

◆◆◆

 

「だだだ大丈夫!?」

 

そう問いかけてきたのは、巫女装束を現代風にアレンジしたような服装の女の人でした。

 

 

【挿絵表示】

 

 

年は僕より少し下、たぶん18か19あたりですね。明るい茶髪に染めた髪を伸ばした、快活そうな雰囲気のちょっとギャルっぽい娘でした。

その娘は僕とナナの前で勢い良く立ち止まって

 

「怪我は無い? おにーさんと──うわっスゴイかわい子ちゃん!?

 

心配げな目でそう問いかけた後、ナナを見て目を丸くしました。

 

うっわ可愛い~! おおっ、ちっちゃいのに胸スゴッ!? その服コスプレ? ちょー似合ってるし可愛過ぎかよっ」

「きゃぅっ!? ご、ご主人さまぁ……」

 

と今度は興奮気味のテンションでナナを誉めまくります。ギャルのいきなりぐいぐい来るノリにナナはびっくりしたのか、助けを求めるように僕に身を寄せてきました。

 

「えっと、君は………?」

「はっ!? だめだめアタシったらつい……えっと、怪我とか無い? 大丈夫だった?」

「え、あ、うん。僕は特に何ともないよ。ナナはどう?」

「ナナも大丈夫ですよ」

「ホントに? おにーさん何か目が死んでるような感じだけど? ショックで精神がヤバくなってたりしてないの?」

あ、これは元々です

「そっかーなら大丈夫かってそっちのがヤバくね!?

 

◆◆◆

 

表情がコロコロ変わって見てて面白い娘でしたね

 

720:名無しの探索者

【悲報】やっぱりイッチの目は死んでいた

 

721:名無しの探索者

『あ、これは元々です』のヤバさよww

 

722:名無しの探索者

自殺者メンタルは伊達じゃない! 思い知ったか巫女ギャル!

 

723:名無しの探索者

>>722

なぜお前がドヤるw

 

724:名無しの探索者

新ヒロインは巫女でギャル? 悪くないやん

 

725:名無しの探索者

日本古来の伝統的な巫女服に最新のギャルを合わせるとか……ワイ的にベストマッチ(o^-')b !

 

726:名無しの探索者

ん~なんかワイこのギャル知ってるような気がするで?

 

727:名無しの探索者

あ、俺も。なんかの話で聞いたことあるような……

 

728:名無しの探索者

え何? この巫女ギャル有名な人なん?

 

729:異世界転移者

それから、僕達が何事もなかったと知るとその娘はバッと勢い良く頭を下げて

 

◆◆◆

 

「ごめんなさいっ!!」

 

大きな声で、本当に申し訳なさそうに謝ってきました。

 

「うちのバカ猫が勝手に飛び出しちゃって……もうコイツったらウチの使い魔なのに全然言うこと聞かなくてマジありえないっていうか……それでおにーさん達にちよっかいかけて危険な目に合わせちゃって……ほんっとーーーにすみませんでした!

 

それはもう誠心誠意平身低頭という感じで、やられたこっちが逆に申し訳なくなるくらいで

 

「いやあの、そんなに謝らなくてもいいよ。僕もナナも怪我は無かったんだし……」

「でも危険な目に合わせちゃったのは事実だしっ。てゆーかヘタしたら大怪我しちゃったかもしれないし……ああもうホントごめんなさいっ!!!!」

 

 

僕が宥めようとしてもこの娘はなおも謝り続け、それから結局、止まるまでに10分以上経ってしまいました。

ようやく謝るのを止めた彼女でしたが、今度はまだ僕の傍から離れていなかった大猫に怒りのこもった目を向けて

 

「アンタもいい加減離れなって! おにーさんがメーワクしてるでしょ!」

「そっ、そうですよ! どこの馬の骨かも分からないメス猫はご主人さまから離れてください!」

 

そう形の良い眉を吊り上げ叱りますが、大猫はどこ吹く風という表情で、連れて声を上げたナナまで無視して僕にその柔らかな身体をスリスリと擦り付けてきました。うわぁ、気持ちいいなあ。

 

「あの、別に僕はこのままでも……」

「ご主人さま?」

「あ、いえ何でもないです」

 

ナナ顔が怖いよ。

するとついにナナはいつまでも離れようとしない大猫にその手を伸ばし、

 

「がうっ!! こうなったら力尽くです。早く離れなさーーい!

 

と無理やり押し退けようとしますが、大猫は鬱陶しそうにその尻尾を鞭のように振るって、

 

「きゃぅんっ!?」

 

なんとナナの顔面をベシッと叩きました。

 

「わーー何やってんのこのバカ猫ーーー!?」

「ナナ!? だいじょ……

 

ナナと彼女の悲鳴が上がり、僕は慌ててナナに目を向けて──その頭から、帽子がポトリと落ちるのを見てしまいました。

それはナナのイヌミミを隠しておくためのもので、使い魔登録の前にナナがモンスターであると万が一バレないようにする大事な物であるわけでしてつまり

 

「ああああごめんねキミ大丈夫!? このバカ猫がよくも……って、あれ? その、頭に付いてるのって……」

 

そう、ナナのイヌミミは彼女にバッチリ目撃されてしまったのです。

 

「いっ、イヌミミ~~~~!?」

 

◆◆◆

 

目を丸くして仰天するあの娘の表情を見て僕は思いましたね。どうしようって

 

730:名無しの探索者

いやほんとどーすんだよコレ!Σ( ̄□ ̄;)

 




お読みいただきありがとうございます。短くまとめようと思ってるのに気付けば文字数がひとりでに増えていく怪現象に悩まされている作者です。

あさて、今回はついに主人公達が家を出て外の世界にくり出しました。
リアルとスレの両方で新キャラもぼちぼち登場し出し、ここから物語が本格的に動いていきます。
はたしてイヌミミがバレてしまった主人公達はどうなってしまうのか。な次回をお楽しみに

あと描写はまだ手加減してるのにすでに読者様に女版ボ●ドルドとか言われてる変態の活躍もお楽しみに~

おまけ
ざっくり解説

『ネクラノミカン』
魔導書。
アメリカ合衆国マサチューセッツ州セイラムに存在するSクラスダンジョン『ミスカトニック大学』の最奥部で発見された魔導書『ネクロノミコン』の日本語写本(なお原本は盗難ののち現在所在不明)。

魔術は天才的だが英検5級レベルのさる魔術師が英和辞典とにらめっこしながら日本語訳した結果、翻訳を悪魔的にトチってタイトルがこんなのになってしまった。

加えて日本で売り出すなら日本人受けするようにといらん企みをして、原書のおぞましい図解を日本の萌絵師による萌えイラストに変更したあげく、名状しがたき怪異にツンデレクーデレヤンデレ等謎のキャラ付けをするなど様々な原則レイプもといアレンジを加えた結果、『日本人に見つかった結果』『ラヴクラフト先生最新の誤算ww』と言われてる世にも冒涜的な書が誕生したのである。

なお英検5級レベルの翻訳なので肝心の内容は文法やスペルなどが盛大に間違っている箇所が多々あり、ネクロノミコンの各国語写本の中では最も出来が悪い(そのおかけでSAN値へのダメージは大分低くなっている)。

閲覧は上級魔術の心得があるかBランク以上の探索者推奨の上、自己責任で。

なお太古の邪神プープービ●マンカの遠縁の姪を呼び出す書とは一切関係無い。
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