10月31日渋谷にて
「領域展開 伏魔御廚子 」
そう言葉を発すると見渡す限りの景色が砂地へと表情を変えた。
「ん?俺の術式に耐えた奴が居るだと?」
今まさに両面宿儺が領域展開を終えた瞬間に知覚した。
目の前の瀕死の式神以外に何者かが自分の術式に対し抵抗し、無傷で立っている事を確信してしまった。
だが残された時間は無い。名残惜しい気もするが、今はただこのガキが絶望する瞬間を享受するとしよう。そう思い、両面宿儺は虎杖悠仁に変わった。
「下らない攻撃だ」
そう吐き捨てる様に言葉を発した金髪の男は更地と化した渋谷を歩くのだった。
そして時が経ち加茂憲倫の策略により死滅回游が行われた。
その時まで時間廻る。
虎杖悠仁達一向は天元の元で、五条悟奪還の為話を聞く。
「五条悟を解放する手段は2つある。しかも二つとも偶然死滅回游に参加している術者に会う事だ。
一つは天使と名乗る、千年前から存在すると言われる術者の所へ行くこと。
もう一つはこの世界に突然産まれた術式を持たない術者、ユーグラム・ハッシュバルトに協力を仰ぐ事。このどちらか二つだ」
天元の言葉一同は動揺したが両方ともこのゲームに参加している事実は都合が良い。どちらか一方に会えば事が済む。そう思ったのだが、天元の言葉はまだ続いた。
「だが正直ユーグラム・ハッシュヴァルトに協力を仰ぐ事はお勧め出来ない。
仮に奴が敵対した場合我らに残された勝機はゼロになる。
奴が五条悟を本気で殺そうとした場合勝つのはどちらになるのかは分からない。そのくらいの奴だという事を理解してほしい」
その言葉はそれぞれに衝撃を与えた。
「でもおかしくないっすか?それだけ強い術者の存在を誰も知らなかったなんて。あっ!もしかして俺だけ知らなかった的な?!」
そう言いながら頭を抱える虎杖
「いや、君が知らないのも無理は無いよ。現に私だってつい最近まで知らなかったぐらいだ」
天元が微笑みながら話かける。
九十九がすぐに天元の発言に違和感を感じる。
「天元がつい最近まで知らなかったとはどういう事だ?俗世について貴様に分からない事なんてないだろう?」
「本当に最近までしらなかったんだ。いや知るはずも無かったという事が正しいかな。奴は突然どうやったかは知らないがこの世界に産まれおちた人間だ」
場面は移り変わる
「どうやら漸く動き始めたみたいだな。楽しみにしてるぞ人間達」
そういうと金髪の男、ユーグラム・ハッシュヴァルトは姿を消した。