ハイスクールD×D + 悪魔処刑執行人   作:ぱすえ

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第3話 邂逅

駒王学園。

そこは、幼・小・中・高・大一貫校の進学校であり由緒正しき伝統を持つ学び舎である。そのレベルの高さと校風から、都内外を問わず多くの入学希望生が後を絶たないと言う。

 

そんな駒王学園の裏に今はもう使われなくなった旧校舎があった。そこは表向きは「オカルト研究部」という部活の拠点となっているのだが、その実、リアス・グレモリーを主人とした眷属悪魔達が集う場として使用されている。

 

 

その旧校舎のとある地下室にて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「がぁぁぁぁぁあ!!!」

 

「あらあら、こんなことで根を上げるんですの?もっと痛みにお強い人かと思ってましたけど、案外弱いんですのね。うふふ///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男の絶叫と女の艶やかな声が響く。

 

男は膝を地面につけ両手を天井の鎖に繋がれた半ば宙吊りの状態。加えて、上半分の身ぐるみを剥がされおり、体に無数の傷が浮かび上がっていた。

逆に女の方はピンセットと小瓶を持ちながらニコニコと微笑み、男へと近づいていく。

 

 

 

「次は何処にしようかしら…あ、ここなんか♪」ポンポン!

 

「いっっ痛でぇぇぇえ!!!て、てめぇ!なにしやがるッッ!!」

 

「あら、ただの消毒ですよ、消毒。それにとても良く効くんですよこの薬。あ、手が滑ってしまいましたわ♪」ビシャ!!

 

「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!こっ…この(あま)ぁ゛!!」

 

 

 

ヨードチンキまみれになった処刑人は、滲みる痛みに歯を食いしばりながら黒髪の女性(姫島朱乃)を睨みつけるも、彼女はお構いなしに傷口に消毒液をぶっかける。その後も処刑人の悶え苦しむ声を上げるたび、朱乃は目を嬉々として輝かせていた。

 

 

 

「はい!消毒はこれでおしまいです。後は包帯を巻くだけなのでもう痛くありませんよ。」

 

「はぁ…はぁ…んな包帯なんざいいからよ…早くこの拘束を解けよ!!」

 

「残念ですけどそれはできませんの。だって鎖を外したら貴方は逃げてしまいますでしょう?」

 

「ったりめぇーだろが!!目が覚め気づいたら、小瓶持った薄気味悪りぃ女がペタペタペタペタ執拗に傷口にすり込んでやがったら誰だってな!!」

 

「お腹あたりの傷口が開いてしまわぬようしっかり巻いておきますわね。」ギュゥゥ

 

「ぬぉぉぁぁぁあッ!!?って、てめぇ遊んでんだろッ!!」

 

「ええ、お医者さんごっこです。」

 

「こ、この性悪おんn「何か言いました?」ぐぎゃぁぁあ!!!!」

 

 

 

数分後。

 

 

 

ようやく朱乃の手当て(ごっこ)から解放された処刑人は、肩を上下させながら荒れた呼吸でその場に項垂れる。一方の朱乃はというと、処刑人の絶叫や悶え苦しむ声を聞きある程度の私欲を満たせた様で、鼻歌まじりに紅茶を淹れていた。

 

 

「解せねぇな。」

 

 

そんな中、顔を上げた処刑人が低く唸るようにそう言う。すると、「あら、何がです?」っと紅茶を啜る朱乃は首を傾げ処刑人を見据えた。

 

 

 

「とぼけるんじゃねぇ!こちとらテメェらに捕まった時から、洗脳、拷問、惨殺、いずれにしてもロクでもねぇ嬲られ方されるのを覚悟してるってのによぉ……なんでぇさっきからの真似は?やれ消毒だ。やれ手当てだ。俺ぁオメェーらの敵だぞ。」

 

「そんな敵だなんて、私の主人から"客人"としてもてなす様に承ってますわ。」

 

「ケッ、手足ふん縛っといてどの口が言う…

これが客人に対するもてなしかよ?」

 

「それは、貴方が口より手の方が早いと聞きましたので、まずはお互いに冷静に話し合える様に対応させていただいただけです。」

 

「んなこと言って、聞くこと聞いたらサッサと処分しちまうくせによぉ……これだから悪魔ってのは信用なんねぇーぜ。」

 

「噂通り、私達への信用はゼロのようですね。」

 

「ゼロじゃねぇマイナスだ。」

 

 

 

ギロリと処刑人が朱乃を睨みつけるも、彼女は一切動じない。それどころか、フフっと軽く口元を綻ばせている。その態度にあまり良い気のしない処刑人は、「クソ野郎が…」っと拳を握りしめた。

 

瞬間。

 

ゴトリ!っと手を吊るしていた鎖が解かれ、拘束されていた手がぶらりと地べたへと着いた。急な拘束からの解放に「へ?」っと豆鉄砲を食らった様な顔をした処刑人に、プッ…っと吹き出す朱乃。

 

 

 

「っぷ、ふふ、すみません。その顔があまりにも滑稽で…」

 

「(今だ!!)叩きのめしてやr……ッ!?」

 

 

 

自由になった拳を振り上げ、朱乃へと襲い掛かろうとするも、処刑人の周りにバチバチと青白い火花が散る。

脳内に蘇る昨日の電撃の威力と衝撃に、思わず処刑人の動きは止まり、その様子をクスクスと笑う朱乃は余裕たっぷりにこう言った。

 

 

 

「お気に障ったのならごめんなさい。でも、貴方が"話し合い"より"武力"を選ぶのであれば、こちらにも考えがありますわ。……さぁ、そろそろここを出ましょうか。主人が別室でお待ちです。」

 

 

 

朱乃はそういうと、チッと悪態をつく処刑人を連れて、地下室を出るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薄暗い地下室を出た処刑人は、朱乃に案内されるまま、建物の渡り廊下を歩く。ふと外を見ると、あたりはもう日が落ちかけており、自分は一体どれくらいの間意識を失っていたのか?っと彼女に問うと、「そうですねぇ、丸2日ぐらいでしょうか。」と返された。

 

2日も本部と連絡が取れてないとなると、その間に事件が起きていても自分が対応することが出来ない。となると、防げたはずの犠牲を生んでしまうこととなる。

 

(クソッ!一刻も早くここを出ねぇーと大変なことになるぞ。)

 

処刑人はひどく焦るも、武器を取り上げられ、電撃で抵抗する手段すら封じらている現状を鑑みるに、下手な手は打てない。

多分、一番手っ取り早くこの場から解放されるためにはこの女の言う通りにしておくのがいいだろう。

 

 

「少々お待ち下さい。」

 

 

扉の前まで朱乃がコンコンッとノックすると、"開けてもいいわよ"っという声が聞こえ重たい扉を開ける。

 

するとそこには、先日の赤い髪の女に、3人ほど人がいた。

1人目は、金髪のスラっとした細身の体が印象的な美少年。2人目は、金髪少年とは対照的でちんちくりんな図体の白髪の小娘。

 

そして、3人目は…

 

 

「お、お前は……!?」

 

「あはは…先日はどーも。」

 

 

頭に手を当てて照れ臭そうにする少年は、一昨日、堕天使に襲われて瀕死の重傷を負ったあの少年、兵藤一誠だった。彼の姿を見るや否や処刑人は一誠へと飛びつき、彼の上着を剥ぎ取ろうとする。

 

思わぬ行動に、金髪美少年と白髪の少女が身構えるが、リアスはそれを手で制した。

 

 

「ちょ、急に何すんだよ!?」

 

「喚くな、傷口の確認だよ。素直に脱ぎやがれ。」

 

 

そう言われ一誠は渋々上着を脱ぎ、腹を処刑人へと見せる。すると、一昨日受けた大怪我が嘘のように、なんら変哲のない色白な肌が目の前に広がっていた。

 

 

 

(あ、あれだけの裂創が跡形もねぇ…。縫合なしで元通りとなるような傷じゃねぇーのに。)

 

「ふふ、一誠は大丈夫よ。あの後しっかり治療したものね。」

 

「うへへぇ///」

 

 

 

リアスの言葉に一誠が鼻の下を伸ばすのは無理もない。何故なら、悪魔に転生したその後、ドーナシークに襲われた時に同じ腹部を怪我してしまった際。リアスが全裸で一誠を抱きしめて看病に当たったからだ。

 

しかし、その事を知らない処刑人は怪訝そうに眉をひそめるだけである。 

 

リアスはそんな処刑人を気にも止めず、ニッコリと笑いながらこう言った。

 

 

「さぁ、これで全員揃ったわね。私達オカルト研究部は貴方達を歓迎するわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアスにより悪魔や神器(セイクリッド・ギア)についての説明を受けた一誠は、はれてオカルト研究部、即ちグレモリー眷属の一員となった。

自身が人外になってしまったという事実より、先日までただの凡人であった自分が、憧れのお姉様達と同じ部活に入れたという事の方が衝撃的だった一誠は、すんなりとリアスの話を飲み込み、何の疑念もなくこの空間を受け入れていたのであった。

 

 

が、その中でただ1人。処刑人だけが険しい顔で彼らを見つめ、ギリギリと奥歯を噛み締めていた。

 

(もうこの少年は人間として生きることは出来ないのか…)

 

助かったという事実に安堵する心と己の過失で少年を悪魔へと変えてしまったという自責の念が混ざり合い、処刑人の心をキリキリと蝕んでいく。

 

 

 

「コホン、それでは新入部員の歓迎も済んだことだし、そろそろ貴方ともお話をさせてもらおうかしら。」

 

 

 

そんな処刑人の心情なぞいざ知らず、フッと笑みを浮かべリアスは目の前のソファへと腰を下ろす。目の前に居る赤髪の悪魔に対し、グツグツと腹の中で煮え立つ感情を抑えつつ、処刑人は彼女を見据えこう切り出した。

 

 

 

「まどろっこしい話は無しだ。俺の要望を単刀直入に言わせてもらう。サッサと装備一式耳揃えて返しとっとと俺を解放しやがれ。」

 

「なら、私も要件だけ述べるとするわ。私たちに協力してくれないかしら?そしたらお望み通りすぐに貴方を解放してあげる。」

 

「悪魔に協力だぁ?……冗談も大概にしろよ。」

 

「まぁ、そう言われても仕方がないわね。けれど、私は本気よ。」

 

 

 

処刑人の軽く睨む視線とリアスの射抜くような視線がバチリとぶつかり合う。どちらとも目線を逸らさず相手を捉え続けること数秒。

はぁ、と一息つき沈黙を破ったのは処刑人の方であった。

 

 

 

「ッチ……わーったよ。で、その協力とやらはどんなこった?内容によっちゃ了承しかねるぜ。」

 

「簡単なことよ、貴方には今まで通りこの町のはぐれ悪魔を1匹の残らず退治して欲しいの。けれど、その際、必ず私達のうち誰かを同行させる事が条件よ。」

 

「………何が目的だ。」

 

「実は私達もこの町のはぐれ悪魔には手を焼いてね。事件の発生件数も多いこともさることながら、その手口が杜撰なものから巧妙なものまでピンキリ。一々調べてたら時間がいくらあっても足りないわ。加えてこの前の堕天使達の件も処理しなきゃいけないとなると、もう私達の手には負えないのよ。」

 

「それと、私達が同行する理由は処罰の正当性を確立するため。もっとわかりやすく言えば、私達が貴方に業務委託してますよーって周りに認知してもらうための措置ってわけ。これで理解いただけたかしら?」

 

「……へぇ。そりゃご丁寧にどーも。」

 

 

 

解放の条件にしてはあまりにも拍子抜けしそうな内容に、しばらく考えた彼は「いいぜ、その条件呑んでやっても…」っと答えた。

その言葉にリアスはにんまりと顔が綻ぶ。

 

 

 

「これで、契約成立ね。これで貴方と私達は味方同士。よろしくお願いするわ!」

 

「……と言いたいとこだが、ここで少しはっきりさせて置きたいことがある。それを踏まえてから結論を出して欲しいんだが。」

 

「あら、やけに食い下がるのね。それで?そのはっきりさせておきたいことって何?」

 

「さっき、テメェらの誰かを同行させると言ってたけどよ。もし仮に、俺の仕事を妨害もしくは増やす様な真似をしくさってくれた場合、こちらとしては、即敵とみなし叩き殺す所存なんだがそれでもいいか?」

 

「ええ、いいわよ。私達は、ただの見届け人として同行するだけで決して貴方の仕事へは干渉しない事を約束するわ。」

 

「……OK。了解した。さ、早く俺を帰してくれ。もう十分に話し合いとやらは済んだはずだからよ。」

 

 

 

あら、もう少しゆっくりしていけばいいのに……っと呟くリアスだったが、約束は約束。すぐに処刑人の装備を返し、彼を解放した。

 

ゴト…ゴド…ガチャリ、っと重々しいコートを羽織り校舎を出て行こうとする処刑人に、リアスは、「あ!そうだわ」っとハッとしたように彼を呼び止める。

 

 

 

「最後に1つだけ。個人的な質問をいいかしら?」

 

「あ?なんだよ。」

 

「貴方のその"処刑人"って言う名前、些か物騒だなと思ってね。それ以外でなんて呼べばいいかしら?」

 

「ったく注文が多いなぁ。……"手斧(トマホーク)"とでも呼べ、そっちの方が聞こえがいいだろ。じゃあな、あばよ。」

 

 

 

そう吐き捨てると、処刑人もといトマホークは駒王町の闇の彼方へと走り去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トマホークが去ったその後。

一誠はビラ配りに、塔城子猫に木場祐斗は悪魔稼業の方へと出かけていき、部室にはリアスと朱乃の2人が残った。

 

 

 

「あぁー疲れた。あれ以上あの三白眼と目力勝負してたらこっちの身がもたないわよ。言葉だって汚らしくて荒々しいし…ああいうのを野蛮人と呼ぶのね。」

 

「ごめんなさいリアス。手当ての時に少々からかいすぎたから機嫌を損ねてしまったのかもしれません。」

 

「もー、あれ程やりすぎには注意してって言ったのに…」

 

「まあまあ、それでも計画通り"事"は順調に進んでますわ。」

 

「そうかしら?たまたま、この間の会議で出た案をうまい具合に行えただけ、まだまだ彼は不安要素よ。」

 

「こういう事は、チェスと同じで駒をたった1つ動かしたぐらいでは決着はつきませんわ。それに、一歩前進したことには変わりないじゃありませんか。」

 

「まぁ、ね。さて、手斧(トマホーク)…彼を上手いこと使ってはぐれも堕天使も一掃できれば良し。もしくは、双方に共倒れなら尚良し。

……とはいえ、なかなかピーキーそうな駒だから、扱いには慎重にならなきゃいけないのよね。はぁ…なんか憂鬱だわ。」

 

 

 

そう愚痴るリアスの傍にコトリとティーカップが置かれる。朱乃の労いを一杯を啜りほっと一息ついたところで、朱乃がふと思い出したようにこう言った。

 

 

「そういえば、あの手斧(トマホーク)という方、見た目に似合わず案外お茶目な所もあったんですよ。」

 

「……男性が苦手な朱乃が珍しい事言うのね。明日は雨かしら?」

 

「なんでしょうかね、不思議と嫌いになれないんですよ。あ!もしかしたら、今まで遊んできた誰よりもイジメがいがあったからかもしれませんわ。」

 

「…………とりあえず、今度は程々にね朱乃。」

 

 

 

上機嫌な親友の笑顔を見ながら、リアスは「はぁ……やっぱり不安だわ。」っとため息を溢すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<バッキャロォォォオ!!貴様は一体何を考えてやがるッ!?>

 

「…ッ、あんまり怒鳴らんで下さいよ。インカムが壊れちまいます。」

 

 

 

駒王町のハズレにある山の中、その小川の岸辺にてインカム越しの上司の怒鳴り声が木霊する。先程、駒王学園にてあった出来事を包み隠さずぶち撒けた結果、上司は茹で上がったタコの如くもうカンカン。

 

そりゃそうである。状況はどうであれ、己の部下が敵にとっ捕まったのだ。本来ならそこで玉砕覚悟で戦い奴らに何かしらの損害を与えなくてはならないのに、この大馬鹿バカ野郎は己の命可愛さに、玉砕を諦めた挙句、悪魔とチンケな約束なんぞを交わしてしまったのだ。

 

教会なんかでこんな事しでかしたら、上司部下共々、即刻異端者扱いされて、翌日には仲良く地中海の底に沈むこととなるだろう。

 

 

 

<とりあえず、テメェはその場で頭撃ち抜いて死ぬか、もう一度その学校に行って悪魔共をぶっ殺してくるか選べ。>

 

「どっちも嫌っすよ。」

 

<…ッチ根性無しが……で、テメェこれからどーすんだ?悪魔狩る時に隣に悪魔が居るとかいう世も末な状況作りやがってよ。>

 

「その世も末な状況こそ、俺の勝率を上げてくれるんすよ。」

 

<とうとうお前も頭のネジが飛んじまったようだな。>

 

「何言ってんすか。逆にキツキツに締め上がってますよ。……アイツら今頃、自分達に有利な条件で交渉が成功したとか思ってるんでしょうけど、それが大きな間違なんです。俺の撒いた"慢心"って言う撒き餌がじわじわ効いてくるのも知らずにね。」

 

<まさか貴様………。>

 

 

 

何かを察した上司に、俺が交渉に応じた"真の目的"を洗いざらい話した。

元よりこの世界に入ってから命なんざ有って無いようなもの、けれど「あーちゃん」を見つけるまでは死んでも死にきれねぇ。

だからこそ、化け物にはあえて隙を見せて油断をさせ、こちらは図太くしたたかに立ち回る。

今まで俺がしぶとく生き残ってこれたのは、この捻くれた戦術のおかげだ。今回の件も例に漏れず、我ながらうまくやったもんだと思う。

 

 

 

「とりあえず、奴らが本当に黒なのか白なのかは今日の段階じゃ判断できないんで、諜報班の方に駒王学園にいる悪魔共の身元を全部洗って欲しいんです。」

 

<わかった。………それと話は変わるが、貴様と戦った堕天使の居場所が割れた。>

 

「お、あのダメ元で翼に打ち込んだ信号弾とちゃんと機能してたんすねー。」

 

<開発班の血と汗とその他諸々が染み出すレベルの一品だからな、機能してくれなきゃ困るさ。で、その場所なんだが、貴様がテント貼ってる山から数キロ先の麓にあるボロ教会あんだろ。あそこだ。>

 

「へぇ…灯台下暗しとはこのことっすね。」

 

 

 

そう聞くや否や、ガシャ!ガチッ!っとガンベルトを締め直し出撃の準備を整えるトマホーク。そんな彼を上司はインカム越しに諌めた。

 

 

 

<ちょっと待て!処刑執行はまだ少し先だ。今回の件……厄介な事に()()()()()が片棒担いでるらしくてな。ぶっ殺すのはそいつらの白黒がはっきりしてからだ。>

 

「お仲間?」

 

<ああ。貴様がよく知る奴らだよ。そいつらの名前はな…………>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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