Fate/Stardust Vendetta―星屑の復讐僤――   作:ソクリ

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第17話「Pretnder」②

 ―――気付けば10年が経っていた。

 

 毒に犯され、足の自由が利かなくなっていた己をオデュッセウスが島に置き去りにしてから、それほどの年月が経っていたことに驚きを覚えていた。年月を長く感じたことはない。洞窟の中で自分の生きる道を確立し、来る日も来る日もただ生きるために狩猟を続ける日々は、常に戦いだった。

 

 自然の中に身を置き、自然の中で自分の生を掴み続ける毎日、人間としての欲望は徐々に減っていき、その日一日を生きぬくことにだけ集中する日々は決して悪いものではなかったと考えていた。

 

 だからこそ、10年も経過して今更迎えに来たことについて憤りを覚えた。あまりにも都合がイイ、こちらの状況など何一つとして考慮しておらず、自分たちの都合だけで迎えに来た連中を僕は当初、本気で侮蔑した。

 

 あまりにも非道が過ぎる、今更、和解など求められたところでそんな都合よく許してやる道理などこちらには全く存在しない。過酷な自然の中で対峙してきた獲物たちよりもなお、迎えに来た同胞たちの姿は醜く映った。

 

 彼らと会話をして自分は心のどこかでギリギリでも否定をしていた自分が騙されていたのだという事実を認識することになった。半ば確信を覚えていたとはいえ、それが決定的になったということがどれ程自分の心に絶望を与えるのかということを強く痛感させられたのだ。彼らの申し入れを聞いて、彼らとともに島を離れるのか。それとも、彼らの差しのべた手を振り払い決別してでも、この島での自分を貫くのか。決断の時間は決して長く存在していたわけではない。

 

 この島の中の生活に順応し、半ば人間としての生活を停滞させてしまった僕にとっては、彼らを受け入れなければならないほどの理由はなかった。今更、差しのべられた手を取る理由がどれ程あるのかと自問自答をしたのは間違いない。

 

 ただ、結果として僕はもう一度彼らの手を取る決断をした。オデュッセウスが己の過ちを謝罪してきたからという理由もあるが……、それでも、僕は彼らを許したのだ。

 

 淡々と島の中で狩猟の生活をし、極限にまで自分を自然の中の一生命として同化させていく。そんな生活を10年以上続けてきたからこそ、行きついた境地でもあったのだろうか、個人的な意地と自分自身がこの世界の中で為し遂げるべきこと、それを天秤にかけて、僕は後者を選ぶことが出来た。どれほど、わだかまりが心の中に存在していたとしても、僕がこの島を離れるに足りるだけの理由が生まれたのだと自分を納得させることが出来た。

 

 この世は不条理である。自分がどれ程悩み決断したことであったとしても、世界の流れの中では、当たり前のようにその決断を無意味であったと思い知らされることがある。

 

 それでも、道理も何もを覆してでも、その世界の流れのために決断をしなければならない時と言うものはやってくるのだ。人もまたこの世界に生きる生命の一つであればこそ、大きな運命の流れに逆らうことはできない。

 

 だからこそ、淡々と己の役目を全うすればいい。その役目がたとえ自分の求めるものとは違っていたとしても、役割を果たした先には確かな意味があるし、不条理であったとしても許すことのできる土壌が生まれる。自分はそのように思っているし、己のマスターも根底ではそれを理解していると信じている。許してでも、それでも得られるものは確かに存在するのだと。

 

(マスター、我が主よ、今でも過去の己に囚われて、前に進むことを怖れる者よ、君も本当は気付いているはずだ。誰よりも自分自身を縛っているのが自分であることを。それを解放することができない限り、君は前に進むことができないことを)

 

 感情は時に人の決断を鈍らせる。それは君にとっても同じことだろう。気付いてしまえば簡単な決断であったとしても、それを選ぶことができないもどかしさこそが辛い所であることは経験がある身として理解している。

 

(僕はその上で君が決断を下したのならばそれを尊重しよう。あくまでもマスターとサーヴァントの関係でしかない。僕が君の人生にモノを申すほどの何かを持ち合わせているわけではない。君は君の人生に責任を持てばいい。そうすればおのずと答えは出るだろう)

 

 僕は何処まで行ってもサーヴァントであることから逸脱するつもりはない。僕は彼の道具であり、道具である以上役目を果たすだけだ。望まざる決断をして、今もなお過去に囚われている彼はあの島でもう一度オデュッセウスと再会した時の僕と同じだ。様々な逡巡をして、それでもなお答えを見つけ出さなければならなかった時の僕そのものだ。

 

 僕と似た者よ、どうか君が自分自身の決断を見出すことができるように僕は願おう。

 

 その願う先にいる相手は、全身から七星の魔力を発露させ、レイジを徹底的に追い込んでいく。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

「くっ、こいつ、さっきまでと動きが」

「お前と同じだよ、俺も七星の魔術師だ。魔力を解放すれば、これだけのことができる!」

 

 先ほどまでレイジが放ってきた攻撃のことごとくが避けられ、紙一重の所でレイジへと刃が放たれる。その身に傷を生み出し、血が迸る。

 

 七星の血と七星の血のぶつかり合い、散華と桜子の戦い同様に自分自身の技量に上乗せする形で行われる激突はさながら自動操縦とマニュアルを切り替えながら如何に相手を出し抜くかの戦いだ。

 

 ヨハンが手にしている七星の力は、追い込まれれば追い込まれるほどに力を発揮する。瀬戸際の戦いでこそ魔力が発露し、ギリギリの攻防で相手を破壊することに特化している。対人戦闘よりも大軍戦闘でこそ役に立ち、彼の真価はまさしく、リゼと手を結んでこそ発揮されるが、今彼の傍にはリゼがいない。あくまでも彼自身の力だけで闘う必要がある中で、レイジによって刻まれた傷が力を発現させるトリガーとして機能している。

 

 此処まではあくまでもヨハン自身の技量だったが、ここからはそこに七星の血も混ぜ合わされる。アーチャーが先程アヴェンジャーに言及したように、通常のヨハンに喰らいついていたレイジでは、七星の血によって強化されたヨハンを越えることは当然に出来ない。自分よりも格上に対して追いついたと思った瞬間に更に追い抜くような強化を見せられてしまったとなれば、もはや戦いの土俵に立つことすらできないではないか。

 

「はぁ……はぁ……っ、知ったことかよ、そんなこと……!」

 

 だが、言うまでもなくその程度の逆境で諦めるようであればレイジ・オブ・ダストの名折れである。どれほど追い込まれたとしても、命が尽きる最後まで諦めないからこその執着心、それがここまでに二人の七星を倒す原動力になった。此処まで生き残ることが出来た原動力になった。楽に勝てた戦いなど一度たりともない。常に自分が敗北し命を落とす可能性を孕む中で何とか薄氷の勝利を飾って来たのだ。

 

 理解できない力、自分の中に宿っているこのよくわからない力を使うたびに、自分自身の何かを捧げているような気がする。力を使うほどに死に近づいているような感覚を拭う事が出来ないのだ。

 

 だが、それがどうした。それで勝利できるのならば安いものだ。長生きをしようとも、最後が平穏な終わりになるとも思っていない。ただ目的のために駆け抜ける。それだけを信じて戦ってきたのではないか。

 

(この力はお前のための力じゃない。わかるだろう、使えば使うほどに、お前と言う存在は焼き切れていく)

 

 ああ、そうかもしれない。だが、それがどうした?

 

(この身体はとっくに限界を迎えている。その限界すらも飛び越えて命を失うぞ)

 

 ああ、そうかもしれない。だが、それがどうした?

 

(死ぬのが怖くないのか?)

 

 ああ、そんなことよりも、目的を果たすことができないことの方がよっぽど恐ろしい!!

 

 七星総てを討伐する。まともに生きていればそんな目的を達成することが不可能に近いことくらい、レイジ自身が一番よく知っている。

 

「元から俺は、命を懸けてでも復讐を果たすと決めているんだよ!! だから、邪魔をするなッ!! 俺の中で引っ込んでいろ!!」

 

 大剣が蛇腹剣の形状へと変わり、まるで暴風のように連結刃がヨハンへと襲い掛かる。大剣ほどの攻撃力はないが、総てを捌き切るのは難しい攻撃である蛇腹剣、それが次々とヨハンへと襲い掛かってくる。

 

「くっ……がっ……ちっ、これは……」

 

 そして、ヨハンの身を切り裂く刃には副次的な効力が存在することも忘れてはならない。

 

 すなわち、七星の魔力の減退である。そもそも、レイジの特性は七星の魔術師に干渉し、七星の魔力を無力化することに他ならない。

 

 ここまでずっとヨハンはほとんど七星の魔力を使ってこなかったが、レイジが自分自身の七星の魔力を使うようになってから、追い込みをかけるために七星の魔力を使うことに転換した。それ自体はヨハンの判断として何も間違っていない。実際、レイジは再び劣勢へと追い込まれ、ヨハンは半ば優勢な状況を作ることが出来ているのだから。

 

 しかし、その土台をつくっている七星の魔力がレイジの攻撃によって強制的に無力化されていく。切り裂かれるたびに、七星の魔力が霧散し、ヨハンの身体を覆っている追い込まれるほどに戦闘力が高まっていく魔力の力が喪われ、先ほどのレイジが優勢を取っていた状況へと舞い戻っていくのだ。蛇腹剣による攻撃はさしてヨハンにとって大きな傷であるとは言えない。だが、七星の魔力を削られるということに関しては死活問題だ。

 

 この生きるか死ぬかの瀬戸際に向かわんとする戦いの中で自分の有利な点を放棄することになれば、情勢をひっくり返されるのは目に見えている。レイジの手法は悪辣だ。ヨハンがこの刃の嵐を封じるために不利を覚悟で動けば今度は大剣で押し潰す戦法へと変えるだろう。どちらにしても、蟻地獄のような状況である。

 

(さっき、あいつは明らかに俺じゃない他の誰かと話しをしているような様子を浮かべていた。あれは誰だ……? まさか、アイツの中にいる七星の人格か? 俺ですらもそこまでの覚醒に至っていないのに……いや、それならばもっと顕著な変化が出てもおかしくない。であれば―――――まさか)

 

 そこでヨハンは一つの仮説に思い至る。もしも、レイジと言う存在の中にもう一人の人格がいるのだとすれば、理由は分からないし、理屈も分からないが、この表層に姿を現しているレイジ・オブ・ダストと名乗っている存在が、ヨハンの知っている彼とは全く異なる人格であったとすれば、彼がヨハンとの出来事を、リゼとの出会いを全く覚えていないことにも納得が出来る。

 

(あの日にこいつはヴィンセントによって攫われた。それから何があったのかわからず、そして今、俺達の目の前に姿を見せた。それまでの間にもしも何かがあったのだとすれば、ヴィンセントは元々星家とも繋がっていた。あいつらが人体実験紛いの何かをコイツに施したとすれば……全くあり得ない可能性ではないと言える)、

 

 ヨハン自身が考え付いたその可能性であれば、レイジがどうして自分たちのことを全く認識していないのかについても答えが出るし、彼が自分の知っている彼ではないことも納得が出来る。

 

であれば、リゼと彼が何かしらの関係になることも実際にはありえないと言えるのかもしれない。レイジにとってリゼが初対面であるとすれば、彼女はあくまでも聖杯戦争の敵役に過ぎない。ヨハンが懸念するような関係性に二人が行き着くことも有り得ないだろうと考えにも及ぶが、

 

「はは、バカを言え。それこそ本末転倒だ」

 

 それでも彼が七星を滅ぼすと口にしている以上、リゼに危害を加える可能性は十二分にある。もしも、ここで彼を逃がせば他の方法でリゼの命を狙うだろう。彼女の命が脅かされるかもしれない。それだけでヨハンにとっては戦う理由として十分すぎるのだ。

 

 自分の個人的な理由が問題なくクリアされるとしても、リゼの命が脅かされる時点で彼を見逃す理由にはならない。ただ、納得は出来た。その納得が少しばかりヨハンの思考をクリアにしてくれた。

 

(おそらく正解はない。七星の魔力はこれからも削られるばかりだ。それを厭う戦い方をすれば、こいつはそれをダシにして、俺を斬りにかかる。追い込まれているからこそ、七星の魔力を捨てる戦い方をしなければ、コイツを倒すことはできない……!)

 

 ヨハンが選んだ戦い方は相打ち覚悟も同然のさらにレイジへと詰め寄る戦い方だった。追い込まれれば追い込まれるほど強さを発揮するヨハンの戦い方は本来、その距離を詰める戦い方によって功を奏すはずだったが、七星の魔力を切断される可能性のあるレイジとの戦いでは裏目に出る可能性は十二分に存在している。

 

 そもそも、身体能力の面でも、レイジの方が消耗は早い。如何にヨハンが追い詰められているとしても、ずる賢く立ち回ればレイジが圧倒できるような余地は実際の所は存在していないのだ。

 

淡々と戦えとアーチャーはヨハンにアドバイスをした。狩人として一級品の英霊である彼の言葉はヨハンがここで立ち回るうえで最上のアドバイスであったことは間違いないだろう。ヨハン自身もそれは分かっている。しかし、それでも、そのように立ち回るよりもヨハンの中で大事なモノがある。

 

(一度冷静になってよく分かった。結局の所、俺の闘う理由はもっと単純なんだ。凄く当たり前に単純に、俺は只、コイツに勝ちたいんだ……!)

 

 圧倒しても何をしても結局最後には勝てていない、見逃す羽目になっている。かつてのスラムの戦いではリゼを逃がされ、直接対決でも敗北をした。そして再会した今であっても、圧倒しているというのにコイツを倒すことができない。常に何度も何度も苛立たされ、どれだけ必死になっても瀬戸際から復調して来る。

 

 レイジと対峙をしていると酷く自分が何なのだろうという気持ちが湧いてくる。リゼの騎士としてずっとこの5年間、彼女の騎士として戦い続けてきたつもりだった。

 

 彼女に認められ、悪くない時間を過ごしてきた。始まりが偽りであったとしても、その気持ちに邪念があったとしても、紡いできた時間に嘘はないはずなのに、レイジがリゼの前に姿を見せてから、ずっとこの焦燥感が消えないのだ。彼女がレイジのことを考えているだけで許せないと思う、嫉妬の心が湧いてくる。

 

(何故かってさ、そりゃそうだよ。俺は一度だってお前に本当の意味で勝った訳じゃない。いなくなったお前の席を掠め取っただけだ。リゼが求めるお前の役割を演じて来ただけだ。それでも良いと思っていた。それで俺は満たされると思っていたのに……)

 

 レイジが表れて、そんなヨハンの偽りによって塗り固められた心の平生は粉々に崩されてしまった。満たされない気持ちは更なる言い訳を求めて、リゼの騎士としてや彼女の安寧を求めてなどと都合のいいことを口にしてきた。

 

(馬鹿らしい……、俺はただ……お前に勝ちたかったんだ。お前に勝って胸を張ってリゼの隣に立つ。リゼの騎士を名乗る。聖杯戦争の事も、王国の事も、七星の事もどうでもよかった。ずっとお前に勝てない俺自身を許せなかっただけだった……!)

 

 どれだけ言い訳を並べ立てたところで、前に進まないことを望んでいたとしても、自分の心を偽ることができないことをヨハンは認めた。レイジに勝ちたい。勝って胸を張って、リゼの隣に立てる人間であるのだと自分自身を許したい、認めてやりたい。

 

 それだけがヨハン・N・シュテルンがこの戦いに掛ける意味なのだ。聖杯戦争に参加する他のマスターたちからすれば、愚かな、唾棄すべき闘う理由だろう。けれど、魔術師ではなく、一人の男としてこれ以上に大事なことなどない。これ以上に譲れない理由なんてありえない。

 

(俺は勝つ、真っ向からコイツを倒して、勝利を証明してみせる。頭が悪いと言われようとも、愚かだと罵られようとも、譲れないんだよ、これだけは!!)

 

 自分の身体を顧みない戦闘方法、ヨハン自身も最善手ではないと思い知らされるが、知ったことか、これが答えなんだよと、ヨハンはレイジへと刃を叩きつけ、鬼気迫る表情でレイジを斬り殺すという意志を発露させる。咄嗟に蛇腹剣を大剣へと戻さざるを得なかったレイジも鬼気迫る表情でその一刀を受け止める。鍔迫り合い、火花が散り合う中で二人の男が互いを睨みあいながら戦闘を続ける。

 

 それでも、ヨハンの気持ちがレイジに伝わることはない。レイジからすれば、どこまでいってもヨハンはリゼの騎士として、リゼの行動を止めるために戦っていると思っているのだろう。彼らの心が通じ合うことはない。互いに同じ過去を共有していないからこそ、平行線であるし、ヨハンの気持ちをレイジに向けて口にしたとしても、レイジはやはり理解することはできないだろう。

 

「どうした?七星の力を封じるくらいのことしかできないのか? それならやはり俺が勝つな。純粋な剣技なら負けないからよ!」

「抜かせっ、七星の魔力ナシなら圧倒していたのはどちらだったのか忘れたのか。重傷を負っているのもお前だ……!」

 

「こんなもので勝った気になっているのか? やせ我慢をするなよ、お前だって、灰狼の仲間の攻撃で手負いだろうし、何よりお前自身だって、決して消耗がないわけじゃないだろ。その力、使うたびにどれだけの代償を支払っている? そんなものは命の前借だ」

 

 理屈は分からなくても、自分が持てる以上の力を発揮しているのだ。何かを捧げなければ手にすることなど出来ない。それが、命なのかはたまた他のものなのかまではヨハンにも分からないにしても、身体のことなど構っていないのは彼の方だ。

 

 全身全霊で勝ちに来ている、それに応えるのならば自分だって全身全霊だ。そこだけははき違えない。理解できなくても、分かり合う事が出来なくても、自分たちは互いに絶対に譲れない自分自身の信念に基づいて闘っている。それだけはヨハンは否定しない。

 

「命の前借で結構だ、俺の命1つで復讐を誓った奴にだって花を咲かせることができるんだって証明できるのなら、安いものだ! お前のように戦う相手を見誤っているような奴に情けを掛けられる必要はない!」

「……ッ、だからそういうところがイラつくって言っているんだよ!」

 

 ああまったく、無意識で言っているのかどうなのか。あのスラムで言われたことと同じことを今になっても言われるなんて屈辱だ。まるで自分が関わっていないかのように言われているみたいで。

 

(そりゃぁ、お前からすれば何も変わっていないと思われるかもしれないけどな、俺は止まったよ。リゼと出会って、自分の人生を惜しむようになった。この幸運を手放したくないと思ってしまった。それが……お前からすれば間違いであったとしても)

 

 そうあることを望んでしまったこと自体は間違いであったとはヨハンは思わない。人間は弱い、いつだって強いままではいられない。だからこそ、強いままでいるにはその強さ以外の総てを捨て去らなければならないのだ。

 

 互いに互いの武器をぶつけ合い意地と意地を張り合い、最後に立ちあがっていられるのはそのうちのどちらかだけだ。だからこそ、全身全霊を以て自分の勝利を掴むために声を上げる。

 

「ヨハン、まったく君は結局、そちらを選んでしまうのか」

 

 持久戦を捨てて、決着のために動き出したヨハンを見て、アーチャーは嘆息する。それは彼から見ても間違いの選択であると言わざるを得ない。どうして、そちらを選んでしまったのかと思わず言いたくなるほどに。

 

(だが、仕方ないか。君は君の譲れない信念のもとに戦った。僕は君に召喚されたわけだが、どうやら僕たち自身の相性はそこまで良好な訳ではなかったようだ)

 

 ヨハンがもしも、騎士としての自分を受け入れて、その役目を果たすためだけに戦っているのだとすれば、この勝負に敗北は絶対にありえなかった。それこそが自然の中で役割を演じるということに求められる姿だ。英霊であろうとなかろうと、アーチャーにはそれが出来たが、ヨハンの心境はそれを拒否してしまった。

 

「ウィリアム、ヨハンは君に師事をしていても、君のように絶対的な騎士になることは出来なかったらしい。ただ、もっとも、まだ悲観するべきときじゃない」

 

「ぬぐぅ、がああああああ」

「僕がアヴェンジャーを倒して、マスターを殺せば、それでこの場の戦いは終わりだ」

 

 再び至近距離からの弓矢連撃が叩きこまれる。アヴェンジャーの愚直な進撃を前にしてもアーチャーの反応は何ら変わりはない。当たり前のように対処して当たり前のように撃破する。それだけで、総ては事足りるのだ。

 

「死に急いでいるね、アヴェンジャー。君が僕に勝たなければ、マスターを援護することはできないと思っているのだろうが―――」

 

「お前と同じだと思うな、アーチャー」

「何?」

 

「我々はレイジの助けをしようなどとは考えていない。我らが主はそのような手助けを何よりも嫌う。勝算があろうとなかろうと、己の手による断罪を求めている。我がここで戦うのは主の求めた働きに応えるためである。逆に言えばお前も己のマスターがお前の介入など求めていないことは理解しているだろう?」

「ああ、勿論理解しているよ。しかし、それは狂人の発想だ。本気で口にしたことを考えているのかい? 」

 

 自分がアヴェンジャーを倒して、レイジを殺すことに手を加えることがヨハンの望んでいない結末であろうことはアーチャーとて自覚している。

 

しかし、それがどうしたというのか? 聖杯戦争を共に戦い抜くと決めたマスターとサーヴァントであれば当然に助け合うのは当たり前のことだ。むしろ、それを放棄して互いに互いが勝つことを絶対に信頼しているようなそぶりを見せるアヴェンジャー達こそ気が狂っているという他ない。

 

 そんなものは現実を見ていないただの希望的観測だ、この世で最も唾棄すべき人を殺すための逃避だ。

 

「そうか、ならば、大人しく死んでいけ。君が草原の覇者などと呼ばれるのは時代が君を見誤っていたからだろう。ならばもう一度その愚かな妄想を砕こうじゃないか。受けろ、大英雄の高速連撃『継・射殺す百頭(レガシー・オブ・ナインライブス)』!!」

 

 再び発動した宝具、マスター同士の戦いと同様に至近距離からの戦いを続ける二人にとって、それは発動しうる距離に手発動した。予見は出来た。しかし、大英雄の攻撃は予見が出来る程度の反応で覆すことができるはずもない。

 

 当たり前のように直撃し、アヴェンジャーは口から苦悶の声を漏らす事も出来なかった。もはや瀕死、重傷に更に重傷を重ねるような状況は終わりを迎えるに十分すぎるほどのダメージを彼に与えていたのだ。

 

「終わりだよ、先の一撃でも瀕死だったんだ。もはやこのまま、君は消えるしか――――何……?」

 

『銀貨をすべて使うわけではないからね、ギリギリ踏み止まる程度の重傷にしか改変することはできないけれど、それで十分だろう? 後は君たちの出番だ。勝負を決めて来いよ、復讐者たち』

 

『応よ、一度死んでも甦るからこそ、我らは復讐者。さぁ、決めるぞ、ティムール。我が宝具の恩恵を受けるがいい! 発動―――『雷鳴が如く―――不滅の進軍(カルタゴス・ハンニバル・バルカ)』」

 

 瞬間、それはアヴェンジャーの身体を光で包んだ。瀕死の重傷、最早死に絶える他ないほどの重傷を受けていたはずのアヴェンジャーの身体の傷や風穴が瞬時に消え去っていく。まるで最初からそのようなダメージなど存在しなかったかのように、ありえない摩訶不思議な復活劇をアーチャーは目の前で見せられているのだ。

 

「これはまさか―――自己回復の宝具!?」

 

 伝説にハンニバル・バルカはローマへの進軍の際、数年間をローマの地に潜伏しながら常にローマを恐怖に陥れてきた。カルタゴの支援を真っ当に受けられたわけでもなく、敵地の中に長らく兵士たちと共に潜伏しながらその兵站は決して途切れることがなかった。

 

 どの時代、どの戦場でも継続戦闘能力こそが指揮官の真価を現すと言われる。電撃戦で勝利することが出来れば御の字だが、戦争が月単位、年単位で続けば必ず兵站の必要性が求められるのだ。

 

 歴史上最高峰の戦略家であると謳われるハンニバル、その真価は何処にあるのか? アルプス越えか、ローマを一方的になぶり殺しにした包囲戦術か、否―――その真骨頂は継続戦闘能力にこそあり。何度ローマと戦い、ローマの中で過ごしても、最後までローマの脅威として、稀代の英雄スキピオが表れるまで、ローマを恐怖へと陥れた存在であることこそが、ハンニバルを世界最高峰の軍略家であると言わしめる。

 

 その逸話、伝承から生み出されたその宝具の力は、単純な一言でいえば自己再生―――魔力を使って高速で自分の傷を修復する。蘇生魔術の如く行われるその力は、アーチャーがここまでにアヴェンジャーに刻み込んできたあらゆるダメージの総てを踏み倒した。

 

 そして、踏み倒した先に待ち受けているものが何であるのかは言うまでもない。それこそがアヴェンジャーの狙いであったのだから。

 

「発動―――――『災禍秘めし黒の櫃(グーリー・アミール)災禍秘めし黒の櫃(グーリ・アミール)』」

 

 その瞬間に、アヴェンジャーの背後より姿を見せた巨大な黒い棺こそが、アヴェンジャーにとっての真の切り札、かつてセレニウム・シルバでバーサーカー:コンモドゥスを問答無用で敗北へと追い込んだアヴェンジャーの必殺の宝具がここに開陳された。

 

「まずい、あの棺は――――」

「もはや遅い。この棺が生じたときにはすべてが終わりを迎えている」

 

 棺の異質性、おぞましい呪いが含まれているであろうことを一瞬にしてアーチャーは察知する。根拠があったわけではない、言うなれば狩人の直感とでもいうべき感覚でそれを掴んだが、アヴェンジャーが口にしたように気付いた時にはもはや遅い。

 

 棺は解き放たれ、その中から漆黒の鎖がアーチャーの身体へと巻き突いていく。咄嗟に回避をしようとするが、身体が動かない。漆黒の鎖を避けることはもはや許されないとばかりに、アーチャーの全身を鎖が絡め取り、漆黒の棺の中が開いていく。

 

 その中に存在しているのは闇であった。棺の中総てを覆うほどの闇であり、その中から悍ましい怨嗟の声が響き渡る。許すな、我らを傷つける者を許すな、滅ぼせ、滅びろ。すべからくすべて消えろと呪詛の声が響き渡り、アーチャーの全身に巻きついた鎖が一気に爆ぜていく。

 

「がはっ、ぐああああああああああああああ!!」

 

 全身から噴き出していく血はまるで滝のように、漆黒の棺はアヴェンジャーへと与えたダメージがそのまま与えた本人へと帰っていくという呪詛返しとでもいうべき宝具である。

 

 此度の戦いでアーチャーはアヴェンジャーにまさしく致命傷ともいうべきダメージを与え続けてきた。大英雄より受け継いだ必殺の宝具を二度もアヴェンジャーに叩きこんだのだ。それをそっくりそのまま返された時のダメージなど計り知れないものがある。

 

 まさしく致死量の攻撃、鮮血は身体中から流れ、これまで表情一つ変えずに戦い続けてきた狩人の表情が一気に青ざめていく。

 

 かつてヒュドラの毒に足を汚染されても狩人としての名を守り抜いてきたピロクテーテスであれども、これは耐えられない。

 

 何せ、彼の友はギリシア最高峰の英雄であるのだから。その英雄より受け継いだ技を二度も喰らうほどのダメージを与えられて、余裕の態度を取っていられるようなはずがない。

 

 いかに英雄であろうとも、自分と対峙すれば、討ち取られる可能性はある。それを体現されるような形であったことは否定できない。

 

 身体をふらつかせ、戦おうという意志を見せるも、全身に力が入らない。これまでとは完全に立場が逆転して致命傷と言う他ないダメージを受けた肉体は、既に限界であることをアーチャーに示している。

 

 ああ、まったくしてやられた。淡々と最後までなんの危なげもなく戦いを進めたというのに、これは聖杯戦争、埒外より迫ってくる摩訶不思議な力こそを最も警戒しなければいけなかったというのに……。

 

「悪いが、これも聖杯戦争だ。卑怯だ、などとは言わせないぞ」

 

「まさか、そんな騎士道を僕は持ち合わせていないよ。僕の詰めが甘かったと思う事もない。ただ、君たちの我慢強さと切り札がほんの少しだけ僕の上をいったというだけだ。もう一度戦えば僕が勝つ」

 

「だろうな、しかし、その次はない」

「ああ、それがまったくもって残念で仕方ないよ」

 

 アヴェンジャーは瀕死のアーチャーに向けて偃月刀を振り上げ下ろす。既に致命傷であり、放っておいても消滅するであろうアーチャーに向かって振り下ろされた刃は空の身体を切り裂き、黄金の魔力が湧き出るとともに、アーチャーの身体を座へと送還していく。

 

「貧乏くじを引いたとは思わないさ。二度目の生であってもこんなものかという気持ちでしかない。ただ、心残りが全くないわけではないか」

 

 自分の信念を貫こうとするあのマスターをもう少しだけでもいいから支えてやりたかったとアーチャーは思う。きっと、彼はこの聖杯戦争を生き抜けばより人間的に成長して、立派な騎士になれると思っていたから。

 

 自分の敗北はその道を閉ざすことになりかねないと後悔を覚えながらも、このままならない結末こそが、生きるということなのかもしれないと思えた。

 

「アヴェンジャー、君はこのまま最後まで泥臭く駆け抜けていくといい。その刃がライダーの首下に届くのかどうか、それを見届けることが出来なかったのは残念だけどね」

「ならば、座に戻った時にでも土産話に聞かせてやる。安心して逝け。偉大なるギリシアの狩人よ」

「はは、それは楽しみなことだね」

 

 憎まれ口を叩きながらアーチャー:ピロクテーテスは聖杯戦争より脱落し、一足先に座へと帰還した。七星側のサーヴァントをまた一体、脱落へと追い込むことが出来た。

 

 もっとも、その影響は生易しいものではない。アヴェンジャーの消耗も相当であり、この場での戦闘を継続できるのかと言われれば怪しい。あくまでも傷を治しただけであり、そのために宝具を複数使用したのだ。魔力的な消耗は言うまでもなく甚だしいものがあり、とてもではないが、マスター側の戦いに介入することができるような状態にはない。

 

「そうか、聖杯戦争としての敗北者は俺か……、まさか、アーチャーが敗れるとは思っていなかった。まったく、やっぱり、ランサーも呼んでおくべきだったな」

 

 自分の相棒の消滅、自分の中でずっと繋がっていた魔力のパスが喪ったことを理解して、ヨハンは嘆息した。もしも、いつもどおりにランサー陣営と共闘する展開で戦っていたとすれば、アヴェンジャー一人に負けるようなことはなかっただろう。

 

 聖杯戦争が如何に各英霊の個人技量で戦い抜く必要がある中で優劣が生まれてしまうのは事実であったとしても、それを選ばせてしまったのは自分自身だ。アーチャーを敗北へと導いたのは自分自身と言ってもいいだろう。

 

「だが、聖杯戦争では敗北者であったとしても、まだすべてが終わったわけじゃない……」

 

 まだ、レイジとの戦いは終わっていない。この戦いに勝つことが出来れば……、少なくとも自分の願いだけは叶えることができる。サーヴァントを消滅に追い込まれた上に自分の目的までもを達成できないなんてことは、ヨハンとしても許せない。

 

「後は……お前だけだな」

「いいや、違う。お前を倒してそれで終わりだ。お前が消えればアヴェンジャーも現界していることができない。そうなれば、俺の勝ちだ」

 

 レイジもヨハンもここまでに体力を消耗してきた。七星の力を使い、それでもなお、互いに互いを傷つけて、消耗具合は優劣が付けられるものでもない。

 

 死線の中に佇み、そしてどちらかが倒れる形でしか決着がないことを互いが理解している。たとえ、運命に愛されていなかったとしても、その運命に抗ってはならない理由など存在しない。ヨハンもレイジも共に抗う側の人間であると思っている。両立することはできない以上、願いを押し通すためには相手を倒すほかない。

 

(俺は最後までリゼの騎士であることを貫く。例え、どんな結末になったとしても……)

 

 それだけは変わらないとヨハンは心に刻み付ける。そう、たとえ、どんな終わり方を迎えるとしても、自分の中にあるその信念にだけは嘘はつかないと。スラムで初めて出会った時から続いてきた因縁に終わりを齎すために、ヨハンはレイジとの決着のために刃を振う。

 





【CLASS】アヴェンジャー

【マスター】レイジ・オブ・ダスト

【真名】ティムール/ハンニバル・バルカ/イスカリオテのユダ

【性別】男性

【身長・体重】170cm・59kg

【属性】秩序・中庸/混沌・中庸/秩序・悪

【ステータス】

 筋力C 耐久C 敏捷B

 魔力C 幸運B 宝具B

【クラス別スキル】

復讐者:A
復讐者として、人の恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。周囲からの敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情は直ちにアヴェンジャーの力へと変化する。

忘却補正:C
 復讐者の存在を忘れ去った者に痛烈な打撃を与える。
 アヴェンジャーの存在を感知していない相手に対しての攻撃の際、各ステータスが1ランク上昇する。

自己回復(魔力):E
 現界に必要な魔力を補うと考えればDランク程度の単独行動スキルに相当する。

【固有スキル】

軍略:A+
 一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。
 自らの対軍宝具の行使や、 逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。ティムールとハンニバル、類まれなる二人の将の相乗効果によって本来以上の力が生まれている。

カリスマ:B
 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
 カリスマは稀有な才能で、大国の王にふさわしいランクと言える。

戦闘続行:C
 執念深い。
 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、死の間際まで戦うことを止めない。

アルプス越え:A+
ハンニバルが司令官として指名された際に初めて挑んだ難行に由来するスキル。
あらゆる地形を無視した大移動が可能。幸運判定を必要とするが、成功すれば魔術師の創った陣地さえも踏破できる。

????:A+


【宝具】

第一宝具『???』
ランク:B  対軍宝具

第二宝具『災禍秘めし黒の櫃(グーリ・アミール)』
ランク:B+ 対人宝具
墓を暴くものへの呪いの言葉が記された、ティムールが眠る棺。
この宝具の発動までに、対象者がティムール自身に与えた傷を棺の解放と共にそのまま相手へと返す呪詛返しの力。相手の力が強大であればあるほどにその効力は高まり、侵攻してきた相手へと破滅を齎す。
ただし、そのダメージ自体はティムールにそのまま残るモノであるため、幾度も使えるわけではなく、相手を確実に破壊する、あるいは最後の手段として使うのが定石ではあるが、アヴェンジャーは第四宝具との重ね掛けによってこのデメリットを踏み倒している。

第三宝具『雷速の山脈踏破(アルプス・バルカロード)』』
ランク:A+ 対地形宝具
不可能と思われていたアルプス越えを成し遂げたハンニバルの逸話を宝具として昇華したもの。自身と自分の配下、仲間をあらゆる場所へ一瞬で移動させる。一種のワープ能力。
移動可能範囲は広く自身の視界に入る場所は自由に移動できる。視界に入っていない場所で自身が訪れたことがない場合に移動する場合は魔力を多く消費することになる。
移動×距離×人数で消費魔力が計算されるため大人数で長距離の未知の場所へと移動すると魔力を大量に使うことになる。

第四宝具『雷鳴が如く―――不滅の進軍(カルタゴス・ハンニバル・バルカ)』
ランク:B+ 対人宝具
 歴史上最高峰の戦略家であると謳われるハンニバル、その真価は何処にあるのか? その真骨頂は継続戦闘能力にこそあり。何度ローマと戦い、ローマの中で過ごしても、最後までローマの脅威として、ローマを恐怖へと陥れた存在であるハンニバルを象徴した宝具、これまでの戦闘で消耗した傷を魔力によって一瞬にして自己回復する。その逸話から消費する魔力も通常の自己回復よりも少なく、肉体回復の手段としては最上位に位置する宝具であると言えよう。

第五宝具『裏切りの銀貨三十枚(イーシュ・カリッヨート)』
ランク:EX 対概念宝具
イスカリオテのユダが、かつてイエスを裏切り銀貨三十枚で彼を司祭に引き渡した事の具現。銀貨三十枚を払う(消費する)ことである事物に対する『裏切り』を再現・可能とする宝具、世界そのものを裏切り、あらゆる軌跡を引き起こすが、銀貨の枚数はユダと契約したマスターの生命力に依存しており、宝具を使えば使うほどに魂の輝きを失っていく。
レイジ自身の魂では1~2回使用することが限度である。この宝具の影響を回避するには対魔力の度合いではなく、あらゆる可能性を否定するしかない。または同ランクの結界宝具、聖域の再現者、或いはイエス以上の神性の持ち主であれば回避が可能
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