ネーナ・トリニティに憑依したけど死にゲーでは?   作:砂岩改(やや復活)

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だれかこの刹那という男を止めろ

 

「機影1、接近してるです!」

 

「敵…にしては挙動が」

 

「データ照合、スローネドライ?」

 

 プトレマイオスⅡで警戒していたミレイナとフェルトはゆっくりと近づくドライを確認して警戒するがドライの方から連絡が入る。

 

「はぁ~い」

 

 あまりの気楽さに若干毒気が抜かれつつも二人は通信を交わすのだった。

 

ーー

 

「どうした?」

 

 リヴァイブ・リバイバルの尋問を行っていた刹那の元にフェルトから通信が入る。

 

「刹那、ネーナ・トリニティの件なんだけど」

 

 ネーナがドライに乗ってプトレマイオスに向かってきていると言う、彼女の用件は刹那に聞けば分かるとだけ言って待機しているという。

 

(裏切り者の件か…)

 

「しばらくしたら会うと伝えてくれ」

 

「分かった」

 

 目の前にリヴァイブがいる以上、余計な話はしたくない。そう考えた刹那はフェルトに着艦許可を出すように言うとそのまま回線を切ってしまう。

 

「これは困ったな…」

 

 同時刻、同じくプトレマイオスⅡと合流しようとしていたネーナ(憑依)は盗まれたはずのドライがプトレマイオスⅡに入っていくのを見つけて隠れていた。

 

(まさかリヴァイブ・リバイバルの話の時か…と言うことは)

 

 周囲に索敵端末をバラ蒔いて周辺を探索していると懸念が現れる。それなりの距離に敵艦、それに係留されているのは。

 

「れ、レグナント…」

 

 思わず顔が引き攣る。自分を殺すだろう黒い死神がそこにいる。先に敵艦に対して奇襲を行い、レグナントを戦闘参加させないようにすれば行けるかもしれないと思うが原作にないもう一人のネーナの行動が気になる。

 こちらを保護してくれる可能性のある唯一の組織を失っては元も子もない。

 

「くそ、仕方ないわね…」

 

 とりあえず、デブリに身を隠しつつ、状況を観察することに集中するのだった。

 

ーー

 

「中は一杯なんだ、悪いが機体は外で頼む」

 

「仕方ないわね」

 

 コアのMSはドライだが所々に装甲の強化、肩アーマーの形状変更、両肩には小型のGNキャノン兼高出力GNビームサーベル、背面にあったGNステルスフィールドは腰の位置まで下がっている。

 近接戦闘において腕の動きを阻害しないように配置されているのだ。

 他のスローネとの連携、支援を目的としたドライから単機での戦闘に耐えられるように改造が施されている。

 

 イアンとしても突然現れた彼女を信用できないこともあって機体だけは外に駐留させることにしたのだ。

 

「なんの用だ?」

 

「刹那に直接話すわ。彼は?」

 

「アイツなら尋問中だ。そこの待機所で待っていろ」

 

「は~い」

 

 イアンの肩越しからネーナの様子を伺っていた沙慈は彼女と目が合うが向こうは知らないと言う感じで部屋の中に入っていく。

 その様子に若干の違和感を覚えたが最後に直接会ったのはカタロンの基地でのあの騒ぎだ。挨拶を交わすのも億劫になる関係だろうと思い視線を戻す。

 

「一応、刹那には早めに来るように言っておく。すまないが見張りを頼めるか?」

 

「はい、分かりました」

 

 イアンが刹那の元に向かおうとした瞬間、プトレマイオスⅡの照明が落ち、暗闇が格納庫を支配する。

 

「これは…」

 

 イアンがそう言う前にこっそり近づいていたネーナは銃で彼を殴り飛ばすのだった。

 

ーー

 

「艦内システムがダウンしたわね…」

 

 王留美の使っていた移動船に対してデータを送り終わった頃、プトレマイオスⅡが静かになったのを確認して、体を伸ばすと機体を起動させる。

 

「どうするつもり…まさか」

 

 すると外に係留していたドライに乗り込むネーナ、それと同時に小型挺とオーライザーがプトレマイオスⅡから出ていく。

 

ーー

 

「ロックオン、悪いがオーライザーの奪還を優先する」

 

「分かってるよ」

 

 格納庫のハッチを手動解放しオーライザー奪還の為に甲板に出た直後、背後の機体の存在を確認して刹那は固まる。

 

「は~い、そこまで」

 

「ネーナ・トリニティか…」

 

「マジかよ」

 

 背中に銃口を向けられ身動きが取れなくなる刹那とロックオン、ドライは右腕のGNライフルをダブルオーに向けながら笑う。

 

「リボンズはその機体も欲しいのよ。だから降りてちょうだい」

 

「裏切り者って自分の事だったのかよ!」

 

 正直、それどころじゃないロックオンもネーナを睨み付ける。確かに密告者が裏切り者だと思う人間は少ないだろう。

 憤るロックオンとは違い、刹那は極めて冷静であった。

 

「ネーナ・トリニティ…」

 

「なによ?」

 

「お前はネーナではない」

 

「は…っ!?」

 

 刹那の言葉に疑問を抱いた瞬間、ドライに向けて強力なビームが放たれ、咄嗟にGNフィールドで防ぐものの意図せぬ方向からの攻撃によろけてしまう。

 

「なによ!?」

 

「ロックオン!」

 

「分かったよ、トランザム!」

 

「逃がすか!」

 

 ロックオンは言われるがままにトランザムを発動しオーライザーが逃げていった方向にダブルオーを抱えて翔ぶ。

 ドライも追撃体勢に入るがそれを横から現れたスローネアインが邪魔をする。

 

「アイン!?」

 

「初めまして私。そして、さよならよ!」

 

 明らかに改修されているアインはドライを蹴り飛ばすと両肩のGNランチャーを展開しドライに向けて放つ。

 ドライは再度、フィールドを展開して防ぎ、着弾の衝撃を利用して離れ、そのまま戦域を離脱する。

 

「次は殺す!」

 

「くそっ…自分だけど逃げ足が速いわね…」

 

 時間的なロスはあったが刹那たちはオーライザーを取り戻すだろう。だが問題は敵の第二陣だ。

 

「レグナントが出てくる」

 

ーー

 

「と言うわけで色々あったけど合流させて欲しいのよ」

 

 刹那たちが帰投するのと同時に合流したネーナは再度イアンに疑いの眼差しを向けられるも今までの経緯と王留美が裏切り者である証拠を全員に示す。

 

「彼女とリボンズが会っているときのデータよ」

 

 スメラギも最初は懐疑的であったが、敵の首領とも言えるリボンズ・アルマークで間違いないと直に会った刹那の確認とこれまでのことで多少は信頼に値すると言うティエリアの言葉に彼女もひとまずは納得した。

 ティエリアの頭の固さとトリニティ嫌いは知っていた分、スメラギとしても納得せざる得なかったと言うことであるが。

 

「敵は来るわ。間違いなく」

 

「えぇ、近域に展開していた艦隊に新型のモビルアーマーがいたわ。おそらくレグナントね」

 

「レグナント?」

 

「大型の可変モビルアーマーよ。ビームが曲がるから気をつけて、それとパイロットはルイス・ハレヴィ」

 

「!?」

 

 刹那の顔が若干、動く。ここに沙慈が居なかったのは幸いなのだろうかと思いながらも話を続ける。

 

「レグナントは気をつけて、当然私も出れるけど、どうする?」

 

「ダブルオーが出られない以上、1機でも戦力が欲しいわ。ネーナ・トリニティ、貴方にも作戦参加を要請します」

 

「りょ~かい!」

 

ーー

 

「見栄張っちゃって…」

 

 ロックオンと刹那のアニューに関する話を文字通り聞き耳たててたネーナは無言で歩き出す彼の肩に捕まり、無重力を良いことに一緒に向かう。

 

「下手したら殺されるわよ」

 

「承知の上だ」

 

「私は困るわ。貴方に死なれたら世界も私も困ることになる」

 

 いつもと違う声音に思わず刹那もネーナの顔を見ると彼女はいつにもなく真剣な表情で見つめていた。

 

「アニューの事は私に任せて欲しいの。リボンズの手から逃れられれば彼女は一人の女性として生きることが出来る」

 

「何をすれば良い?」

 

「イノベイドと来るであろう、もう一人の私を止めて欲しい」

 

「分かった」

 

 端的だが頼もしい回答に満足するが1つ、疑問が浮かぶ。

 

「そう言えば、なんでドライに乗ってたのが私じゃないって分かったの?」

 

「ネーナとネーナ・トリニティは違う」

 

 機体も姿や声も完全に同一人物であるはずの二人のネーナを見分けるのは不可能だろうと考えていた彼女の疑問に刹那は当然のように答える。

 

「え…結婚する?」

 

「なんでそんな話になる?」

 

 思わず素で驚きすぎて脳で生成された言葉がフィルター無しで出てきてしまった。

 なんかもう精神は男だけど刹那になら抱かれても良いかもしれないと本心から思ってしまった。

 

「これがモテる男かぁ…」

 

「その手を振り払うぞ」

 

「扱い雑じゃない?」

 

 先程の雰囲気から変わり雑な応酬を繰り返す二人は仲良く格納庫へと向かうのだった。

 

 





オリジナル機体も考えてたのですが全然思い付かなかったのでアインさんに再登場してもらうことになりました…アンケートをしていながら申し訳ないです

誰が良いですか?

  • アニュー・リターナー
  • セルゲイ・スミルノフ
  • アンドレイ・スミルノフ
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