勇者スバルの大冒険 ~剣(ソーセージ)に愛されしアヒルよ、伝説となれ~ 作:はばたくアヒル
はあちゃまがわために振り下ろそうとしていたクリスタルサビロイを消して、フォークをレッグバッグに仕舞います。
彼女はハートンを連れて左の道へ駆けていきました。
一方そんな光景を近くの木で逆さにとまりながら、一匹のコウモリが見ていました。
「わためのアホ!」
コウモリと視覚、聴覚を共有させているトワが洞窟の入り口前で怒鳴ります。
「余計なことすんなって言っただろうが! もう少しで殺されるところだったじゃんか!」
トワは一部始終を見ていました。
もしもわためが殺されてしまったら、まつりからの言いつけを無視してすぐにでもはあちゃまに襲い掛かりに行くつもりでした。
そのため、どういうわけかわためが見逃されたので、トワはその強い口調とは裏腹に内心で胸を撫で下ろしていました。
ちょうどそんな時スバルたちがやってくるのが見えてきます。
トワは急に口をへの字に結んで腕を組み、ふんぞり返るほど胸を張って待ち構えだしました。
スバルたち三人がトワの前にやってきます。
「えっと、また分かれ道ですね」
目の前にトワがいますが、るしあはキアラに喋ります。
「そうデスね」
キアラは頷いてから、ちらりとだけトワの方を見ました。
トワはやはり口をへの字にしたまま黙っています。
二つある洞窟の前で待ち構えているのだから先のわためと同じように彼女も案内人に違いない、というのはスバルたちもわかっていました。
しかしトワがさも不機嫌そうに顔をムッとさせているので、話しかけていいものかどうか迷ってしまったのです。
そして数秒ほど経ったあと、
「話しかけろよ!」
トワがいきなり怒鳴りました。
「目の前にトワいるじゃん! あんたたちを案内するためにずっと待っててあげてたのにさ! 無視すんなよ!」
「いえ、だって不機嫌そうな顔をしているので、話しかけていいかわからなくて」
「不機嫌そうな顔してねえし! 悪魔としてあんたたち人間より格上なところ見せてるだけだし!」
「はあ」
るしあはとりあえず頷きます。
「あの、それで南端の塔へはどっちの洞窟を通ればいいのでしょうか」
「時の塔な。南端の塔っていうのはおまえたちが地理的にそう呼んでるだけだ」
そう訂正してからトワは「ん」と右の洞窟を顎でしゃくりました。
「ありがとうございマス」
「ふん」
るしあとキアラ、スバルは右の洞窟へ入ろうとします。
しかし三人は入り口前で止まりました。
洞窟の中は少しも明かりがなく、真っ暗なのです。
「シュバア」
(るしあ)
「はい。なんでしょうスバル先輩」
「シュバアバシュバルバシュバルシュバルシュバシュバシュバルルシュバルルババシュバルバシュバルシュバ、シュバルルババシュババシュバルシュババシュバルルバ」
(キアラにスバルのレッグバッグからライトニングウィンナーのフォークを取り出して、ソーセージを出してくれるように言ってくれ)
るしあは「はい」と頷いてからキアラに方に向きます。
「キアラ。スバル先輩がキアラにライトニングウィンナーのソーセージを出してほしいと仰っています」
「ええええ!」
キアラは目を丸くながら大声を出して驚きます。
「と、とんでもないデスよ! スバルせんぱいのレジェンドソーセージを一介のスバ友にすぎない私なんかが使うなんて、恐れ多いデス!」
「シュバ。シュバルルババシュバルバ」
(いや。そういうのはいいから)
「さっさとしろ、だそうです」
「は、はい!」
キアラはスバルのレッグバッグからフォークを取り出してライトニングウィンナーを出現させます。
ライトニングウィンナーから発される銀色の光であたりが照らされます。
「シュバ! シュババ!」
(よし! 行くぞ!)
スバルたちは右側の洞窟へ入っていきました。