アルターワールドフロンティア 偽りのメサイア   作:Blood Knight FUP

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page 2 偽り少女の喪失と楽園創造の前日談

泣き疲れて眠ってしまったアルターメサイアこと私は、そのまま数時間程時間が経過した後に目を覚ました。

 

「ん……うぅ……ん……」

目を開けて起き上がると、部屋は暗いままでシーツも手で握り締めてたせいか、少しシワが寄っていた。

私は寝る前のことを思い出し、また気持ちが暗くなった。

 

「そっか……私、また……」

私は俯き、完全に思い出してこの今の状況を察して胸に握り拳を作った手を当てた。

 

「すぅ~……はぁ~…………よし!」

私は狂おしい程のこの感情を落ち着かせ、深呼吸をして気持ちをゆっくりと切り替えていく。

気にしないわけではないが、流石にエミリア達にこんな情けないとこを見せるわけにもいかないと言うのと、やはり要らぬ心配を掛けさせるのも頂けないからである。

そうして部屋を出ようとした私は、ふと何かを感じ取って後ろを向く。

 

「……今、誰か()()?」

そう言い辺りを見回すが気配も()()()()()()も感じず、気のせいかと思って部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

その後、私はエントランスに着いた段階で久々にクラウチさんから呼び出しを受けたとエミリアから聞き、二人でリトルウィングの事務所へと向かった。

 

「唐突に事務所に呼び出すなんて、どうしたんだろう?」

「うーん……私もさっぱり分からないわ。 ただ、少しだけ胸騒ぎがするのよね。」

「……胸騒ぎ?」

私はエミリアが不安げに口にしたその一言に首を傾げ、そう聞き返した。

 

「うん……ちょっと説明はしづらいんだけど、なんと言うかすごーく嫌な感じがするのよ。」

「そ、そうなんだ……」

私は、エミリアのその言い知れぬ何かへの恐怖心の様なものを感じ、不安になってきた。

そして私達そのまま事務所へと辿り着き、入っていく。

事務所の中は昔と変わらず、強いて変わったことがあるとすれば社長がクラウチさんになったこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっ! やっと来たかお前等、おせぇぞ。」

「おやおや、()()が彼の噂の……」

()()()()()()が事務所内……それもクラウチさんの隣に居たことだろう。

 

「……えーっと、初め……まして?」

私は首を傾げながら、その男性に向けてそう言う。

しかし出た言葉とは裏腹に、私は何処と無くこの男に違和感を覚えていた。

ただ、それがどう言えば良いものなのかは違和感を感じてる私ですら分からない。

 

「初めましてですね。 私は()()()()()と申します……以後、お見知り置きを。」

「あたしはエミリア、エミリア・パーシバル。」

「私は、アルターメサイア。」

そう言いはクレリウスと名乗る男性の挨拶混じりに自己紹介をし、その後に私達も自己紹介をした。

 

「アルターメサイア……ですか。 随分変わったお名前で」

少しして、クレリウスさんはそう言って不思議そうに私を見る。

まぁこんな名前の人は早々いないだろうし、可笑しくもないのだけども。

 

「あ、あはは……自分でもなんでこんな名前なのか正直余り分かってなくて……呼びづらいならメサイアでも構いませんよ。」

「いや、ご心配には及びません。 それに素敵な名前じゃないですか。」

「そ、そうです……か?」

「えぇ、とても……()()()()()()()()()()()()。」

クレリウスさんは笑みを浮かべ此方を見つめ、そう返す。

その時のクレリウスさんのその()を見た私は、一瞬だけ背筋が凍ったような感覚に至った。

 

「っ……」

「どうしました? 随分顔色が悪そうですが……」

「っ!? いえ、何でもないです。 それより、今回の御用件を聞きたいのですが……」

私は、クレリウスさんの言葉で我に返って話題を戻すと、クレリウスさんはそうでしたと思い出したかのように微笑んで本題へと切り出した。

 

「実は、今日の夜にウチで大規模な実験を行うのですが……どうやら最近やたら会社や組織の施設に潜り込んで無差別に物資強奪や破壊行為を行う輩がいるらしくてですねぇ。 最近で言うなら色々ありますが、例えるなら以前にG()R()M()()()()()()()があったと言う話も出ていますしねぇ?」

「「ッ!?」」

クレリウスさんのその一言で、私とエミリアは目を見開き驚愕していた。

彼の言うGRM社で起きた強盗事件とは、正しく()()()()()()()()()()()()()()あの時の出来事なのだから。

恐らくその強盗と言うのも、ナギサがダークファルスの欠片を回収した時のことを指してるのだろう。

 

「GRM社で、強盗って……」

「ま、待って! それってもしかしなくても……」

「あー、いえね? そこまで詳しくは把握してないのですが、まぁ何か()()研究対象となる物が盗まれた程度のお話だった筈ですが……もしかして、既にご存知でした?」

それを聞いた私達は開いた口が塞がらなかった。

最近でその手のことが起きたのはあの一件のみで、それ以降は起きてなかったからである。

と言っても、もしかしたら私達の知らないところでまたそう言うのが起きたなんて言うのもあり得るし、万が一クレリウスさんが元々GRM社の社員だったなんてことでもあればまだ分からなくもない。

 

「あー……いえ、多分勘違いだと思うので気にしないで下さい。 それで、クレリウスさんの言い分を聞くに恐らくですが実験する際の護衛をして欲しいと言いたいんですよね?」

「おお、話が早くて助かります! そうなんですよ、一応護衛は雇ったり他のとこからも要請したりはしているのですが何分不安ですから……是非とも貴女方にお力添えをして欲しいと思いまして、どうかお願いします。」

そう言い、クレリウスさんは頭を下げる。

 

「それだけ大事なことなんですよね? 寧ろ私達で良いんでしょうか?」

「いえいえ、リトルウィングの皆様が護衛に居るだけでも我々としては心強いのです。 どうか、お願い致します!」

クレリウスさんは顔を上げ、そう言うと私の手を握ってきた。

 

「……分かりました。 その依頼、引き受けます。」

「決まりだな?」

「っ……ありがとうございます!」

とは言え、ここにいる全員がこの依頼を断る理由なんてあるわけでもないので満場一致で引き受けることになった。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

こうして依頼を引き受けた私達は一度それぞれの部屋へと戻り、明日に向けて準備をし始めた。

今回はクレリウスさんもこのリトルウィングに()()()()()()()らしい。

 

 

 

 

……のだが、私だけは準備の前にどうしても確認したいことがあり、ビジフォンを開いてとある人物に送るメールを打ち込んでいた。

 

「ヒューガさんならきっと何か知ってる筈。」

そう言い、私は文字を打ち込んでいく。

そしてある程度文字を入れると、確認画面に移ってメールを送信した。

 

「……ふぅ。」

そうして送り終えた私は一息ついて明日の準備に向けて支度をしようとすると、ビジフォンからメールの着信音が鳴る。

 

「……え? 早すぎない?」

私は余りの返信の早さに驚きつつ、準備を一旦止めて再びビジフォンで受信ボックスを確認すると、一通の無題と言うタイトルのメールが来てることに気付いた。

 

「これ、ヒューガさんのじゃなくて……エミリア?」

送信者がヒューガさんではなくエミリアであることを知り、急いで開くと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……()()()って、どういう事?」

そう、その内容にはただ、逃げてとだけ記されていた。

それがどういう意図で、何のために送られたかは分からない。

でも、何か嫌な予感がした私は即座にエミリアの部屋に行くべく入口に向かおうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……やぁ? ()()()!」

しかし、その声が聞こえたと同時に私は相手の正体を察知するよりも早く、黒く濁ったような青いエネルギー状の触手に縛れ、そのまま取り込まれてしまう。

 

「ッ!? うぐっ……がっ……ぁ……」

その内部からは、どす黒く濁ったような怨嗟の声のような悲鳴が聞こえ、とても冷たく全身に不快感を覚えるほどに血生臭い異臭が漂っていた。

呼吸も録に出来ず、徐々に意識が朦朧としてくる。

 

「さて、何か探りを入れようとしていたみたいだが……まぁ良い。 お前には先に行って貰うとしよう。 俺の()()の……」

「ぁ……ぁ…………エミ…………リ……ア……」

そう言いかけたところで、私の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わって()()()のある場所にて、一人の少年がいた。

その少年は()()を身に纏い、一部が壊れて無くなっているブレスレットを片手に握り締めていた。

 

()()()は、軸となる世界に唯一多大な影響を与えることの出来る特別な存在。」

「……特異点?」

その背後から()()()()()()()()()()()()()()()()()()男が現れ少年に語りかける。

 

「そう、君もその一人って訳だが……変えてみないか? こんな非道な現実を。」

「何言ってやがる? んなことしても()()()()()は帰ってこねぇよ。」

少年は男に対して皮肉げに笑ってそう返した。

その目に光など無く、絶望と諦めに満ちていた。

 

「そんなこと無いさ。 なんせ君は特異点だ……君はこの今の状況を変えるだけの可能性を秘めている。」

「……詳しく聞かせろ。」

「ハッハッハッハッ……詳しく話す必要なんて無い。 君の思うがままのやり方でやれば良い。 例えるなら、彼女のいる現実(楽園)を創る……とかね。」

男は少年に対し、笑みを浮かべて皮肉げにそう返した。

 

「楽園……か。」

「さぁ、お前の願いは……結論はなんだ?」

そう言い、男はとあるドライバーと()()()()()()()()()()を少年に手渡す。

 

「俺は……」

そう言い震える手でキーとドライバーを手にした少年は俯き、目を閉じて少ししたら顔を上げ、その心に決意を宿して閉じた目を開いた。

 

「この世界を滅ぼし……」

()()()()()()()()!』

 

少年はドライバーを腹にあてがいベルトが自動で伸縮して腰に巻かれる。

そして白いキーを持ち上げるように構え、そのスイッチを押し込むと、その禍々しいプログライズキーからどす黒い紫電と禍々しいオーラが発生し、腰に巻かれたベルトのユニットを覆うようにしてユニットの形状を変化させた。

 

「……楽園を創造する!」

『EDEN!』

そしてその後にそう言葉を紡いで、ドライバーと共に変化したキーのスイッチを再度押して、禍々しい音声と共にドライバーにそれを装填する。

 

「クックックックックッ……」

男は変身した少年を見て妖しげに微笑む。

 

「……」

『Imagine…Ideal…Illusion…』

『EDEN the KAMEN RIDER!』

そしてその少年は、こうして仮面ライダーエデンへと変身した。

 

「君の夢、叶うと良いな?」

そう言い男は姿を消し、その場に居るのは少年だけとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待っててくれよ? 夕麻ちゃん……君の住める、楽園を……居場所を……創るから。」

そう言い、少年は……()()()()はその場を後にして夜の闇へと消えていった。

 

 

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