ULTRA XROSS DREAM セブンガー&グリージョ feat.カミーラ 作:シャイマスΩ
第6話『メフィラスは笑う』
--1--
全く、折角下僕を用意したというのに、もう使い切ってしまうなんて。
やっぱりあの二人に何かをさせようというのが間違いだったのだな。
まあ、強いカードは私が残している。
これを使えば、幾らカミーラとて苦戦は必須であろう。
「ネメシス様、ここは我々にお任せ頂けませんか? 必ずや、期待に応えて差し上げますぞ」
「メフィラス……いいわ、信じてあげる。但し失敗は許さないわ。それは肝に銘じておきなさい」
私は横から語りかけてきた『メフィラス』という宇宙人にそう忠告した。
【悪質宇宙人 メフィラス星人】
悪知恵が働く宇宙人で、腕から放つ光線を始めとする様々な能力を持っているのが特徴的。
彼の後ろには二体の怪獣がいた。
【古代怪獣 ゴモラ】
とある島に生息する怪獣で、角や尻尾を使ったパワフルな攻撃が特徴的。
【吸血植物 ケロニア】
かつて地球侵略を目論んだ意思を持った二足歩行の生命体で、両目から放つ怪光線が特徴的。
なるほど、こいつらを使って侵略をしようというのだな?
これは面白い。
どんな事をしてくれるのか楽しみである。
「では、また後ほど」
メフィラスはその言葉を最後にゴモラ、ケロニアと共に姿を消し、私はそこを向く事なくニヤリと笑みを浮かべた。
--2--
あのネメシスとかいう女、私がかつて使っていたスパークレンスを容易く生み出した。
一体何者なのだ?
しかし目論見は読めている。
このスパークレンスからは邪悪な力が感じ取られる。
恐らくは戦う毎に闇が膨れ上がっていき、満ちた瞬間に横取りしようという事なのだろう。
だが残念ながら、私は闇に喰われる事はない。
私は元々闇の巨人。
愛憎によって、その力を何倍にも高める事が出来る。
無限には程遠くとも、満ちるにはかなりの期間を要するのは必須。
それまで果たして待っているだろうか?
いや、無理だな。
仮に横取りしようとしてきても、返り討ちにしてやるが。
「失礼、あなたがカミーラさんですね?」
不意に聞こえた声に反応し、私はそこに体を向けた。
眼前には黒いボディをした一体の宇宙人がいる。
知っている、コイツはメフィラス星人。
また面倒な奴が来たな。
コイツは暴力というよりも、言葉を巧みに操って自分の懐に引き込むタイプだから。
「そんなに怖い顔しなくてもいいですよ? 私はあなたの味方です。この惑星の人間達を皆殺しにしたい、そう思っているのでしょう?」
「何をバカな……私は破壊の為にこの惑星に来た訳じゃない。これ以上吹き込むつもりなら、容赦はしないぞ?」
私は付けていた白い布を外し、鞭の如くしならせた。
メフィラスはそれを見て驚いた表情を浮かべ、後ろに二歩退がる。
残念だったな。
ここは貴様のテリトリーではない。
その気になれば、首をへし折る事だって出来る。
優勢なのは私の方だ。
「仕方ありません、あなたにこの惑星を差し上げようと談話をするつもりでしたが、これ以上の会話は無意味ですね。こうなれば、実力行使に参りましょう」
メフィラスは指を鳴らし、それと同時に二体の怪獣が出現した。
何が実力行使だ?
まだ自分は土俵に上がらないつもりではないか。
だがまあいい。
コイツらを使おうとも、結果は同じだ。
すぐに引き摺り出してやる。
その舌を私の鞭で、引き千切る為にな。
--3--
私はスパークレンスを翳し、中央部分が展開して激しい閃光が迸った。
私の体は戦士としての姿に変わり、巨大化して二体の前に現れる。
二体は私を見て唸り声を上げ、私は右手から鞭状のエネルギーを出して構えを取った。
そんな事で怯えるものか。
力の差を思い知らせてやる。
角を持った怪獣が先に私めがけて突っ込み、私は横に移動してそれをかわすと尻尾めがけて鞭を縦に振った。
角持ちの怪獣の尻尾は切り離されて宙を舞い、緑の怪獣が目から光線を放ってきたが私は左手を前に出し、それを容易く受け止める。
角持ちの怪獣は横から私に攻撃を仕掛けようとしてきたが、私は避けずに腹部に蹴りを打ち込み、更にそちらを向くと同時に鞭を振って今度は角を叩き折った。
つまらないな。
所詮怪獣などこの程度か。
メフィラスは一向に動こうとはしていないが。
「……そういう事か」
背後から何かが蠢く音が聞こえ、私は鞭を剣に変化させると振り返ると同時にそれを前に突き出した。
剣は先程切った角持ちの怪獣の尻尾を貫いており、尻尾はそのまま跡形もなく消えてなくなる。
中々の生命力だ。
しかしそれでも私には及ばない。
これで終わりにしてやる。
私はまず緑の怪獣の前に移動し、剣を十字の形に振り回した。
緑の怪獣の体は四つに切り裂かれて爆発を起こし、私はそれを見届ける事なく今度は角持ちの怪獣に接近して剣を横に振る。
斬撃によって角持ちの怪獣の首が切り落とされて地面に落ち、私は休む間もなく剣をメフィラスに向けた。
「遊びは終わりだ。今度はお前が、私と戦え」
「やれやれ……良いでしょう。あなたの強さでは、これ以上の茶番は無意味みたいですからね!」
メフィラスは叫ぶと共に体を発光させ、巨大な姿となって私の前に現れた。
私は動かず、ジッとメフィラスを見つめる。
とうとう本気になった様だな。
奴から、この二体とは別格のオーラを感じる。
初めから自分が出てくれば良かったものを。
メフィラスは左手を添えた状態で右腕を前に出し、そこから青い稲妻状の光線を発射した。
私は剣を振ってそれを弾き、接近して再度剣を振ったがメフィラスは読んでいた様で後ろに飛びこれをかわした。
メフィラスは間髪入れず両手をクロスさせた状態で前に出し、そこから今度は黄色い光線を発射する。
私は剣を振ってこれも弾き、メフィラスは埒が明かないと思ったのか真上にジャンプしてそのまま空へ飛翔した。
空中戦か、良いだろう。
何をしたって、私に敗北はない。
私は剣を出したまま飛び上がり、メフィラスは両手を交互に前に出して光弾を放ってきたが私は剣を左右に振ってこれを切り裂いた。
メフィラスは逃げながら光弾を撃ち続け、私は表情一つ変えずに剣でそれを捌いていく。
段々と距離は縮んでいき、私は『ここだ』と感じて剣を鞭に変化させ、力強く縦に振った。
メフィラスは回避も防御も間に合わずに鞭による一撃を諸に受け、呻き声を上げながら地上へと落下した。
メフィラスの体は地面に叩きつけられ、私はゆっくりと降り立って鞭を消滅させる。
勝負あったな。
真っ二つにならなかっただけ、タフだなと褒めてやろう。
「まさかこれ程の力の差があったとは……ネメシス様が欲する気持ちも分かりますね。これもまた、闇による物なのですから……」
「ネメシス、それが私にちょっかいをかけている黒幕か? 死にたくなければ居場所を教えろ。直接出向いて、ズタズタにしてやる」
「お怖い事。でもそれは無理な話ね」
何処からか聞こえた声。
しかし反応するより先に奥の方から一発の火球が迫って来るのが見え、何とか立ち上がっていたメフィラスの腹部を貫いた。
火球はそのまま私の方へと飛来し、私はガードが間に合わずに直撃を受けて後ろに大きく吹き飛ばされる。
メフィラスは既に爆発を起こして跡形もなくなっており、私は遅れてそれに気付いたが驚愕より先に疑念が頭の中を過っていた。
これ程の火力を持った攻撃、一体何者が放ったというのだ?
そしてネメシスという奴は何故、これを初めに私にぶつけなかった?
メフィラスという、囮にしては上質過ぎる物を使って。
「あなたの相手はゼットンよ。ゼットンは一筋縄ではいかない最強の怪獣。幾らあなたでも、苦戦は必須でなくて?」
煽りの声が響くと同時に、遠くから奇怪な音を出しながら何者かが近づいて来るのが見えた。
黒いボディに黄色い目。
あれがそのゼットンという訳か。
--4--
メフィラス、実に良くやってくれた。
お陰で私は最強にして最大の怪獣を召喚し、使役する事が出来たのだから。
【宇宙恐竜 ゼットン】
かつてウルトラ戦士を倒したとされる怪獣で、テレポートを始めとする特殊能力と一兆度の威力を誇る火球が特徴的。
まさにその火球が、メフィラスを貫きカミーラの体に命中した。
幾ら闇の巨人といえども、これを受ければひとたまりもあるまい。
さあもがき、苦しみなさい。
そして闇を育て、ゼットンすらも超越するの。
その闇があなたを強くし、私も強くする。
やがて訪れる、食事の時を経てね。
「さあゼットン、思い切りやりなさい。何なら殺しても構わないわ。あなたに出来るなら、の話だけどね? フフフ……アハハハ!!」
私は興奮のあまり、空を見上げて高笑いを上げた。
次回「最強VS最強」
ご期待ください!
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