「オイル問題なし、空気バネも正常…と」
「922型20番台、サビ・亀裂含め異常ありませんでした!」
ある鉄道博物館に、300系新幹線0番台J2編成のヒカリアンと、一人の少年がいた。
ヒカリアンは言わずと知れた初代主人公、現ライトニングチーム隊長ののライトニングノゾミアンである。
もう一人の少年は、黒いタミヤマークの帽子にタミヤ保護ゴーグル、N700系の写真がプリントされたTシャツの上から黒い上着を着ている。
つい最近JHR九州支部から本部にやってきた少年隊員の工藤軽大といった。
「やっぱり、鉄道車両を思いっきりメンテするのは、大変ですけど楽しいですね。
でも、何で廃車になった車両をここまでメンテするんですか?」
軽大が聞いた
「ああ、実は今使われていない日本の列車の多くは、そのままJHRに集められているんだ、
いつ、どの車両のヒカリアンが地球に来ても大丈夫なようにな。
だから『廃車』というのは表向きだけで、動態可能レベルの整備を常に行っているんだよ。」
「へぇ~、そうな・・・」
軽大が言いかけた時、
空から一筋の光が飛んできた。
それは、展示してあったMLX01-1と合体し、ヒカリアンに変形
そして・・・
「うわ!『ライオソード』!!」
ガキン!
そのヒカリアンは、原型が分からないほどボロボロになった剣を振りかざし、なぜかノゾミに襲い掛かる。
ノゾミはそれをライオソードで受け止めたのだ。
「ぐぐ…、なんてパワーだ…!」
「本当に、展示してあった車両にヒカリアンが合体することがあるんですね!」
「感心している場合じゃないだろう・・・」
バキン!
ライオソードも、謎のヒカリアンの剣も耐え切れず折れてしまった。
「くっ!『ハンドソード!』」
ノゾミはすかさず昔使っていた武器、「ハンドソード」を手にし、まだ襲い掛かろうとする謎のヒカリアンに向けて先端を放った。
ガ!!
ハンドソードの先が謎のヒカリアンにぶつかり、謎のヒカリアンは倒れてしまった。
「なんだったんでしょうか?」
「とりあえず、このヒカリアンを基地に連れて帰ろう。」
その様子を観察する黒い影には、二人とも気づいてなかった。
~~~~~~
「うう…」
「気が付いたかい?」
「MLX-01さん、大丈夫ですか?」
ここはヒカリアンステーションの医務室、
あの後ノゾミに乗せられここに連れてこられた謎のヒカリアンは、軽大とドクターによって診察と解析を受けていた。
「えむえるえっくすぜろわん・・・」
「ああ、すみません、名前が分からなかったんで、体にしている車両の名前で呼ばせていただいたんです。
あなたの名前はなんていうんですか?」
「なまえ・・・」
「心配しなくていい、ここはヒカリアンステーション。
地球のヒカリアンの中心となる場所だ。」
「いや、そうじゃなくて、思い出せないんだ… 何もかも…」
「ああ~、なんだ、そういうっことだったんですか・・・
え?」
「記憶喪失、ということか…」
「あの時のハンドソードが原因なのかな・・・」
軽大がそういったのと同時に、医務室の扉が開く
「ドクターさん、彼の光エネルギーを調べましたが、一致するヒカリアンは見つかりませんでした…」
500系新幹線900番台W0編成のヒカリアン・ウインダッシュが入ってきた
「どういうことなんですか?」
「ああ、光エネルギー波長の抽出・・・
人間でいう指紋認証のようなものだな、それを行ったんだ
そして、ヒカリアン星と連絡してウインダッシュに一致したエネルギーを探してもらったんだが・・・
一致したヒカリアンがいなかったということは、彼はヒカリアン星にはいなかったということになる・・・」
「まさか、ヒカリアンじゃなくて実はブラッチャーだったとか・・・?」
「いえ、それは絶対にありません、彼のエネルギーは、純粋な光エネルギーでした。
「とりあえず、何か思い出せるまで、この基地にいればいい」
「なんだか、申し訳ない…」
「まあ、名前がないと不便だから、何か名前を付けませんか?
たとえば、列車名からそのまま『MLX-01』とか・・・」
「それはさすがに長すぎるのでは・・・」
「じゃあ、X‐01、でどうですかね?」
「えっくすぜろわん・・・、じゃあそれで」
その時、
『何か正体不明の車両がステーションに近づいています!』
松田隊員の放送が入った。
ドクター、ウインダッシュ、X‐01、軽大は指令室に向かった。
「ウ、ウソだろ・・・」
指令室には、ケンタくん、ウエスト、ノゾミ、ツバサ、松田、竹田、梅田各隊員、富士見本部長が定位置につき、モニターは、近づいてくる車両を映していた。
そこに映っていたのは、
「ヒカリアンX!?」
紛れもなく、以前自らの意志でヒカリ隊長に封印されたハズの古代戦闘超特急「ヒカリアンX」の鉄道車両形態だった・・・
「いえ、あれはヒカリアンではありません!今分析したところあの車両からは暗黒エネルギーしか感知できませんでした!」
「ということは、あれはシャドーX・・・
光エネルギーが感知できないということは、まだ『ヒカリアンX』は完全に封印されているのか、
それとも・・・」
ドクターが最悪の状況を予想したとき、
「ブラッチャールチェンジ・・・
ブラッチャールイン・・・
巨神デビルX・・・」
シャドーXの先頭部が分離し、変形したスフィンクスと合体してデビルXとなってしまった。
「暁美さん!」
「既にガルーダの出撃準備はできています。
『まもなく、スカイガルーダMK.Ⅱが発車いたします。
発車に伴い大きな衝撃波が発生しますので、黄色い線の外側でお待ちください。』」
ヒカリアンステーションの車庫から、東海道新幹線を想像させる青と白のツートンカラーの超大型航空機が現れ、
そして、それは翼を大きく広げ、大空へ飛び立った。
ケンタとウエストは車庫へ向かい、
スカイガルーダの後を追うように500系新幹線W1編成が走り去る。
「ガルーダチェンジ!」
「ライトニングイン!」
「ライトニングガルーダMK.Ⅱ!!」
巨大航空機「スカイガルーダMK.Ⅱ」は掛け声に合わせて変形し、たちまち人型へと姿を変える。
そしてその真下で最高速度へ到達した500系の先頭部が分離、
強い光の中でデフォルメされ、人型へと変形した「ガルーダフレーム」のぽっかりと穴の開いた中心部に合体、
全身にコアとなったウエストの光エネルギーが供給され、JHRがほこる戦略型格闘兵器「ライトニングガルーダMK.Ⅱ」が完成した。
「なあ、ドクター、またXを封印することはできねぇのか?」
「それは無理だ、あれはXが自ら望んだからできたこと、
『シャドーX』であるあいつを封印するには、まず取り押さえなければならない。
しかし・・・」
「とりあえず、今日のところは防衛を行う。
不用意に捕獲しようとなどは考えなくていい。
一度撃退し、それからみんなでXを助ける方法を考えるんだ。」
「よし!オレたちもガルーダをアシストしてくるぜ!」
「あの、それならオレも」
「お前は?」
X-01の声に、つばさが問いかける。
「X-01さん、昨日会った記憶喪失のヒカリアンです。」
「記憶喪失、なのか・・・
では昨日のことも?」
「きのう・・・?」
「・・・いや、覚えていないのならいい
確かに相手が相手だから今は戦力が欲しい。
しかし、大丈夫なのか?先ほどまで気を失っていたのだろう・・・?
それに武器だって・・・」
「大丈夫だ、俺は助けてくれた借りを返したい
武器が無くとも援護は可能だ。」
その姿を見て軽大が口をはさむ
「それなんですが、ウエストさんはガルーダと合体していますし、ノゾミさんはスカイソードを使いますよね?」
「ああ、そのつもりだが・・・」
「だから、X-01さんはハンドソードとバードソードを使うっていうのはどうでしょう?
あの時剣を持っていないほうの腕も大きく動かしていましたし、もともと二刀流だったのではないかとも思うのですが。」
「『あのとき』・・・?」
首をかしげるX-01を遮るように、のぞみは連絡をかけた
「ウエスト、おまえのバードソードを借りてもいいか?」
「・・・あ、え?バードソード?うん、いいよ」
「よし、じゃあ、これを」
ノゾミはX-01にバードソードとハンドソードを渡した。
「ありがとうございます!」
「ではいくぞ!」
ノゾミ、ツバサ、X-01は外へ行った。
「・・・ところで、今日のガルーダ、いつもより素早くないか?」
「あ、・・・あの、すいません!」
ドクターのつぶやきを聞いた軽大がなぜか急に謝る。
それを見た周りは当然のごとく「ぽかん」とした表情となった
「あ、あの実はこの間新しい潤滑剤の調合を試してて、上手く行ったものを運んでる時につまずいてメンテナンス中のガルーダの関節にこぼしてしまいまして・・・」
「そ、そんなものを作っていたのか!?」
「しかし、それは大丈夫なんですか?」
「は、はい!
その、ネオトライダガーとファイターマグナムを使って比較実験を行ったのですが、
プラスチックを侵食することもなく、強力なコーティングによってパーツを保護し、タイムもしっかり伸びました!!
耐久面でも36時間の長時間走行でもベアリング・カウンターギア共にコーティングは無事です!!」
「そうか、では、どこの関節にこぼしたんだ?」
「え?たしか、足全体だったと・・・?」
「よし、『ウエスト、ケンタ君、聞こえるか?今からガルーダの足のリミッターを解除する!』」
『「え?」』
今度は軽大とウエスト、ケンタが「ぽかん」とする番だった。
もちろん、ケンタとウエストは、ほかのヒカリアンがアシストしてくれているとはいえ、戦闘中のためあまり長くぽかんとしているわけにもいかなかったが・・・
「以前、ガルーダ用に新型モーターを開発したのだがね
出力があまりに大きく、関節部が耐えられなくてね。
効率も上がっているから、量産してリミッターを付けてガルーダに取り付けていたのだが、」
「軽大くんの潤滑剤を浸透した部品なら耐えれるかも・・・と?」
「ああ、そういうことだ。
この様子なら少なくとも10分程度であれば問題なく動作できるだろう。
リミッターを解除するが、二人とも準備はいいか?」
『うん!』
『お願いします!』
「よし、」
ドクターはステーションの前に行き、ガルーダの設定画面に移動して、足に組み込まれているモーターのすべてを指定した。
「リミッター解除!」
ドクターは最後に出てきたコマンドの、「YES」のボタンを選び、クリックした。
すると、ガルーダの動きが一瞬止まり、ガルーダの各部にある溝から光が漏れる。
その光は、胴体から足にかけて広がり、足全体に届いたとき・・・
ガルーダが消えた。
そして、次の瞬間にはデビルXの背後に立っていた
『すごい!こんなスピードで動けるなんて!』
『それに、今までよりもエネルギーも使ってないみたい!』
「うん、各部関節部の発熱も正常値だ!」
「よかった・・・
それにぼくの作ったものが役に立ったんだ!」
「何・・・?!」
『「うおぉぉ!」』
ガルーダはデビルXをつかみ、体全体を動かしてデビルXを投げ上げる。
『よし、今だ!みんな!』
「おう!『ウイングシールド』!!
『ライトニング ウイング』!!!」
『「ライトニング ビックバン!!!」』
「パワーチャージ!
『パーフェクトスカイサンデー』!!!」
「うおおお!」
全員が必殺技を繰り出した。
X-01は、無意識に武器の持ち主の必殺技である「ライトニングバード」を放っていた。
「くっ、
ブラッチャールリターン・・・」
デビルXはまともに必殺技を受け、
分離してどこかへ逃げていった。
「やった!あのXに勝った!」
いつの間にかガルーダと分離したウエストが、ケンタといっしょにツバサたちの近くに駆け寄る。
「しっかしX-01って言ったけ?お前『ライトニングバード』できるんだな!?」
「ああ、何だか知らないけど、ウエスト君?、がこの技を使っているイメージが浮かんだんだ・・・」
「もしかして、記憶を失う前に、一度ウエストさんに会っている、とかなんでしょうか?
あれ、ケンタさんどうしたんですか?」
基地から軽大が出てきて、話に混ざっていた。
「うん・・・
さっきXから光エネルギーが観測できないって言ってたでしょ?
もうヒカリアンに、仲間に戻らないのかなって・・・」
「それは、捕まえて調べてみるとかしないと・・・」
「今戦ってみて思ったんだが、それは難しいのでは・・・」
「いや、今のガルーダのスピードは尋常じゃなかった、それにX-01、今の戦いから測定したのだが、君の戦闘力はXに匹敵するかもしれない。
君の力と、現在のガルーダの性能をフルに生かすことができれば、シャドーXを捕まえることも夢ではない。
だが、二人がガルーダの性能を完全に扱えるようになるにも、X-01が全力を出せるようになるにも、かなり時間がかかると思うが・・・」
Xの発言を、基地から出てきたドクターが否定する。
「そうなんですか!?じゃあ、潤滑剤ももっと量産しないと!!」
「ぼくたちも、パワーアップしたガルーダを使いこなせるようにがんばるよ!
ね、ケンタくん!」
「うん!それでXを助けることができるなら!」
「あれ、X-01さん、どうかしたんですか?」
「あ、いや、何でもない・・・」
(自分がウエスト君に一度会っているのだろうか?)
X-01はその時、自分の過去について、また自分が何者なのか考えていた・・・
この工藤軽大(クドウケイタ)、元々「うごくメモ帳」にて「作者」
つまり私「光レーサー鉄四駆」として登場していたキャラクターでした。
その為自分の旧ハンドルネームを受け継いでいます。
当時はやみね作品にハマっていた私は、その「すべての作品で世界観を共有する」という構造に感銘を受け、自分の作品にも取り入れようと「自分」と独立させこちらにも登場させました。
やたらと活躍していますが、「自分なんかがJHRに入れるわけがない」という思いから、自分とは異なり入れるだけの実力を持っている、という説得力を持たせたいがために設定した覚えがあります。
少々・・・
いや、かなり目障りだとは思いますが、若気の至りと受け入れていただけるのであれば有難いです。