突き当たりのドアがスライドし、壁面いっぱいの製造ラインモニターが視界を埋め尽くす。
中央制御室の最奥、気絶した男性のこめかみにフォトンライフルを突きつけているのは先日に戦場で目にしたばかりの鉄血と思しき人形だった。
「私はヘルツ。イェーガー・ヘルツ。」
「イェーガー……やっぱり鉄血なの?」
ヘルツと名乗った人形は僅かに眉をしかめた。
「確かに形式上鉄血に属してはいる。けど私は、私の願いの為にここにいる。」
「貴女の願いって……なに?」
SuperSASSの問いかけにヘルツは興奮した様子だった。
「私の理念は、目的は、戦術人形を争いの苦しみから解放すること。私は許さない。いたずらに生み出され、使い捨てられる心が存在する今の世界を決して許さない。ねぇ、エミー。貴女にも私の志を継いで欲しいの、私はもうここから何処へも行けない。お願い。」
懇願するヘルツの顔に滲むのは憎しみではなく、悲しみ。
きっと彼女は今、持たざる涙を流しているのだろう。
SuperSASSは銃を下ろした。
「貴女は……イェーガーでありながらどうして言葉を話し、戦術人形の為にそこまでするの? 貴女は何者? 何を見てきたの? ……私は知りたい。貴女という人形の事を。」
ヘルツはSuperSASSを愛おしそうに見つめる。
「……そう、私の事を。私はね、元々は他のイェーガーと同じ、メンタルモデルを持たない人形だった。ただ指示通りの任務をこなす為に単純な対応パターンで行動するだけの機械、それが生まれた時の私。そして私は大戦を生き延びた、生き延びてしまった。けれどイェーガーモデルは次なる敵――崩壊液の感染者であるELID達との戦いに転用するにはあまりに対応力も火力も足りなかった。そこで鉄血工造のイカれた科学者は蓄積された戦闘データが豊富な個体を回収して後付けでメンタルモデルを搭載し、ジェネレーター出力の向上も図った改良型を試作した。それが私達、イェーガー・ヘルツ。」
「私『達』?」
ヘルツは自分の掌を眺め、遠い目をしていた。
「そう、私達。試作型人形のイェーガー・ヘルツは全部で二十機試作され部隊となった。私達は生まれたばかりの意識に容赦なく流れ込む凄惨な戦争の記憶の奔流に耐え、やっとの思いで自我を芽生えさせるとすぐに戦線に放り込まれた。……そこは地獄の様な場所だった。ELIDの中には人の形を留めて居るものも居るけれど、大半が異形の化け物達。表皮は硬質化して実弾どころか高密度の粒子すら弾く。何よりも厄介なのは個体ごとに姿形も攻撃の通りやすい箇所も違う事だったわ。しかも、奴らに体液を掛けられた生身の兵士は奴等の仲間となって私達に銃口を向ける。正規軍の防衛線は文字通りギリギリよ。きっと今も変わらずにね。そんな戦場で私達は必死に戦った。まだ今ほど粒子兵器の拡散抑止技術は確立されていなかったから、私達は基本的に最前線に居たわ。私は部隊の中で誰よりも臆病だったの。一番後ろからビクビク怯えながら戦って、仲間は目の前で日々、着々とやられていく。……鉄血工造から回収の連絡があったのは正規軍の戦線に組み込まれてからもうすぐ十年が経とうとしていた時だった。」
「十年……。そんなにも長い間、あなたは戦っていたの?」
SuperSASSは驚愕した。十年などという歳月の長さはロールアウトから半年と少しの彼女には見当も付かなかった。
きっとそれはあまりにも長い苦しみ。
それでも自分ではない誰かの為に行動を起こす事が出来るヘルツはなんと気丈な事か。
SuperSASSは畏敬の念すら覚えた。
ヘルツは自嘲気味に微笑むと話を続ける。
「そうよ。でもね、時の長さなんてものは私達には大した問題じゃなかった。
何よりも……心があることそのものが最大の苦しみだったの。恐怖、迷い、後悔、罪悪感。ただプログラムに従って動くことが出来たのなら、私達はそんなものに苦しむことなんてなかった。
……元より、戦争は人間のエゴが生んだもの。その中で人間の心が苦しめられることは誰を咎める事も出来ない当然の報い。
でも私達は? 作られた存在である私達に宿った心はどうなるの?
人間の都合でこの世に生まれ、人間が始めた戦争の苦しみに私達人形の心が痛めつけられるなんて間違っている。そんな思いが私達の心には生まれていた。ちょうどその時だったの、蝶事件が起きたのは。
鉄血の人形達が人間に銃を向け始め、聖戦が始まった。……でもね、私達イェーガー・ヘルツには心があった。人は、殺せなかった。例え私達がELID達と戦っていたのは自分が生き延びる為だったとしても、それでも、死んでいった仲間が命に代えて守った人類をこの手にかけることは出来なかった。
鉄血には私達と同じように自我をもつボスが居る。彼女達の中の賢しい一人が私達を嗅ぎつけた。私達が人類に加担することを嫌ったそいつは鉄血の人形達に私達が敵であると吹き込んだ。もう私達に帰る場所なんてなかったの。
いつしか仲間は私ともう一人だけになっていた。そしてある日、行く宛もないままに彷徨っていた私達は単身で彷徨うグリフィンの人形と鉢合わせた。戦いの終わった戦場で、彼女は誰かを探していた。
彼女は優秀な人形だった。出会い頭に眉間を撃ち抜かれたのは私ではなくもう一人の仲間だった。私は彼女の銃を奪った上で全てを話した。すると彼女は私の仲間を手にかけた事に酷く心を痛めてしまった。私が償いとして協力を頼むと彼女は了承してくれたわ。そして彼女との出会いから二年。チャンスが訪れた。……移動だけにエネルギーを費やせばマンティコアだってそこそこは移動できるの。昨日の貴方達の作戦は完璧だった、あなたを除いてね。そして残された二体のマンティコアは私が鹵獲して移動だけをプログラムした。彼らに危険なんて無かったのよ、ただの囮。この工場を占拠して未来の不幸な人形を救う為、そして誰にも邪魔されずに、あなたにこうして私の思いを伝える為のね。」
「そんな……。待って! その人形は、P02地区の……私の仲間の人形なの⁉」
「それは言えない。彼女もまた、人と人形の両方を思える優しい人形の一人だからこそ、教えることは出来ない。……最後にもう一度だけ、お願いよ。どうかエミリー。いいえ、SuperSASS。私の後を継いで人形達の心を救って欲しい。あなたなら理解してくれると信じてる。」
ヘルツは工場長に向けていた銃口を下ろし、静かに首を垂れた。
「私は…………」
彼女の理念も決して間違ったものであるとは思わない。
けれど、私は彼女に賛同することは出来ない。
だって――
指揮官やワンおじさん、先輩におばあちゃん、部隊の仲間や街の人々。
そして、この悲劇の時代の中で死んでいった命達。
これから生まれてくる心達。
私は、そんな誰かの為に戦いたいと思うから。
戦術人形は今、人類の未来に必要とされているから。
私達戦術人形は皆、自分の守りたい何かの為に戦っていると信じているから。
私は、私を貫くと決めたから。
「私はあなたの後を継ぐことは、出来ない。」
SuperSASSは告げた。
ヘルツは穏やかだった。
工場長を優しく担ぎ、壁面のロッカーの一つへ。
収納物を確認したロッカーは壁の中へ吸い込まれていく。
壁に向いたままヘルツは嘆く。
「本当に、心とは難しいものね。私達は共に人形の心の幸せを願っているというのに、その幸せの定義一つの差で……戦わなければならない。本当に、戦い程虚しいものはない。でも、戦わなければ自分を貫けないのが今の世界だから。」
右目のバイザーを降ろし、振り返ったヘルツのフォトンライフルに光が灯る。
機能として備わっていない以上、涙が彼女の目から流れる事は決してない。
それでも、彼女は泣いていた。
彼女はまだ知らないのだ。
自分の意志で誰かの為に戦う事の意味を。
それは私もまだ一緒かもしれない。
けれど。
生まれたその時からずっと藻掻くように生き延びた日々の中では見つけられない、温かな物がこの世界には、人との関わりの中にはある事を彼女に教えたい。
私の初めての、誰かの為の戦いは、彼女の為に。
彼女に愛を教える為に。
「私は負けないから。――行くよ。」
SuperSASSは銃を、自分を世界に定義付ける半身を構えた。
ヘルツは目を閉じてしばし空を仰ぎ、再びSuperSASSを見つめる。
「さぁ、始めましょう。」
そして一人と一つの戦いが幕を開けた。
瞬く間に中央制御室の壁面は弾痕だらけになっていた。
フォトンライフルの三点バーストを横に身を翻して回避する。着地と同時に腰だめで一発。
しかしヘルツはもうそこには居ない。
視界の右下、銃と腕に重なる範囲に違和感を覚えて飛びすさると目と鼻の先を閃光が掠めた。
重心が後ろに逸れたSuperSASSにヘルツが肉薄する。
体重の乗ったヘルツの掌底をSuperSASSが二本の腕を重ねて受け止めると、その身体は部屋の壁面近くまで弾き飛ばされた。
辛くも着地するが攻撃を直接受け止めた左腕は衝撃でショートした内部機構の熱が人工皮膚を焼いてフレームが露出している。
ヘルツは攻撃の手を緩めることなく、フォトンライフルで牽制しながら極限の前傾姿勢で駆けてくる。
飛来する粒子の弾をステップで躱しつつ牽制に二発、狙いを定めて一発。
先の二発は僅かに逸れたが三発目がバイザーと右耳を掠めて破壊した。
それでも彼女の勢いは止まらない。
フォトンライフルを左手に保持し再び掌底の構えで飛び込んでくる。
壁際に追い詰められたSuperSASSは踵を返して壁へ跳び上がり、そこから更に壁面を蹴ってすんでの所で彼女の右手から逃れた。
そのまま空中で上体を反らし、ヘルツの右肩に向けて着地まで撃ち続ける。
しかし四発の弾丸は背に回されたフォトンライフルの側面に深くめり込むのみに留まった。
「こんな忌まわしい銃などくれてやる!」
振り向きざまに投げつけられたフォトンライフルを左手で弾き飛ばすと目の前にいたはずのヘルツの姿は無かった。
薄暗い部屋の床、モニターの照らす光に僅かな闇を見出す。
――上だ。
構えた銃のドットサイトに映るのは残像を引くヘルツの赤い瞳。
ハンドガードを両手で掴まれ、無理やりに引き寄せられる。
姿勢が崩れ、体の前面が空いたSuperSASSの腹にヘルツの膝が突き立った。
「うぁっ……!」
浮いた身体は掴まれた銃ごと半周振られ、力の限りに壁に投げ付けられた。
SuperSASSは壁に背を預けたまま動かなくなる。
「どうか諦めて降伏して。これ以上貴女を傷つけたくない。」
――ヘルツの呼びかけに対し、返事は無い。
ヘルツは一歩一歩歩み寄り、SuperSASSの銃を足で弾いて遠くへやった。
「銃を足で扱ってごめんなさい。……手足を拘束させて貰うわ。」
膝をついてSuperSASSの右手に手を伸ばしたヘルツは違和感を覚えた。
スカートを捲し上げて内腿に差し込まれた右手。
――そこに握られているのはナイフ。
「往生際の悪い……!」
SuperSASSが逆手で首へ突き立てたナイフを、ヘルツはナイフを握った拳ごと右手で掴んで受け止めた。
ナイフの切っ先がヘルツの人口皮膚を傷つけ赤い液体が滲む。
「もうやめて。こんな事は続けるべきじゃない。」
ヘルツの懇願にSuperSASSは笑みで返した。
「やめないよ。あなたには知ってほしいの。いろんなことを。」
SuperSASSのナイフを握った親指が動く。
――まさか。
ヘルツは空いた左腕をナイフへ伸ばそうとする。
だが、その動きは普段よりも僅かに鈍いものだった。
「……っ⁉」
彼女はフォトンライフルで右肩を庇った際、SuperSASSが着地間際に放った最後の一発が左肩を掠めていた事に気付いていなかった。
――私としたことが。
「わたしの……勝ち。」
かしゅっ。
柄の中で押し縮められたバネが開放されて刀身を高速で押し出す。
ゼロ距離から突き立てられた刃はヘルツの首に深々と刺さり、電流によって彼女の身体から自由を奪った。
「私の負け、か。」
ヘルツは力なく倒れ込む。
SuperSASSもどっかりと壁にもたれかかった。
「あなたにはこれからたくさん、話したい事も見せたい物も、会わせたい人もいる。だからそのくらいで死んだりしちゃやだよ? いてて……」
ヘルツは観念した様子だった。
「……ここまでか。」
重い腰を上げてヘルツに歩み寄ろうとしたその時だった。
からんからん。
突如、スタングレネードが飛来して視界と聴覚が奪われる。
「なっ⁉」
数秒後に戻った視界は白い煙幕に包まれていた。
「なにこれ……⁉ 誰か居るの⁉ そうだ、ヘルツは――」
隣に手を伸ばしても触れたのは床だった。
「――ごめんなさい。彼女を連れて帰られるわけにはいかないの。彼女は、表舞台に出る事は許されない。でも安心して、彼女の身の安全は保障するわ。」
煙の中、どこからともなく声が聞こえる。
しかしSuperSASSの音源探知も熱源探知も声の主を見つける事は出来ない。
「待って! お願い、その人を連れて行かないで!」
SuperSASSは傷ついた身体で煙の中をがむしゃらに探し回った。
「私が貴女の為にしてあげられることは無いけれど、せめてもの償いに一つだけアドバイスしてあげるわ。何を信じて何を疑うのか、よく考える事よ。人と組織は違う、所属する個人と全体が同じ立場にあるとは限らないわ……さようなら。」
「あなたは誰⁉ 何を知っているの……⁉」
もう、返事は返ってこない。
「ヘルツ……またいつか、会えるよね……」
煙の晴れた部屋に残ったのはSuperSASSだけだった。
工場長を担いで外に戻るとオリバーに加えて第一部隊の面々もSuperSASSの帰りを待ってくれていた。
「長かったなSASS、お帰り。」
オリバーの微笑みがSuperSASSを迎える。
ヘルツと共に帰ることこそ叶わなかったが、こうしてみんなの元に帰る事が出来たのだ。今はそれを喜ぼう。
――彼女は必ずいつか探し出す。
「……ただいま!」
確かな未練と共に、SuperSASSは花の様な笑顔を咲かせた。
基地に帰って報告と応急の修理が済んだ頃には二時を回っていた。
整備棟から宿舎へ戻る途中、ヘリポートに佇む人影を見つける。
ひらひらとこちらに手を振るのは白い服に金髪の少女。
「……おばあちゃん?」
月明りが照らすヘリポートに、肩を並べた二人の少女の影が落ちる。
「一昨日はすまなかったの。別におぬしを悩ませたかった訳ではなかった。」
申し訳なさそうにM1895はSuperSASSの頭を撫でた。
「ううん、大丈夫。むしろ、おばあちゃんがあの時聞いてくれたおかげで私はたくさん大切な事に気付くことが出来たよ。……ありがとう。」
笑顔で返すSuperSASSをM1895は眩しいものの様に見遣る。
「……そうか。それは何よりじゃ。」
M1895の浮かべた笑みはどこか寂しげだった。
その笑みにSuperSASSは直感する。
M1895がヘルツの言う『彼女』であると。
「一つだけ、よいか?」
こちらに背を向け、細々とした声。
「……うん。」
「あやつはおぬしに敗れた時、どんな顔をしていたかの。」
『私の負け、か。』
――あの時、彼女は。
「笑ってたよ。」
二人は夜風に包まれた。
「――そうか。」
M1895は頷くと宿舎とは真逆、闇の立ち込める基地の外縁へと歩みだす。
「……っ!!」
SuperSASSは彼女の小さな背中を抱き留めた。
「だめ……行っちゃやだよ。」
「償いはもう終わったんじゃ。……テロリストに情報を流したわしには、もうここにいる資格はない。」
SuperSASSは抱く手に力を込め、肩に顔をうずめて離さない。
「いやだよ、これからも私達と一緒に居てよ! 例えヘルツに手を貸したとしても、みんなと今日までここで過ごしたおばあちゃんまでは嘘じゃないでしょ? 私はずっと……おばあちゃんが大好きだよ……だから、行かないで……」
肩で嗚咽を漏らすSuperSASSの頭をM1895はそっと撫でた。
「おぬしは本当に甘い奴じゃ…………お人好しには、敵わんの。」
微かに震えた声。
その声に顔を上げたSuperSASSはその日、M1895の涙を初めて目にした。
少しだけ時は流れて。
SuperSASSたちは輸送機の機内で作戦の開始を待っていた。
『まもなく作戦区域に到着だ。全員準備はいいか? 繰り返すが今回の作戦はP02地区における鉄血の活動拠点の制圧だ。これまでで最大の激戦が予想される。……どうかみんな、無事に帰ってきてくれ。』
『いいか、必ず帰って来いよ! 絶対だぞ! 死んだらあの世まで追いかけて泣きついてやるからな!』
無線からは指揮官とワンが人形達の無事を祈る声が響く。
「緊張してるか?」
「ぜーんぜん。先輩こそいい加減そのハンカチしまった方がいいんじゃない?」
「……ルーティンだ、気にするな。」
「こら、おぬしら! いつまでも喋っとらんでこっちへ来るんじゃ!」
ブザーの音と共にキャビン内のインジケーターランプが青からオレンジへ変わり、機内の減圧の完了を告げる。
後部ハッチが開くとそこは瑠璃色に染まる空の中だった。
「さぁ皆の者、覚悟はよいか? 第一部隊、M1895MOD出撃じゃ!」
M1895が降下装備と共に機外へ身を躍らせる。
「こんな景色が拝めるのなら、HALO降下も悪くはないかもな。NTW-20MOD、出撃する。」
東の空を一瞥し、NTW-20も続く。
『SASS、平気か?』
朝日を眺めて立ち尽くすSuperSASSにオリバーが問いかけた。
自信に溢れた表情で彼女は答える。
「……ほんとはちょっと緊張するけど、でも大丈夫。」
『そうか。……俺はお前達を信じてる。さぁ、行こう。』
「うん。」
SuperSASSは踏み出す。
ハッチから跳ぶと自分が美しい空の一部になったような気がした。
浮遊感の中、視界を覆う一面の瑠璃色。
けれど、私の落ちてゆく先は硝煙の立ち込める鈍色の世界。
もしも。
ヘルツにも帰ることの出来る温かな場所があったのなら。
そんな思いがあの日、私の心には刻まれた。
あの日から今日までも、本当に沢山の事があった。
楽しい事や嬉しい事、辛い事、悲しい事も。
きっと、この積み重ねが私を創っていくのだろう。
そしていつか、束ねた思いは最後の日に一つの形を得る。
人はそれを人生と呼ぶのだろう。
私は機械仕掛けかもしれないけれど、私にも抱いた望みがある。
それはこの荒んだ時代を未来へと逞しく歩む『心』達を見守っていくこと。
だから、最後の一秒まで精一杯に。
「SuperSASSMOD、出撃するよ!」
――私は、この傾いた世界を生きていくんだ。
Fin.