機動戦士ガンダムSS -アフターストーリー オブ センチネルー 作:豊福茂樹
これより先は封印された禁忌の記録(しょうも無い意味で)、心して読むが良い。
それでは立つ鳥跡を濁す本編をどうぞ。
機動戦士ガンダムSS
幻の13話 ――番外編:シュート! サイクロプス――
-1-
「と、言う訳で、サイクロプスの発射をするぞ!」
「鼻息荒いわね、バリー」
「当然だ、嬢ちゃん」
「巨大メカ、超超巨大砲。やはりこの響きはいつになっても男の魂を震わすのですよ」
「………チェレンコフまで」
「私は虫が好かん。軍人とは戦場における被害を最小限に抑える、いわば手術における外科医であるべきだと思っているからな。敵味方の区別を付けれぬ大量破壊戦略兵器はブラフ以外での存在は害悪だ。戦術屋としての意地が許さん」
「堅い事言うなよヒースロウ」
「もしかしたらこのサイクロプス砲でなくては破壊できぬ異星人の超巨大空母を迎え撃つとかの萌えるシチュエーションが有るかもしれないじゃないですか?」
「砲では無く只のマスドライバーだし、そもそもこの発射自体只のコンピューター上のシミュレーションだっ!」
「プログラム調整するの大変だったわよ」
「御苦労、ブラウン君」
「チェッ、現実に引き戻すなよ」
「はー、部下のやる気削ぐなんて、貴方それでも司令官ですか?」
「ではやめるかね?」
「「……………………………」」
-2-
「これがサイクロプスか」
「何ていうか、ただの長~い水道管て感じね~。移動用の推進剤のあるタンクがいっぱい付いてる方が後ろなのよね?」
「いや、あっちが前だ」
「移動専用のエンジンは付いてないんですよ」
「??」
「どういう事かね?」
「電磁パルスレールシステムをそのまま推進にも使ってるんだぜ」
「重金属粒子ガスを後ろに電磁加速して超高速で噴出すれば、推進力になるでしょう?」
「だからタンクは進行方向の前側に付いてなきゃ駄目って訳だ」
「成程。戦艦みたいな熱核推進エンジンじゃないからなのね」
「それくらいは知ってるんですね」
「馬鹿にしてるの?」
「まあまあ、そんな事より発射してみてくれたまえ」
「了解。ではサイクロプス発進」
「発進。ヨーソロー」
「何故発進するのだね?」
「そりゃ宇宙空間だからだぜ」
「月面に固定されてる訳では無いですからね」
「いくら通常コロニーの約2.3倍の質量を持っていても、微小とは言え小惑星を発射するんだぜ。反動で自分も後退しちまうからな」
「厳密には正確な表現では無いのですが、前もって後退分の半分量、加速前進しておく必要が有る訳ですよ」
「?、発射してから元の位置に戻ればいいのではないか?」
「戦闘機動ならそれでいいんでしょうが、経済活動としてはロスが多すぎます」
「ああ、成程」
{?」
「まあ嬢ちゃん、見てりゃ分かるぜ」
「ではそろそろ発射ですね」
「よーし、発射シークエンス開始だ!」
「推進剤供給停止! 電磁パルスレール逆パターンに切り替え! 小惑星のロック解除!」
「発射!」
それからしばらく、見た目何も起きない。
「「……………」」
「あ、やっと出た」
「レール長いですからねー」
「石コロもクソ重いしな」
「加速にも一苦労ですよ」
「サイズが大きいから、実際にはすごいスピードなのかもしれないけど、こうやって遠くから眺めてると、砲って言うより、子供が適当に投げた石ぐらいの迫力しかないわよねー」
「所詮マスドライバーだ」
「わかってたけどな」
「哀しいですよね」
「とは言え、ダカールを更地にするには十分すぎて釣りが出るくらいだ」
「宇宙空母は?」
「まあ、簡単に避けるだろうな」
「デスよねー」
「はー、それはさておき、再度推進剤噴射だぜ」
「了解、減速開始、ヨーソロー」
「あ、分かった! ここでもう一度前進加速って言うか、後退に減速を開始すると、丁度元の位置に戻った所で停止する訳ね」
「ロスが無いでしょう? 最初の前進分の加速も岩塊自体の加速に役立ってますしね」
「宇宙空間では大事なんだよ」
「効率のいいピストンだな」
「もともとそれが目的だしな」
「これまでのロケットエンジン方式だと、アステロイドベルトからの長い航海で使っているのは、ほとんど最初の加速と最後の減速だけですからね。航海の間は無駄な荷物ですし、何より何十も小惑星を運ぼうと思ったら、何十基と生産しなければなりません」
「地球圏に着いた時の減速は?」
「そいつはポセイドン級って言う、ほとんどエンジンだけの曳航船が受け持つぜ」
「厳密には減速じゃなくて、地球軌道に乗せるための再加速ですけどね」
「それを言うならサイクロプスがやってるのも加速じゃなくて、太陽系中心に向かって落とす為の減速だしなあ」
「後はサイクロプスただ一基とポセイドン級数隻だけで、延々とアステロイドベルトからのピストン運輸が繰り返される訳ですね」
-3-
「実際あったら便利だな。ホリ◎モン作んないかな?」
「それにしてもホント地味な話ね」
「何を思って作者は書いたんだ?」
「もっと読者の気になるアレコレいっぱいあったろう?」
「何でも普通のメカ解説にすると壊滅的にもっと地味になったからだそうです」
「一度書くの断念してたのね」
「かといって書かずにいるのも気が済まなかったんだな」
「アホらしい」
―蛇足でした。ちゃんちゃん―
はーい、しょうも無かったあ?
グダグダで御免なさい。
ここより後、もっとグダグダな裏話。
もともとこの作品、コミケでの発売を目標に作成していました。
ところがイラストを頼みたかった方々とは繋がらず(メカデザとキャラ両方書ける岡山在住の人は超貴重なのですよ)、コミケ自体もコロナで再開の目途の無いお休みと言う危機。
作者も体調を崩し入院、完成目前で長期間筆が止まる事態に。
最近になってようやく一応完成し(後も改稿し続けた)、ネット掲載に切り替えるも、本来作者が生息している『なろう』ではガンダムが載せられず、ハーメルンに一時御引越となった訳です。
こうやって最後まで無事掲載できたのが奇跡のようでござる。
ハーメルンスタッフにはこの場において大感謝。m(--)m
それでもこれだけ不運が続くと疑心暗鬼になるモノで、もしボロクソの感想来てUP挫ける羽目になったらどうしよう、と、当初ハーメルン会員の方以外の感想をお断りしていたのですよ。
なので会員で元気付ける感想下さった捩じれ骨子様にはホント大感謝です。
もう解除したから皆さんもしお書き下さる気が御座いましたなら、安心して書いて下さいね。
まあ、終わったので今はもう気楽です。
どんな感想だろうと楽しみにしてるぜベイベー!(調子乗り過ぎ)
それでは、機会があればまた。
(^^)/