ネーナ・トリニティに憑依したけど死にゲーでは? 作:砂岩改(やや復活)
「ぐっ!」
GNバスターソードで弾かれ、大きく後退するアインを援護するためにケルディムがライフルビットを突撃させアルケーのファングと相討ちになる。
「ちょいさ!」
「なんだと!」
GNスナイパーライフルを構えていたロックオンは投擲されたバスターソードを避けられずスナイパーライフルを破壊される。
間髪いれずに爪先のビームサーベルを展開、ケルディムもGNビームピストルⅡを持ち応戦の構えを見せるがアルケーは軌道を変え、一気に下降する。
「なに?」
軌道を変えての奇襲と思いきや上方からビームの雨を降らせながら突撃するアインの攻撃を仰向けになり避けながらソレスタルビーイングの地表に着地。
「っ!」
着地の瞬間を狙ってGNブラスターの最大出力が放たれるがアルケーは地表に刺さっていたバスターソードを回収しつつ飛び上がりアインの眼前に迫る。
「本物はやっぱり、おもしれぇじゃねぇか。お嬢ちゃん!」
「ほざけ!」
ブラスターを破壊するためにバスターソードが振るわれるがオーバーヒートしたブラスターをネーナは捨て、ビームサーベルを格納状態のまま展開し襲いかかる。
「はっ!」
「しね!」
アルケーの左腕のシールドを破壊するがアインの左肩に装備していたランチャーと左肩アーマーが破壊される。
「ネーナ!」
ロックオンはすぐに攻撃に転じ、アルケーの左腕を破壊するも爪先のビームサーベルを展開して2機に襲いかかる。
「化物め!」
「がら空きなんだよ!」
爪先のビームサーベルを弾かれたアルケーはそのままの慣性でバスターソードを振るい、ケルディムの右脚を切り飛ばす。
「ロックオンは援護に徹しなさい!」
「ネーナ、無茶するな!」
「貴方にはまだ働いて貰わなくちゃならないのよ!」
自分自身はともかくロックオンにはまだリボンズ戦が残っている。これ以上、ケルディムの損傷は出来るだけ避けたい。
(原作とは違って2機がかりなのに…私が不甲斐ないせいで)
ビームサーベル2本を展開して突撃するアインと襲いかかるアルケー、ロックオンはネーナの言う通りに援護に徹するのだった。
ーー
その頃、少し離れた宙域ではツヴァイとドライが激しい戦闘を繰り広げていた。
「イキってたけど、まだツヴァイは乗りこなせてないようね。裏切り者!」
「私は私の選択をしただけよ!」
バスターソードとビームサーベルが激しくぶつかり合う。
「貴方こそ、ネーナと同じ記憶を引き継いでおいてなにも思わないの!」
「何がよ、もう一人がおかしいだけよ!」
ネーナ・トリニティは苛ついていた。ネーナは全てを持ってる、信頼できる仲間、居場所、自分がいくら願っても手に入れられなかったものが奴にはある。
ネーナが憑依するまでの5年前までの記憶を引き継いでいる彼女には何故かは理解できない。
「何で結婚式場を攻撃したの!あれはヴェーダの計画にはなかった!」
「簡単よ。私達が必死に世界のために戦ってるのに楽しそうにしちゃって!だから分からせてあげたのよ!」
「っ!……貴方、人間じゃないわ」
「貴方の大好きなアイツも同じ理由で殺したわ。私とアイツはそこまでは一緒なんだから!」
半減したとはいえステルスフィールドの威力が失われたわけではない。ファングは使い物にならず、レーダー性能も半減している。
自然と防戦一方になるアニューをいたぶるように攻撃を加えるネーナ・トリニティ。
「全然違うわ」
「は?」
「貴方とネーナは全然違う!」
「…アンタも刹那も同じこと言っちゃって!」
ドライのミサイルがツヴァイに向かうがバスターソードで受け止める。爆煙に包まれるツヴァイはバスターソードを捨て、ビームサーベルでドライの右腕を切り飛ばす。
「私はどんな手を使っても生き抜く、そして幸せになるのよ。苦労するために造られたんだからそれぐらいじゃないと割に合わない」
「そうやって求めてばかりだから、なにも手に入らないのよ」
「偉そうに!」
アニュー自身、ネーナと出会ったのはほんの少し前程度の仲だ。だけど顔も遺伝子も過去も同じだろうと二人には決定的に違うものがある。
「そうか…貴方だったのね」
戦っていたアニューの頭の中でもカチリと収まる感覚が浮かぶ。
ネーナの言っていた限りなく実現する可能性の高い未来で死ぬはずだったネーナ・トリニティとは彼女の事だったのだ。他人を裏切り、嘲り、傍若無人に振る舞った結果、過去からの制裁を受けたのだ。
「可哀想な人」
「殺す!」
他でもない自分自身が変われたのを見ながら目を閉じて妬むだけの彼女にアニューは憐憫の情を抱くがすぐに切り替え、ビームサーベルを抜き放ち、振るうのだった。
ーー
「ぐうぅ!」
ネーナはアルケーのバスターソードを受け止めるが両脚を切り飛ばされる。ロックオンの援護もあってアルケー自体も左腕含め、かなりの損傷を受けているがサーシェスに止まる気配はなかった。
「ネーナ!」
「うるさい、分かってるわ」
(ネーナ)
「え?」
一瞬のにらみ合い、その瞬間に脳裏に刹那の声が響く。
すると膨大な量のGN粒子がソレスタルビーイングを包み込み、広大な宙域全体に粒子が漂う。
「なんだ、この気持ち悪い感じは…」
戦場に漂う雰囲気にサーシェスが嫌悪感を感じているとアインとケルディムが2機揃って突っ込んでくる。
「貴様みたいな奴が居るから兄さんたちが!」
「てめぇら、揃って敵討ちか!」
ケルディムが近づき、近接戦闘を行っているとそのほんの僅かな隙からアインがアルケーの左脚を切断する。
ほんの数ミリ、ズレていればケルディムごと破壊してしまう隙間を抜けられた。
先程とは違うネーナとロックオンの密な連携にサーシェスが徐々に押されていく。
「……」
「ネーナ、おまえ…」
自身の動きが全て見透かされたような連携をするネーナの動きにロックオンも例外なく驚かされる。
(刹那…)
「トランザム」
視界がクリアになり、損傷したアインを操りながらアルケーを追い詰める。ネーナの表情は穏やかで瞳が黄金に輝く。
もはやロックオンすらトランザムを使用したアインの動きを見つめるだけとなってしまいサーシェスは応戦するが不利になりアルケーの動きが止まってしまう。
「なんだ!こんな時に!」
「……」
セラフィムの発動させたトライアルフィールドにより行動不能と化したアルケーはソレスタルビーイングの地表に叩きつけられアインがビームサーベルを突き出して突撃するのだった。
ーー
「このGN粒子は!」
「ネーナ・トリニティ…ここで!」
ネーナ・トリニティが苦悶の表情で苦しんでいるとアニューのツヴァイが残っていた右腕も切り飛ばし追撃する。
幸い、ドライはネーナのシステムを使っているため動けているが勝敗は既に決していた。
「私とアイツの何が違うのよ!」
「っ!」
ドライに突き刺さるビームサーベル。
アニューはさらにもう1本、コックピットに向けて振り下ろす。
「許さない…」
迫るビームサーベルを見てネーナ・トリニティは絶叫する。
「私だけ死んで、アイツが幸せに生きるなんて許さない」
ビームがドライの装甲を融解させ迫る。
「絶対に道連れに…」
その言葉を紡ぐ前にネーナ・トリニティはビームに焼かれ絶命するのだった。
ーー
「なにっ?」
ネーナ・トリニティの憎悪に反応するかのようにネーナの穏やかな感情は打ち消され元に戻ってしまう。
だがもう遅い、アインのビームサーベルはアルケーのコックピットに突き立てられサーシェスは絶命する。
「やった…」
「ネーナ!」
ついにやったと安堵するネーナはロックオンの叫びによって意識を元に戻すと言葉を失う。
ネーナ・トリニティの憎悪か、それともサーシェスの狂気か…アルケーの爪先のビームサーベルがアインの胸と疑似太陽炉を貫いていた。
「え?」
「早く脱出しろ!」
理解できないと固まるネーナと叫びながらアインに近づくロックオン。
2人は間に合わず限界を越えていたアインは爆発しネーナは爆炎に包まれるのだった。
「ごめん、刹那」
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