エースを目指して~転生して人生やり直す~   作:トーキチ

8 / 15
本日2話目です。



第7話

監督が、戻ってくるとキャッチャー道具を着けた選手が一緒にやって来た。

 

「橘、このまま今連れてきた佐藤を相手にピッチング続けてくれ。」

 

監督にそう言われたのでキャッチャーの先輩に挨拶した。

 

「はい!橘 比呂です。宜しくお願いします!」

 

「うん。僕の名前は佐藤 寿浩。宜しくね。」

 

爽やかな笑顔で、挨拶を返したこの先輩は、この強豪横浜南リトルで4年生ながらレギュラーで試合に出場している選手だと練習の後で監督から教えられた。

 

マウンドに戻り、先程の感覚を忘れないようにピッチングを再開する。

 

ビュッㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤパンッ

 

ビュッㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤパンッ

 

何球か投げ込んで思ったことが、この先輩キャッチングが本当に上手い。

捕ったところからミットが流れないしそして何よりいい音で捕球してくれる。

 

その後、セットポジションでも投げトータル30球程投げてピッチング練習は終わった。

今回初めてのピッチング練習だったが、コントロールは思ったところに行くボールが数球しかなく、勢いのあるボールも後半になるとなかなか行かなくなってしまった。

その他セットポジションでの投球など課題が多く見つかった。

 

投げ終えたあと、監督の元に行きアドバイスをもらった。

 

「橘お疲れ様。今日のピッチングは正直に言って驚いた。初めての練習でここまで投げられる3年生は見たことがなかった。そういえば、ピッチング練習初球に暴投を投げたあと下を向きながら何かブツブツ呟いていたが何を考えていたんだ?」

 

そう質問された。

 

「えっと、最初に投げた時は、キャッチボールの時みたいに投げてしまったので全然マウンドの傾斜を考えていなかったんで上にいってしまったと思ったのでたぶんその事を呟いていたんだと思います。」

 

「なるほどな。よく考えてる。じゃあ3球目の時は何を考えていた?」

 

「3球目ですか?3球目の時は、2球目がいい感じで投げれたのでもっと勢いのある強いボールを投げたいなと。前に、お父さんに聞いた歩幅を広げることを思い出して投げてみようと。何か歩幅が広がると肘が下がらず、更にキャッチャー寄りでボールを放せるとか言ってた気がしたので試してみようと思いました。けど、俺は身体が小さいから身体を大きく使ってその勢いを使って歩幅を広げることを意識しました。」

 

「すごいな!?3年生でそこまで考えながら野球をやっている奴なんかほとんどいないぞ。今日初めてでここまで出来たら普通ならアドバイスはないんだが、橘がここまで考えて野球出来る奴なら次のステップへ行くためのアドバイスをしよう。」

 

「今日、トータルで30球投げてもらったが上手くコントロールが出来た時と出来なかった時があったよな。コントロールが上手くいっている時は、投げ終わっても身体の軸がブレずにきれいに纏まっていたがコントロール出来ていない時は投げ終わりが一塁側や三塁側に身体が流れていた。それが無くなればある程度のコントロールは着くようになるぞ。」

 

「あとは、ピッチング練習の後半になるに連れてボールの勢いがなくなっていたから投げる体力を着ける必要があるな。この両方ともすぐには身に付かないから練習して徐々に身につけていけばいい。どういう練習をやればいいかは俺に聞いてもいいし、橘コーチに聞けばいいぞ。」

 

「はい!わかりました。」

 

監督が指摘してくれたことと俺自身考えていた課題は大体一致していた。

 

ただ、課題のコントロールについて何が原因か言って貰えたので凄くためになった。

 

課題克服の為にわからないことがあればお父さんや監督に相談してみよう。

あとは、土日しか野球ないから平日の習い事の時に先生等に聞くこともありだな。

特に、身体の軸についてならあの先生に聞いてみよう。

 

そんなことを考えながら初日の練習は終わったのであった。

 

 

---------------------寿浩side

 

僕の名前は、佐藤 寿浩。

この横浜南リトルでレギュラーキャッチャーとしてプレーしている。

 

今日は、今年入った新入団選手を迎えて練習を行っている。

今年も、多くの選手が入団したので先輩として、またレギュラーとして負けないよう頑張って練習しないいけないな。

 

新入団選手が、希望のポジションに別れて練習に入った。

投手陣は、ブルペンにいったが、今日は一軍で投げている先輩達は誰もブルペンに入らずノックに参加しているので僕もブルペンには行かずにノックに参加していた。

 

ノックに参加しているとブルペンから監督がやって来て僕に声をかけてきた。

 

「佐藤ノックに参加してるところすまないがちょっとブルペンに来てくれないか。受けて欲しい奴がいるんだ。」

 

 

そう言われたので、また野手でピッチャーとして使えそうな選手でもいたのかな?と考え一緒にブルペンへ向かった。

 

 

ブルペンに行くとかなり身長の低いピッチャーが待っていた。

見たことがない選手だったので、新入団した選手だろう。

 

すると監督がその選手に声をかける。

 

「橘、このまま今連れてきた佐藤を相手にピッチング続けてくれ。」

 

その選手は、そう言われこちらに近づいてきて挨拶をしてきた。

 

「はい!橘 比呂です。宜しくお願いします!」

 

「うん。僕の名前は佐藤 寿浩。宜しくね。」

 

 

挨拶を交わすと彼はマウンドに戻っていた。

 

僕も、キャッチャーズボックスへ向かうと僕の前にキャッチャーをしていた選手に一言『注意しろよ』と声を掛けられた。

 

ただ、僕としてはその言葉の意味に頭の中で?が浮かんでいたがその意味が1球受けて理解した。

 

僕が構えると、マウンド上の彼は小さな身体を目一杯使いダイナミックに投げ込んできた。

 

ビュッ     ズパンッ

 

この小さな身体で投げられたとは思えないほど凄いボールがミットに入ってきた。

体感的には90㎞/h以上に感じられた。

 

こんな選手が入団したなんて思わず笑みがこぼれてしまった。

 

前のキャッチャーから含めて30球ほど受けた。

まだコントロールは甘く、投げる体力の向上も必要だと感じたがこれから先どんなピッチャーに成長していくのか楽しみな選手が入ってきたなっと思った。

 

投げ終わり、監督からのアドバイスを聞いている彼と監督の話を少し後ろで聞いていてさらに驚いた。

 

あんなに考えて野球をやっているなんて信じられなかった。

僕も考えて野球をやっている方だと思っていた。

キャッチャーとしての配球や場面ごとの守備位置の指示などわからないことは高校・大学までキャッチャーとして活躍した監督に何度も聞いて監督も嫌な顔せず自身の経験をもとに丁寧に教えてくれた。

 

だが、自分より年下の投手があんなに考えながら野球をしている。自分は去年の同じ時期に同じように考えられただろうか答えは否である。

こんなに考えて野球をやる投手がいるのであれば自分は更にやらなければと決意する。

図らずも、この橘 比呂との出会いによって、将来、関東....いや全国を代表するキャッチャー誕生のきっかけとなったのであった。

 

橘がダウンをしにブルペンから離れると監督が声を掛けてきた。

 

「佐藤、今日橘の球を受けてどう思った。」

 

「そうですね。あの小さな身体から投げられたとは思えない凄いボールでしたよ。ミットに届くまでに失速するどころか加速してくる感覚でしたから。だから監督も僕に受けさせたのでしょう?」

 

「そういえば後ろで球速を測ってましたよね?彼どの位出てましたか?」

 

「気づいてたか。今日の最速はお前が初球に受けた80㎞/hが最速だったな。だが、疲れてくるまでは大体75㎞/h以上は出ていたぞ。」

 

「球速はそのくらいだったんですね。受けている方からすると10㎞/h以上速く見えましたから。」

 

監督から球速を聞いて正直意外だった。それくらいは指にかかった時は速いと感じたからだ。やはり数字以上に質が大切なんだなと思った。

 

「そうは言うけどな、橘はまだ3年生なんだぞ。それを考えただけでも異常だ。」

 

「そうでしたね。監督と彼の話を後ろで聞いていて彼が3年生だということを忘れていましたよ。僕よりも考えて野球してますもん。」

 

「まあそれは私も思う。だが、あいつがあの人の息子であの人が野球を教えたというなら少しあのように考えて野球をやるのに少し納得してしまう。」

 

「あの人というと今日からコーチになった彼の父親の橘コーチですか?」

 

「そうだ。あの人がいたからこそ俺は横浜翔西であの人の後の代で正捕手になれたからな。」

 

 

へぇーと感心してしてしまう。そんなに凄い人なんだなと。

 

 

「そうなんですね。じゃあ僕はラッキーだ。あんな後輩ピッチャーと監督が認めるコーチの指導を受けれるなんて。」

 

「そうだぞ。けどな、橘の他にも才能がある3年生のピッチャーが入って来たんだからな。キャッチャーの責任は重大だぞ。」

 

「そうなんですね。それはますます楽しみだ。来年が楽しみですね。」

 

「私も、今年一年練習して成長した橘達が入ってくる来年のチームのことは楽しみだがお前は一軍のレギュラー捕手なんだから今年しっかり活躍出来ないと来年レギュラーかわからないぞ。」

 

 

 

来年のチームのことを話していると監督に釘を刺された。

 

 

「重々承知しております。今年のチームも全国でいいところまで狙えるくらい戦力充実してますからね。ピッチャー以外。」

 

「それを言うな。俺も頭を悩ませてるんだから。」

 

そんな風に冗談を言えるくらいの関係にこの一年でなれたのは佐藤の野球に対する真摯な姿勢とチームの頭脳として欠かせない存在に成長したからに他ならない。

 

 

来年のチームのことを思いつつ佐藤 寿浩は夏の大会に向けてより一層練習に励むのであった。

 

 

 

-----------------------------寿浩sideEnd

 

 

 

橘 比呂はこうして野球人生の第一歩を踏み出すこととなった。

 

 

 




今回はこんな感じにしました。
一応大会にピッチャーとして参加するのは原則四年生になってからにしようと思っています。

次回は、同級生の投手を含めて主人公を強化していこうと思っています。

まだ打つ方の描写が出てないですが(父親が関係するため)練習風景も交えながら披露できたらと思います。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。