オーバーロード~死の支配者と剣聖~   作:高島 秋

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第2話~会合前日~

 

 休んでから、どのくらいの時間がたっただろか。休めたのかは不明だが、少なくともあの重圧はない。だけど、何もしないというのも落ち着かない。恐らく、異世界に飛ばされてから日が浅いためだろうが、未だにこの状況に正面から向き合えていない気がする。対処はできても心が追い付かないということだろうか。ここでの俺はギルド長ではあったが、正直お飾りと言っていいほどギルド運営には干渉してなかった。そう、俺以外に適任の人がいたんだけど

『ギルド長はヒロアキさんでしょ!』

なんて皆して言うから満場一致でやる羽目になったんだよなぁ。理由として一番強いっていうのもあったらしいけど、俺が一番ここのNPC達を創りあげるのに熱狂していたというのもあるから、だとか。かなり課金もしてたしなぁ。モモンガさん程ではないけどボーナスかなりつぎ込んだし何なら日常生活にぎりぎり支障が出ないラインを毎月計算してたしな。あぁ、思い出したら泣けてきた。さて、何しようとしていたんだっけ。それを決めようとしていたんだった。色々考えてはいたけど会ってみたいというのもあるし、大図書室行ってみるか。

 

“大図書室”

 

現実(リアル)のことやユグドラシルでの魔法のことが書かれた本が置いてある部屋だ。何千冊という本が眠っており、全て見ようものなら途方もない時間がかかることは明白。しかも誰一人としてジャンル別に分けていないので探すのも一苦労である。ただ暇つぶしにはなりし、本を読んでいるときによほどのことがない限り話しかけてくるシモベ達はいないだろう。

何読もうか。優先すべきは魔法の知識だよな。俺は基本的にスキルやステータスは戦士構成なので魔法に関する知識はあまりない。この機会に少しでも覚えて今後の活動に支障がないようにしないと。

 

「何かお探しですか、マスター」

「あぁ、魔法の書をね。 元気にやっていたかホームズ」

「お陰様で。ここはいい所だ。私の好奇心が常に刺激される。それを解消するために寝ることすら躊躇われるほどにね」

「いや寝てね?体が一番大事だからね?」

 

清潔感と物静かさを感じさせる白い肌と落ち着いたハンサムな顔立ちが特徴的な青年。インバネスを着込み、片手にパイプを持った長身痩躯であり、服の袖口などから先にルーペの付いた細い機械腕のようなものが何本も覗いている。

このギルドにおいて最上級の頭脳の持ち主であり、思案的かつ行動的、大胆かつ緻密、そして冷静沈着を貫く、まさに探偵としてこれ以上ないといえる存在である。また、論理的な思考を重視し、深い洞察を持って対象を観察しようとするため、天才特有の嫌味な性格から起因する困った部分もそれなりにはあり、仰々しく回りくどい喋り方や空気の読めない発言は日常茶飯事のため、人選を間違えると一勝負が起きかねない。そしてそういう時に限って持ち前の冷静さがどこかへ行ってしまうのが難点。完璧ではないからこそ愛着が生まれるということなのだろうか。まぁあとは確信を得られない限り自ら話すことはないため情報収集の面ではかなり確実性が高いため安心できるが、逆に話していないことも多々あるのが残念。とまぁ色々言ったが作製したのはこの俺なんだよなぁ。いや当時は原作再現!などと喜んではいたが未知の世界に飛び込んでしまった以上、少しでも改善されるといいのだが。因みにこの大図書室の領域守護者だ。レベルは勿論100。戦闘時においては、主に作戦の立案及び指示だしを行ってもらう予定だ。勿論いざというときには戦ってもらうが。

 

「承知いたしました。それでマスター、魔法の書をお探しということでしたが」

「あぁ、私は魔法の知識が乏しいのでな。少し勉強しようかと」

「なるほど。因みにどの系統の魔法でしょうか」

「ん?先ずは第七位階魔法以上のものだな。私が使えるものはかなり限られているため、より強大な力と遭遇した場合対処できない可能性があることを見越してな」

「であれば、A-7からA-10までのエリアになります。私が案内いたします」

 

ん?案内だと。いや違う驚くべき点はそこではない。A-7からA-10って言ったな。俺の知らない間に整理されていたのか?誰が………決まっている。ホームズだ。あの膨大な数を1人で整理したというのだろうか。確かにそれをこなせるだけのものは待っているが、だからといって実際行動に移せるだろうか。少なくとも俺は嫌だ。だが、それをこなせてしまうのがホームズなのだ。恐らく、この膨大な数を整理するために寝れなかったのだろう。本人はやりたくてやっただけなのだろうがそもそも俺たちがしっかりと整理していればこの苦労はなかったはずだ。ならば、それ相応の褒美を与えるのが上に立つ者の仕事では?

 

「ふむ。ホームズよ」

「はっ」

「大図書室の管理者に相応しい活躍ぶりだ。そんな君に褒美を与えたいのだが、何か望みはあるか?」

「私としてはそのお言葉だけでも十分でありますが、そうですねぇ。 もし今後、外に出ることがあれば私を供として連れてほしいと思います」

「わかった。色々と頼るかもしれないがよろしく頼むよ」

「承知致しました」

 

褒美のはずなのに、これでいいのだろうか。恐らく、未知なるものを学びたいというだけなのだろうが、結果的に冠位神殿(かんいしんでん)の役に立っていると考えると褒美としては弱い気がするが。まぁ本人がそれで満足していればいいか。

 

「では、案内を頼む」

「はい、こちらです」

 

 

 

メッセージするのはいいが、向こうはこっちに来るというのもあって忙しいはずだ。なら無理にかける必要は…ちょっと待って。こっちに来るのに何も準備していないんだけど!?やばいやばいやばい!!あぁでもまたあの空間に戻るのか。いやアルベドかデミウルゴスに任せれば確実に、完璧にこなしてみせるだろう。だが、一支配者としてこの振る舞いは正しいのだろうか。NPC達が俺に対して向けるあの視線は、至高の御方達の纏め役なのだ。であれば、ナザリック地下大墳墓の主人としてそれに相応しい振る舞いを見せなくては。魔王ロールプレイの延長だと思えばいい。よし、思い立ったらすぐ行動!頑張れ、俺!

玉座の間に行くと既にアルベドが定位置に待機していた。丁度いい。

 

「アルベド、至急行わなければならないことがある」

「はい。モモンガ様、何で御座いましょうか」

「近いうちに我が友、ヒロアキがこの地にやってくる。そのため、皆と協力し、もてなしの準備をするのだ」

「承知いたしました。直ちに行動に移させてもらいます」

「頼むぞ。アルベド」

「はいっ!!」

 

頼られるのが余程嬉しいのか頬を紅潮させ、腰の羽を振りながら元気よく返事をする。だがそれも束の間、何か思い出したのかいつも落ち着いているアルベドには珍しく、声を上ずらせながらあることを告げた。

 

「申し訳ありませんモモンガ様!!御報告がありました!!」

「そうか。それでその内容は」

「はっ!ナザリック近郊に現れた謎の集団がこちらに向かってきているとのことだったので、既にシャルティアとマーレ、コキュートスを向かわせたのですが如何やら交戦中のようです」

「なに!?それはいつのことだ!!」

「今から5分ほど前のことでございます」

「そうか、わかった。アルベド、完全武装し終わったらすぐに向かうぞ!デミウルゴスにアウラもだ!」

「はっ!!」

 

既に交戦中と思われる3人はナザリック最強の一角だからそう負けることはないが、万が一のことがある。いま優先すべきはこのナザリックの安全確保。それが脅かされることだけは決してあってはならない。そう、あってはならないのだ。

 

 

「中々歯応エノアル戦士ダ。マサカココマデトハナ」

「それはこっちのセリフだぜ!このオレとここまで張り合うとはなぁ!てめぇの強さ!まじゴールデンじゃねぇの!それにいい刀も持ってるしよぉ!」

 

「いい槍さばきでありんすねぇ」

「私の攻撃をここまで凌がれたのは久しぶりよ!」

 

「マ、マジックシールド!」

「それで私の攻撃が防げるとでも!?」

 

金髪碧眼で派手な格好の筋骨隆々とした青年がコキュートスと戦っていた。互いの武器がぶつかり合う音がここまで聞こえてくる。一振りごとに空気が割れるような音が鳴り響き、踏み込めば地面が割れ、ぶつかり合えば途轍もない衝撃波が私の身を通り抜けていく。そんな状況だというのに思わず見とれてしまうほどいい戦いだった。何より、当の本人たちが楽しそうにしているのを見るのは悪い気分じゃない。シャルティアと戦っている人は盾と槍を構えた女性のようである。身長は170ぐらいあるだろうか。中々際どい恰好をしてはいるが、純粋な肉弾戦においてシャルティアとほぼ互角に渡り合うとは尋常じゃない。手数は圧倒的にシャルティアのほうが多いが、それらは全てあの盾に防がれ、カウンターの槍を躱すので精一杯のようにも見えるので時間がたつにつれ不利になっていくのだろう。スキルや魔法を使用すれば確実に押し切れるだろうが、通常攻撃の応酬でさえ一進一退の中で、もし見切られでもしたらそれこそ危険だ。恐らくシャルティアもそれは分かっているから迂闊に手を出せないでいるのだろう。いい判断だ。マーレはだいぶ苦戦しているようだ。基本後方支援や、杖を使っての格闘戦がメインということを考えればよく戦えてはいるけど、やはり、相性が悪い様に思える。相手は分かりやすい遠距離タイプ。射程がかなりあるな。ペロロンチーノさんほどではないかもだけどNPCにしては高い性能だ。そしてやはり恰好がかなり際どい。槍使いより露出している。あんなのがいたら作成者は速攻で垢バンされると思うんだけど。

などと考察している場合ではない。止めに来たのだ。それにこのまま野放しというわけにもいかないし。なぜなら、そこは戦場というにはあまりにも大き過ぎるからだ。周囲2㎞ほど焼野原と化してしまったのだから、現地人がもしいたらと考えると恐ろしい。後でマーレに直してもらうとして、どうやって止めるか。こっちの守護者達は止まると思うが向こうはどうだろうか。大人しく話してくれるといいんけど。もしかして彼らが現地人のものなのだろうか。となるとそれなりの強者がいることは確定、としていいのか?などと色々考えることが多すぎて考えがまとまらなかった。

その時、流星が舞い降りた。決してこの表現が間違っているとは私は思わない。彼にこそふさわしいだろう。そう、ヒロアキ、またの名を、”剣聖”。降り立つなりすぐさまコキュートらと対戦していた3人?を一発ずつ殴っていた。

 

「何かあったらすぐ報告そして撤退と言ったろ!!!」

「「「はっ!申し訳ありません!」」」

「ったく。すまないなモモンガさん。こいつらはこっちのNPCなんだわ。迷惑かけたようで」

「ええぇぇぇえええ!!!そうならそうと言ってくださいよ!」

「本当にすまねぇ。俺もさっき知ったばかりでよ」

 

二分前。大図書室にてホームズに案内してもらっていた時だった。

『ヒロアキ様。探索に出ていたものが戦闘しているのですが…』

なるべく穏便にって言ったのに。仕方ない行くとしますか。

 

「というわけだ。完全に任せていたというのもあって放置していたらこんなことに」

「なるほど。そういうわけですか。顔合わせ早くしたほうがいいかもですね」

「そうだよなぁ。新しく対面するたびに戦闘されても困る。明日とか平気か?」

「問題ない、いや、確認するから待ってくれ」

「了解」

 

この時、俺はアルベドがずっと待っていたことに気づいた。恐らくとっくに来ていたのだろう。俺が気づかなかったばかりに視界の端で体育座りでいじけているように見える。本当にごめんなぁアルベド。

そんなアルベドに謝罪の言葉を述べた後、戦っていた守護者達も集め彼らについて説明した。皆して驚いた顔したのが少し面白かったのは秘密だ。コキュートスは表情ないからわかんないけど。明日もてなしの準備は間に合うかという問いには可能であると言ってくれたのは心強い。無理させているようで心苦しくもあるけど。ただ、やる気がかなりあるというのはかなり嬉しかった。成功したら何か褒美考えないとな!これはうれしい悩みだな!

 

モモンガさんを待っている間、俺は問題を起こした3人を注意していた。その3人とは、坂田金時、ブラダマンテ、イシュタルだ。今思えばこの編成はダメだった気がする。完全に戦闘力だけでしか考えていなかったな。百貌のハサンも一緒に同行させるべきだった。あとリーダーとして始皇帝でも動員すれば今回の事件は起きなかったと思われる。そう考えた俺は叱るのでななく注意することにした。本当はそれもする必要がない気がするのだが、それでは当人達が納得しなそうだった。ただ、俺の落ち度である。ということは言えなかった。言ったらなんて反応するか簡単に想像できる。いや、これも逃げなのだろうか。これも相談だな。

 

「明日大丈夫ですよ~」

「わかった。明日、よろしくな」

「えぇ、こちらこそ」

 

こうして、トラブル続き?の1日は終わったのである。

 

 




当初の予定っでは、カルネ村についてるはずでした!(どうしてこうなった)
次回こそ、カルネ村に行けるはず!
内容としてはあまり進んでいなくて申し訳ない。
カルネ村にさえいけば!もっとテンポよくなる予定です!

さてさて、次回は?
2人の胃が持つのか見ものです!!
モモンガさんはないけどヒロアキはありますんで…

P.S
次回からは、NPC及び神殿のほうのPの紹介をしていくぞ~

ではでは~
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