ネーナ・トリニティに憑依したけど死にゲーでは?   作:砂岩改(やや復活)

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うわ、自分ってこんなに性格悪かったけ?

 

「アフリカタワー・軌道ステーションを占拠した反政府勢力から、犯行声明、および連邦議会への要求が届きました

要求は、ステーションに在住する市民の開放と引き換えに、連邦議会の解散、反政府活動家4万5,000人の釈放…ですが、連邦政府は要求に応えることも、テロに屈することもありません。すでに独立治安維持部隊を現地へ派遣し、事件の早期解決を」

 

「始まったわね」

 

 後にブレイクピラー事件と言われるアフリカタワーで起きたこの事件によって一般市民がアロウズによって大量虐殺される。

 

「……」

 

 ドライの改造は間に合わなかったがこの事件は見逃せないと思っていたのだが。

 

「ネーナ、何してるの?」

 

「いえ、なんでもありません…」

 

 この○○女のせいで介入できなくなった。

 なぜか知らないが近くで見物できるところまで足に使いやがったのだ。

 

「……」

 

 今、ぶっ殺して援軍に向かっても良いがそれだと流れが崩れる。

 出来るだけシナリオ通りに持っていかないと余計な介入が入る可能性だってある。

 

(あぁ!新しいドライも取りに行きたいのにぃぃ!)

 

 それからは原作通りにことは進んだ、刹那のメメントモリ迎撃失敗とそれに伴うアフリカタワーの破片落下、全軍を挙げての迎撃作戦。

 それを私はこの王留美の横でただ見つめるしかなかったのだ。

 

ーー

 

「はぁ…無力なのを改めて実感した。最悪な気分…」

 

 そんなローテンションの中、隙を見つけてドライの下へと向かうとネーナはさらに絶叫した。

 

「私のドライはどこに行ったのよぉぉぉぉ!」

 

 なんと改造を終えたドライが姿を消したのだった。

 

「嘘でしょ!」

 

 急いで施設内の防犯カメラ映像を確認する。

 自分のバイオメトリクスがなければ起動すらできない代物を警報なしにどうやって盗み出したと言うのだ、ここまで順調だったぶん、焦りが頭の中を支配する。

 

「わ、私…」

 

 そこに映っていたのは間違いなくネーナ・トリニティそのものだった。

 いや、拡大して確認すると少しだけ幼さが残っている感じがする。

 

「なんで私がいるのよ!」

 

 こんな芸当ができるのはリボンズだけ、まさか今まで手のひらで踊らされていたと言うのか?

 ならなぜ生かされている?なんでもう一人の私を作り直したのか?

 疑問が溢れてくるがコンソールを操作してると奇妙なカウントダウンが三つ現れる。

 

「これって…」

 

ーー

 

「君か、リボンズが用意した新入りは」

 

「どうも♪」

 

 アロウズの制服に身を包んだネーナはいつも通りの笑顔で睨み付けるリバイバルに対し手を振る。

 

「あんな旧式の改造機なんてね、私たちみたいに貰えなかったの?」

 

「リボンズはこの個体は興味深いとか言ってたがどれ程のものか」

 

 フォーリンエンジェル以前に世界の変革の犠牲として設計された旧式のイノベイターに対しリジェネは興味津々と言った感じだがリバイバルにとっては不思議でならなかった。

 

(リボンズはいったい何を考えているんだ)

 

ーー

 

 そしてアロウズ所属の艦の艦内、ブレイクピラーで父親を殺し、煮えきれない感情を持っていたアンドレイにルイスは賛辞の言葉を投げ掛けていた。

 

「昇進されて、中尉になられたそうですね」

 

「どうやら、ブレイクピラー事件でわたしが撃墜した機体が、クーデターの首謀者のものであったことが判明したらしい。それが上層部に認められたようだ」

 

「おめでとうございます、中尉」

 

「まさか、君に祝辞をもらえるとは」

 

「実の父親を殺して昇進する気分は最高よね!」

 

「?」

 

「誰だ?」

 

 複雑な表情をしていたアンドレイは突然拍手しながら現れた赤毛の女性に対し警戒する。

 

「ネーナ・トリニティ。新たに配属されたライセンス持ちよ。それより、身内を殺して昇進なんて素敵なことよね!流石はアロウズの精鋭!」

 

「だまれ!」

 

「本当なんですか中尉?」

 

 ネーナの言葉に激昂するアンドレイを見て驚くルイス、それに対して彼は言葉を失う。

 

「父親を殺したって…」

 

「父は反乱分子に加担していた。わたしは軍務を全うしたまでだ」

 

「お父様だと知っていて討ったんです!?なぜです!?」

 

「平和のためだ!」

 

 アンドレイはルイスの目を見ずに叫ぶように言葉を連ねる。

 

「紛争をなくしたいと願う、人々のためだ!軍を離反し、政権を脅かす者は、処断されなければならない!せめて肉親の手で葬ろうと考えたのは、わたしの情けだよ!」

 

「そんな…そんなこと」

 

「同じ状況になれば、君はどうする?」

 

「うっ…それは…」

 

「他人の命は奪えても、肉親はできないというのか!?」

 

 完全に冷えきった空気の中、ネーナ・トリニティだけが笑みを浮かべたままその様子を見ている。

 

「アハッ、父親殺しの男と、家族の敵を討とうとする女。お似合いよ、あんたら」

 

「っ!」

 

 ネーナは睨み付けるアンドレイの肩に腕をのせると顔をこれでもかと近づける。

 

「あんた、彼女のこと大好きなんでしょ?」

 

「……」

 

「でも彼女の大切な大切な彼氏はソレスタルビーイング」

 

「なに?」

 

「もう殺すしかないわよねぇ。ア・ナ・タの大好きな平・和の為にねぇ…アハ 」

 

 完全に言葉を失ったアンドレイを見てネーナは満足したのか離れ部屋から出ていく。

 

「元凶がよくもヌケヌケと」

 

「楽しいから良いのよ」

 

 リバイバルの言葉にネーナは笑みを浮かべたままその場を去るのだった。

 

ーー

 

 そしてブレイクピラー事件の4ヶ月後、ソレスタルビーイングは無事にメメントモリ二号機を撃破、そして王留美ら再びリボンズの下へと向かうことになった。

 

「~♪」

 

 王留美がソレスタルビーイングを裏切りリボンズとつるんでいた資料は出来たのでこれで裏切り者粛清の大義名分が出来た。

 銃の手入れを終えると大きく息を吸う。

 

「さぁ、正念場よ!」

 

 ネーナは気合いを入れ直す。

 謎のネーナが現れた以上、こちらのシナリオは崩壊したと言っても良い。

 なら、こちらも好き勝手にやらせて貰う。

 堪え忍ぶ段階はとうに終えた。

 

「待ってなさいよ、王留美」

 

 

誰が良いですか?

  • アニュー・リターナー
  • セルゲイ・スミルノフ
  • アンドレイ・スミルノフ
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