エースストライクウィッチーズ 〜因果は交わり、新たなifへと〜   作:writer

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( 主)「やっぱ長ぇなこの作品は…」


因果と未来、運命が交わる時

 夜の内に雨は止み、カラリとした太陽の陽射しが基地に差し込み始めた。

 フェンリアはその時間帯に起きて着替え、外に出ていた。

 

「うん。いい朝じゃないか」

 

 昨日心の中を打ち明けたからか、彼はゆっくりと寝る事が出来た為、晴々とした気持ちで起きる事が出来た。

 今のヨーロッパの気候は昼間が暑い。だが朝は涼しく過ごしやすいのだ。

 フェンリアは軽く身体を伸ばしてからお目当ての場所に走って向かう。運動がてらとは言え、パワージャケットに25kgの鉛を入れて走るその体力は気狂いだろう。

 

「はぁはぁ…アイツを超えるためにはまだ足りない…」

 

 額に流れる汗を拭い、パワージャケットを取り去ると、今度は太い枝が生えた木に登って枝に足を掛ける。

 そのまま太腿と脹脛で枝を挟み込んで、コウモリのようにぶら下がった。

 

「持ってきて良かったな小説。暇だから読める」

 

 ぶら下がったままフェンリアは小説を開く。内容は架空戦記だ。

 

「ふ〜む。海洋の邪神か…人類にでもどうにか出来るか…どうして俺の世界にいる化け物が脳内に浮かぶのだろうか?」

 

 小説は邪神の復活を阻止しようと、人類が手を結んで戦うと言った内容だ。だがフィクションの世界の話とは言え、どうしても彼の脳内にはこんなの→『(´∞`)』やあんな→『(メ゚Д゚)』のが暴れる未来しか見えなかった。

 自然と唸ってたからだろうか?目の前に2人の女性が立っていることに気が付かなった。

 

「…フェンリアよ。何を唸っている?」

「フェンリアさん?」

「美緒と芳佳か。いや、架空戦記小説を読んでいたんだが、俺の元いた世界の連中が暴れまわる未来しか見えなくて困ってたんだ」

「私としては、何故お前は逆さまでいるのか分からないんだが…」

「あぁ、これか?戦闘機動を取ると、頭に血が登って酸素が身体全体を巡らずにブラックアウトしたりするだろ?それを防ぐ為に身体を馴れさせているんだ」

 

 フェンリアは腕組みしながら答える。大分前から気になってた事だが、実際にしてみると中々大変だ。

 美緒は元エースのウィッチだったからか、その訓練法に「ほぉ」と頷いている。芳佳は分かってはいなさそうだ。恐らくそれ程キツイGを体験した事が無いからだろう。

 

「装備や機体そのものの質、普通の訓練をやってもアイツには勝てん…もっと何かをしなくては…」

「フェンリアさんのライバルって、そんなに強いんですか?」

「昨日話しただろ?あの敵エースが俺のライバルだ」

「一度会ってみたいな…出来れば飛びたいが…」

 

 美緒らの話によると、ウィッチとして飛べるのは20歳までのようだ。年齢が上がるに連れて魔法力とやらが減少し、そして飛べなくなる…

 フェンリアは元が戦闘機だから死ぬまで飛べるようだが、技術として模倣されたら美緒は飛べるだろうと考えていた。

 無論デメリットの事も頭に入れておかなくてはならない。

 

「…どうしたフェンリア。そんな難しい顔をして」

「…何でもない。そろそろ降りるよ」

 

 フェンリアは腹筋を使って起き上がり、両手で枝を掴んでから足を引き抜き、ゆっくりと下に降りた。

 頭に登っていた血が全て足元に下がり、目の前がクラッとしたが、すぐに体勢を立て直した。

 その時だった。

 

『非常呼集非常呼集!ウィッチーズ全員会議室へ集合して!』

 

 ミーナの声が大音量で基地全域に発信された。近所に民家があれば苦情待った無しだ。

 だがそれだけの事をするという事は、本当に緊急なのだろう。フェンリア、美緒、芳佳は走って会議室に向かった。

 

 

 

 

 

 全員集めた会議室。皆の目線が集まる中、ミーナは一先ず何も隠さずに事実を伝える事にした。

 

「皆さん落ち着いて聞いてください。先程カールスラント解放軍総司令部より無線が入りました。対空インドラ要塞が、たった1機の新型ネウロイによって消滅しました」

 

 一気に会議室が騒がしくなった。

 あっちこっちから飛び交ってくる情報を整理すると、インドラ要塞は要所に設置されており、ネウロイの進行を幾度と無く弾き返した対空要塞だったらしい。

 要塞がどんなに強固でも、確かに新型なら陥落するとフェンリア自身も考えていたが、消滅までは行かないだろう。

 ならば考えられるのは、地下何十mにある厚さ300mm以上のコンクリ装甲で覆われた弾薬庫を爆弾で破壊するか、1発の威力が強力な爆弾を投下したかなのだろう。

 

「新型ネウロイの情報は、何かの戦闘機のようであり超高速で飛行するようです。曰くそれは彗星だったと連絡です」

「ミーナ中佐。その機体の特徴ってあるのか?」

 

 エイラの質問に、ミーナは困惑したような表情を浮かべて話した。

 

「戦闘機の形を取っており、ミサイルや爆弾で攻撃してきたと…数少ない生存者によると、4発の大型ジェットエンジンを後部に纏めて装備していたらしいわ」

 

 ガタンッと席を立つ音が響く。皆が驚いてそちらを見ると、音の主であるフェンリアが「馬鹿な」と言った顔でミーナを見つめていた。

 

「フェンリアさんどうされました?」

「そのネウロイの写真はあるのか?」

「ありますよ。今から映しすね」

 

 会議室の大型スクリーンがシュルシュルと降りてきた。映写機に光が灯ると部屋の電気が落とされ、スクリーンに写真が映された。

 それは確かに戦闘機の様だった。黒いその機体の機首には小さな翼が見える。カナード翼。つまり震電と同じエンテ型の形を取ったそれは、後部に行けば行くほど太くなっている。機体中央には左右に広がる巨大な翼は、それ自体がミサイルでは無い事を示している。

 何より目を引くのは後部の巨大な4発エンジンだ。ミーナや美緒らが見た事の無い程巨大なエンジンは、間違いなく軽く音速を超える事を想像させた。

 

「何だよこれは…」

 

 シャーロットが呻く様な声で、異様な姿のネウロイを見つめていた。

 それに答えたのはフェンリアだ。

 

「フレガータ…大型攻撃機だ…」

 

 苦虫を噛み潰した様な顔になったフェンリアに再び視線が集中する。ミーナは無言で「続けて」と促した。

 

「…俺のいた世界の試作攻撃機だ。元は低高度からその速度と装甲に物を言わせて防衛ラインを突破、地上目標を根絶やしにするのが目的だ。コイツの特徴はハイドラエンジンと名付けられたエンジンだ。これによりフレガータは燃料無視で飛べばマッハ4以上を叩き出す」

「マッハ4だって!?第一宇宙速度だぞ!?」

 

 第一宇宙速度。すなわち本気を出せば大気圏を余裕で突破可能な速度だ。

 異次元の速度換算に、フェンリア以外の全員が衝撃を隠し切れない。

 フェンリアは続けた。

 

「それに装甲もミサイル1、2発程度では墜ちない程硬い。火力も20mmバルカン砲を固定装備とし、多種多様な爆弾も積める」

 

 一通り驚いた表情の一同を見た後、ミーナの目を見て最重要項目を伝えた。

 

「…要塞がどの程度の大きさなのか知らんが、そこそこ広めの要塞を消滅させるならうってつけの兵器が幾つかある。その内の1つが貧者の核兵器と言われた燃料気化爆弾、もしくは核兵器並みの破壊力を秘める全ての戦争の母と呼ばれているMOABだ」

「し、質問なんですけど、その兵器は一体…」

 

 ペリーヌが震えながら手を挙げる。

 比較対象に核兵器が挙げられるなど前代未聞だったからだ。

 

「燃料気化爆弾は燃料を気化させて爆発させる爆弾だ。原理とかは置いておいて、その範囲は大型航空基地を2発で消し去る。MOABに至っては都市が消えるぞ」

 

 フェンリアの言葉は各々の脳内に響き、もし都市部に落とされたならと考えてしまった。

 ウィッチーズの防空ラインを簡単に突破し、両者が都市に落とされたならば…住民の遺体さえ発見できず、例え遺体を見つけたとしても破片になってるであろう。

 都市部は言わずもがなだ。

 

「フェンリア!対抗策はあるのか!?」

 

 カールスラントの惨劇を体験したバルクホルンが立ち上がって噛み付くように対抗策を尋ねる。

 ミーナも勿論、ハルトマンも何時もの眠たそうな顔から撃墜王の顔に変貌していた。芳佳達も同様だ。

 

「…1つ、有るには有る。相手の標的が判るならば何とかなるかもしれない」

「目標はこの基地です。既に一直線にこちらへ来てます」

「よし。なら作戦を伝えようか…」

 

 フェンリアは立ち上がってスクリーンを仕舞うスイッチを押し、背後にある黒板の下に線を引き、「海」と書く。

 

「まず配置だ。オススメするのは2人1組のチームを組み、なるべく広範囲に分散して待機する」

 

 チョークで小さな円を2つ描き、それを少し大きな円で囲む絵を分散させて配置した。

 

「理由はフレガータの速度だ。余りにも速いから一撃離脱戦法をしてくる可能性が高い。だから1チームが突破されても、他のチームでリカバリーしてダメージを与えていく」

「成程…お前はどうするんだ?フェンリア」

「俺は単独行動だ」

 

 フェンリアは黒板の上部に1つの円を描いた。

 

「俺はフレガータより高い位置で光学迷彩を展開して待機。奴が来たら急降下してエンジンを破壊する。あわよくば撃墜する。俺にしか出来ない役割だ」

 

 フレガータの進行を示す矢印に上の円から伸びる矢印が接触する。

 確かに合理的だが、シャーロットはかつて素早い敵と戦った経験からある質問をした。

 

「フェンリア。お前はそのGに耐えられるのか?」

 

 質問にフェンリアとシャーロット以外が「あっ」とした。

 いくら音速飛行に馴れていたとしても、その重力は計り知れない。シャーロットはそれを危惧したのだ。

 

「分からない」

「分からないって、お前な!」

「俺も未知数だ。一応耐える訓練はしているが、そのGに耐えられるか分からん。最善は尽くすさ…もし反対するなら他の案を」

 

 この言葉にはシャーロットも黙ってしまった。

 確かに危険だが、これ以外に有効な方法はと問われると有る訳がなかった。

 フェンリアは無言で背を向けた。

 

「…俺は腹を括るさ。早く準備したほうがいいぞ。ヤツの速度を考えたらもう1時間も無い」

「…分かりました」

「ミーナ!?」

「バルホルン。もう議論の余地は無い。この基地をやられればお終いになる」

「坂本少佐まで…!?」

「話はここまでよ。けれど皆に条件を課すわ」

「条件…?」

「皆無事に帰ってくる事。これが出来なければ、ネウロイを撃墜出来ても失敗と見なす…フェンリアもこの事を留意するように」

 

 ミーナも今まで通り行かせたなら無茶をする事は経験で知っていた。

 フェンリアも苦笑を漏らしながらそれに答えた。

 

「分かりました。必ずや成功させて見せますよ」

 

 

 

 

 

 数分後、フェンリアの姿は大空にあった。光学迷彩を作動させて姿は見えない。

 フェンリアはVTOL機能を持っている。それを利用して飛行機雲を出さずに大空にいた。

 彼の脳内では、出撃する前のバルクホルンの言葉が蘇っていた。

 

『無茶はするなよ…』

 

「アイツ、噂で心配してる奴にはうるさいって話だが、本当のようだな…」

 

 何度も繰り返した武器チェックをもう一度繰り返す。

 そして彼方から放たれる轟音を耳にした。

 

「来たか…」

 

 遥か彼方に赤く光る何かが急接近してくる。恐ろしいスピードだ。ジェット機馴れしているフェンリアさえも、そのスピードに目を見張った。

 だがその目は確実にネウロイの細部を捉えていた。

 

「(MOABではないな。なら燃料気化爆弾だな…っと、そう話してる暇も無さそうだ…)」

 

 フレガータは全く気付いていない。

 光学迷彩を解除した時には、フェンリアは既に降下していた。太陽を背にし、アフターバーナーをフルスロットルのまま予想交差地点に向けダイブする。

 だが予想通りにフェンリアには恐ろしい加速Gがかかり、ブラックアウトすれすれになっていた。

 

「かはっ…!これはキツイなっ…!だがっ!」

 

 ネウロイが特有の鳴き声を挙げる。どうやらようやく気が付いたようだ。だがフェンリアはこの時既に全ての兵装のロックを解除していた。

 

「ようフレガータ!ここで墜ちろ!FOX3!FOX2!」

 

 6AAMと改良型HVAAの2連射、合計8発のミサイルがフレガータを襲った。だが今回はロックもままならずに発射したため無誘導だ。後は運、祈るだけだ

 

「機銃斉射!当たれぇぇぇぇ!」

 

 機銃も乱射する。

 彼の必死の祈りが通じた。6AAMは当たらなかったが、この攻撃がフレガータの回避を強制的に促した。そこにHVAAの1発が飛来。至近距離で爆発した。HVAAにはステルス性は勿論、周囲にも被害が及ぶように炸裂弾頭にしてあった。その破片がエアインテークに入り、エンジンに予想以上のダメージを与えた。そこに機銃が乱射され、機体にもそれなりの被害が与えられた。

 結果、フレガータの速度は鈍足と言えるまでに落ち、吸気口のダメージから低空飛行を強要されたのだ。

 高度を落としていくフレガータを見て、フェンリアは鼻で笑いながらインカムに耳を傾けた。

 この時耳に流れてくる内容に軽く目眩を覚えたが、フェンリアは仕方なく現状を伝えるべく空きを伺った。しかし彼が何故目眩を覚えたか、少し遡ってみよう。

 

 

 

 

 

 まだ彼方だが爆発音が聞こえた。

 バルクホルンは両手に握る銃をより強く握る。

 

「トゥルーデ。力が入り過ぎだよ〜?」

「作戦が始まったんだハルトマン。お前も用意しておけ」

『でもバルクホルンさんって、何だかフェンリアさんの事気に入ってますよね?やっぱり心配ですか?』

 

 無線に割り込んできた芳佳の言葉…と言うより今までの会話は作戦空域にいる全員に聞こえている。ともかく、芳佳の言葉が全員の耳に入った後、バルクホルンは瞬時に真っ赤になった。 

 

「み、みみみみ宮藤!?///何を言ってる!?///」

『あれ?私変な事言いましたっけ?』

「わ、私はだな…///アイツを心配してるだけで好いてなどいないぞ…///」

『そこまで言ってませんけど…えっ?まさか…』

「『『『『『えっ…』』』』」

「…あっ…//////」

 

 良くも悪くもバルクホルンは正直な奴だった。カールスラント軍人の美学的思想を身に着けた真っ直ぐな正確だったが、ここでは普通に裏目に出た。芳佳の素のボケをかまして引っ掛かってしまったバルクホルンはさらに赤くなった。

 

『あら、そうだったのトゥルーデ?』

『バルクホルン少佐、応援してますわ♪』

『アッハッハッハッ!お固いバルクホルンも乙女だな♪』

『ひゅ〜ひゅ〜♪』

『ミーナ中佐が歌ってサーニャがピアノを弾けば完璧だな♪』

『式のとき頑張る』

『私達も料理頑張らないとね♪芳佳ちゃん♪』

『そうだね♪』

『あっはっはっはっ!いいじゃないかバルクホルン。私からも何か用意しておこう』

「だ〜ってさ♪」

「お、お前らもうすぐ敵が来るんだぞっ!!//////」

 

 無意識に自覚していた甘酸っぱい想いが早々にバレた上に告白もしてないのに結婚させようとするメンバーに怒鳴り返す。なおフェンリアは最初の芳佳のセリフ辺りから聞いていた。

 

『聞こえるか?応答してくれ』

 

 フェンリアの声がインカムから聞こえた。

 

「フェ、フェンリア?///何も聞いてなかったよな?///」

『はて?何の話だ?』

「いやいやいや!///何でもない!///」

 

 実は聞いていたと今言えば収集がつかなくなるので、フェンリアはとぼける事にした。

 

『まぁいいか。敵ネウロイがそちらに向かっている。速度は鈍足、機体にもダメージが入ってる。俺は体勢を立て直すから後は頼んだぞ』

「ふぅ…よし分かった。任せてくれ」

『交信、アウト!』

 

 電波が途切れる。フェンリアの声はもう聞こえてこない。その代わりに耳障りなエンジン音が聞こえてきた。

 

「来るぞ!ハルトマン!」

「あいよ!」

 

 赤く光る影が接近してきた。速度はまだ速いが、音速飛行は出来なくなっていた。感覚ではウォーロックより少し遅い程度だ。

 

「遅い!キールに向かう途中に出会ったヤツのほうが強かったぞ!」

「ここで墜ちてもらうよ!」

 

 2人の持つMG機関銃がフレガータの機体を抉っていく。だがそれを見越しての装甲だ。フレガータはそのまま飛び去っていく。

 

「追うぞ!」

「ほいほ〜い!」

 

 2人もフルスロットルで追い掛ける。

 フレガータは何とか逃げ切れたと思っていたと思っていたのだろう。その上空からの視線に全く気付いていなかった。

 

「リーネちゃん!今!」

「撃ちます!」

「サーニャ!今だ!」

「うん!」

 

 リーネは視力の良さ、サーニャは電波を使う。それぞれの良さを活かし、リーネと宮藤はかなりの高度から狙い、サーニャとエイラは雲に紛れて奇襲を仕掛けた。

 完璧な不意打ちとなったこの攻撃は、フレガータの翼を吹き飛ばした。

 フレガータは悲鳴を上げる。それでも飛び続けるフレガータに2つの洗礼が浴びせられた。

 

「行けっ!ルッキーニ!!」 

「ばっひゅ〜〜ん!!」

 

 シャーロットとルッキーニの能力を合わせた合体技が炸裂した。この時フレガータにとっては最悪の状況が生まれた。

 この合体技は途端に取った回避行動が原因で避けられてしまったが、半分の主翼を壊されたフレガータはその衝撃波に耐えれるだけのパワーが無かったのだ。故に完全に安定感を失い、クルクルとバレルロールを繰り返した。

 その瞬間を狙ってバルクホルンとハルトマンが下方向から機銃を乱射。ウェポンベイが破壊され、中の爆弾が丸見えになってしまった。

 それを知ってか知らずか、ミーナのアシストの元、ペリーヌの攻撃が炸裂した。

 

「今よ!ペリーヌさん!」

「はい!トネール!!」

 

 もはやそこに最速の凶鳥の面影はなく、息切れのグンカンドリとなったフレガータに電撃が走った。その電撃の直撃先は、ウェポンベイ内にあった基地攻撃用燃料気化爆弾だ。

 普通の電撃なら爆発しないが、魔法によって放たれた対ネウロイ専用の電撃は違う。燃料を気化させ、爆弾の外装を吹き飛ばした。そこに彼自身のアフターバーナーの火が引火した。

 

カッ!ドォォォォォンッ!

 

 恐ろしい程の熱と閃光が放たれた。だが全員が離れた位置で、なおかつシールドを張っていたため無事だった。

 

「…ネウロイの反応。消滅…」

「楽に始末出来たのはフェンリアのお陰か…」

 

 ポツリと呟いたエイラの言葉が、プロペラ音しかしない空に響いた。

 だがその声は、先程とは打って変わって繊細なジェットの音にかき消された。

 

「撃墜出来たか…焼き鳥一丁上りってやつだな」

「フェンリア!無事か?」

「あぁ、何の問題もない。急降下時はブラックアウト仕掛けたがな」

「ブラックアウトって…私でもならなかったけど?」

「それ程強力な機動を無意識に避けてるだけだよシャーリー」

 

 改めてフェンリアのいた世界が、化け物揃いの空にいたと考えると恐怖しか無い一同だが、とにかくあのネウロイを撃破出来た事を上層部に伝えなければならなかった。

 

「さ、皆帰還しますよ」

「「「「「了解!」」」」」

 

 基地に進路を取るフェンリア達。

 フェンリアも、ましては彼女らも油断していた訳では無かった。だが気付くのが遅かった。

 彼方から耳障りな咆哮と共に、赤いビームが何本も飛んできた。

 

「あっ!危ないバルクホルン!」

「はっ?」

 

 急に背中を押されて困惑したバルクホルンだったが、フェンリアの左腕のアーマーが赤い光に包まれ、彼が苦悶の表情を露わにした瞬間全てを把握した。

 

「ちぃっ!」

「フェンリア!」

「ネウロイ…あっ、シャーリー!あれ!」

「ハンブルクでハルトマンを撃墜したタイプか?どこか違うが…」

 

 ビームの飛来した方向より6機のネウロイが向かってくる。それは確かにハンブルク上空でバルクホルンとハルトマン、シャーロットを翻弄したタイプのネウロイに似ていた。

 だが今回は完璧な戦闘機の形を纏い、編隊飛行をしながら飛んできた。明らかに何かが違う。

 

「攻撃開始!」

 

 ミーナの命令を受け、全員が広範囲に渡って弾幕射撃を行う。

 ネウロイはそれを軽々と避ける。その機体のエンジンは、四角形のカバーに覆われた戦闘機だった。

 

「S-32だと!?まさか…!」

「どうしたんだ?」

「アレクト隊…なのか…?」

 

 6機のネウロイの内1機の尾翼が太陽に照らされた。そこには薄っすらとだが、悪魔が翼を広げて何かを持っているエンブレムが見えた。そこに文字が彼の目を引いた。

 

『Alect』

 

 周囲がスローモーションで過ぎ去っていく。フェンリアの目線は、エンブレムとコックピットを行き来した。

 エンブレムは何度見ても悪魔にAlectの文字が刻まれている。コックピットにはコアらしき輝きが見えた。フェンリアにとって、その輝きは嘲笑してるように思えた。

 

「…ふざけるな!アレクト隊!攻撃を止めろ!」

 

 声が届くはずないと思っていたフェンリアだったが、不思議とネウロイは空中に静止したまま攻撃をピタリと止めた。それどころか通信し始めたのだ。

 

『ソノ機体ノ面影…見タコトガアル…フェンリアカ』

「やはりアレクト隊か…1つ聞こう。何故ネウロイになった?」

『何故カ?カ…ソレハ望ンダ物ガ違ウカラダ』

 

 ネウロイと交信と言う前代未聞の事態に、501部隊員は固唾を飲んで見守る。アレクト隊が出した答えは、フェンリアに理解できない物だった。

 

『我々ハ支配スル「力」ヲ望ンダ。全テヲ飲ミ込ミ、己ノ物トスルノダ』

「何だと?ネウロイがこの世界にした所業を知ってるはずだ」

『ソレガ我々ガ望ンダ物ダ。世界ヲ我々ノ手中ニ収メル…一部違ウ考エノ仲間モイルガナ』

「その元で…一般市民をどうするつもりだ!」

『弱肉強食…弱キ者ハ殺ス』

「それは虐殺だ!我々レサスが忌々しい主導者の元で行った事と同じ非道に満ちた行為!俺はその過ちを背負い、一生をかけて全てを精算するつもりだ!」

『愚カナ考エダナ。ソコノ小娘達ヲ潰ス前ニ、貴様カラ地獄ニ墜トシテヤル』

「それはこっちのセリフだ!悪魔に魂を売ったその罪、ここで払って貰うぞ!」

 

 予備動作も無しにフェンリアはHVAAを放つ。

 だがレサス最強と謳われたアレクト隊に生易しい攻撃は通用しない。瞬時に上昇してフレア無しで回避した。

 

「逃がすか…!エンゲージ!」

 

 フェンリアも6機の動きに追従する。そこからは激しいドッグファイトの始まりだった。

 

「なんつー動きだ…」

「ダメです!速すぎて照準が…!」

「…動きが不規則だし、速すぎて予想出来ない…」

「フェンリア…お前…」

「大丈夫…フェンリアの方が強いよ」

 

 残された501部隊も援護しようと銃を構えたが、ジェット戦闘機同士の異次元な戦いに付いて行けてなかった。バルクホルンとハルトマンのみがギリギリその速度に追従出来ていた。それでも当てられるかと聞かれたら、彼女らは首を横に振るだろう。

 

「このっ!墜ちろ!」

『マダマダダ。練度ヲ技術デ覆ソウトシテルノガ丸見エダ!FOX2!』

 

 空の戦いも激化していく。

 アレクト隊長機のみが会話出来るようで、他の機体は無言で攻撃してくる。しかしどの機体もかなりの腕だ。2機1組の攻撃でフェンリアを攻め立てる。

 S-32とフェンリアを比べると、性能差は圧倒的にフェンリア有利だ。だがアレクト隊は腕で性能差を埋めてくる。それでもフェンリアは冷静だった。

 

「グリフィスと比べればこんなもの!FOX2!」

 

 透明化からのコブラ機動でミサイルを避けつつ背後を取り、HVAAを放つ。

 バンッという音ともにミサイルが機体後方で爆発した。

 

『チッ…当テラレタカ』

「諦めて墜ちて貰うぞ!」

『最低デモオ前ヲ殺ス…彼女ラヲ見殺シにデキルカナ!?アレクト6!501ヲ襲エ!』

 

 少し離れた位置を飛んでいた6番機が急激に高度を落とす。その先には501部隊がいた。

 

「ッ…!クソっ!」

 

 フェンリアもそれに追従するが、それは他のアレクト隊がフリーに行動できる事になる。

 

『オ別レダフェンリア。仲間モスグニ送ッテヤル。FOX3!』

 

 フェンリアが放つ白色のミサイルではなく、真っ黒で時折赤く光るミサイルがアレクト隊の残存機より放たれた。フェンリアのバザーにアラートが表示される。

 

「知った事か!俺を救ってくれた奴らを死なせやしない!」

 

 

 

 バルクホルン達もターゲットにされた事を知り、フェンリアを釣り出すための人質にされた事を察した。

 

「くそっ!私達は人質か!」

「総員退避!」

 

 ミーナが素早く指示を出すも、その周囲を鳥籠の様にビームが囲んだ。

 

「うわっとっとっとっ!危ねっ!」

「シャーリーさん!」

「逃げ場がありませんわ!」

「くっ、ダメだ!私達を逃さないつもりだ!」

 

 恐怖に震えるサーニャを抱きしめながら、エイラが顔をしかめる。

 誰もが自分に不甲斐なさを感じた時、青い光が彼女らを照らした。ウィッチーズなら間違いようも無い、青いシールドだ。

 

「ハルトマン!?」

「こんな事されて…黙っていられると思う!?」

 

 

 

「ハルトマン…!」

 

 フェンリアもハルトマンが展開するシールドを見て臍を噛む。フェンリアもハルトマンが世界指折りのトップエースである事を知っている。バルクホルンが話してくれたのだ。そんな彼女自身がエサになる事を認めないが為の行動なのだろうと、フェンリアは察したのだ。

 

『邪魔ヲスルナ小娘』

 

 背後からビームが放たれる。それはフェンリアを追い越し、容赦無くハルトマンのシールドを削り取ろうと襲いかかる。

 

「あぁっ!クソっ!」

 

 フェンリアも残りの体力を度返しに6番機を追う。諦める訳にはいかない。

 

 

 

「くっ…!うぅっ!」

 

 ハルトマンも最大出力でシールドを維持するが、強力なビームの嵐の前に屈する手前だ。

 それでも諦めない。

 お互い祈る前に最善を尽くす。それは実った。

 

 

 

 

 

『後少しでも遅れてたらアウトだったな。FOX2!』

 

 ハルトマンにもフェンリアにも、そしてアレクト隊にも予想外な事が起こった。

 第三者の乱入は冗談の様な物だった。

 横から飛来した4発のミサイルはハルトマンとアレクト6番機の間で炸裂した。しかも有ろう事か、それらは爆炎ではなくシールドを展開したのだ。

 フェンリアを追うアレクト隊が放ったビームの全てが防がれていく。

 6番機はぶつかるまいとスレスレで避けようとした。

 

『FOX3!』

 

 再び飛来したミサイル2発は、旋回に移った瞬間の6番機コックピットに直撃。爆炎と共に白い破片にしてのけた。

 

『誰ダ!何者ダ!?』

 

 アレクト隊は上空で体勢を立て直す為に追撃を諦めた。フェンリアの体力は限界に近かったが、それでもミサイルの進来方向を見た。501もアレクト隊も見る。

 先鋭的なシルエットのアーマーを装備した男だ。背後には円盤を右腕に付けた男もいた。

 

「っ!?お前はっ!?」

「あの時以来か…恐らく目が合ったよな」

『貴様…マサカ…』

「久し振りだなアレクト隊…少し前からお前達の無線をハックして聞いていたが…どうやらお前達は変わってないな」

『黙レ!貴様コソ何故ココニ!?』

「お前達のような存在から人々を守る。その為なら俺は何度でも蘇る…グリフィス1、エンゲージ!!」

「クラックスよりグリフィス1へ!敵味方識別コードを共有します!敵戦闘機隊を撃墜してください!」

 

 オーレリアの星、レサスの凶星。1つの基地から全てを奪還したエース。グリフィス1だ。

 アレクト隊もフェンリアと501を無視してグリフィスを追い掛ける。そのスキにフェンリアはバルクホルン達と合流した。

 

「ケガは無いか?」

「私達よりお前だろ!左腕が…!」

 

 フェンリアの左腕のアーマーは真っ黒で、動かす度に脂汗が滲み出てきている。

 

「まだ右腕がある…とにかく皆無事で何よりだ…」 

「…すまない。私達が力不足で」

「バルクホルン…いや、トゥルーデ。お前達は強い。俺が保証する」

「フェンリア…」

「見て!あの人を!」

 

 ルッキーニの声だ。視線を上げると同時に2つの爆発が生まれた。

 

『2機撃墜。これで残りは3機だな』

「サラッとエースを2機…ドッグファイトで喰ったのか…」

「何て鋭い機動…しかも速い」

「あのアーマー…噂で聞いたXFA-27か」

「凄い…」

「敵も焦ってる…総員構えて!」

 

 鋭い機動でグリフィスはアレクト隊の2機を喰う。残存機も攻撃するが、グリフィスは木の葉の様に避ける。

 

『コウナレバ!』

 

 再びビームを501に向けて放つ。しかしそれより先にグリフィスの放ったミサイル4発がビームの前で炸裂。シールドが4つ生まれてビームは阻まれた。

 

『俺の能力だ。ミサイルを炸裂させてシールドを形成できる。イージスと名付けるか』

 

 この時アレクト隊は不幸にも自らの放ったビームで、フェンリア達の行動が見れなくなった。そこへ不用意に2番機が接近してしまったのだ。

 

「攻撃開始!!」

 

 ミーナの命令が飛ぶ。

 その瞬間、501全員とフェンリアの機銃攻撃が殺到した。いくら避けるにしても接近しすぎた上に、恐ろしく正確な攻撃だった。

 尾翼から機体、主翼と粉々にされていき、最後にコックピットを撃ち抜かれて爆散した。

 

『負けてられないな。FOX3!』

 

 グリフィスが2発のミサイルを放つ。

 ミサイルはQAAM。激しい機動で逃げようと、アレクト隊2番機は足掻くが無駄だった。機体後部に1発命中し、推進力が無くなった所に2発目がコックピットを抉り取った。

 

『クソッ!』

 

 残された1番機が逃げる。しかしその後方から機銃が撃ち込まれてエンジンが損傷。速度が落ちてしまった。

 

『何故ダ!俺達ハ勝ッテイタハズダ!』

『運が悪かっただけだアレクト。お前の友人からの贈り物だ。受け取っとけよ』

 

 忌々しいネメシスの声だ。だがそれより近付いてくる耳障りな音にアレクトは目を剥いだ。

 バチバチと音を立てて近付くのは、フェンリアから放たれたHPMだった。逃げようにも逃げる足が潰されている。足掻いても無駄だった。

 マイクロ波に包まれる。恐ろしい勢いで彼の身体が焼かれていく。

 

『クソォォォォォォッ!』

 

 彼の絶叫は白い爆発と共に消えていった。

 

「クラックスより皆さんへ、敵部隊の全滅を確認…ふぅ、間に合って良かったです」

「ありがとうございます。何とお礼を言えばいいか…」

「いえ!我々は義務を果たしただけです。ね?隊長?」

 

 グリフィスは無言だ。その代わり俺を睨むような視線を向けてくる。

 

「…よぉネメシス。命拾いしたぜ」

「お前がこの世界にいるのが驚きだな」

 

 火花が散るとはこの事を言うのだろう。お互いの目線が交差し、一触即発の空気が漂う。

 可哀想にその空気に慣れていない芳佳、リーネ、ルッキーニなどなどは身体を震わせて固まっていた。

 真剣で切り合うような沈黙を破ったのはグリフィスだった。

 

「…先程の活躍は見ていた。その行動、称賛に値すると俺は思う」

「それは嬉しいね。ともかく間に合ってくれて助かった。お陰で大切な仲間達も無事だ」

「こちらとしては、遅参の件をお許しを…だな」

「謝る必要はない。俺達は生きている。そうだろ?ミーナ」

「…ふふっ。そうね…501部隊、ここに作戦成功を宣言します。帰投せよ!」 

「「「「「了解!!」」」」」

 

 緊張の呪縛から解かれ、皆に笑顔が戻った。

 

「グリフィスよ。教えてくれ。お前が守りたかったのはこれなのか?俺にも守れるのか?」

 

 フェンリアは純粋な問いをグリフィスにぶつけた。

 

「お前次第だ。守りたくば信じろ」

「そうか…所で俺にはまだお前に聞きたいことがある。今日の寝床とかはどうする?」

「決まってないな。正式に決まるまで厄介になっても?」

「俺の部屋に来るといいさ」

「そうか…久し振りに語り合おう。戦友よ」

「ところでだ。ウィッチーズとやらは目のやり場に困るな」

「そう言うなよ。ウッカリと自分の秘めた想いを口にして皆にバレる奴もいるんたぞ?」

「ちょっ!////フェンリア!?////」

 

 実はあの会話を聞いてたと暴露されたバルクホルンの顔が真っ赤になる。その様子を遠巻きながら、501メンバーは笑顔で見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここはどこだ?」

「俺が知る訳無いだろ?」

 

 アフリカの砂漠。そこで2人の男が立っていた。

 片方は黒髪で短髪、軍用プロテクトアーマーに身を包み、もう片方は金髪の長髪、茶色のコートの下は裸と言うスタイルだ。

 お互いの共通点は、鷲の様に鋭い目と鍛えられた身体だ。

 彼らの近くには奇妙な生き物の様な物が鎮座している。金属製の化け物と言えばまだいいだろう。だが明らかにそれは二足歩行を行うロボットだ。

 

「この暑さにさっきから見かける砂漠の生物…アフリカか…」

「しかも北の方だな。しかしあの黒いのは何だったんだ?」

 

 コートの男が忌々しそうに顔をしかめる。

 黒いと言うのはネウロイの事だ。この2人は前世の因縁から、出合い頭歩くロボットから降りて殴り合いをしていた所にネウロイに襲撃された。

 2人は持っていた携行対空ミサイルスティンガーや軽機関銃で次々来るネウロイを叩き落とし、既に15機ずつの戦果を挙げていた。

 

「とにかく、人のいる所に向かいたいものだな…」

「そこで続きをするか?兄弟よ」

「懐かしい言葉だな…そうだなそうしよう」

 

 かつて自らに搭乗してきた男達の姿をコピーした2人。彼らが向かう場所は、奇しくもこれから最大の戦場と化す北アフリカだった。

 

 

 

 

 

 紅海の海の中、変わった音が響いている。何かを叩く様なコーンと言う音だ。

 軍人でこの音を聞くのは、もう数少ないだろう。唯一その音を聞くのは海軍関係者。しかも潜水艦クルーぐらいだろう。

 音を発する主は男で、海軍の服装に身を包んでいる。不思議とその服は濡れていなかった。

 大型戦略潜水艦として建造された彼の武装は、それに相応しい装備を身に着けていた。

 

「…やはりそうだ。下から変な音が聞こえる…」

 

 耳元から手を離して自分の足元を見つめる。海の底が見えるはず無いが、彼の目には赤く輝く黒い物体が蠢いているのを捉えていた。

 

「傍受無線と資料から、あれはネウロイか…水が苦手と聞いたが、克服しつつあるということか…」

 

 自分の武装をチェックする。

 右手の艦首に似た艤装には8連装魚雷発射管。左手には独特な銃が握られている。2段に分けられた台のそれぞれの上に、丸い砲塔が2つ付いている。格納式の速射砲だ。

 その他にも左肩甲骨から小さなランチャー型の箱が横6列縦3列一固めにした物が付いていたり、右肩甲骨には大型のランチャーが備えられたりとしている。

 

「俺の後継もいるらしいが、いつか会えるだろうか?」

 

 彼はそう呟いた。

 静かな海は彼の独り言を飲み込んだ。だが彼の願いはすぐに叶う事になるのだった…




( 主)「はい、アレクト隊にはくたばってもらいました。だってグリフィス出したいもんね。仕方無いね♂とにかくさっさとアフリカで暴れさせたい…」

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