フライングフィッシュオルフェノク・・・オルフェノクのなかではめずらしい飛び道具を使って戦う。有利になると参戦するなど狡猾な所がある。
「いや、やっぱりちゃんとした格好でいかないと・・・」
そう言われてあらためて自分の格好を見る。全体的に白と黒の二色でまとめられた服で、森の中でついた土でところどころ汚れている。
「大丈夫や、なんか言われてもウチがなんとかしたる」
「・・・」
なんで初対面でこんなに親切にしてくれるんだろう、と思ったけど口には出さなかった。よくわからない事になった今はその優しさがすごくありがたいし。
「あー名前を聞いてませんでしたね。自分は宝龍《ほうりゅう》って言います」
「宝龍やな、ウチは張遼っていうんや。仲良うしてな」
と言うと張遼さんはニカッと笑った。
俺は前を向いて話していたので、その笑いを見ていなかった。
前方で何か騒ぎがあったようで、人だかりができている。
「なんや?」
張遼さんも顔を前に向けて気づいたようだ。
どうやら祭りという雰囲気でもなく、不穏な空気が漂っている。
「ちょっと寄ってくで」
と言うと張遼さんは槍を肩にかついで、騒ぎが起きた場所に歩いて行く。
とりあえずついてくしかないのでアタッシュケースを持ち直して追いかけることにした。
「なんや、これ・・・?」
張遼さんに少し遅れてたどり着くと、人だかりの中心には人が着ていたであろう鎧や衣服が地面に落ちていてその服には灰がかかっている。
その中に鎧を着た兵士が混じって倒れていて、その人に張遼さんが駆け寄り膝をつく。
「しっかりし!聞こえとるか!?」
「う・・・張将軍・・・化物・・・が・・・」
「っ!?」
その人は張遼さんの声に答えたと思ったら、灰になり崩れていってしまった。
「どういうことや・・・」
これはオルフェノクが人を殺すときに使う使徒再生・・・てことは近くにオルフェノクがいたってことか。
けどどうする、対抗する手段がないんじゃ今そいつを見つけてもすぐにここに倒れている人たちの仲間入りだ。
そんなことを考えながら灰化した人から顔を上げると、こちらを見ている人影に気づいた。
気づかれたとわかるとそいつは一目散に逃げ出した。
「待てや!」
俺より少し先に気づいた張遼さんは既に走り出していて、追いかけていってしまった。一瞬迷ったがなるようになるだろうと思い、自分もあとを追うことにした。
なんとか見失わないように追いかけていくと、人がたくさん行き交っている大通りに出た。どうやらこのあたりにはまだ騒ぎは伝わっていないらしく、ここの人たちは平然としている。近くの店を見ると野菜などの食べ物が売っていることから、商店街みたいなもんかなと思って見渡していると、
「捕まえたで!」
という声が聞こえてきた。
声のするほうに行くと一人の男を地面に取り押さえてるのが見えて、オルフェノクじゃなかったんだなと思って安心した。
辺りにいる人は急な出来事に驚いていたがなんとなく理解したらしく、
「盗人を捕まえたのか?」「さすが張将軍だ!」
と口々に喋っていた。この反応を見る限りこういうことは日常的によくおきることらしい。
軽く人だかりができ始めていたところにその人は違うということを伝えに近づいて行った。
「その人は大丈夫「お前が悪いんだからな」
急に捕らえられていた男が喋り始めたと思ったら、顔に紋様が浮かびあがった。
「ッ!!そいつから離れて!!」
彼女が飛び退いたと同時にそいつの体が異形のバケモノに変化した。立ち上がると自分を押さえつけた人物を睨みつける。
「なんや・・・お前・・・」
「ヴォーーー‼︎」
雄叫びを上げると近くで呆然とこちらを見ていた人の一人に触手を伸ばすと喉に侵入させる。すぐに引き抜くとその人は驚いた表情のまま灰になって崩れ落ちた。
それを合図にしたように呆然と見ていた人達が、悲鳴をあげて逃げ始めた。なかには急ぎすぎて転ぶ人もいて、さっきまでの賑やかさが嘘のような状況になった。
この原因の怪物、"オルフェノク"はこちらを睨みつけていたが張遼さんに向けて襲いかかった。
動揺しながらも拳を槍でうけて腕を素早く斬りつけるが、
「なんやと!?」
刃は通らずに弾かれただけで終わった。
「なんつー硬さや、岩斬っとる感じや。・・・けどな、これならどうやっ!」
そう言いながら敵の拳を避けると槍を両手持ちにして渾身の一撃を胴に打ち込んだ。
「グァッ!」
そいつはたまらず後ろによろけるがすかさず頭部に斬りつけて追撃をくらわせる。
「すごい・・・ベルトを使わずにオルフェノクとやりあってる・・・」
俺はその戦いを少し離れたところで見ていた。近くには人の姿はなくなっているけど、遠巻きに戦いを見ている人達もいる。
これなら任せておけば良さそうだ、と思って目を戻すと少しずつ張遼さんが押し始めていた。
オルフェノクの硬い表皮をみて、柔らかいと思われる関節部分を狙っているようだ。けど決め手に欠けるようで倒しきれずにいる。
「どうすればええんや?刃が通らんのじゃ倒しようがないわ・・・なぁ、なんかええ考えないか!?」
後方にいたおれに肩越しに聞いてくる。
「・・・ちょっと待っててください」
オルフェノクの拳はおお振りで余裕をもって躱せていて、その隙をついて一撃を入れているが大きなダメージにはなっていないみたいだ。
「あーどうすれば変身できるんだ?」
アタッシュケースを広げながら考える、これさえ使えれば加勢できるのに。
「待てや!」
ベルトを取り出して考えているとオルフェノクが張遼さんを振り切ってこっちに向かってきた。
「うおっと!」
ギリギリで拳を避けて距離をとるとオルフェノクがこっちを見て言った。
「金になりそうだな、それをよこせ・・・」
「・・・」
どのみち助からないという考えが一瞬で頭の中に浮かんだ。
「宝龍!」
援護に入ろうとしてくれたが横から矢が飛んできて足止めされる。その方向を見るとボウガンとよく似た武器を持ったオルフェノクがいた。
そいつは遠距離から足止めを狙って撃っていて近寄れそうにない。
ジリジリと間合いを詰めてくるオルフェノクから少しずつ距離をとっていると、右手に持っている携帯から電話がかかってきた。
「あんた!はよ逃げんかい!」
間に割って入ってくれるが、かなり無理をしたようで肩に怪我をしていた。
電話に出る。
「もしもし!誰ですか⁉︎」
「・・・変身コードは555でenter、それを打ったらバックルに装填してみて」
「はい?あんた誰・・・」
それだけ言うと一方的に切られた。
目の前の戦いを見ると一人でオルフェノク二体に苦戦する張遼さんの姿があった。
それを見た俺は手に持っているベルトを腰に装着する。
「あの人にはお世話になったし戦えそうだ、ここで逃げたらクズかな」
5、5、5、ENTER.言われたとおりにコードを打っていく。
「Standing by」
enterを打つと携帯から電子音声が流れる。
「変身!」
オルフェノクと張遼さんがこちらを振り向いたと同時にベルトのバックル部分に差し込む
「complete」
すると身体の表面を沿うように赤いラインがベルトから広がり身体中に広がっていく。あたりに目も開けてられないほどの光があふれ、周りにいた人達は思わず顔をそらす。
光がおさまると黒いスーツを下地にした全体的に金属の印象を受ける者が立っていた。
俺の近くにいたオルフェノク=スティングフィッシュオルフェノクは三叉の槍を召喚すると突如現れた敵に向かって襲いかかった。
しばらく呆けていた仮面ライダー=ファイズは気づくと素早く反応して槍をかわす。
「よし、誰かは知らないけど助かった・・・張遼さん!そっちのやつをお願いします!」
「おう、なんやようわからんけど引き受けた!」
彼女はそう言うと飛ばしてきた矢をはじいて間合いを詰めていく。
それを横目で確認すると相手の槍を躱し腹に連続で拳を叩き込む。怯んだところに相手の顔面に左拳で殴りつけると相手が蹴りを放ってきたが冷静に後ろに下がって避けたあとで腹に強烈な蹴りを喰らわせた。
「グアッ!!」
「たしか・・・」
大きく後ろに転げさせるとベルトに着いているファイズポインターを取り外してから携帯の前面についているメモリを装填する。
「ready」
右足に取り付け携帯=ファイズフォンを開いてENTERを押す。
「EXEED CHARGE」
ファイズフォンから電子音声が流れると紅い光が流動経路をたどって右足のポインターに充填される。
嫌な予感がしたらしいオルフェノクは立ち上がろうとするが、今までのダメージが溜まっていたのかふらついていた。
俺は空中へ飛び上がると一回転して相手に右足のポインターを向けると、赤い線が飛び出して相手に突き刺さると円錐状の光が展開される。
「リャーーーーーーー!!」
そこに吸い込まれるように飛び蹴りを喰らわせる。オルフェノクの硬い表皮を削りきると相手の後ろ側に転送された。
「グァーーーーーーーーー!!!!!!」
後ろではオルフェノクが青い炎を上げながら崩れ落ちていった。
「勝った・・・オルフェノクに・・・」
「おー宝龍やんな?お前やるやないか」
「・・・」
もう一方の戦いを見てみると張遼さんのほうは終わったみたいで敵のオルフェノク=フライングフィッシュオルフェノクの姿は無かった。
そいつは形勢不利を悟ったのか逃げ出したようだ。
「はあ・・・」
ひとつため息をついたあとファイズフォンを開いて電源ボタンを押すと、変身が解除された。
だいぶ更新遅れてごめんなさい。前から9ヶ月か~構想を練ってたとか言っておこう。
今の自分の夢は、土日祝休みで趣味に没頭することですw