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第6話※
小学校へ上がり3年生になり、俺『橘 比呂』はリトルリーグの門を叩こうとしていた。
現在の住まいは、神奈川県横浜市で横浜南リトルに入団する予定だ。
横浜南リトルは、全国大会優勝をしたこともある強豪リトルで、その上に横浜南シニアがありこちらも強豪のシニアチームである。
なぜ俺が、このリトルに入団しようと思ったのかと言うとここはお父さんの出身チームらしく、それならばと入団を決めた。
更に言えば、お父さんが高校の時の横浜翔西のエースの川崎さんや一番を打っていた袴田さん、クリーンアップトリオの諸星さんや野田さんもこのリトル・シニア出身らしい。
リトルの監督を後輩の袴田さんが、シニアの監督を川崎さんが務めているとのこと。
俺の入団に合わせてお父さんもコーチとして入るみたいだ。
尚、お父さんの後輩の諸星さんや野田さんは今、プロ野球で活躍している。
ビデオで見た諸星さんや野田さんがテレビでプロとして活躍しているところを見て昔、お父さんになんでプロに行かなかったのか聞いてみた。
ビデオでみたお父さんはプロ野球で活躍している選手と遜色ないくらい凄いと思ったからだ。
「なんでプロに行かなかったか?うーんお父さんはプロを目指して野球をやってなかったからな。野球は好きだから大学まではやったけど他にやりたいこともあったし、後々実家の家業を継ぐつもりだったからな。」
そんなことを言っていた。
それを聞いた時は、なかなか衝撃的なことを言ってるよこの人と思った。
だって、あんな凄いプレーを出来るのにプロを目指してなかった。
お父さんも、野球が好きで努力はしたと思うけど本気でプロを目指して努力したらもっと凄い選手になっていたのではないかと思ったからだ。
ちなみに、お父さんの実家は輸入製品を扱う企業を経営している。まだ、おじいちゃんが社長を務めておりお父さんは社長になるための勉強をしつつその会社で働いている。
まさか社長の息子だったとはどうりで実家の家が庭付きの大きな一軒家なんだなと思った。
前世を知る俺からするとお父さんは羨ましすぎる。
美人な奥さんがいて自分もイケメン何よりお金持ち。
前世のブラック企業に勤めていた俺が見たら血の涙を流していたことだろう。
プロに行かなかった理由を伝えられた時、あわせてこうも言われた。
「比呂は、青道の片岡君とお父さんを越える選手になってプロ野球選手を目指せよ。比呂に家業を継がせるとか考えてないからお前はお前の夢や目標に向かって精一杯頑張れ。」
そんなエールをもらいより一層頑張ろうと思ったのだった。
ちょっと話が脱線してしまった。
話を戻そう。
今、今年横浜南リトルに入団する選手の挨拶が行われている。
強豪のリトルということもあり、なかなか野球に自信があるという顔した選手が多いなと思った。
これから切磋琢磨していく仲間を見てワクワクが止まらなかった。
そして、俺の番に回ってきた。
「では、次!」
「はい!名前は橘 比呂!希望ポジションはピッチャーです。目標は、小さい頃に見た青道高校のエース片岡投手を越えるピッチャーになることとこのリトル出身のお父さんを越えるバッターになることです!!」
元気よく宣言した。
ちょうど俺の挨拶が最後だったらしく今日一緒に来ていた新しくコーチとなるお父さんの紹介がされた。
「新入団の選手の挨拶が終わったので今年からリトル・シニアのコーチとなるコーチを紹介したいと思う。橘コーチよろしくお願いします。」
「ご紹介頂きました今年からコーチになります橘 英樹と申します。リトルとシニアの両方を見させてもらうのでよろしくお願いします。」
そう挨拶するとお手伝いで集まっていた父兄から悲鳴のような歓声が沸き起こる。
今の選手達は、わからないかも知れないが選手の両親はモロにお父さんが甲子園で活躍した時代に被っている。
まして甲子園のアイドルとまで言われたお父さんのことだ当時の人気は凄かったことだろう。
一緒に挨拶していた新入団選手や先輩がポカンとしてる。
そんなお父さんに一言言いたい。
この空気どうしてくるの!?
新たに入団するチームの新入団選手の挨拶なんてなかったかのようにこの場の注目をかっさらう父親をジト眼で見ていた。
ちょっとした騒動があったが、気を取り直して練習に入る。
アップをしたあと、希望ポジション別に集まって練習の見学・参加をすることとなった。
ピッチャーが、希望の俺は監督のところへ集まって話を聞く。
他のポジションに比べてピッチャー希望は思ったより少なく自分を含めて3人だった。
監督に、ピッチャー希望が少ない理由を聞いて見ると横浜南リトルは昔から強打が売りのチームらしく野手希望の方が多いらしい。(横浜南シニアも同様らしい)
ただ今年は、投手希望が例年よりは多いらしく監督は喜んでいた。例年希望するのは1人いるかいないからしく野手の練習をメインにしながらピッチャーを出来そうな選手に試合でピッチャーをやらせてる状況とのこと。
袴田監督は、お父さんの代では外野手として出場していたが、本職はキャッチャーらしく本職のピッチャーがいないことを憂いていた。
強打で全国出場を決めても、全国を勝ち上がるには本職のピッチャーが複数必要だからだ。
いくら点を取っても同じ点数より多く点を取られてしまっては勝てない。
全国の舞台では、野手専門のピッチャーだと簡単に攻略されてしまうみたいだ。
そこに今年は投手希望の選手が3人もいることもあり監督は喜んでいたらしい。
ピッチャーだけで集まったので改めて自己紹介をした。
これからエースを争う俺のライバルとなる2人を紹介しよう。
1人目は、俺よりも20cm以上は高いと思われる高い身長が特徴的な『 真鍋 健 』右投げ右打ちのピッチャー
2人目は、俺よりも少し身長が高く気弱そうな顔をしている『 三矢 祐吾 』左投げ左打ちのピッチャー
俺は、2人のことを真鍋のことを健と三矢のことを祐吾と呼ぶことにした。
健と祐吾に比呂と呼んでくれと言ったが、気の弱そうな祐吾が『無理無理』と言って拒否しようとしたが無理やりそう呼ばすことにした。
それからブルペンに移動し、先輩ピッチャーの練習を見学。
大体の先輩が、ピッチング練習を終えたところで監督から俺達3人にちょっと投げてみないかと提案してきた。
ただ、このタイミングでトイレに行きたくなり一旦ブルペンを離れた。用を足しこれから戻って準備をしようと思ったところで頭の中で機械音がした。
ピコン♪
突然の音にビクッとしてしまったが、幸い周りに誰も居らず見られてはいなかった。
転生してきた時以来見ていなかったステータスからの通知だったので確認した。
※一定条件を達成したので基礎能力の表示と成長の一部が解放されました。
お!
俺の能力がついに見れるのか楽しみだ!
基礎能力
最高球速:80km/h (カテゴリー上限:120km/h)
制球:E
スタミナ:E
弾道:2
ミート:F
パワー:E
走力:E
肩力:E
守備力:F
捕球:E
いま小学校3年生ってことを考えればなかなかじゃないか?
ステータスの続きに詳細が書いてあった。
能力表示の詳細
所属:リトルリーグ
・能力のランクは所属カテゴリーを参照して表示される。
・なおこのカテゴリーでの能力のランク評価は以下の物である。
・G:素人
・F:野球初心者
・E:二軍
・D:一軍控え
・C:一軍スタメン
・B:一軍主力
・A:一流選手
・S:天才、怪物と呼ばれる超一流選手
なるほど、俺のステータスは二軍の選手くらいには能力があるのか。
これは、パワプロで言うところの天才型に近そうだな。
もしかしたら、3歳からお父さんと一緒に続けてきたこともこの能力値になった要因かもしれない。
ただ、詳細を読むとこの表示はリトルリーグでやる間の基準だから上のカテゴリーに上がる度に能力の査定が行われる感じだな。
そんな確認を済ませたあとブルペンへ戻った。
ブルペンに戻ると健と祐吾の2人はすでに投げていた。
「橘遅かったじゃないか。トイレか?」
「(っ!?やばっ)そ、そうなんです。トイレ行ってたら遅れてしまいましたすみません。」
「そうか。次から気をつけろよ。」
ふぅー焦った。
報連相なんて社会人の基本なのに忘れてた。
ステータスの確認でも時間をちょっと使っちゃったからな次から気をつけよう。
ブルペンに入り先輩のキャッチャーへ投げて肩を作って投球練習の準備をした。
準備しながら他の2人の様子を見るとすでに投げ終えて監督からアドバイスをもらっていた。
2人のピッチング見たかったなぁ。
「じゃあ準備出来たら投げてみてくれ。アドバイスがあれば終わったあとにするからな。」
「はい」
俺は、四年生の先輩に座ってもらい投げようとして一つあることを思い出す。
前世では、上手くコントロールが付かなかった握り形に挑戦しようと思った。
その握りに変えて投げ込むとボールは座っているキャッチャーがジャンプして届くか届かないかギリギリのところへ行ってしまい後ろのネットに直接当たってしまった。
「すみません。」
先輩キャッチャーに謝る。
引き続き先輩キャッチャーへ投げ込んでいく。
ただ、先ほど投げた時は平面で投げている感覚で投げてしまい暴投になってしまったので傾斜を意識して投げ込む。
シュッㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤパン
1球目よりは良くなったな。
まあコントロールEだからなこれは今後の鍛錬次第かな。
でも、もう少し威力のある球投げれないかなぁと考える。
頭の中で整理し投球動作に入る。
小さな身体で目一杯身体を大きく使い、先程よりも踏み込む歩幅を半歩先へ着く。踏み込んだ足が地面に着くと同時に下半身で産み出したパワーを上半身へ伝えそのパワーを使い腕を鞭のように振り抜く。
おっ!今回はいい感じ!
ビュッㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤドカ
キャッチャーへ真っ直ぐ向かった球はキャッチャーの予想よりもノビて補球が出来ずマスクに直撃した。
---------------監督side
今日は、今年の新入団選手を初めて迎えての練習。
今年も多くの選手が入団してくれた。
今年は更に、高校の先輩である橘 英樹さんも今年からコーチをやってくれることとなり横浜南リトル・シニアともによりレベルアップ出来るのではないかと期待している。
新入団選手の挨拶のあとで先輩が、挨拶したとたんにちょっとした騒動があったがこんなことの高校の時と比べたらどうってことない。
新入団する選手には気の毒だが。
気分を切り替えて練習に移る。
新入団選手は、各希望ポジションに分かれ先輩の練習の見学と参加をしてもらう。
私が、担当するのはピッチャーだ。
このチームの伝統と言っていいのかわからないが毎年本職でピッチャーをやりたいと言ってくる選手がほとんどいない。
例年ピッチャー希望の選手は1人居ればいい方だ。
そんな状況の為、野手をメインでやりながらピッチャーを出来る選手に投げてもらっている状況だ。
ただ、全国大会で勝ち進むには複数の投手とエースが必要になる。
まして全国に進んでくるチームに弱いチーム等ない。
相手のエースをぶつけられるといくら強打が売りでもなかなか点は取れない。
そして、こちらは野手がピッチャーをやっている。
どうしても投手力の差を覆せなく負けてしまうことが多かった。
しかし、今年は3人も希望者がいた。
これは大変嬉しかった。
大体のピッチャーの練習が終わったので新入団の3人に投げもらった。
1人目は、『真鍋 健』3人の中で一際大きく小学3年生の平均を約20cmほど上回っているのではないだろうかと思う子。
身長だけで見れば5・6年生と比べて遜色ないのではないだろうか。
投げてもらうとやはり高身長なので迫力があった。
ただ、コントロールが全然定まらなかった。
身体の使い方的に上から投げ下ろすフォームよりも腕を下げて投げる方がいいのではないだろうか。
今後が非常に楽しみである。
2人目は、『三矢 祐吾』3人の中で真ん中くらい平均的な身長の子で気弱そうな顔をしたサウスポーだった。
現在のチームに左投げのピッチャーはいないので本当に貴重だ。
投げてもらうと球速はないがコントロール良く投げていた。
こちらも今後が楽しみである。
3人目は、『橘 比呂』3人の中で一番背が低く、パッとみ3年生には見えない子だった。
この子は私の先輩の橘 英樹の息子だ。
先輩は、横浜翔西の四番として春夏合わせて4回出場した甲子園のスター。
父親に才能があってもその息子にまで同じ期待をしてしまうのは酷である。
この時私は、体格から見ても前の2人よりは期待をしていなかった。
すでに前の2人は投げていたがトイレに行っていたのか橘は遅れてやって来た。
「橘遅かったじゃないか。トイレか?」
「そ、そうなんです。トイレ行ってたら遅れてしまいましたすみません。」
「そうか。次から気をつけろよ。」
まだ年齢的にもそしてこれが初日と言うことで大目にみてあげた。
橘が準備し始めたのを確認すると投げていた2人が戻ってきたのでアドバイスを送った。
2人にアドバイスを送り終え橘に声をかけた。
「じゃあ準備出来たら投げてみてくれ。アドバイスがあれば終わったあとにするからな。」
「はい」
準備が出来たのかキャッチャーを座らせて投げ始める。
その1球目、小さい体を目一杯使って投げたボールはキャッチャーを越えて後ろのネットに当たってしまった。
ただそのスピードは小学3年生にしては速かった。
いくらボールが速くてもストライクが投げられなければ意味がない。
キャッチャーからの返球を貰うと下を見ながらブツブツ何かを呟いていた。
何か、整理出来たのか2球目を投げると明らかにボールの質が変わった。
シュッㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤパン
先程の暴投より速い球がキャッチャーのミットに収まる。
ボールのスピード自体は変わってないのかもしれないが明らかにボールのキレやノビが違った。
ボールの質だけなら上級生より良いかもしれない。
こんなのボールを投げられる3年生がいるのかと驚いた。
この驚きはこれだけでは終わらなかった。
ボールの返球を貰うとまたブツブツ言いながら何かを呟いていた。
そしてそれが終わるとまた投球動作へ。
小さい体を目一杯使って投げる形は変わっていなかったが先程のものよりもスムーズによりダイナミックなフォームへと変わっていた。
更に、踏み出した足が先程よりも半歩程広がったことによりボールを離す位置がよりキャッチャー側になり先程とは比べ物にならないくらいの球威のあるボールが投げ込まれた。
ビュッㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤドカ
キャッチャーは、近づくにつれ加速してくるように見えるボールに対応出来ずに捕り損なってそのままマスクに当たってしまった。
これには驚いたという表現だけでは足りないくらい衝撃を受けた。
小学3年生の新入団の選手がこんなボールを投げることは勿論のこと、この小さな身体から何処にそんな力があるのか不思議でしかなかったからだ。
これは、控えのキャッチャーでは初見では取れないと判断した私はグランドでノックに参加している選手を1人呼びに行った。
--------------------監督side End
ピッチング練習を始めて3球目、自分の中でかなりいい手応えを感じた1球は真っ直ぐキャッチャーへ向かいミットを通り過ぎマスクへ直撃した。
「っ!?先輩大丈夫ですか!?」
かなり焦ったが先輩は『大丈夫。大丈夫。』と言ってくれたので安心した。
ただ、今日の練習はこれで終わりかなと思った俺は監督にどうすればいいか聞こうとしたところグランドに1人選手を呼びに行った。
その選手との出会いが、俺が投手としてリトル・シニア時代に更なる成長するきっかけとなった。
オリ主は神奈川県設定にしました。
オリ主中二の終わり頃まで背が小さいままです。
原作のキャラにはリトル・シニアでも出会います。
一部キャラの経歴が変わると思います。
オリキャラの設定などは次回以降少しずつ公開していきます。
読んで頂いた方からご指摘頂きましたので設定を一部を変更致しました。
カテゴリー別の球速の限界表示は
二刀流の大谷選手がリトルで120km/hを投げてたとのことでそうしました。
一応中学では150km/h
高校では165km/h
にする予定です。