ネーナ・トリニティに憑依したけど死にゲーでは?   作:砂岩改(やや復活)

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戦場の片隅で愛を叫んで

 

 

「Eセンサーに反応、速度から敵部隊と予測されます」

 

「イノベイターか」

 

「私もアインで出るわ。レグナントのデータは転送済み?」

 

「各機に転送済みです」

 

「助かるわ」

 

 アインを起動させながらフェルトの返事を聞くと格納庫から這い出て敵の来る方角を見る。するとアリオス、ケルディム、セラヴィーも出撃しその後に続く。

 

「敵は少数だがモビルアーマーがいる。ネーナ・トリニティのデータ通りならレグナントで間違いないだろう」

 

「全員イノベイターよ。気をつけて…っ!」

 

 レグナントから放たれたビームは4人の中央を駆けるが即座にビームは軌道を変え、アインのすぐ側を通りすぎる。

 

「聞いていたが厄介だな」

 

「ドライが居ない…」

 

 ビームを避けながら敵機を確認するもそこにはドライの姿がない。ステルス性能の高い機体だが自分はそれを熟知しているその兆候がないと言う事は本当に居ないのだろうか。

 

「ってしつこいわね!」

 

 バレルロールしながらGNランチャーを放ち、陣形を崩すが明らかにこちらを集中的に狙ってくるレグナントのビームが迫る。

 

「まず」

 

「させるか!」

 

 射線にセラヴィーが割り込み、フィールドでビームを防ぐ。

 

「ありがとう!」

 

「あぁ、だがロックオンが!」

 

 ティエリアの言う通り、ロックオンがアニューと共に戦域を離脱しかけている。そっちに行きたいがレグナントがしつこすぎる。

 原作で殺されたような激しさはない。ドライじゃないから仇判定されてないのか。同じくスローネ系列で似てるから無意識に集中砲火してくるんだろうけど。

 

(流石にまだ教えられてないのか…まぁ次会うときは知ってるだろうけど)

 

「私が囮になる!ティエリア!」

 

「ハイパーバーストモード。高濃度圧縮粒子、解放!」

 

 アインが射撃を引き付けている隙にセラヴィーからビームの玉が発射され敵へと突き進むがレグナントのGNフィールドに阻まれる。

 

「トランザム!GNハイメガランチャー撃つ!」

 

「トランザムだと!」

 

 アインは赤く輝き、両肩のGNランチャーの砲身を展開させる。ティエリアたちがアインのトランザムに驚いている声が聞こえるが気にしない。

 二つのGNランチャーとGNブラスターが火を吹き、セラヴィーにも劣らぬ大火力が投射される。

 

「くっ!」

 

 続けての大火力にフィールドも流石に耐えられず破壊されレグナントは少しだけ後退する。

 

「ロックオンの援護に向かう。こっちは任せるわよ!」

 

「勝手に動くなネーナ・トリニティ!」

 

 トランザムを即時解除したアインはそのままロックオンの元へと急行する。原作よりは時間を稼いだはずだ、レグナントも少しながら後退している。後は刹那を信じるしかない。それよりライルが心配だ。

 

ーー

 

「イノベイターは人類を導く者、上位種であり、絶対者だ。人間と対等に見られるのは我慢ならないな。力の違いを見せつけてあげるよ」

 

 完全に戦意を失っているライルを嬲り殺しにするアニュー(リボンズ)。

 

「やめるんだアニュー!」

 

「ロックオン…トランザム!」

 

 アインの最大加速でアニューのガッデスに体当たりを仕掛ける。

 

「しっかりしろライル・ディランディ!てめぇの女だろうが!」

 

 完全に素になっているが気にしてはいられない。叫びながらビームサーベルでガッデスの右腕を破壊し無力化するが相手はリボンズだ、どんな手を使ってくるか想像できない。

 

「機体を抑えろ!盗んできたシステムで!」

 

「あぁ!」

 

 正気に戻ったライルは暴れるガッデスを押さえつけアインは接触回線でソレスタルビーイングで盗んできたコックピットの緊急射出システムを起動させる。

 

「アニュー!」

 

「とっとと失せろ、リボンズ!」

 

 コックピットがむき出しになっていた事も助かってアニューの体はガッデスから宇宙に放り出され、ネーナはアインの腰に装備していた箱を取り出して鳥籠に鳥をいれるように彼女を箱の中に閉じ込める。

 

「これで良いのか?」

 

「待ってなさい」 

 

 急いで中の様子を確認すると予測通り、アニューは訳が分からないといった感じで辺りを見渡している。

 

「成功、危機一髪だったわね」

 

「ありがとう、なんと礼を言えば良いか」

 

「詳しくは後ね。とにかくプトレマイオスに戻りましょ」

 

 アニューを入れた箱はかつての人類革新連盟が造った脳量子波を遮断する部屋だ。原作キャラを救うべく王留美の仕事の合間に色々と集めていた1つでもある。

 残念ながらセルゲイを救うことは叶わなかったが、とにかくこれがリボンズ相手に通用して良かったと思う。

 

「とにかく帰投する。そっちは……問題なさそうね」

 

 そうこうしているうちに修理を終えたダブルオーがこちらに来るとアインの肩を掴み接触回線を開く。

 

「無事に終えたようだな。彼女は彼女以外の者に支配されていた筈だが」

 

「脳量子波を遮る部屋に入れたから大丈夫よ。根本的な解決にはならないけど」

 

ーー

 

 プトレマイオスⅡに帰投後、アニューはそのまま部屋に入れられたまま収容された、そしてネーナは今回のあらましを刹那たちに説明する。

 アニューの突然の変わり様、イノベイドとリボンズたちの関係性、そしてアニューもまた王留美が裏切り者である証拠でもある。

 

「じゃあ、トレミーに届いていたラグランジュ5からの救難信号は彼女からだと言うのね」

 

「私が逃げられないように小型挺をハックしてそこに送ったのよ」

 

 スパイであるアニューの参加を手伝い、衛星兵器メメントモリへの出資、そしてリボンズへの直接会見等々証拠は山のようにある。

 

「貴方はなぜ私たちに着くの?王留美と一緒にイノベイターに着く方が貴方にとっては良い筈では?」

 

「リボンズは兄々ズの仇よ。刹那がいなければ私もサーシェスに殺されてた。私は王留美を殺し、サーシェスを殺して私の人生を手に入れる。それだけよ」

 

 ネーナ言葉にスメラギは静かに頷く。

 

「分かったわ。ネーナ・トリニティ、貴方は私たちの仲間よ。5年前だと考えられなかったわね」

 

「そうね、よろしく。スメラギ・李・ノリエガ」

 

 スメラギとネーナの二人は握手を交わすと場の雰囲気が少しだけ和らぐ。刹那やライルはもちろんの事、ティエリアもアレルヤも特に文句はないようだ、フェルトは少しだけ不満そうであったが。

 後は脳量子波を遮断するパイロットスーツ等を渡してとりあえずアニューの件は解決だ。

 

「本当にありがとう」

 

「ありがとう」

 

 隔離部屋に呼ばれたネーナはライルとアニューに深々と頭を下げられ少し困った顔を見せる。

 

「感謝され馴れてないんだね」

 

 アレルヤの無神経な言葉にイラッと来たのを察知したピーリスが彼のケツを蹴り飛ばしてくれたため謎の信頼関係を築いた二人は握手を交わす。

 ついでに工場で開発されていたツヴァイもリィアンを使ってプトレマイオスⅡに運び込み、作業は終了する。

 

「そろそろね」

 

 王留美は予定どおりならそろそろラグランジュ5に辿り着く筈だ、そろそろ出発せねばと思っていたところ刹那がやってくる。

 

「行くのか?」

 

「えぇ、私が自分でケジメをつけなきゃね」

 

 計画の目的、王留美の殺害は目の前だ。

 

「俺も行く」

 

「それは嬉しいけど。気分が良いもんじゃないわよ」

 

 正直、来てくれるのは嬉しいがここまで来ると少しだけ引け目があるのは確かだ。

 

「ここからだと数日の行程だ。ダブルオーでアインを運ぶ、スメラギ・李・ノリエガからの承諾を得ている」

 

 展開中のアロウズ艦隊を相手にするには手負いのガンダムではキツいのは事実、時間稼ぎにもなって一石二鳥か。

 

「分かったわ。お願い、刹那」

 

「あぁ」

 

 こうして原作と同じ戦力でラグランジュ5に向かうことになる。やはり現状の戦力ではそれが精一杯、あとは刹那がどれだけこちらを助けてくれるかにかかっているということか。

 

「行きましょうか」

 

 

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