アルターワールドフロンティア 偽りのメサイア 作:Blood Knight FUP
うん、ビックリ……スランプ気味が嘘だったかのように驚く程進む進む。
ってことで今回少し戦闘描写に気合いを入れてみました(上手く書けたかは分からないけど)
……上手く書けてたら良いなぁ(願望)
一誠から自分達の事を黙ってくれればそれで良いと言われたメサイアは、自分が始めに眠っていた椅子へと座り、これからどうするかを一人考え続けていた。
「何か分かるかもとは思ったけど、進展は未だ無し……流石に此処だけでの情報収集はもう厳しいわね。」
そう言い、外へと通ずる扉を見つめ、一誠から街に出たら何仕出かすか分かったもんじゃないと言われた事を思い出す。
「……いや、やっぱり出よう。 このまま此処に留まっても何も知れない」
それがエミリアの安否に対する焦りなのか、それとも早く帰りたい事への焦りなのかは分からない……しかし、ドーナシークの言葉がもし本当ならクレリウスが今回の件に絡んでる可能性があり、エミリアだけでなくクラウチさんやユーマ達にも危害が及ぶ可能性もある。
ずっと留まって怯えても変わらないのも事実だと、決意を固めた私は立ち上がって教会を出た。
扉の先には自然が広がり、辺りは暗くなっていた……恐らく時間帯的に夜なのだろう。
月明かりが照らされ、少しだけ明るさはあるもののそこ以外は真っ暗で見えないくらいだった。
「綺麗……って、こんなことしてる場合でもないわね。」
思わず月を見て立ち止まりそうになってしまうが、目的を思い出して我に返った私は、そのまま兵藤さんから聞いたであろう駒王町へと向かおうとする。
勿論色々教えて貰ったとは言え、完全に安全とも言えないので警戒は必要だけどこれ以上留まって無知のままでいるのは御免だ。
何かを知るために自ら飛び込むしかない……そう考えていざ駒王町へ向かわんと足を進めて離れ始めたところで、突然後ろから何か妙な力を感じ取り、反射的に振り返った。
「ッ!? な、何が起きてるの……!?」
唐突の出来事に反応が遅れてしまい、気付いた頃にはそこに魔方陣の様なモノが浮かび上がり、そこから眩い光と共に数人のシルエットが出現した。
私は腕で光を視界を遮り、その光は暫くして止むとその数人の姿が見えた。
赤い長髪の女性とポニーテールの黒髪の女性の他に、白髪の少女と金髪の青年と少女らしき人物がキョロキョロと辺りを見渡し、その内の一人が此方を捉える。
「部長! 誰かいます!」
「あー……えっとぉ、どちら……様?」
金髪の青年の発言に全員が此方を見る……やはりと言うべきか警戒心MAXで此方を睨んでいた。
私は複数人に見付かり、気まずそうにそう問い掛けてみる。
「貴女こそ、こんな時間に此処で何をしてるのかしら?」
赤髪の女性がそっとそう問い掛けてくる。
言葉こそ至って普通だがその鋭い眼光と言い知れぬ圧力に息を飲む。
この人と言うか、周りの人もそうだけど絶対ただ者じゃない……直感でそう察して此方も警戒心を抱きつつ問われた質問に答え始める。
「私は気付いたら此処の中で眠ってて、暫くどうするか悩んだ末に此処を出ようとしてました。」
私は粗方自分がしたことを話した……勿論
「そう……貴女、名前は?」
「私はメサイア……アルターメサイア。」
「あ、アルター……メサイア?」
そう答えると赤髪の女性は少しだけ戸惑って目を細め、私は私で案の定な反応に苦笑いしてしまう。
「ゴホンッ! じゃあ、アルターメサイアさん? ここで茶髪の男の子を見掛けなかったかしら? 貴女と同い年位の子で、名前は
「兵藤……一誠? いや、知らない名前ですね。」
私はその名前を聞いて、内心戦慄していた。
それは教会で私を介抱してくれたあの人の名前だったと言うのもあるが、その名前がまさか此処で出てくるとは思わなかったからである。
正直に言うべきか悩みそうになったが、兵藤さんの言葉を思い出して直ぐに首を軽く横に振って知らないと答える。
「そう……」
少しだけ残念そうにしてるのを見て安堵しそうになったが、次の瞬間彼女等から異様な殺気を感じた。
「貴女、何か知ってるわね?」
「ッ!? な、何も知りませんって!」
「あらそう? まぁ、どちらにしても身柄は拘束させて貰うわよ? 貴女から何か異様な力を感じるから。」
そう言うと、全員の背中からドーナシークとは異なる黒い羽が生えた。
どうやら目の前にいる全員
「また、堕天使? さっき関わって録なことにならなかったし、関わりたくないから逃げる!」
そう言い全速力で走って逃げようとしたが、その直後に金髪の青年があり得ない程のスピードで追い抜いて逃げ道を遮ってきた。
「うぇ!? は、速っ!?」
「悪いけど、大人しくしてくれないかな? 出来れば戦いたくはないんだ。」
爽やかで優しげにそう言うが何時出したのか、青年のその手には剣が握られていて、既に臨戦態勢に入ってた。
抵抗しようモノなら即座に斬り伏せるつもりなのだろう。
あのスピードなら恐らくだが、一瞬の隙が命取りになりかねない。
「その割にやる気満々じゃない?」
「そうかな? これでも警戒してるだけなんだけどね。」
「そう? 私も出来ればアンタ達とは戦いたくはないわ。」
私と青年はそんな軽口を叩くが、実際は互いに僅かな動作や相手の特徴を読み合っていた。
先程のスピードや剣を扱うところ、この隙の無い構えと彼自身から発せられる眼光……明らかに手練れであった。
「なら大人しく……」
「でもね。」
確かに手練れではある……だけど、それは捕まる理由になんてなり得ない。
私はとりあえず逃げることを断念してブルードラゴンブレードを呼び出し、その手に握り締める。
「それで簡単に降伏する程、私は甘くないわよ?」
「ッ!? そうか、君も剣を扱うんだね?」
「えぇ、我流ではあるけど……剣術を一応身に付けてるの。」
そう言い、頬に流れた汗と共に笑みを浮かべて構えた。
相手ももう逃げる選択を捨てたと理解して完全に戦闘態勢に入る。
此処まで来たらもう逃げることなんて出来ない……負かすか負かされるかのみ。
「「いざ、勝負!!」」
互いにそう言って同時に踏み込むが、相手の方が遥かに速い。
やっぱり速度では勝てない……なら!
「はぁぁぁ!」
「ぐっ!」
私は相手の斬撃を予測してそこに剣を構え、見事初動の一手を防いだ。
「今のを防いだ!?」
「てやぁぁ!!」
「っ!」
そして私も相手の剣をいなすように弾いてそのまま横に一閃するが相手の方が速く、その一手を避けられてしまった。
「良いスピードだね?」
「アンタの方が数倍も速いっての!」
「それはどうも! なら、今度はこれだ!」
そう言うと、相手は一直線に飛び込んで距離を詰めてきた。
直進による一閃かと察した私は、瞬間的に相手の打ち込みに合わせて剣を構えて一撃を防ぎ切る。
「ぐっ!」
「まだだよ?」
そう言うと、防いだ反動で後ろに一歩下がったと同時に相手は既に次の一手に出ており、何時の間にか真横を取られていた。
「しまっ……ぐぅぅ!」
速すぎて何時移動したのかも見えない程だった。
あの打ち込みから次の一手までの切り替えの速さはもう、尋常ではなかった。
急いで対処しようとするが、焦りから体勢が上手く整えられずにその斬り込みをギリギリ剣で受けて体勢を崩されて僅かながら隙を晒してしまう。
私は後ろに跳んで避けてから体勢を整えようとした。
「貰った!」
「がぁっ!? ぐっ……あああぁぁぁぁぁぁ!!」
しかし相手はその隙を突いて
斬られた背中から灼熱のような激痛が駆け巡り、傷口から鮮血が舞う。
私も負けじと剣で後ろに一回転して薙ぎ払うも、即座に距離を取られて空振ってしまう。
「ぐぅっ…………痛い……じゃない。」
「背中を斬られて痛いで済むとは思えないけどね。」
「生憎と、魔物退治でそれなりにこう言う経験はしてるからね。 まだセーフラインよ。」
相手の突っ込みに私は笑い飛ばすようにそう啖呵を切り、再び構える。
しかし正直な話をするなら、魔物退治の頃でこのレベルの負傷は普通に痛手でしかない。
ましてや爪や牙と違い剣で斬られた為に、その深さで言えば魔物退治の際の負傷より酷いものと言えよう。
まぁ、爪や牙の場合だと毒とか雑菌とかの問題があるだけどね。
「魔物退治? 良く分からないけど、それなりの場数は踏んでるみたいだね。 なら、これはどうかな!?」
そう言うと、相手は辺りを動き回り始めて撹乱させようとする。
「っ……ホントに速すぎるわね! 益々人間味が薄くなってくるわよ、その速度!」
なんとか目で追おうとするが、それでも追い付かない。
「だったら……」
「そこ、貰った!」
そう言い掛けたところで、相手は死角から狙いを定めて急接近し、そのまま横薙で斬り伏せようとする。
「斬る瞬間の風向と殺気で予測するまでよ!!」
私は咄嗟に感じた風向と殺気の方角に剣を構え、その瞬間に甲高い金属音が響いて火花が散る。
しっかりと手応えを感じ、剣を握る手が痺れそうになる程の衝撃を受けるが、そのまま後ろに下がり笑みを浮かべる。
「なっ!? 今のさえ防ぐなんて、目では追えない筈の速度を出してたし、タイミングも良かった筈なのに……」
「えぇ、とてつもない程洗礼されてたわね。 ほぼ目で追えないし元々の一撃一撃が速度も相まって余計重かったし、ホントに力の差を感じちゃったわ。」
私は笑みを崩さずに軽口を叩くが、正直相手の殺気を読めなかったら確実に殺られてた。
それ程まで正確に入れてきていたんだ。 変なところに飛ばされて早々これだけヤバイ奴とやり合うなんて想定外も良いとこよホント。
「な、ならどうして……」
「戦いに於いて、視覚だけが全てじゃないってことよ。」
「え?」
私の問いに、相手は戸惑ったように首を少し傾げる。
「さぁ、次は私の番ね?」
そう言い私は反撃に入って、前進しながら青年へと急接近し始めた。
「はっ!?」
彼も我に返って再び構える。
私は初手で横薙をしようとするが、相手は猛スピードで避けて背後を取り、袈裟斬りを繰り出す。
「読める! はああぁぁぁぁ!!」
私は相手から斬る瞬間に発せられた殺気と風の軌道を読んで、背後に居ることを察知し、勢いを乗せたまま跳んで袈裟斬りをギリギリのところで回避する。
「不味い!?」
「でりゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
剣に蒼い焔を纏わせて、そのまま横薙の勢いを保ったまま回転しながら袈裟斬りを叩き込むように振るう。
「えい」
「ッ!? ガフッ!」
その刃が青年を斬るよりも先に、腹部から来る衝撃と共に胃の中の物が逆流するような感覚に至り私の身体が上へと吹き飛ぶ。
何が起こったのか、必死に頭を働かせて視線を先程まで居たであろう場所へと移すと、そこには白髪の少女が握り拳を作った状態で前に腕を突き出していた光景が目に移っていた。
(あぁ……私、あの子に殴られたんだ。)
私は内心で、事の次第を理解して少しでもこうなることを忘れて油断していたことを激しく後悔した。
そう、相手は複数人居るのだ……こうなることなんて誰でも予測出来た筈だったんだ。
だと言うのに、超人相手にちょっとやり合えた程度で慢心して警戒を怠るなんて、自分もまだまだだなと痛感させられてしまった。
そう考えてる内に私の身体は地べたを転がり、吐血してしまう。
「ゲホッ! ゴホッ! ゴホッ! はぁ……はぁ……」
私は血を吐き、激痛が走る腹部を抑え痛みを堪えようとするが、全身に走る不快感と腹部から感じる激痛は収まらなかった。
身体が震えて手から力が抜けそうになるが、私は必死に堪えて剣を逆手に持って杖代わりに地面に突き刺して立ち上がる。
そして、私を殴った白髪の少女と金髪の青年へと視線を移す。
「祐斗相手に彼処までやり合えて、それで小猫の攻撃にすら耐えるなんて……中々やるじゃない。」
赤髪の女性はそう言い、見下ろすように此方を見つめる。
「そりゃ、はぁ……はぁ……どうも……ガフッ! ゴホォッ!?」
「でももうまともに立つのがやっとのようね?」
「そう……みたいね…………正直、油断……してたわ。」
私はある意味、自分の愚かさに思わず嘲笑してしまう。
途切れ途切れに言葉を紡ぐが、その際に逆流したモノを血と一緒に吐き出してしまう。
「あぁ、ちょっとヤバイかも……」
「大人しくした方が身のためです。」
私の呟きに、白髪の少女がファイティングポーズを取りながらそう答える。
隣の青年も、何時でもやれると言わんばかりに身構えた。
「致し方……無いわね。」
私はポケットからモノメイトを取り出し、それを口に入れて噛み砕いて飲み込む。
「ンンッ……んぶっ……!ぅぅ……んくっ……」
喉から固形物を通す際に色々と逆流したせいでもう口の中と言い喉と言い、言葉にしようがない程最悪なことになって吐き出しそうになるがグッと堪えて暫く固まる。
そうして待つこと数秒後、身体から痛みが抜けていく感じがして腹部の不快感も多少ながら緩和されるのが分かった。
「はぁ……はぁ……まだ、終わってなんか……ないわ!」
「これ以上は止めときなさい。 このままやり続けたら、貴女……死ぬことになるわよ?」
赤髪の女性から放たれる殺気と冷徹な眼光が、私の全身を震わす。
「っ……それでも、よ。」
「……そう。 朱乃、貴女は二人の援護をお願い。」
「うふふ……腕が鳴りますわね。」
赤髪の女性がそう言うと、黒髪ポニーテールの女性が微笑んで手を翳す。
すると、その掌から紫電が走ったように雷が発生する。
「ッ!? そう言うことね?」
そう言い、私は警戒心を最大限まで上げて前に出た三人に視線を移す。
「祐斗、小猫!」
「「はい!」」
そして赤髪の女性の言葉と共に白髪の少女と金髪の青年も行動しようとする。
「フッ……上等よ。 やってやろうじゃない!」
私がそう叫んだと同時に、二人が動き始めた。
「悪いけど、やらせて貰うよ!?」
金髪の青年はその速度を活かして数回程辺りを動き回って撹乱させてから私に肉薄し、その手に握られた剣を以て私を切り裂かんと刃を振るう。
「読める! せやああぁぁぁ!!」
「っ……やはり読まれたか!」
しかし、やはりと言うべきか……殺気は感じ取れており、最初ほど驚きはせずに冷静にいなして斬り返しをして相手から距離を置かせる。
流石にもう簡単には通じないと理解したのか、動揺せずに次の一手へと移る。
「えい」
そうしてる間に、白髪の少女が間合いを取ってアッパーを繰り出そうとしていた。
流石にそれを喰らえばタダでは済まないと理解していた私は後ろに下がることでアッパーを回避する。
「うわっ!? 空気が震えてる……恐ろしいわね、それ?」
「まだです……吹き飛んでください。」
そう言うと、着地と同時に助走をつけて右ストレートを繰り出してきた。
しかし、威力はヤバそうだが金髪の青年ほど速くはないので普通に避けることは出来た。
「なら、青龍……焔殱覇!!」
私はそう叫びながら手に蒼炎を纏い、凪払うようにして纏った焔を撒き散らして金髪の青年と白髪の少女を囲うように辺り一帯を火の海に変え、白髪の少女の身動きを取れなくする。
そして黒髪ポニーテールの女性へと視線を移そうとした時、突如真上から轟音が鳴り、私は反射的に後ろへと跳んだ。
すると、先程まで私が居た場所に雷が降り注ぎ、地面に焦げ付いた後が残っていた。
「くっ! 厄介ねそれ!?」
「あらあら、まだまだこんなものではありませんよ?」
そう言うと、何故だか楽しげに片手を上に掲げて追加で雷を落としてきた。
「うわわわわ!? ちょっ……攻撃をする暇すらないじゃない!?」
私は次々と頭上から降り注ぐ雷を避け続け、やがて蒼炎が消えたところで再び二人が動き始めた。
最初に白髪の少女が飛び込んで一気に間合いを取り、ボディーブローを繰り出してくる。
「効かな……ぐっ!? な、なんて威力!」
私は反射的に剣でその攻撃を防ぐが、余りの威力に後ろに吹き飛んでしまう。
なんとか体勢を整えて次の攻撃に備えようとしたその時、僅かに殺気を感じた。
「貰った!」
「ハッ!? 不味っ……ぐああぁぁっ!?」
この殺気の正体を理解した頃には時既に遅し、私は金髪の青年に通り過ぎ様に斬られ、痛みに手から剣が離れてしまう。
「これまでだ!」
「がああああぁぁぁぁぁぁ!?」
追い撃ちを掛けるように青年はそのまま袈裟斬りを繰り出し、それを諸に受けて深手を負ってしまった。
それにより、全身から駆け巡る激痛と灼熱感に意識を刈り取られそうになり、とてもじゃないがこれ以上戦える状態では無かった。
私は薄れ行く意識を保ってポケットに手を入れようとしたが、その直後に真上から轟音が響いて突如全身から伝わる電流と身を焼かんばかりの灼熱感を覚えたと同時に、私の意識は途絶えてしまったのだった。
次回はリアス側の視点を書けたらなと思います。
ではまたー