アルターワールドフロンティア 偽りのメサイア   作:Blood Knight FUP

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初めましての方は初めまして、そうでない方はこんにちは。

至らぬところも多いとは思いますが暖かい目で見守って頂けると有り難いです。


ってな訳で本編一話どうぞ!


Prologue

あらゆる世界が合併され、様々な世界の住民が過ごすワールドフロンティア。

 

その世界では事件や災害が絶え間無く起こり、それを鎮圧する守護者としてメサイア達がそれ等を解決して行き、その中で多くの敵を葬ってきた。

そんな彼等の物語が進んでいく最中……とある場所にて、一人の男が()()()()を取り出す。

 

『……さぁ、()()()()()()よ。 その軌跡を象り、姿を現せ!』

その男が本を開いてそう叫ぶと、物語が綴られているページが発光し、そこから蒼い焔が飛び出し、その焔は光と共に人の形を象っていく。

やがてそれは一人の少女の姿となり、焔と光が消えた時、少女はその虚ろな瞳をゆっくりと開いた。

 

『……』

少女は何も語らず、佇んで男を視認する。

 

『クックックッ……クッハッハッハッハッハッハッ! Happy Birthday……今この時を以て、君は───』

男がそう言い誰とも知らぬ名を呼びかけた所で、突如視界が暗闇に包まれて意識が途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

────熱い……痛い……

 

目を開けて周りを見れば家全体が炎に包まれて、今にも崩れようとしていた。

そして……自分の横腹から激痛が全身を駆け巡る様に走って自身の血で染まりきっており、横腹を抑えていた掌は自身の血で真っ赤になっていた……。

 

私は目の前に居る───に疑問と恐怖を抱いて怯えていた。

そこに最早嘗ての()の雰囲気等一切無く、まるで私を蔑む様に……否、ゴミでも見るかのように冷たく鋭い目付きで私を見下ろしていた。

 

「どう、して……? なん……で……こんな……」

「何でだと? そんなの決まってるじゃないか。 お前が、存在すること自体許せないんだよ!」

「……え?」

私は───のその言葉に思考が付いていけず、数秒程固まってしまった。

彼は私の義理の兄で、互いに腕を磨き合ったり一緒に過ごしてきたのだ。

それなのに何故、この様なことを言われ、その存在を拒絶されたのか、私には微塵もその理由を理解することは叶わなかった。

 

「お前さえ居なければ、俺の人生は全てが完璧だった! 俺がここまで恥を晒すことも、俺の夢が途絶えることも……父さん達に疎まれることも無かったんだ! お前が……お前が俺の人生を歪めたんだよォォォォ!!」

そう言い、───は自ら顕現させた柄が青い銀色の妖しく煌めく刃を持つダブルブレードを振り上げ、叫びながら今にも真っ二つにせんと言わんばかりの勢いでその凶刃を振り下ろす。

 

「っ……!」

私はその振り下ろされた凶刃に斬り殺される恐怖に目を閉じ身体を強張らせて涙を溢す。

頭も混乱していてまともに働かず、何時も習ってる回避行動も、死の恐怖と、───に否定された絶望によって精神が乱れてるせいで出来ず最早終わりを悟ってしまう。

 

 

 

()()()()!!」

しかし、それは後ろから聞こえてきた男の声と肉の抉られる様な音が鳴り響き、誰かが私を抱き締めるようにして庇い私はその一撃を受けなかった。

 

「……ぁ」

「ぐぅぅ……! 止め……るんだ……───ッ!!」

私はその声を知ってる。 この感じも……これは、私()の父()()()()であった。

 

「なっ!? 父さん……なんで邪魔するんだよ!?」

「お前は……自分が何をしてるのか、分かっているのか!?」

驚いていたのは私だけでなく、───もまた父さんが私を庇ったことやここに戻ってきたことに驚いていた。

そして父さんは彼にそう問い掛けると、───はこう答えた。

 

「あぁ分かってるさ! そこの()()()を滅ぼして全部正常に戻すってことだろう!」

「なっ!? なんと言うことを……くっ! お前と言う奴は、ふざけるのも大概にしろ!!」

父さんは───の返答に怒りを露にし、片手に蒼い焔を纏う。

 

「何!? まさか……お、俺を()()()()()へと飛ばすつもりか!?」

「あぁそうだ! お前には……失望したぞ───! まさかここまで落ちぶれるとはな、お前の…事など……もう知らん!」

父さんはそう言い、焔を纏う手を前にかざして───の後ろに巨大な裂け目を生成する。

そしてその裂け目は徐々に───を飲み込んでいく。

 

「う、嘘だ……止めろ! 嫌だ、なんで俺がこんな目に……やはり、お前のせいだ……! お前さえ……居なければァァァァァァァ……………」

そうして断末魔のような叫びと私への憎悪と共に、彼は裂け目に飲まれて消えていった。

その後、裂け目が消えて私の意識が朦朧としてきた。

父さんは私に何か伝えているようだが、殆んど聞き取れない。

 

「おい……………イア………かり……ろ……おい………い!」

父さんが何かを叫ぶも、既に意識が途切れかけた私に届くことはなく、そのまま私の意識は途切れ、視界は真っ暗になった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「ん……ぅぅ……」

とある一室のベッドにて一人の少女が目を覚まし、上半身を起こす。

少女の目に見える天井や部屋の風景は何時も見ているような自室で、少女は目を何度か開閉して手で軽く目を擦った後、眠たげに起き上がって乱れた服装を整えて扉の前へと向かった。

 

「またあの夢……本当になんなんだろう?」

少女は例の夢に対してそう呟き、覚束ない足取りで廊下へと赴く。

そう、少女が見たあの夢はこれが一度目ではなく、何度も繰り返し見ている夢なのであった。

その度に少女は()()()()筈の誰かを父さんと認識し、私を殺そうとする()()()()を口にする……少女からすれば、毎度あの様な夢を繰り返し見て起きるんだから目覚めが悪すぎて堪ったものではない。

そしてそんなことを考えていると、廊下を出て直ぐに足音が聞こえ、その方に視線をやった。

すると()()()()()が此方に駆け寄って来た。

 

「おーーい!()()()()ー!」

「んぅ……? あ、おはよぅ()()()()……」

「おはようって……もうお昼だよ?随分眠たげだけど、昨日ちゃんと寝たの?」

エミリアは眠気全開なメサイアと呼ばれた少女に対して、心配そうにそう言う。

 

「うん……昨日ちゃんと寝た()()()なんだけど。」

「絶対それ寝てないでしょ!?」

メサイアは意味深な感じに伝えて恨めしそうに天井を見る。

エミリアはそんなメサイアの返答にそう突っ込みを入れ、寝てないだろと疑った。

 

「寝てるよ……変な夢を見るだけで。」

「夢って……まさか、また例の夢を?」

エミリアはメサイアの寝不足の原因があの夢だと知ると、心配そうにそう聞いた。

 

「うん……ここ最近になって、凄くその夢を見るようになったの。」

「なんだって急に……なんか心当たりとか無いの?」

「ううん、今のところさっぱり分からない。」

「そっか……。」

エミリアが心当たりが無いかどうかを問うも、メサイアですら心当たりが無く、原因は結局分からないままであった。

暫く沈黙が続き、暗い雰囲気が漂っていたが、流石に申し訳無いと思ったのか、メサイアがその沈黙を破るように笑顔を見せた。

 

「ごめんね? なんか気を使わせちゃって……とりあえず御飯食べよっか!お、お腹空いたし!」

「え? あ、あーそうね! アタシも色々やってたからお腹空いてきちゃったし、行こっか!」

メサイアがそう言い元気に振る舞うと、エミリアもそう返して二人してカフェへと向かったのだった。

 

 

その際、メサイアが調子に乗ってエミリアの食事代を奢ろうとした結果ユートの乱入で二人分奢る羽目になって財布が圧迫され、別の意味で死にかけたのはまた別のお話……。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

ところ変わって、その世界の上空にて複数の存在がその世界を見下ろしていた。

 

()()()()()()()()()()()()()()……か。 我々の計画の最後を飾るには持って来いの舞台だとは思わないか?」

「……はい、おっしゃる通りでございます。()()()()()()()()()よ」

白い短髪に銀色に煌めく衣と軽鎧の様なモノを纏う者……クレリウスが複数の内の一人にそう問い掛けると、その人物はひれ伏してクレリウスの言葉を肯定する。

 

「お前もそう思うだろう? 道化師よ。」

「あー、そーでござんすね!」

「きっさまっ! 主の問い掛けになんと無礼な!」

「気にするな。」

クレリウスが道化師にもそれを問うも、道化師は適当に流し、それを見た部下の一人が咎めるも、クレリウスはそれを制止して気にするなと付け加える。

部下は納得出来なさそうではあるもクレリウスの命と言うことで矛を収めた。

 

「さぁ、外の世界の特異点は大体消してきた。 溢し残したのは他の奴等に任せてある……ここの特異点を潰し……奪い返すのだ! 我々の楽園を! さぁ、今こそ聖戦の刻だ!」

クレリウスのその声と同時に、部下達の雄叫びが空に轟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「覚悟しろよ? メサイア……否、偽りの青き龍の戦士(アルターメサイア)よ。 ()()()()()()()()()()()()だ……!」

そう言い、クレリウスはひっそりとメサイア……否、アルターメサイアへの憎悪を宿すのだった。

 

 

 

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