ULTRA XROSS DREAM セブンガー&グリージョ feat.カミーラ   作:シャイマスΩ

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今回はグリージョとピリカが活躍します!!


第2話

第2話『アサヒとピリカ』

 

 

 --1--

 

 

 俺の名はバキリア。

 

 幻影超人という二つ名を持ち、いずれはこの宇宙を支配する者。

 

 ここはウルトラ戦士の一人である『ウルトラマンタイガ』が来訪し、救ったとされる地球。

 

 しかしタイガは戦いを終え、自らの故郷に帰った。

 

 支配するのは容易いと言える。

 

 今頃ラティノ達も侵略活動を行なっているのだろうな。

 

 だが先にそれを完了するのはこの俺だ。

 

 そして思い知らせてやる。

 

 この俺こそが、全ての宇宙で最も優れているという事を。

 

 

「さあ来い、お前達!!」

 

 

 俺の声に応える様に、三つの足音が背後から聞こえてきた。

 

 俺は振り返り、そこに視線を向ける。

 

 

【宇宙怪人 セミ人間】

 

 

 チルソニア遊星という場所からやって来た蝉の如き顔をした宇宙人で、『隕石怪獣 ガラモン』というロボット怪獣を操るのが特徴的。

 

 

【誘拐怪人 ケムール人】

 

 

 ケムール星という場所からやって来た宇宙人で、触覚の様な部分から『消去エネルギー源』とゼリー状の物体を放つのが特徴的。

 

 

【キール星人】

 

 

 好戦的な性格の宇宙人で、『宇宙エイ ボスタング』と呼ばれる怪獣を操るのが特徴的。

 

 

 今回使うのはこの三人の宇宙人だ。

 

 俺はラティノの様な脳筋ではない。

 

 策に策を練って、確実にこの地球を支配する。

 

 まあ心配は無用であろう。

 

 コイツらもかつて地球を訪れ、あの手この手で地球人達を苦しめた手練れ。

 

 ウルトラ戦士の居ないこの地球にて、コイツらを止められる者など居る筈はない。

 

 

「さあ、俺の為に存分に働け! 最も優れた戦果を叩き出した者には、報酬として地球の半分をやろう!!」

 

 

「お、それは嬉しい話だ!!」

 

 

「我々ケムール人こそが、それを受け取るに相応しい」

 

 

「バカを言え! 地球を支配するのは、このキール星人だ!!」

 

 

 セミ人間達は意気込みを吐き出した後、揃ってその場から姿を消した。

 

 俺は奴らの顔が頭に浮かび、ニヤリと笑みを浮かべる。

 

 バカな奴らだ。

 

 まんまと騙されてくれた。

 

 地球の半分を渡す?

 

 そんな大そびれた事をする筈がないだろう。

 

 支配が終われば、奴らも皆殺しだ。

 

 俺の力を持ってすれば、そんな事容易く出来るのだからな。

 

 

 --2--

 

 

 ウルトラマンタイガがこの地球を去って、約一年の時が流れた。

 

 私、旭川ピリカは民間警備組織『E.G.I.S』の副社長兼オペレーターとして働いており、今日は久々の休暇ライフを満喫している。

 

 私は買い物が好きなので、これから少し先にあるデパートで服やら何やらを大量に買う予定だ。

 

 行ける時に行って、効率良く買い物をする。

 

 それが出来る女の、最も求められる条件である。

 

 まあ実を言うと、私は唯の女の子ではなくて、遠い惑星で造られた『アンドロイド』なのであるが。

 

 

「さあてと、まずはシャツでしょ? それから靴を買って……それからそれから……」

 

 

「危ない!!」

 

 

 叫び声に気付き、視線を向けた時にはもう遅かった。

 

 私は向こうから走って来ていた何かとぶつかり、衝撃で尻餅を着いた。

 

 痛い。一体何事であろうか?

 

 警告をしておきながら、避けもせずにぶつかって来るなんて。

 

 

「あ、すいません! 急いでいた物で……大丈夫ですか?」

 

 

「うん……大丈夫じゃないって言ったら嘘になるかな? ねえ、一体誰に追われているの?」

 

 

 私に手を差し伸べてきたのは長い黒髪が特徴的な女性だった。

 

 そして私が放った『追われている』という言葉に反応してか、視線を合わせてはくれなかった。

 

 やっぱり、この人は訳ありなんだ。

 

 この地球には他所の惑星から移住して来た宇宙人達が、人間社会に紛れ込んで生活しているケースがある。

 

 E.G.I.Sも過去に宇宙人を依頼人として、警護の仕事をする事は多々あった。

 

 しかしこの予感が当たっていた事を、実は私は嬉しくは思っていない。

 

 こういった場合、九割の確率で宇宙人同士の戦闘や怪獣の出現に発展してしまうから。

 

 

「見つけたぞ、ルパーツ星人!!」

 

 

「随分と手間取らせてくれた物だな? もう逃がさんぞ?」

 

 

 私は声がした方向に視線を向けた。

 

 そこにはセミ人間、キール星人と呼ばれる二体の宇宙人が立っていた。

 

 なるほど、コイツらがルパーツ星人と呼ばれるこの女性を狙っていたという訳なんだな?

 

 女性を追いかけ回すとは怪しからん。

 

 E.G.I.S副社長として、見過ごす訳にはいかない。

 

 

「何事かは聞かないけど、人を守る仕事をしてる以上黙って立ち去れないね。私が相手になるよ」

 

 

 私は立ち上がってルパーツ星人の前に立ち、護身術の構えを取った。

 

 セミ人間とキール星人は私の姿を見て、ヘラヘラと笑っている。

 

 なるほど、どうやら女だからといって舐められているみたいだ。

 

 でもお生憎様、私は夜道に宇宙人に襲われる事も想定して、身を守る術は齧ってある。

 

 一発ずつ攻撃を加えた後、すぐにルパーツ星人の手を引いて逃げ出す。

 

 後はE.G.I.Sのメンバーに連絡を取って、反撃開始と行こう。

 

 

「残念だったな? 俺達にもちゃんと切り札はあるんだぜ? 来い、ガラモン!!」

 

 

「来い、ボスタング!!」

 

 

 セミ人間とキール星人が叫んだ後、空から三つの何かが私達の前に降り立った。

 

 赤い体表をした怪獣が二体。

 

 マンタの様な姿をした怪獣が一体。

 

 私は思わず口を大きく開けてしまった。

 

 最悪である。

 

 まさかこんな女の子を相手に、巨大な怪獣を差し向けて来るなんて。

 

 

「悪いな? 俺達は紳士でもなんでもないんでね。さあお前達、コイツらを捻り潰してしま……」

 

 

「そうはさせません!!」

 

 

 何処からか聞こえた声にキール星人の言葉が掻き消され、直後にマンタの怪獣めがけて蹴りが打ち込まれた。

 

 マンタの怪獣は地に倒れ、蹴りを打ち込んだ何かはそのまま地面に降り立った。

 

 オレンジと銀のボディ。

 

 そして胸にある青色のクリスタル。

 

 私は確信した。

 

 あれはタイガと同じ、ウルトラマンだと。

 

 

 --3--

 

 

 私、湊アサヒは以前お世話になった『ウルトラマンゼロ』という方から緊急の任務を受け、別宇宙の地球にあたるこの場所へとやって来た。

 

 普段の私は看護学校に通うごく普通の女の子。

 

 しかし私には今は亡き大切な親友から受け継いだ力がある。

 

 

【ウルトラウーマングリージョ】

 

 

 地球に危機が訪れた時、私はそれに変身して、人々を守っているのである。

 

 そして今現在、私はその人々を守るという使命を果たさんとしていた。

 

 

「ハッピー! 私はウルトラウーマングリージョ! あなた達の様な悪い子には、反省して貰います!!」

 

 

 親指と小指を立てた右手を突き上げ、私は眼前にいる三体の怪獣を指さした。

 

 怪獣達は私を見て、キョトンとしている様子だった。

 

 もしかして、あまり意味が通じていない?

 

 いや、だからといって退く訳にはいかない。

 

 私の足下には、襲われているであろう二人の女性がいる。

 

 何としても、怪獣達からこの人達を守り抜かないと。

 

 

 私はゆっくりと構えを取り、怪獣達めがけて駆け出した。

 

 赤い色をした二体の怪獣がそれに応える様に駆け出し、私達は互いに体をぶつけ合う。

 

 私はすかさずパンチやキックをそれぞれに打ち込んだが、拳や足に痺れる様な感覚が走って思わず動きが止まってしまった。

 

 この怪獣、凄く硬い。

 

 まるでそう、ロボットを殴っているかの様である。

 

 もしかして、本当にロボットの形をした怪獣なのだろうか?

 

 だとすると、これは凄く厄介である。

 

 

 すると、今度はマンタの様な姿をした怪獣が私に突撃を仕掛け、私は衝撃によって大きく吹き飛ばされて地面に倒れ込んだ。

 

 私はすぐに立ち上がったが赤い二体の怪獣がすかさず私に近づき、両手を乱暴に振って私の体を攻撃する。

 

 私はまた吹き飛ばされ、仰向けの状態で地面に倒れ込んだ。

 

 強い。それに数が多い。

 

 ダメ。このままじゃやられてしまう。

 

 一体どうすればいい?

 

 どうすれば、この状況を打ち破る事が出来る?

 

 考えなければ。

 

 でなければ、ここに来た意味がない。

 

 

「フンッ! お前にコイツらを倒す事は不可能だ。ケムール人、トドメを刺せ!!」

 

 

「ケムール人!? アンタ達、まだ仲間がいたの?」

 

 

 下で会話が繰り広げられる中、二体の赤い怪獣の真ん中に黒いボディに触覚が特徴的な何かが出現した。

 

 あれがケムール人。

 

 トドメを命じたという事は、きっと恐ろしい能力を持っているに違いない。

 

 立たないと。

 

 そうでないと、それによって私は確実にやられてしまう。

 

 

「グリージョ立って! 私達はあなたが頼りなの! グリージョ、グリージョ、グリージョ!!」

 

 

 下にいた女性が、私に必死に声をかけてきた。

 

 私はそれを聞いて、『負けられない』という意思を抱きながらゆっくりと立ち上がる。

 

 それと同時に、胸に付いているクリスタルが青から赤に変わって、ゆっくりと点滅を始めた。

 

 これは私がグリージョでいられる時間が、もう残り少ない事を指している。

 

 グズグズしている場合じゃない。

 

 私は必ず、怪獣達に勝たなければならないのだから。

 

 

 赤い二体の怪獣が私めがけて駆け出し、私は両腕を上に伸ばすと同時に空に舞い上がった。

 

 私は赤い怪獣の背後に降り立ち、黒い宇宙人が触覚から液体の様な物を出してきたが私はもう一度飛び上がってこれをかわし、液体は赤い二体の怪獣にかかる。

 

 瞬間、赤い二体の怪獣は跡形もなく消え去り、それを見た黒い宇宙人は慌てふためいた様子を浮かべた。

 

 どうやらあの液体、物体を消す力があるらしい。

 

 あれを使って私を消そうとしていたんだな?

 

 しかしこれで厄介と思われた二体の怪獣は消えた。

 

 後はマンタの怪獣と黒い宇宙人を倒すのみである。

 

 

 今度はマンタの怪獣が空にいる私めがけて突撃を仕掛け、私は両手でそれを受け止めると全身に力を込めて後ろに投げ飛ばした。

 

 マンタの怪獣は地面に激突し、私は黒い宇宙人の前に降り立つとパンチやキックを連続で打ち込んでいく。

 

 そして後ろに回り込んで蹴りを打ち込み、黒い宇宙人は前に吹き飛ばされてマンタの怪獣に覆い被さる様に倒れた。

 

私は両腕にオレンジ色のエネルギーを宿し、ゆっくりと十字の形を組んだ。

 

 これで決める。

 

 もう二度と、悪さを働かせはしない。

 

 

「反省しなさい! グリージョショット!!」

 

 

 私は十字に組んだ腕から光線を発射し、黒い宇宙人とマンタの怪獣はそれを浴びて激しい爆発を起こした。

 

 二体は空の彼方に吹き飛び、その姿が見えなくなると共に星が二つ瞬く。

 

 私の光線に怪獣や宇宙人をバラバラにする力はない。

 

 二体はこの地球で暴れた罰として、宇宙の彼方に追い出されたのだ。

 

 

「ハッピー! さあ、今度はどうしますか?」

 

 

 私は下にいた二体の宇宙人の方を向き、膝を屈めてゆっくりと顔を近づけた。

 

 二体の宇宙人達は敵わないと思ったのか背を向けて逃げ出し、私は立ち上がって親指と小指を立てた両手を胸元に置いた。

 

 よし、これでもう悪さはしないであろう。

 

 たとえ懲りてなかったとしても、私は何度でも立ちはだかって同じ事をする。

 

 まあ出来れば、これっきりにして頂きたいというのが本音ではあるのだが。

 

 一応私も、乙女の一人であるのだし。

 

 

 --4--

 

 

 ウルトラウーマングリージョ。

 

 中々面白い奴が出てきたものだな。

 

 まさか四体を同時に相手にして、やられる事なく撃退するとは。

 

 だがまあ、俺の敵ではあるまい。

 

 所詮はセミ人間達が操る下僕が、力足らずだったという事。

 

 全く、情けない連中である。

 

 

「バ、バキリア様……本当に……申し訳……ございません……」

 

 

「フンッ! お前達に期待した俺が馬鹿だったよ。失敗した者には、死あるのみだ」

 

 

 俺は左腕に付けている鉤爪に青いエネルギーを集め、振り返ると共にその場にいたセミ人間とキール星人に突き出した。

 

 鉤爪から光線が放たれ、セミ人間とキール星人はそれに飲み込まれて激しい爆発を起こした。

 

 これでよし。

 

 ケムール人は空の彼方に吹き飛んでしまったみたいなので、探すのも面倒だしそのまま放置しておこう。

 

 俺は新たなる下僕を探しに行くとしようか。

 

 簡単にはしくじらない、強い下僕をな。




次回『誘いの闇』

ご期待ください!!

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