勇者スバルの大冒険 ~剣(ソーセージ)に愛されしアヒルよ、伝説となれ~   作:はばたくアヒル

167 / 183
167羽

「いやあ。ごめんねみんな。途中で戦いから降りちゃって」

 

 スバルたちの元に戻って来たマリンはやや決まりが悪そうに頬を掻きながら言います。

 

「シュバルルシュバ。シュバルバシュバルルバシュバルルシュバルルシュババシュババ、シュバルシュバルバシュバルルシュバルルシュバ。シュバルルシュバルバ」

(謝んなよ。おまえはあらかじめ自分のやるべきことを言って、それをきちんと果たして帰って来た。上出来じゃねえか)

 

「船長は有言実行されて戻ってきたんです。立派だと仰っています」

 

 るしあがスバルの言葉を通訳します。

 

「あんたたち……」

 

 マリンはるしあとスバルを交互に見てから、

 

「ありがとう。そう言ってくれて」

 

 嬉しそうに微笑みました。

 それを観ていたあくあも安心したように息を吐きます。

 

「シュバ」

(さて)

 

 そんなやりとりをしてから、スバルははあちゃまの方に目を向けました。

 はあちゃまはすでに「不死の魂」を使用した後のようで、さきほど船長と戦った外傷がなくなっています。

 しかしそれはあくまで外見の話、ダメージ自体はかなり蓄積されているはずです。

 

「あら」

 

 そんなスバルの視線に気が付いたはあちゃまが、挑発的な笑みを浮かべて見返してきました。

 

「どうしたのかしら大空スバル。そんなところでボケっと突っ立って。残るはあなた一人だけ。早くこっちに上がって来なさいよ」

 

 言いながら、足元の地面を爪先でカツンカツンと突きます。

 はあちゃまの言うとおり雪花ラミィ、桐生ココ、白上フブキ、宝鐘マリンとこの場に集まったスバル以外のレジェンド所有者は全員敗北してスキルを奪われ、彼女の手にしていないスキルはスバルが所有するライトニングウィンナーの「神の怒り」と、バーニング・サラミの「再来」の二つだけです。

 そしてバーニング・サラミの所有者がこの場にいない今、実質ライトニングウィンナーのスバルこそが残された最後の対戦者なのでした。

 

「スバル先輩」

 

 るしあが不安と期待を込めるような目でスバルを見ます。

 

「シュバルルシュバシュバア」

(大丈夫だるしあ)

 

 スバルはそんな彼女に振り向いてから、ゆっくり頷きます。

 

「シュバルバシュバルバ。シュバルルシュバルバシュバルルバシュバルシュバルルシュババ、シュバルルバ」

(スバルは負けない。みんなの決死の戦いを無駄にしないためにも、絶対に)

 

「でもスバル先輩。三分しか戦えないのに」

 

「シュバルルバ。シュバルバシュバルルバシュバルバ」

(それでもだ。スバルは絶対に負けない)

 

 言い置いてから、スバルはるしあから視線を移してはあちゃまと向き合います。

 そしてゆっくりと目を瞑りました。

 そんなスバルの身体が光に包まれて、徐々に人間のフォルムになっていくかと思われたその時、

 

「ちょっと待った!」

 

 誰かが大声を上げました。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。