エースを目指して~転生して人生やり直す~   作:トーキチ

11 / 15
更新が遅くなり申し訳ありませんm(__)m。




第10話

夏の大会が終わり、引退してしまった先輩もいるなか秋の大会へ向けて新たにチームを作るべく新戦力の発見を含めて紅白戦を行おうとしていた。

 

 

「先輩達やる気満々だな。」

 

「それはそうだろ。夏の大会で主力の人で引退してしまった人もいるしこの試合で活躍出来ればベンチ入りどころかレギュラーになれる可能性があるからな。」

 

「まあ俺達もこの紅白戦で投げれるみたいだから楽しみだよな。入団してから初めての試合だし。」

 

「そうだね。僕達3年生のピッチャーはチームの方針で4年生になるまで大会には参加出来ないけどこういう紅白戦で活躍出来れば来年の大会へのアピールになるしね。」

 

「でも比呂はピッチャーとしてはベンチ入り出来ないけどよ野手としてのベンチ入りは狙ってんだろ?」

 

「まあそうだね。野手としてベンチ入り出来たら来年以降にも絶対プラスになるからね。レギュラーの佐藤先輩だって去年ベンチ入りしてたみたいだし。」

 

そんな話を試合前のアップ中、健と祐吾としていると後ろから声をかけられた。

 

「頼もしい後輩だね。そういう心構えは大切だよ。今日の試合で君達のボールを受けるのが楽しみだよ。」

 

そう言って現れたのは佐藤先輩だった。

 

「佐藤先輩こんにちは!ところでお隣にいるのは誰ですか?」

 

佐藤先輩の隣には見慣れない小柄なピンク色の髪をした人が立っていた。

 

「あっそうだよね。ピッチャー陣は野手と関わりが少ないからわからないよね。こいつは小湊 亮介。夏の大会も僕と一緒に4年生でベンチ入りしてたんだ。」

 

そう言われ俺はびっくりした。ダイヤのAで不動のレギュラーセカンドの小湊先輩が目の前にいることに。

原作では陽光中学出身としか書いてなかったからまさかこのチームにいるとは知らなかったからだ。

 

「「「小湊先輩、こんにちは。」」」

 

「うん。こんにちは。この子達が寿が言ってた期待のルーキーなのかな?」

 

「そうだよ。うちはピッチャーが弱いからね。彼らが来年ピッチャー陣に加われば今年以上の成績が目指せると思うよ。」

 

「へぇー寿がそこまで言うのは珍しいね。」

 

「亮介は今日の試合相手チームだから対戦するかもね。」

 

「じゃあ楽しみにしておくよ。」

 

小湊先輩はそういうと試合の準備に向かっていった。

 

「小湊先輩ってどんな人なんですか?」

 

小湊先輩を見送ったあと祐吾が佐藤先輩に質問した。

 

「亮介はもともと軟式のチームにいたんだけど僕が無理を言って入ってもらったんだよね。それに小柄だしなかなか試合にも出れなかったんだけど今年からコーチに就任した橘コーチの指導を受けてからメキメキ実力が上がってベンチ入りしたんだ。秋の大会ではセカンドのレギュラーはアイツになると思うよ。今日の試合対戦したら気をつけた方がいいかな亮介のバッティングは中々いやらしいから。」

 

佐藤先輩の話を聞いてお父さんが指導者としても優秀だということを改めて実感した。

 

祐吾の質問を聞いていた健が続けて佐藤先輩に質問した。

 

「小湊先輩のバッティングがいやらしいってどういうことですか?」

 

「そうだね。亮介はここ最近簡単に空振りしなくなったし甘いボールが来るまでカットして逃げることが出来るようになったんだ。選球眼もよくなってるからボール球にも手を出さないからね。」

 

「健みたいなコントロール悪いピッチャーだと抑えるのは中々苦労すると思うよ。」

 

「げぇそうなんですね。」

 

そんな話を佐藤先輩から聞いて俺も抑えるのは大変そうだなと思った。

 

 

試合前に監督から紅白戦は数試合行いその結果を見て秋の大会のメンバーを決めると話があった。

 

今日の試合では俺達のいる白チームは3年生のピッチャーが2イニングずつ投げることになった。

 

投げる順番は、祐吾→健→俺の順番だ。

俺は野手として大会のベンチ入りを狙っている為ライトで先発出場している。

 

野手として出場しながらピッチャーの準備もしないといけないので大変だが初めての試合だし頑張ろう。

 

初回、赤チームの先攻で試合が始まった。

赤チームの一番は五年生の先輩だ。

 

祐吾は、佐藤先輩が構えたところへ投げ込む。

一番の先輩はなかなかスイングが鋭く、初球をサード方向にファールを打つ。

 

しかし祐吾の球速よりも落ちにくいストレートを前に上手く捉えられなく首を傾げていた。

 

その様子をみた佐藤先輩はインハイへストレートを要求。

祐吾もそのリードに答える形でインハイへ投げこんだ。

2球目も手を出した先輩は打ち上げる形となり、サードフライで1アウト。

 

赤チームの二番は小湊先輩だった。

小湊先輩は、一番の先輩のように早いカウントから打ちにいくのではなく祐吾の球筋をよく見ていた。

2ストライクに追い込まれながらもカットしながらカウントを整え2ボール2ストライクの7球目甘くなったボールを見逃さずレフト前にヒットを放つ。

 

ヒットを打たれた祐吾だがその後の三番、四番を球数を使いながらも丁寧にコースを攻め何とか打ち取り、初回を無失点に抑えた。

 

 

ベンチに帰ってきて祐吾に声をかける。

 

「祐吾ナイスピッチ!初めての試合だけどどうだった?」

 

「うん。最初は緊張したけど楽しかったかな。けど先輩達スイング鋭いから投げててドキドキだけどね。」

 

「そっか。あと1イニング頑張れよ!」

 

そう言うと俺は祐吾の側を離れベンチに座っている佐藤先輩に声をかけた。

 

「佐藤先輩。祐吾の調子はどうですか?」

 

「そうだね。ボールはキテると思うよ。しかも祐吾はこのチームの中でもコントロールはかなりいい方だからキャッチャーとしては楽かな?ただまだ変化球がないからリードの幅を出すのは苦労するけど。」

 

「そうですか。ちょっと気になったんですけど小湊先輩打席の中で祐吾の球筋よく見てたじゃないですか。あれって祐吾のボールの性質に気付きましたかね?」

 

「外野なのによく見てるね。たぶんあれは気がついていると思って間違いないよ。」

 

「そうですか。じゃあ次の回守備はちょっと忙しくなるかもですね。」

 

「ベンチで情報を共有されていると思うからそうなるかもしれない。」

 

「了解です。」

 

佐藤先輩と話しているうちにこちらの攻撃は三者凡退で終わった。

 

2回表、赤チームの攻撃。

 

バッターは五番。

その初球アウトコースへ投げられたボールは低めいっぱいに決まりストライク。

 

ただこのバッターも小湊先輩みたいに球筋を見極めるかのように嫌な見逃し方をしてくる。

 

(うーん。この見逃し方だとやっぱり亮介は気づいてベンチで共有してるな。)

 

そう思って佐藤先輩はチラッと相手ベンチの小湊先輩を見る。

 

続く2球目先程よりもボール1つ分外のボールを要求。

 

するとバッターはボールをギリギリまで引き付けコンパクトなスイングでライト方向へ打球を放った。

 

しかし打球は1つ分ストライクゾーンから外した為ファールゾーンへ。

 

カウント0ボール2ストライクと追い込み第3球目。

祐吾はインハイへ投げ込んだ。

引き付けてコンパクトにスイングすることを意識していたバッターは突然のインハイへボールに対応出来ずサードファールフライに打ち取られる。

 

五番を打ち取った祐吾だったが、その後同じく引き付けてコンパクトに打つ六番、七番に連続でヒットを打たれる。

 

1アウトランナー1塁2塁バッターは八番。

その初球、インコースの厳しいところを狙ったボールが真ん中よりの甘いコースに入る。

バッターは見逃さずスイングをかけ捉えた打球はショートの頭を越え左中間に打球が転がる。

 

セカンドランナーが返り赤チームが先制。

レフトが早く追いつき内野に素早く戻した為一塁のランナーはホームへ返さず1アウト3塁2塁。

 

依然ピンチの続く白チーム。

3連打で1点を失ったのでキャッチャーの佐藤先輩は祐吾に声をかける為タイムを取りマウンドに向かう。

 

「向こうは完全に祐吾の球質に気づいて対応してきてる。祐吾ここが踏ん張り所だからね。」

 

「そうですね。佐藤先輩に1つ提案があるんですけどいいですか?」

 

「うんいいよ何かな?」

 

「ぶっつけ本番になるのでダメだったら言って下さい。自分のボールの球筋を意識しているのでこの握りで投げたら今の球筋と違う球筋になると思うんです。これで勝負出来ないですかね?」

 

こんな提案してくるなんていつも気弱なキャラの祐吾がマウンド上だと逞しいなと思う佐藤であった。

 

「ちゃんと投げれたら使えると思うよ。でも祐吾よく思いついたね。」

 

「前に比呂君と話してた時にこの握りについて話したことがあって今思い出した感じです。」

 

やっぱり比呂かと内心思った。

 

「ふーんなるほどね。ただ使えるかどうかの判断が今のままじゃ出来ないから次のバッター歩かせて確認しよう使えると思った時は声かけるからさ。このサインの時に投げて。」

 

「わかりました。」

 

話し合いが終わり佐藤先輩がマウンドからキャッチャーズボックスへ戻る。

 

チャンスの場面で回った九番にはアウトコースに4球投げたがストライクが入らず四球に。

 

ここで佐藤先輩が祐吾に何か声をかけた。

 

そして1アウト満塁で打順がトップに戻る。

 

その初球。アウトローいっぱいに決まるストライク。

 

バッターは球筋をしっかり見て次のボールを狙う。

バッテリー間でサインの交換が終わり、2球目。

 

祐吾が投じたボールは先程より甘いコースへ。

バッターはこのボールを仕留める為スイングをかける。

 

しかし、ボールは通常の祐吾の球筋よりも逃げながら沈んだ。

咄嗟に反応をしようとしたがボールを引っかけてしまいボテボテのピッチャーゴロになり祐吾はホームへ投げる。

 

祐吾からボールを受けた佐藤先輩はホームを踏み1塁へ送球する。

 

バッターランナーもアウトにし1アウト満塁のピンチを見事に切り抜けこの回なんとか1失点で終える。

 

 

ベンチに戻ると佐藤先輩と祐吾に最後に投げたボールが気になり聞いてみた。

 

「ナイスピッチ祐吾!最後に何投げた?ライトからだとよく分からなくて。」

 

「ありがとう比呂君。最後に投げたのはツーシームだよ。相手のバッターは僕の球筋みてそれに合わせるように打ってたからね。僕のボール球速の割に落ちない軌道だからバッターが、上手く打てないって比呂君が言ってたよね。その軌道意識してるバッターに違う軌道のボール投げれたら打ち取れるんじゃないかって思ったんだ。」

 

そう言う祐吾に付け足して佐藤先輩が言った。

 

「実際、ぶっつけ本番で変化球を投げられる訳がないから祐吾の提案してきたツーシームは理にかなってたかな。投球フォームに違和感あれば気づかれちゃうからね。ツーシームはストレートと同じように投げる訳だし、一応保険の為、僕が九番バッターの時に球筋を確認して一番バッターに使ったって感じかな。」

 

続けて総評に入った佐藤先輩

 

「でも普段気弱な祐吾がマウンド上だと物怖じしないのは良かったよ。あと今日はこれで終わりなのも助かったかな?次の回以降も投げてたらさすがにもっと点を取られてもおかしくないからね。」

 

「祐吾の課題は体力もそうだけど球速を上げることと何か1つ変化球を覚えることかな。今日のツーシームは良かったからこれにもう1つあると、投球の幅がもっと広がると思うよ。球速に関しては徐々にでいいと思うから、ストレートを早く見せられるような変化球があるといいね。これが来年の大会までの課題かな。」

 

「わかりました。自分でも試合で投げて思う部分があるのでその部分と佐藤先輩に指摘されたところを改善出来るように頑張ります!」

 

今後に向けてよりやる気を出す祐吾だった。

 

2回裏、白チームの攻撃。

 

「点を取られたあとの攻撃だからね。何とか同点以上にはしたいかな。」

 

「そうですね。何とかチャンスで回ってくると嬉しいんですが。」

 

「比呂は打つ自信があるのかな?じゃあ先輩として舞台は整えてあげられるように頑張るよ。」

 

「相手の先発は、よくブルペンで見てる先輩なのでちょっとした攻略法があるんですよ。」

 

そう言って相手のピッチャーを見ていた。

 

赤チームの先発は5年生のピッチャーだ。

夏の大会にはベンチ入り出来なかったが、5年生に入り身体も大きくなってきて球速も上がりここ最近力をつけてきた選手だ。

 

ベンチ入りしてないこともあり、一緒に練習する機会が多かったのでどういう性格なのかも把握してる。

『お山の大将』という言葉がピッタリな先輩だった。

性格的にはピッチャー向きかもしれないが。

 

投手としてどんな感じかというと、右の上手投げで球種としてはMax95km/hのストレートと縦のカーブを得意球としている。

コントロールよりも球威で押していくピッチャーだ。

 

先頭の四番バッターに対しストレートで押し、最後はカーブで打ち取った。

 

しかし続く五番にはボールが先攻し四球に。

先頭を打ち取ったあとだったのでもったいない四球になった。

 

六番にはキャッチャーの佐藤先輩が打席に入る。

四球のあとの初球、セオリー通り甘いストレートが来たので佐藤先輩は見逃さず左中間へのツーベースヒット。

 

1アウト3塁2塁で俺に打席が回ってきた。

本当にチャンスで回って来たよと内心思った。

 

左打席に入る。同級生の祐吾がいいピッチングをしたの間近で見たことで俺自身の集中力も高まっていることを感じた。

 

その初球。

アウトコース低めに投げられたボールは先頭の四番バッターを抑えた時に並みの勢いでミットに収まり1ストライク。

 

いい感じにこのピンチの場面で開き直っていた。

相手がまだ3年生で、更にその中でも身体の小さい比呂を見れば見下して投げるだろう。

 

特にピッチャーとしては大切な部分だとは思う。

相手に敬意を払うことはもちろん大事だがピッチャーとしてはそれだけだと絶対にマイナスだ。

打てるものなら打ってみろと言わんばかりに攻めた投球も時には必要である。

 

3歳の時に見た片岡監督のピッチングはまさにそれを感じた。

横浜翔西という超高校級打線に対しても気持ちで負けなかった。

 

打席の中でやっぱりピッチャー向き性格してるななど考えていた。

 

ただ打席の中で感じたことはこれだけではなかった。

 

「(うーんブルペンで見た時とストレートのイメージは変わらないな。あの癖も横から見て変わらなかったし、なんとかなりそうだ。)」

 

そう思って構え直す。

 

続く第2球目。

インコースへのストレートをコンパクトなスイングで打ち返す。

 

キーン

 

その小さな身体からは想像出来ない打球がライト線に伸びが、僅かに切れてファールとなる。

 

「(ちょっと早すぎたかな?追い込まれちゃったけど相手バッテリーは早め早めに勝負してくるだろうし厳しいところはカットして甘くなった所をしっかり打とう。」)

 

0ボール2ストライクからの3球目。

アウトコースにストレートを投げ込むが外れカウント1ボール2ストライクに。

 

その後厳しいボールをファールにしつつボールを選びカウント2ボール2ストライクに。

 

これ以上カウントを悪くしたくないバッテリーは次で終わらせる為勝負に出る。

 

勝負球として選んだのは得意としているカーブ。

まだ1球も見せていないボール気味のカーブで三振を狙いに行ったが、これ以上ボールにしたくない気持ちから少し浮いてしまいストライクゾーンの中へ入ってしまう。

 

 

バッターの比呂も待ってましたとばかりにスイングをしてカーブを捉えるのであった。

 

 

ピッチャーが足を上げ投球動作に入るとストレートの時よりグラブの位置が低いことに俺は気づいた。

 

「(ここでカーブしっかり呼び込んで打つ。)」

 

ピッチャーのフォームから球種を読んだ俺はインコース低めのカーブを捉えて右中間に打球を放つ。

打球は外野の間を抜け逆転のタイムリーツーベースヒットとなった。

 

 

2塁に到達すると先発した祐悟に向けてガッツポーズをするのであった。

 

 

その後、俺に打たれたショックからか連打を浴びて更に1点を失ったところでピッチャーが変わった。

 

このまま2人目のピッチャーからも点を取りたい白チームであったが後続を抑えられこの回を3得点で攻撃を終えるのであった。

 

 

 

3回表、祐悟からマウンドを引き継ぎ、俺のもう一人のライバル真鍋 健がマウンドに上がった。

 

 




今回はここまでです。
次回には試合が終わると思います。

仕事が忙しくなかなかペースが上がらないですが早く主人公が公式戦のマウンドに立てるよう頑張ります。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。