ULTRA XROSS DREAM セブンガー&グリージョ feat.カミーラ   作:シャイマスΩ

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今回はカミーラが無双します!


第3話

第3話『誘いの闇』

 

 

 --1--

 

 

 私の名はネメシス。

 

 妖魔超人の二つ名を持ち、いずれはこの宇宙の支配者に君臨する者。

 

 でも今の私は凄く弱い。

 

 ラティノ、バキリアという仲間の超人がいるのだけれど、彼らは私が唯一多彩な能力を持っているからといって都合の良い様にこき使っている。

 

 でも私に不満はない。

 

 何故ならそんな生活も、もうすぐで終わりを告げるから。

 

 私達は今、それぞれ別次元の宇宙にいる。

 

 私がいるのは『フース』と呼ばれる惑星。

 

 ここに私の目当てがいる。

 

 私がラティノ達さえも超越し、支配者としての地位を確立させてくれる鍵となる存在が。

 

 

「待ってなさい……必ずあなたを捕まえてあげるわ。愛しき人……カミーラ」

 

 

 その名が口から出た瞬間、私は反射的に舌舐めずりをした。

 

 そう、そのカミーラという存在こそが私の目的。

 

 彼女が何処にいるのか?

 

 その目星は既に付いている。

 

 

 --2--

 

 

【深海怪獣 ピーター】

 

 

 温度に敏感に反応する性質を持っており、環境によって大きさが変わるとされている超深海生物。

 

 

 そんなピーターが今、私ことカミーラの目の前にいた。

 

 ここは陸。

 

 よってピーターの体格は人間の姿である私と同じ位である。

 

 私はかつて闇の巨人と呼ばれ、ある人物によって蘇生させられ、とある目的の為にこのフースという惑星に滞在している。

 

 だからピーターを前にしても、恐れを抱く事は全くない。

 

 しかし厄介とは感じている。

 

 何故ならここから更に温度が上昇する事態が起これば、ピーターの体はより巨大な物になってしまうから。

 

 殺すのは私の中ではナンセンスだ。

 

 邪魔立てするなら話は別だが。

 

 

「はあ……お前も不憫な者だな。ほら、誘導してやるからさっさと水辺に帰れ。海までは送ってやれんぞ? 面倒で敵わない」

 

 

 私はピーターの方へ歩み寄り、頭を優しく撫でた。

 

 ここは街中。

 

 すぐそこには水深が浅めの川がある。

 

 海に行くとなるとかなりの距離を有する。

 

 連れであるリリという奴ならそこまで行くと言うかもしれないが、私はそこまで優しくはない。

 

 川で我慢してもらう。

 

 海に無事帰れる様、祈っておいてはやろう。

 

 

「あら? 深海怪獣を相手に、随分と呑気な対応をしてるのね? それが闇の巨人の所業かしら?」

 

 

「……誰だ? 貴様?」

 

 

 私は聞こえてきた女性の声に反応して、振り返った。

 

 そこにはオレンジ色の髪をした、中年位の女性の姿があった。

 

 私は左足をゆっくりと下げた。

 

 コイツ、只者ではない。

 

 もしや、私と同じ闇の巨人か?

 

 

「初めまして。私はまりかよ。ねえカミーラ、力を封じられて……さぞ退屈してるんじゃない? 私が解き放ってあげましょうか?」

 

 

 まりかから放たれた冷たい視線。

 

 それを見て私は凍りつきそうになった。

 

 闇を解き放つ?

 

 一体何を言っている?

 

 それにどうして、私の名前を知っているのだ?

 

 名前だけじゃない。

 

 私が闇の巨人という事も。

 

 

「フフフ、いずれ分かる時が来るわ。さあ怪獣ちゃん? 二人きりで話がしたいから、お家に帰んなさい」

 

 

 まりかはピーターにそう言うと共に、目を妖しく光らせた。

 

 するとピーターはまるで操られるかの様に川の方を向いて飛び込み、私はそれを見送った後にまりかに視線を戻す。

 

 なるほど、コイツは妖術を操るという訳か。

 

 目が合っただけで操る事が出来るとは、恐るべき能力だ。

 

 

「カミーラ、まずはあなたを試すとするわ。私が送る刺客を変身して倒しなさい。アイテムは、私が生成してあげる」

 

 

 まりかは指を鳴らし、直後に空に霧の様な物が現れた。

 

 私は空を見上げ、その奥に隠れている巨大な何かを視認する。

 

 そこにいたのは異質な空間に潜む、トドとかいう二本の牙を備えた歩きにくそうな生き物に似た怪獣だった。

 

 まりかは続いて印を結んで両手を前に出し、それと同時に私の右手に巨人として変身するのに必要な金色のアイテム『スパークレンス』が現れた。

 

 なるほど、あの女は何か企んでいるという訳か。

 

 良いだろう、やってやる。

 

 私は光を掴み損ねた哀れな闇。

 

 幾ら足掻こうとも、そこから逃れられないのは私自身が一番理解している。

 

 だがその闇を喰らおうというつもりならそれは浅はかな策略だ。

 

 私は愛憎戦士の二つ名を持つ。

 

 愛はどんな物よりも脆く、同時に深く重い闇が潜んでいる。

 

 私はその象徴たる存在。

 

 その欲望すらも、容易く飲み込んでしまうであろう。

 

 

「後悔するなよ? 私に闇を与えた事を」

 

 私は黄金に染まったスパークレンスを前に翳し、中央の部分が左右に開いて青紫色の稲妻が迸る。

 

 私は人としての姿から金色のボディをした戦士の姿になり、更にその体が数十メートル以上の巨大な物へと変身を遂げた。

 

 私は霧に視線を向け、両腕を後ろにして力強く飛び上がった。

 

 体は空に舞い上がり、霧めがけて一直線に進んで行った。

 

 相手が何者かなんて問題じゃない。

 

 一瞬で捻り潰してくれる。

 

 

 --3--

 

 

 霧の中に侵入し、私は動きを止めて辺りを見渡した。

 

 そして右斜めの方向に、主の如く佇んでいる一体の怪物を発見した。

 

 あれが先程から見えていた怪獣。

 

 奴を倒せば、この霧も消えるという訳だな。

 

 しかしここは気味が悪い場所だな。

 

 残骸の様な物が沢山浮かんでいて、まるで墓場の様だ。

 

 

 そう思っていると、怪獣も私の事を見つけ、威嚇する様に咆哮を上げた。

 

 私は一切驚かない。

 

 その程度でたじろぐ筈がないであろう。

 

 或いは、私に勝てる自信があるのか?

 

 

 怪獣は私めがけて駆け出し、二本の巨大な牙を突き出してきた。

 

 私は横に動いて牙をかわし、顎を蹴り上げて怪獣を吹き飛ばす。

 

 すかさず私は真上に飛び、怪獣が舞った高さまで達するとドロップキックを怪獣の顔面に打ち込み、怪獣は大きく後ろに吹き飛ばされた。

 

 私は空中に止まり、怪獣を見て溜息を吐いた。

 

 何だ、思ったより歯応えがないな。

 

 こんな物で私を止めようと?

 

 随分と舐められたものである。

 

 しかも接近してきた所を見ると、奴には飛び道具の武器はないらしい。

 

 この空間を生み出すのと二本の牙。

 

 並の者なら苦戦したかもしれないが、残念ながらそれ如きでは私には勝てない。

 

 興醒めだ。

 

 本当に一瞬で終わらせてやろう。

 

 

「恨むならお前を刺客に選んだ主人を恨め。私は今から、お前の体をバラバラに切り刻む。残酷と言える程にな」

 

 

 私は右手から青い鞭状のエネルギーを生み出し、怪獣めがけて乱暴に振り回した。

 

 鞭が怪獣の体に当たる毎にその皮膚を抉っていき、所々から赤い血がダラダラと流れていた。

 

 しかし私は躊躇わない。

 

 コイツはピーターとは違う。

 

 私に牙を剥く愚かな怪獣。

 

 同情の余地など、一寸たりともありはしない。

 

 

 私は鞭状のエネルギーを今度は剣の形に変化させ、勢いよく飛び上がった。

 

 そして怪獣の真上に移動し、剣を向けながら一気に急降下を行う。

 

 剣は怪獣の喉を貫き、私がそれを横に振ると怪獣の首が体から分離して地上へと落下した。

 

 覆っていた霧と怪獣が跡形もなく消え去り、私は動きを見せる事なく一点を見つめていた。

 

 遠い昔、私はこれを快楽としていた。

 

 だが今あるのは、虚しさの一つのみ。

 

 ダメだ。この程度では満足出来ない。

 

 もっと強い相手が欲しい。

 

 私の中にある闇を開放できる様な、歯応えのある相手が。

 

 

 --4--

 

 

【四次元怪獣 トドラ】

 

 

 四次元空間に潜むトドという生物に酷似した怪獣で、相手を貫く巨大な牙が特徴的。

 

 

 そのトドラを刺客として差し向けたものの、私が妖術によって生み出したスパークレンスを使い、元の巨人の姿となったカミーラの敵ではなかったみたいである。

 

 しかし実験としては成功した。

 

 カミーラは闇を手に取った事で、今まで抑えていた衝動的な物が解放されている。

 

 光を求めた彼女の姿はもうない。

 

 あるのはただ三千万年もの昔、破壊と殺戮の限りを尽くした闇の巨人としての闘争本能。

 

 カミーラは強い敵を求めている。

 

 心配せずとも、そんな物は幾らでも用意してやる。

 

 そしてその闘争本能によって生み出された闇とカミーラそのものを吸収し、私は今よりもっと強い存在となるのだ。

 

 彼女は愛しき存在である。

 

 何物にも変え難い、餌という意味合いで。

 

 

「カミーラ、また会いましょう。私はあなたの近くにいる。決して、離れはしない」

 

 

 背後にオレンジ色のゲートを出現させ、私は振り返るとその中に入るという形で姿を消した。




次回『侵略者をぶっ倒せ!』

ご期待ください!!

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