ネーナ・トリニティに憑依したけど死にゲーでは? 作:砂岩改(やや復活)
皆様のご期待に答えれるように最後まで書き続けたいと思います。
「おい!大丈夫か!?」
「………」
オートマトンが鎮圧された格納庫を駆けるクラウス。
そこには子供を抱えながら倒れているソレスタルビーイングの姿があった、バイザーが割れ素顔が露になっており、それを見たクラウスは驚く。
「まだ若い」
そこにはまだ若い女性の素顔があった。
ひとまず子供はシーリンに預け彼女の容態を確認する、足から出血しているが弾は貫通していたため止血だけに留める。
他に外傷はないがバイザーが破損した際に頭を揺らし脳震盪を起こしたのだろう。
「ふぅ…」
安心したクラウスの下にケルディムから降りてきたライルが来た。
「ジーン1、彼女を」
「おう」
「彼女が助けてくれた、居なかったらもっと多くの仲間が死んでいただろう」
ライルはクラウスからネーナを受け取ると静かに顔を見る。
見たことのない人間だがパイロットスーツからしてソレスタルビーイングなのは間違いないだろう、別働隊がいるとは聞いていなかったが。
そんな思考をさておき、ひとまず輸送機に連れていくのだった。
ーー
「うっ…」
「お、目を覚ましたか」
「ここは?」
「ソレスタルビーイングの輸送機の中だ。カタロンの連中を助けてくれてありがとうな」
「素直にどういたしましてと言っておくわ…っ!」
体を動かそうとした瞬間、痛みで思わず顔をしかめるネーナ。
「無理すんな、足を弾が貫通してた。安静にしてろよ」
「ありがとう、確か…ライル、いやロックオンだったね」
「あんたは驚かないんだな」
「まぁね」
痛む足を押さえながら椅子に座り直すネーナ。
まぁ、正直に言えば寝起きからライルのイケメンフェイスが眼前にあったから思わず叫びそうになったが耐えたのを誉めて欲しい。
たぶん、刹那で耐性がある程度ついたおかげだろうが。
「カタロンは?」
「あんたのおかげで沢山助かったよ。あの子供もな」
「良かった…」
心底安心する。こんなに必死に助けて助かりませんでしたなんて言われたら精神的に死にそう。
「ネーナ、無事だったか」
「刹那…なんとかね」
輸送機に乗り込んできた刹那たちガンダムマイスターはネーナを見るとそれぞれ反応を示す。
ティエリアはやや不機嫌そうになり、アレルヤは驚いたような感じだ、ついでに一緒にいた沙慈は死んだ顔をしているが…まぁ仕方ないだろう。
「癪だが、貴様のおかげでこちらのスパイ嫌疑は免れた。感謝を伝えて欲しいと言われた」
「あらそう、良かったわね。私がいて」
「奇妙なものだ、虐殺者が虐殺を止めるとはな」
「虐殺?」
ティエリアの言葉に思わず聞き返すライル。
「この女は四年前、スペインの結婚式場を攻撃した。ヴェーダの作戦指示記録にもない行動だった」
「あのニュースか…」
スペインでの虐殺事件は大々的にニュースになっていたのでライルも知っていた。
あの事件を契機にソレスタルビーイングに対するヘイトが一気に高まったのは有名な話だ。
「スペインの結婚式場を攻撃…君が」
そして沙慈くんがログイン…あれ不味くね?
「そうよ、それがなに?」
「君が…君がルイスを!」
「沙慈・クロスロード!」
咄嗟に刹那が反応するも既に遅し。
沙慈が叫ぶと同時にネーナの首に掴みかかり、足を怪我している彼女はバランスを崩し倒れる。
「ぐ!」
「おいおい!」
「君が!君が!」
まさかの行動にライルたちも止めようと動くが、当のネーナは右手で制止するようにジェスチャーをした。
沙慈にはこうする権利があるし、気持ちも凄く分かる。
(殺したいよね、だって彼女の両親の仇、腕の仇がいるんだもん)
「うぅ…」
「げほっ、げほっげほっ!」
マジで死ぬかと思いつつ、沙慈を見ると自分の行動に対し驚いたような顔をしている。
まぁ、そらそうだろう。目の前にいきなり仇が現れたのだ、激昂しないわけがない。
そのせいで恋人であるルイスはアロウズに入ったわけだし。
「どうしたの?せっかく殺すチャンスだったのに…げほっ!」
咳が止まらないがそれ以前に口が止まらない。
心底死にたくないのに沙慈を煽っている自分に驚きつつも言葉は留まることを知らない。
「ルイスって誰かな。もしかして恋人?私が殺しちゃった?アハッ!」
「くっ!」
「ほら、これ貸してあげるから殺してみたら?」
自分の拳銃を沙慈に手渡し安全装置を外してあげる。
「狙いは額かな、脳幹だったらなお良いわね」
「……っ」
「愛しい彼女の為に私を殺して、そして仇を討ったよって報告してあげなさいよ」
「ネーナ、遊ぶな…」
「……」
震えている沙慈を横目に銃を握らせてあげると刹那が横から取り上げる。
それを見て沙慈は少し安心したように肩を落とす。
「ハイハイ、頭冷やしてきま~す」
そう言うとネーナは片足を引き摺りながら輸送機から出ていく。
「あれ、本気だったぜ」
「あぁ…」
ライルの言葉に刹那も同意する。
「首を絞められた時の制止、それに銃のくだり…本気だった」
「……」
ライルと刹那を見てティエリアも流石に困惑を隠せずにいた。
自身が描いていたネーナ・トリニティという人物像が完全に崩れてしまったからだ。
あの状況、むしろ沙慈の方が危険な状況だった。
体勢的には沙慈に有利だがネーナもティエリアと同じ人造人間で戦闘のプロだ。
彼女が本気になれば沙慈は有無を言わさず殺されていただろう。
「なぁ、ティエリア」
「なんだ?」
「ネーナって言うんだっけ?俺は四年前の彼女のことは知らないけどよ。俺にはニュースの言ってたような大量虐殺者には見えねぇ」
「……」
カタロンを救い、虐殺に対し避けるような言動を取る彼女を見ていると本当に彼女の本意であの事件が起きたと言う風には思えないというライルの意見は尤もだ。
そんなライルの言葉にティエリアは何も返すことはなかった。
ーーーー
(何やってんだよもぉ!)
輸送機の外、カタロンからも見えないようなところでネーナは頭を抱えて自責の念に囚われていた。
死にたくないから必死になって頑張ってるのにあと少しで沙慈に殺されるところだったじゃねぇか!
「はぁ…」
「らしくないな」
「刹那…」
落ち込んでいるところに来たのは刹那、流石は主人公こういうときは来てくれるイケメンムーブに惚れざる得ない。
「まぁ、私らしくないとは思うわよ。でもそう言うときもあるわよ」
「そうか…ネーナ、聞きたいことがある」
「なに?」
「アザディスタンで赤い機体を見た。外観からしてスローネ系列だと思うが」
「そっちが本題か…」
刹那らしさを感じて思わず微笑むが本題の返答に困る。
刹那が言っているのは間違いなくアルケーとアリー・アル・サーシェスの事だが…それとなく言っておこう。
「私もデータでしか知らないけどたぶんそれは刹那の言う通り、スローネの発展系のアルケー。パイロットはアリー・アル・サーシェス」
「アリー・アル・サーシェス!」
「刹那にとっても仇なの?」
「あぁ、奴とは決着を着けなければならない」
「そう、でも奴を殺すのは私。にぃにぃズの仇を、そして私が生きるためにも」
「そうか…」
ネーナのただならぬ雰囲気に対し静かに同意するのだった。
誰が良いですか?
-
アニュー・リターナー
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セルゲイ・スミルノフ
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アンドレイ・スミルノフ