機動戦士ガンダムSS -アフターストーリー オブ センチネルー 作:豊福茂樹
初めましての方は是非ガンダムSS第一話もご覧ください。宜しくお願いします。
さて、ルーツ達MS実験開発部隊がいよいよ立ち上がり、初演習となりましたが―――
気になるその先は是非本編をお召し上がりください。
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追伸:捩じれ骨子様感想有難うございました。
機動戦士ガンダムSS
第二話:――スカウト―ー
-1-
ジオン残党ゲリラ、ザック・ラドックのキャンプに、旧ジオン軍暗号コードでの通信が入った。
曰く、こちらはネオジオンの者であり、君達の同士だ、と。
無論疑ってかかった。
だが、MSをくれると言う。
グフ・デザートタイプと偵察型ザクは最後の無理が祟り、遂に動かなくなっていた。
「大尉、受けましょう!」
「俺達は最後まで大尉の御供がしたいんです! 足手纏いなんてまっぴらです!」
グェンとジェイスはラドックに詰め寄る。
ラドックは目を瞑り、押し黙る。
やがて口を開く。
「よかろう。お前等を野盗になど貶めはせぬ。たとえ騙されようと、最後まで戦士の道を歩むのみ」
グェンとジェイスは、そして整備兵や歩兵たちも顔を輝かせた。
「ミデア型、連邦の輸送機ではないか?」
『盗んだんだよ。お空をガウやザンジバルなんかで飛んだら、たちまち捕まっちまうよ』
通信の台詞の筋は通っている。だが胡散臭さは漂う。
『間違っても撃たないでおくれよ。ドムのお兄さん』
人を食った口調にも不快を覚える。
やがてミデア輸送機が着陸した。
カーゴハッチが開く。
ドム?
いや、更にその精悍さと獰猛さを増した機体が三機。
中央の一機には両肩に小型の戦闘機の様な兵器を二器積んでいる。出力も増強されていそうだ。
輸送機のコクピットからも人が降りる。
事ここに至っては、ラドックもモビルスーツから降りて、出迎えぬわけには行かなかった。
「アンタがザック・ラドックさんかい?」
鋼鉄色の波打つ髪に、サングラスをしたネオジオン士官制服の女。
「そうだ」
「アタシはアナンダ・ゴルゴン。ゴーゴンでいい」
女はそう言うとサングラスを外す。
金色の瞳に蛇のような縦長の瞳孔。
「強化人間さ。フラナガン機関でアンタの同僚になるはずだった。でも、アタシは失敗作で、アンタは入隊を拒否した」
「…………拒否した自分を恨んでいるか?」
「さてね。でも、昔はどうあれ今はよろしくやるしかないだろう?」
「ならば一先ずその言葉を信じよう。それで、あの機体は?」
「ドライセンさ。中央のはサイコドライセンって言って、ニュータイプ用のドローンファンネルを搭載している。アンタ専用のおもちゃさ」
「お前のお下がりか?」
「さてね?」
-2-
ネバダ基地係留中、アルビオン司令室。
「ブラウン中尉が勤務拒否だとぉ!?」
素っ頓狂な声を上げるヒースロウ。
「いえ、勤務拒否ではありません」
冷静に報告する艦長、メアリー・サンズ中佐。
「只の引きこもりです。勤務自体は自室のコンピューターで変わらずにこなしています。例の件がショックで人前に出る意欲を失っているだけかと」
「………何という事だ」
これまでは、こう言った事が起こってもマニングスが処理してくれた。それどころか、そもそも問題児の塊の様なアルファ任務部隊においても、ここまでの事態になる前にマニングスはことごとく手を打っていたのだ。
学校のクラス分けで問題児が居れば、必ずそのクッションやブレーキになる人物を近くに置く、ベテラン教師のような卓越した配慮。
だが――――
寄りにもよって、本来その配慮をすべき、マニングスと同じ位階の、MS部隊長の大尉である人間が、今回の事態を引き起こしたのだ。
騙された―――。
ルーツと、己の身勝手な期待に。
ヒースロウは医務室に胃薬の出前を頼む。
生憎ベッドで横にはなれない。
これから第8期MS実験部開発部隊、新規結成の訓示を皆の前でしなければならないからだ。
まだモビルスーツのいない、がらんどうの左舷MSデッキには、第8期MS実験開発部隊のほぼフルメンバーが整列していた。
ほぼ、と言うのは、約一名は生身で無く、デッキの可動モニターパネルに顔だけで出席していたからだ。
勿論、シェリー・ブラウンである。
泣き疲れたのか眼は赤く、隈もできている。
それを見る事が出来たのは、上段の訓示席側である、ヒースロウとサンズ艦長だけだったが。
ヒースロウは胃に加えて頭も痛くなってくる。
大きく肺の全てを絞り出すような息を吐き、気を取り直し部下達を見据える。
右側には海軍MS運用研究チームとアナハイムエレクトロニクス出向チームの、MS整備、開発グループ。
先頭に立つ責任者、バリー・スミス少佐は早く済ませろと言わんばかりに欠伸をしている。
(この髭面樽め、覚えたからな!)
左側にはMS部隊員と、航海士、兵站などの一般兵種部隊の人員。
先頭に立つ責任者、リョウ・ルーツ大尉は引き締まった顔つきだ。
(優等生も出来るなら最初からやれ! トラブルを起こすな!)
ヒースロウはぐっと悪態を呑み込み、厳かに口を開く。
「第8期MS実験開発部隊の諸君、私が部隊司令のヒースロウだ。諸君は栄えある地球連邦の主力兵器たるモビルスーツの、まさしく栄光ある未来を切り拓く責を負った、スカウトされし精鋭であり―――――」
(ひゃー、来た来た精鋭よ!エッリィートよ!アタシたち!)
(ふん、まあ見る目が有るじゃねえか、あの司令官)
(だよねー)
(浮かれてるな。おめでたい事だ)
(自分達が引き立て役のモルモットだって知らないんだね)
(モルモット………可愛い!)
((んん???))
ギリィッ―――
それを聞くバックスの歯噛みは誰にも聞こえなかった。
-2-
ネバダ基地MS用舗装グラウンド。
既にクリプトの手によって屹立状態のプロトデルタの周りに次々と巨大クローラーが並ぶ。
油圧ジャッキが唸りを上げ、18メートル超の鋼の巨人、モビルスーツが次々と立ち上がる。
「すげえ」
「これが新型機?」
「格好いいー!」
だが、一機だけが取り残され立ち上がらない。
クローラーの隣でスミス少佐が端末に向かって怒鳴る。
「だから、説明だけじゃわからねえって言ってるだろう! それとも何か? こっちでテキトーにやっちまって、お前さんの可愛いALSSちゃんとやらのシステムがパーになっちまってもいいんだな? それでもいいならやるぞ! もう待たねえ!!」
『○×※△~っ!!!!!!!!!』
三分後。
アルビオンの開きっ放しのデッキから、ものすごい勢いで電動スクーターがかっとんで来る。
「この野蛮人! 変態ちびドワーフ!!」
ヘルメットを地面に叩き付けながらブラウンが叫ぶ。
「それならお前さんは、性根の腐ったダークエルフだな。まあ、それでも魂までは腐ってなかったか。早くしろ。今日の稼働実験ノルマがこなせんだろう?」
「やればいいんでしょう!」
すでにモビルスーツの頭部ユニットに押し込まれている、ALSSの未接続のコード類を、凄まじい勢いで接続して行く。一つ繋ぐたびにモニターをチェックして高速タイプで調整して行く手際は、最早神技である。
スミスが口笛を吹く。
「やるなあ。コンピューターは専門外の俺でもお前さんが超一流なのはわかるぜ」
そう言うと、傍らのルーツに目配せする。
ほら、今度はお前の番だ。
言外に言われているのは、ルーツもさすがに察する。
「……俺も認める。中尉を侮辱して悪かった」
「………分かればいいわ」
ブラウンは振り返る事無く答える。気のせいか口調は和らいでいた。
「このALSSってのはなんなんだ?」
「オート・ラーニング・サポートシステムよ。学習するサポートAI。貴方の癖を覚えて最適の操縦サポートをしてくれる。でも、それだけじゃない」
「?」
「この子にはバイオセンサーが組み込まれているの。この子自身や貴方がニュータイプになれる訳じゃあないけれど、ニュータイプの精神感応波を捉えて、貴方がニュータイプと戦うための手助けをしてくれる。自分で言うのもなんだけど、画期的なシステム」
「――――そりゃすごい。それでスケジュールには強化人間との演習も有った訳か」
ルーツは心底感心する。
そしてうっかり虎の尾を踏む。
「あんたは凄いな。少なくとも御袋なんかより、よっぽど凄い技術者だ」
「なんかより?」
「ああ」
「聞き捨てならないわね! この子の基礎設計理論を作ったのは他ならぬルーツ博士よ! 取り消しなさい!」
「お、おい、俺は」
「このアルスはルーツ博士の孫よ! あなたの甥っ子よ! 侮辱の言葉を今すぐ取り消しなさい!」
今度はブラウンが地雷を踏んだ。
「お前が、御袋の!何を知ってると!?」
スミスは二人の耳たぶを引っ掴むと、自分の顔の前に寄せる。
「「痛いッ!」」
「いいから仕事しろ。喧嘩は後でやれ」
「「………」」
やがて調整を終えた最後のモビルスーツが立ち上がる。
周りのモビルスーツよりも1メートル以上は低い、小柄のガンダムタイプだった。
そして何より―――
「何あれ?」
「骨だよな」
「スケルトンガンダムだ」
スミスは兵たちの感想を聞いて苦笑いする。
「まあ、そう言われても仕方ねえな。だが、これでも一応俺達の設計した自信作なんだぜ」
「こいつが俺の―――」
「そうだとも。ルーツ大尉。こいつがお前さんの乗機、ガンダム・システムコア・シルエット。通称ガンダムSSだ」
「悪くない」
「ほう?」
「こいつは強い。俺には何となくだが分かる」
「そいつぁ嬉しいな。嬢ちゃんもそうだろう」
「……否定はしないわ」
「では搭乗機体及び所属小隊配置を発表する」
ルーツの声にクリプト以外の顔が引き締まる。
いい機体、いい上司に恵まれる様、必死の祈りが漏れて聴こえる様だった。
「まず、A小隊、指揮及び前衛小隊は自分とガンダムSS。そして僚機二機はZプラスF型。搭乗者はシャーリィ・カーリー准尉とルーシー・ランファン准尉だ」
流麗なシルエットのZ系の機体。
「光栄です」
「「ええ~~~~っ!?」」
叫びを上げるランファンとクリプト。
「不満か?」
「機体は不満ないよっ! この子だってビッと来たから! でも上司がアンタなのは納得できない!」
「狡いッ、狡いぞルーツ! 女の子独り占めなんてハーレムかよ!? 一人ぐらい俺に分けろ!」
女性陣の、いや、みんなの白い目がクリプトに集まる。
「……言っとくがな、これはちゃんと適性だ。データを見て決めた。こいつら女子二人は前衛、特に接近戦に向いている。他の奴らはそれぞれ別の事が向いてるからだ」
「じゃあ、俺が前衛する!」
クリプトが父兄参観日の簡単な問いを出された小学生よろしく、元気よく挙手する。
「駄目だ。俺は熱くなるとむきになって前に出るタイプだから前衛しかできないし、その点お前は器用だから何でもできる。言っとくがこいつは褒めてるんだからな」
「ううっ、俺は、俺のこの天才的器用さが恨めしい!」
えーと、それでもちゃんと、この説明で納得する所は彼もプロの軍人なんですよ(とって付けたフォロー)。
「B小隊は中衛及び遊撃。小隊長はシン・クリプト中尉とデルタS。僚機二機はプロトガズィ。搭乗者はロデム・ケンザキ准尉とトマス・オコーナー准尉だ。特にプロトガズィは次期Z型量産機の本命だからな。データ供出するお前らの役目は重大だと覚悟しとけ」
巨大なバインダーシールドをアームで左右に展開した、プラスよりやや無骨なZ系機体だった。
「「はいっ」」
「……は~~い」
消え入りそうな弱弱しい返事は、本来範たるべき小隊長。
「C小隊は後方火力支援。小隊長はライル・バックス中尉とファット・バレト。僚機二機はグスタフ・ガン。搭乗者はノートン・ウォード准尉とウェイ・バードマン准尉だ」
重厚な鎧をまとい、巨大なミサイルポッドとメガカノンを肩に装備した機体。他にも手持ち火器や追加武装で、歩く火薬庫と言った風情だ。
「「「はいっ」」」
「では本日これより、フォーメーションを組みながら基本歩行稼働実験を行う! 各員搭乗!」
「「「サーイエッサ―!」」」
「………はー。この世には神も仏も無いのか」
皆が意気を揚げる中、一人テンション低いクリプトであった。
-3-
「スカウト任務。新型試作機とやらへの強行威力偵察か」
ラドックがネバダ基地近郊に集まったジオンゲリラを前に呟く。
ラドック隊の他にもゴ-ゴンからモビルスーツを供出された部隊はいた。
それぞれガルスJ3機とガザC3機を与えられている。
そして皆、それと引き換えにミッションも与えられていた。
「我が小隊が道を切り開く。異存は無いな?」
「『北米の死神』ラドック大尉に先陣を努めてもらえるなら、こちらも安心と言うものです」
「後ろはお任せください」
「側面は我らが」
-4-
ネバダ基地所属の通常部隊二個中隊は、実験開発部隊の相手を努めるべく、演習場に散開配置していた。
『大尉、新型のガンダムと言っても相手は一個中隊です。勝って鼻を明かしましょうや』
「当たり前だ。指揮官級を除いて残りは新兵だぞ。負けたら恥と思え」
通信機から兵士たちの笑いが次々と漏れる。
だが、その時―――
『敵襲です!』
「馬鹿な、演習開始時刻には早いぞ」
『違います! 相手は実弾でジオン、ネオジオン混成MS部隊! 本物の敵です! ぐわあぁっ!』
「くそっ! 全機実弾に換装! ビームを通常出力に戻せ!」
罵りながら機体の出力を上げて行く。
「ルーツ! 聴こえたな!」
アルビオン艦橋指揮席でヒースロウが叫ぶ。
『了解。全ビーム兵器封印解除します。各機、メイン機関戦闘出力に上昇まであと二分』
『こちらC小隊バックス。実弾兵器の実包換装もあと二分かかります』
「二分か……、それまで持ちこたえろよ」
『ぐわあああぁっ』
ジムⅡが、量産型ガンキャノン改が、次々と爆散して行く。
小隊長の新型機ジェガンは辛うじて生き残っていたが―――
「は、早すぎる!」
三機のドライセンが高速ホバーで翻弄する。
時に重なり合い、散開し、手が付けられない。
おまけに―――
「ファンネルだとぉ?」
後ろからも狙い澄ましたビーム。
背部バーニアがやられた。こちらの機動力はもう相手に付いて行けない。
更にトライエッジが解き放たれ、ジェガンは切り刻まれた。
「他愛も無い」
ラドックがサイコドライセンのコクピットで呟く。
『この調子なら偵察どころか、全滅させられますぜ。大尉!』
「調子に乗るな。きっとあのZプラスのパイロットが出てくる。おそらく新型に乗ってな」
『そうだ。調子に乗るな、ジェイス』
『お前まで言わなくてもいいんだよ! グェン!』
「フ」
『見ろ、大尉に笑われた』
ラドックは苦笑する。ジェイスを笑ったのでは無い。
それは誤解だ。プラスのパイロットを心のどこかで待ち望んで笑ったのだから。
空中からガザCのビームが戦列をかき乱し、ガルスJがさらに突入し攪乱する。
組織的な連携を封じられた連邦部隊は、旧式のドムやグフ、ザクと言ったMSにすら圧倒されていく。
『大尉!』
「クソォ! 新型は、ガンダムはまだなのか?」
ジェガン3機の指揮官小隊も、包囲を受け始めた。
下手に身動きもできず、必死にシールドを構えライフルを応射する。
彼等は死を覚悟し始めた。
だが―――
ゴォォォオオオ!
高出力の3本のメガ粒子ビームが空間を薙ぎ払う。
包囲右のザク部隊が蒸発した。
「あ、当たった?」
バードマンが呆けたように呟く。
『当然だろ。素人かよ』
ウォードが呆れたように答える。
『二人とも、私語は慎め』
バックスの叱責。
ネバダ基地屋上にブーストで飛び乗り、狙い澄ました射撃を放ったのはC小隊だった。
『ガザC部隊がこちらに気付いた。基地に攻撃を加えられるわけには行かん。一度降りて応戦するぞ』
「りょ、了解」
『了解』
包囲左、後ろに回り込もうとしていたドム部隊を遮ったのはB小隊。
速射型スマートガンとメガビームライフルの火箭が彼らの足を止める。
クリプトとケンザキの射撃はそれぞれドムの脚を破壊した。
だがオコーナーの射撃は後ろの地面を打つにとどまる。
『オコーナー、味方を見過ぎだ。一瞬射撃が遅れたのは、仲間に合わせようとし過ぎたからだろう? もっと敵を見ろ!』
「は、はい!」
クリプトの普段と人の変わったような正確な指摘に、オコ-ナーは恐縮する。
『無様だな』
『まったくだがそれどころじゃねー。変形して降りるぞ。ウェーブライダーで一撃離脱じゃあ、上空旋廻でもたもたしてる間に味方がやられちまう!』
「は、はい!」
『了解です』
そして、包囲正面に速射型スマートガンとロングビームライフルの火箭を浴びせ、その背後に変形して降り立ったのはルーツ率いるA小隊だった。
「あ、あたった。アタシのビーム、ザクのバズーカ吹っ飛ばしてドカーンて!」
『良かったわね~』
ランファンを優しく受け流すカーリーも、1機を墜としている。
『それより前を見ろ』
手綱を引き締めるルーツは既に2機撃墜。
『俺達の相手は一番厄介だぜ』
眼前に迫るのは3機のドライセン。
「た、助かったのか?」
ネバダ基地駐屯部隊大尉は忘我の台詞を吐く。
『た、大尉、我々は?』
「そ、そうだ、反撃だ! 撃て撃てぇっ!」
『撤退だ。ガザC部隊は最後まで重火力MSを押さえろ! 我が部隊とガルスJ部隊は、敵変形機、ガンダムを討つ! 残りはその間に退け!』
『『『了解!』』』
ラドックは吠えながらガンダムに挑みかかる。
ルーツとラドックは互いに牽制の射撃を放つ。
「この殺気」『この感覚』
「『やはりあいつかっ!』」
互いに紙一重で躱しながらまた次の射撃。
「カーリー、ランファン! 中央の奴はお前らの手には負えねー! 手を出すな!」
『了解』
『そんなのやって見なきゃ、わきゃきゃきゃ!?』
すぐに二人も左右からグェンとジェイスの機体に挟まれて、それどころでは無くなった。
ケンザキとオコ-ナーはすぐに違和感を感じた。
『反応が鈍い?』
『機体が重い?』
スペック上それは有り得ないはずだった。ガズィはプラスに機体の軽さも出力も劣っていない。
だが実際にはガルスJにいいように翻弄される。
必死で翳すバインダーシールドがすぐにボロボロになって行く。
クリプトもそのフォローに手一杯で、敵機を墜とすに至れない。
「くそっ! じり貧だぜ!」
「そんなバカな?」
アナハイムから出向のガズィ主任技師、アダム・チェレンコフ大尉相当官はアルビオン艦橋で呆然と呟く。
「バカなもクソも有るか。見りゃあわかるだろ、シールドの重さに振り回されてんだよ」
スミスが呆れに鼻を鳴らしながら答える。
「何故だ?」
「重心よりも遠過ぎる位置に重量物が有れば、そうなるのは当たり前だ。あっちのプラス連中の翼は背中、つまり重心に近い位置にあるから、役に立たねえ無駄な重量でも、悪さはしねえ。少なくとも片側ぐらいはパージできる機能も付けとくべきだったな」
「ぐっ……」
技術者の、機体の改良と言う闘いも、始まったばかりである。
「くそっ! あのデカブツ砲、意外と発射間隔が短い!」
ガザCのパイロットが毒づく。
『こっちのナックルバスターとは出力が違い過ぎます! 遠距離砲戦ではこっちが不利です』
「懐に潜り込むしかないか。全機散開して突入!」
「う、うわあ。来る!」
バードマンはグスタフ・ガンのコクピットで慌てふためく。
『落ち着け、こっちにはブラストファイヤーが有る。引きつけて撃て』
『みっともない』
『私語もつつしめ』
『……』
バードマンはガザCの突入を待ち構える。
コンマ一秒が引き伸ばされ、恐ろしく長く感じられる。
まだか?
射撃命令はまだか?
「うわあああああ!」
バードマンは耐えきれず引き金を引いた。
145ミリヘビーマシンガンが、ビームマシンカノンが、マイクロミサイルポッドが、恐るべき火力飽和攻撃を放つ。通称ブラストファイヤーである。
だがその戦慄すべき弾幕は、タイミング的に僅かに早く、回避機動を行うガザCを捉える事は無かった。
「畜生! 当たらねえ、何で当たらねえんだあ!?」
わずかに距離が遠く、捉えるタイミングを失ったのである。
『美味しい所、もーらい。ピエロちゃんありがと~』
ウォードがロングミサイルポッドを発射する。
回避のために出力の余裕を使い切った、ガザCの脚部を吹き飛ばす。
『止むを得んか』
バックスもすでにファット・バレトのインコムを解き放っていた。
3方向からの有線遠隔誘導攻撃は、別のガザCのナックルバスターと脚を貫く。
もう一機も狙いたかったが、インコムの推進剤は大気圏内では猛烈に消費するため、断念せざるを得ない。
一方、サイコドライセンのドローンファンネルは、大気を利用するジェット推進で動いており、通常戦闘下では活動限界を持たない。丸一日でも飛行していられる。
しかし――――
「躱せる、躱せるぜ! サンキュー! アルス!」
『恐縮です。大尉』
ALSSはファンネルを動かすラドックの精神感応波を拾い、ファンネルの動きと攻撃タイミングを、立体音響信号の形でルーツに予測指示していた。
だが、躱せるのはそのせいだけでは無い。
「ファンネルが、トライエッジが、振り切られるだと?」
ラドックが驚愕する。
「連邦の新型ガンダムは化け物か?」
ガンダムは有ろう事かモビルスーツ形態のまま、重力も大気も無視するかの如き、恐るべき機動を繰り広げる。手数ではこちらが遥かに圧倒しているのに、味方に手を出されないように抑え込むのが精いっぱいだ。
高出力と、何より超軽量の機体が生み出す、異次元の高速ドッグファイト能力。
グェンとジェイスもプラスF相手に、今一攻めあぐねている。
『くそっ! 何だあの長いビームサーベル? 滅茶苦茶間合いが広い!』
『トライエッジを頭部バルカンで払うかよっ?』
「くそっ! このドローンクルクル兵器め! 来るな来るなっ!」
『ふふっ。ランファンちゃん可愛い。背中は任せてね~』
「子ども扱いすんな!」
『可愛いランファンちゃんにおイタする奴は許さないわよ~!』
「人の話を聞けえ!?」
ビームマシンカノンと三連装ビームキャノンが錯綜する。
上空に信号弾が上がった。
『『大尉!』』
「味方は充分に退がったか。我々も撤退する!」
ラドックは冷や汗を拭いながら、今度は生還に全神経を注ぐ。
戦闘は痛み分けに終わった。
アルビオン艦橋。
『ヒースロウ司令、追撃しますか?』
ルーツが無線で確認してくる。
「いや、追える足が有るのは君とクリプトとプラスF二機の計四機に過ぎない。危険が多い。無理はすまい」
ガズィは残念ながらウェーブライダーへの変形機能を失っていたのだ。
『了解。それでは全機帰投します』
通信が切れる。
「戦果は我が部隊のみを見ればまずまず。だが、基地全体を見れば惨憺たる有様、か」
ヒースロウは軍帽を脱いで溜め息をつく。
「すまんがコーヒーを。ブラックは胃に悪いから、ノンシュガーのカフェオレで頼む」
-5-
アルビオンのモビルスーツデッキで、バックスはバードマンとウォードの頬を平手で張った。
「どうして指示よりも早く撃った?」
「申し訳ありません……」
「中尉、何故俺まで? 連帯責任ですか?」
「同僚への侮辱も許さん。軍に必要なのは鉄の規律と団結だ」
バックスは再度、手を振り上げる。
背後からその手をルーツが掴む。
「その辺にしとけ」
「―――――、御命令と有らば」
バックスは手を下げ、歩み去る。
「すみません大尉」
「恐縮です」
「命令はちゃんと聞けよ。みんなの命にかかわるんだからな。それと仲間に恨まれたら、回り回ってやっぱりお前とみんなの命にかかわるんだ。あいつの言いたい事もちゃんと分かってやれ」
「「はい………」」
「ルーツちゃん格好いい―――、へぶっ?」
茶化すクリプトにルーツの裏拳。
「ひどい~、ほめたのに~」
両手で顔を覆いうずくまるクリプト。
「そうは聞こえなかったぞ? 大体手加減したのに大げさに痛がんな。てめーの言うスキンシップだろーが?」
「ルーツのスキンシップには愛が足りねえ!」
「気色悪りー事を言うな!」
一同から笑いが漏れる。
ふとルーツは、デッキの通路の角から、顔を半分出してこちらを覗いているブラウンに気付く。
「ブラウン中尉」
ブラウンは呼びかけられて慌てふためく。
「中尉のアルスのお蔭で助かった。礼を言う」
「そ、そう」
「大したやつだぜ、ペンは」
「……ペン?」
ブラウンのこめかみに血管が浮く。
「何? そのペンギンみたいなブッサイクで弱そうなニックネームは?」
「ガキの頃、みんなやったゲームの主人公が、アルトリウス・ペンドラゴンだったんだ。響きがアルスになんとなく似てるだろう? だからペンだ。可愛いじゃねーか」
「信じられない、それなら普通アーサーでしょう? それよりも、アルスなら大いなる叡智の宝アルスマグナを思い浮かべるべきよ! この無教養の頭空っぽピーマン頭!」
「誰がピーマンだ!? それならお前は頭でっかちのかぼちゃ頭だ!」
「なんですってえ!?」
一同がまたも唖然呆然とする中、クリプトはまたも床に笑い転げていた。
―第3話に続く―
以下、おまけの解説コーナー。
※MS解説
●ガンダムSS
本作の主役MS。
今回出てきたのはその基本素体となる、正式名称、ガンダム・システムコア・シルエットである。
ゼータ系、いや、そもそも最初の連邦MSであるガンダムの最大の特色は、ジオンのそれに比べて軽量小型の核融合炉を複数器積む事によって、ハイパワーを実現した事にある。
だが軽量小型の核融合炉は製造にコストがかかり、少数生産機にしか採用しにくかった。
どうせ少数生産機にしか積めないならばと、より搭載器数を増やし、恐竜の様に高出力で重量増加した、ExSやダブルゼータが生まれて行った訳である。
だが、海軍MS運用研究チームはある発想に辿り着いた。
どうせ軽量小型のジェネレーターなら、それを活かした軽量の機体を作ってはどうか?と。
車やバイクでも、エンジンが小型なら、エンジンの重さを支える為のフレームもまた軽量に造る事が出来る(過去、そう言う2ストロークと言う軽量エンジンを軽量フレームに載せたマシンがあり、排ガス問題で厳しいハンデが科せられる前、世界グランプリに於いて出場バイク総てその機構のエンジンで席巻していた時代も有った)。
重い機体でもパワー任せで加速性能を同じに作る事が出来ても、軽量の方が圧倒的に小回りに優れてサーキットを速く走れる。MSならドッグファイト性能に優れた機体が作れるのではないか、と。
そうして生まれたのがこの機体である。
当初連邦は難色を示した。
『少数生産機は、一騎で多数の敵を駆逐できる恐竜であるべきだ』
ドッグファイト性能に優れると言えば聞こえはいいが、回避が上手なだけで、短時間に敵機を殲滅して友軍に貢献する能力に欠けては困る。戦線維持は量産機の数に任せるべきだ。と。
だが、この機体のコンセプトに興味を示した者達もいた。
ブッホコンツェルンとスカールグループである。
彼等が興味を示した最大の理由は、軽量のMSイコール少ない資材で建造できる機体と言う意味であった。
新興勢力がもし連邦に対抗して大量のモビルスーツを作る必要性に駆られれば、これは最大の利点である。
それでプラン通りドッグファイト能力も上がるなら、願ったりかなったりだった。
彼等はこの機体の、核融合炉を除く開発データのコピーを貰う事を条件に、スポンサーになる事を申し出た。
連邦はこれを受諾した。軽量のMSなど、ジェット戦闘機の時代に、今更軽量なだけが取り柄のプロペラ戦闘機を作るようなもので、肝心な融合炉のデータが無ければ、量産性に優れただけのおもちゃしか造れまいと。
だが、後の歴史は、それが間違いだったことを証明している。
彼等が軽量小型融合炉の製造を成功させた時、連邦は驚愕したのであった。
さて、話を本筋に戻す。
本機は可能な限りの軽量化を念頭に開発された。
ところどころ、特に脚部に於いては太腿も下腿もむき出しのアクチュエーター。
無論、装甲を付けたのと同じくらい分厚く、そしてガンダリウム合金で頑丈に作られているが、既存のMSに比べれば骨だけの『スケルトン』に見え、このMSを口の悪い者が呼ぶ別称となった。
アクチュエーターと対になる骨格は何とウェーブライダー形態時の『羽』である。MS形態ではデッドウェイトになるそれを、構造材として使ったのだ。
ダブルゼータでは盾として活用したり、他の機体でもAMBAC用のスタビライザーとする方法も有ったが、それは余分な重量の軽減であり、本機の様にゼロとまでするアイディアでは無かった。発想の転換である(某GTMのツインスイング構造程では無いが(苦笑))。
ちなみに『羽』やアクチュエーターのどちらかが破壊されても、各関節に内蔵された小型モーターで最低限動く事も可能である。ここら辺は今までの変形機の技術からのフィードバック。
変形はまず胸部が頭部やバックパックごと90度回転し、バックパックが本来頭のあった場所、ウェーブライダー形態では機体後部に来る。
肩と椀部は機体上部に移動。上に開いた元胸部中央装甲にカバーされて収まった頭部を挟む形となる。肩のスラスターはMS時に下向きだったものが180度回転して後部へ向けられる(後に出てくる大型バックパック仕様では180度回転せず、前方に向いたままブレーキスラスターとなる)。
腕の速射型スマートライフルはグリップがマニュピレーターに保持されたまま、グリップの角度が変更され、基部がスライドし、ライフルの後端が頭部の上を覆うぐらい後退する。腕も若干縮む。
股関節部分は一部装甲がマニュピレーターを覆うように、一部が機首となる様に前にせり出し変形。
そして脚部は一度180度開脚してから90度回転、更に機体の両側を挟むように後ろに向く。
腰の2門のビームマシンカノンは機首を挟み込む位置となる。
そして腿と脛の前側のフレームはロックが外され、羽として展開するのである。
ついでに下腿はやや縮み(大型バックパック仕様では縮まない)、足首は斜めとなる。
以上変形終了。
脳内3Dには骨格概要と機構が存在するが、肝心の格好いい装甲やパーツのでじゃいんをする能力が筆者には無く、イラストに起こせないのが残念無念(TT)。
○○をデザインした○○さんに依頼を発注したい所。でも同人でギャラなしコネなしだしなあ(涙)。
まあでもお頼みするだけ頼んでみようかなあ(ヘタレ)。
なお、システムコアと名前に有るように、随時増加武装システムを追加換装可能。
ここら辺はやはり、駆逐用機体としての連邦のオーダーである。
無論海軍チーム転んでもただでは起きず、後にジョブ・ジョンの元、サナリィへと発展第3セクター企業化した際に、この経験をF89、90の追加武装換装システムとして技術活用するのである。
言い忘れていたが、機体高は連邦としては小型の17メートル(通常18メートル)。ワンセブンだが必殺技はグラビトンではない。残念(おい)。Sガンダムが20メートル超な事を考えると凄い小型化。
しかし既存パーツの流用や武装など、規格の問題もあって、これ以上の小型化は断念。
ジェネレーター出力合計はExSより低いが、軽量化も有って、推力比、つまり直線加速及び巡航性能は同等のロケット並み。旋廻や切り返しと言ったドッグファイト能力は、ExSを大幅に上回る事に成功したのだ。
流石に残像は作れなかったが(笑)。
それでもデビュー戦に於いては、サイコドライセンのドローンファンネルの攻撃を、見事振り切って見せたのである。
もっともアルスの名サポート有っての事ですよ、ルーツさん。
ALICEあってのSガンダム、ALSSあってのガンダムSSと言う構図は本作も継続。でも勝手に動かしたりは(今の所は)しない。連邦のオーダーがあくまでも戦闘サポートのみだからだよねー。
現時点、ALICEは黒歴史として葬られた事すら、ブラウンにもルーツにも知らされてはいない。
全てを知るのはヒースロウだけである(胃痛の元の一つ)。
この機体の解説はこれだけ長々としたにも拘らず、その内またする。流石は主役機手間がかかるかかるwww
●ZプラスF型
Zプラス系最終試作機。通称プラスF。
FはABCDEと続いた型番の次の意味であり、ファイナルのFでもある。
何故最終かと言えば、後述のガズィが次期Z系量産機と決定しているからである。
なのになぜ作ったねんと聞かれると、至極まっとうにガズィの比較検証用である。ガズィがこの機体に劣る部分(ネガ)を発見する為だ。ネガは潰され改良されねばならない。機械の宿命であり、本機はその当て馬。
しかし当て馬と言えど、その性能はZプラス系では(ハミングバードの様な特殊仕様を除き)最も高い。
オリジナルZと同じく強化された出力系。ピーキーな扱い辛さは可能な限り最新ソフト(ブラウンも制作参加)で緩和され、状況に応じてハイモードとローモードのチェンジも可能。
何故量産機でもそれをしないかと言えば、ピーキーハイパワーな出力機関を作るには、ベースが同じでも高価なパーツが必要となるから。ここら辺バイクや自動車のエンジンと同じ。世知辛い。
デルタSと同じく強化コンデンサーも追加、両腰にはビームマシンカノン2門、両腕には2連装マイクログレネードランチャー2門、細かいパーツもオリジナルZやZⅡから流用して強化。
メイン武装は速射型ロングビームライフル。一発の威力と射程はプロトデルタやSSの速射型スマートライフルには劣るが、速射性能自体はこちらが上。そして何よりオリジナルZと同じくロングビームサーベルとしても使用可能。結果、総合白兵戦能力もデルタSに劣っていない。乗っているのが二人とも女子なので、まるで見た目は薙刀ガンダム(笑)。
A小隊、指揮及び前衛担当チームとして、ガンダムSSの僚機を務める事となった。
●プロトガズィ
後のリ・ガズィの試作実験機。通称ガズィ。
Z系だが、皆さんもご存じのとおり、胴体に複雑な変形機構を持たない。
故に新型であるジェガンの骨格、動出力系をベースに作成されている。だがジェネレーター自体は、Z系と同じく、胴体に通常型1基から、脚部に軽量小型2基に変更。潜在性能は理論上プラスFより上。
だがまだ今一チューニングノウハウが確立されておらず、現時点で上回っているとは言えない。
リ・ガズィではパージされるパーツがこの機体ではまだフレキシブルアームで繋がっており、それぞれMS形態ではメガビームランチャー、左右の大型バインダーシールドとして使用。
この構成でどうなったかは、劇中で語った通りである(TT)。
サブ武器はこの時点ではビームサブマシンガン。ライフルやWR時の小口径ビームカノン×2はまだ無い。
B小隊、中衛及び遊撃担当チームとして、デルタSの僚機を務める事となった。
●ファット・バレト
正式名称ガンダムMk.Ⅴ改修型フルアーマータクティカル(F・A・T)・バレト
バナージ君も乗ったシルヴァ・バレトの兄弟機。
FAZZがMk.Ⅴにけちょんけちょんに負けた結果、重装火力支援機をどうするか、軍上層部が考えた結果、『ならMk.Ⅴをフルアーマー化すればいいのでは?』と安直な意見を採用。
Ⅴ、正確にはその発展型のドーベンウルフをベースに制作されたバレト系に、増加装甲とバーニアを追加。胸部と脚部装甲内に収納されたインコム×3、腰部ビームマシンカノン×2。FAZZからの改良型である巨大バックパックには追加ジェネレーター、12連装4斉射マイクロミサイルポッド(一度に発車できる数は減ったが、その代わり、ポッド自体が大型化。一度撃ち尽くしても、仕切り板がパージされ、次のミサイルが発射可能となる。計四斉射発射可能)、ハイパーメガカノン(FAZZより一発の威力は落ちたが速射化)を装備。手に持つのはガンダリウム合金をも貫通する、145ミリヘビーマシンガン(ファット・バレトの重量故に、反動を抑え込んで打てる。本機や後述のグスタフ・ガン専用銃であり、通常モビルスーツはおろか、他の実験機たちにも運用できない)。
まさしくてんこ盛りである。
遠距離からのスマートメガカノンとインコムで火力支援がメインだが、その他武器全部撃ち、『ブラストファイヤー』とあだ名される近接弾幕能力は圧巻(元ネタ知ってる人は笑いましょう)。
遠距離火力支援チーム、C小隊の隊長、バックス中尉の機体。
ちなみに顔はほとんどMk.Ⅴ。
●グスタフ・ガン
グスタフ・カール改修型。
中身はほぼジェガンに刷新の上、トルクアップ(分かり易く言えばZ系のスピードアップに対して怪力増強)のライトチューンがされており、結果はガズィよりも良好。ジェネレーターも本体内に一個から軽量小型三個に。初代ガンダムと同じですね。凄いぞ、通常の三倍のエネルギーゲインだ!wwww
更に加えてファット・バレトと同じハイパーメガカノンとマイクロミサイルポッドと追加ジェネレーターとブースター付きのバックパックも装備。重装ながら、機動性は並みの量産機を上回る怪物。
でも超重量故に小回りは利かない。しょうが無い。
その為に、腰部にはやはりビームマシンカノン×2が装備され、エネルギーを消費しない実弾なので遠慮せずに同時に打てる、145ミリヘビーマシンガンとマイクロミサイルポットをも合わせた、『ブラストファイヤー』が有るのである。
それでも結果アレだったのは、バードマンの近接戦能力がアレだったから。しょうが無い。
今気付いたが、名前がバードなのに自力では飛べない機体に乗っているのはこれ如何に(無情)。
機体は結構優秀なんですよ。FAZZよりも駆動系は実は優秀。あれの駆動系ZZと違ってジム系だから。ジェネレーター出力活かせない張りぼて(マニングス談)なのね。パワーは武装に使ってた。砲台。しょうが無い。
ファット・バレトとの武装の唯一の違いは、インコムの代わりに長距離2連ロングミサイルポッド×2装備な事。
乗り手が新兵二人だからしょうが無い(繰り返しのギャグ)。
頭は顔の辺だけ陸戦型ガンダム。
C小隊でファット・バレトの両脇を固める僚機となった。
はあ、やっと主役チームMS全部紹介出来た。
ちなみに各機体はSS以外はその気になればキット流用で作成可能な筈である(……ファット・バレトは難しいか)。
お金と時間が有れば(爆)。
●ドライセン、サイコドライセン
基本的にネオジオン軍が使用していたドライセンと同じスペック。
ジャイアントバズ、両腕に三連装ビームキャノン、トライエッジなどの武装も同じである。
サイコドライセンは更にそれに加えてドローンファンネルを装備している。
ファンネルはサイコガンダムMk.Ⅱの、浮遊するだけのリフレクターファンネルなどを除き、地上では重力と大気の抵抗による、推進剤不足の理由で、飛行時間がごく短い、効率の悪い兵器である。それを解消するために、ジェットエンジンと翼を付けた、ドローンファンネルが試作された。
飛行機構は有名なイギリスのハリアー戦闘機と同じVTOLであり、ホバリングも可能。欠点は大型故に、二基しか搭載できなかった事である。基数の不足はトライエッジもサイコミュ誘導化する事によって補った。
バックパックはサイコミュユニットも含めた重量増を出力増強によって補うため大型化。出力設定も更にニュータイプ用にピーキーハイパワーにセッティングされている。
結局やりたかったのだよ、ジェットストリィイムアタアァック!(注、本作中に技名を叫んだ人はいません)
※人物解説
●ルーシー・ランファン准尉(22)
以下、AKG6(アキバガンダム6)(笑)。
中華系だが派手な顔立ち、黒髪だが前髪メッシュで一部赤と青に染めている。
見た目通り大人気ない負けず嫌い。溢れるガッツで接近戦のセンスがある。
第一話では真っ先に無力化されて、へぼい印象が有ったが、それはラドックが、距離を詰めた時に一番厄介なのは彼女だと見抜いて、集中攻撃を仕掛ける様に指示したからである。
今回は善戦したが、やはりA小隊では一番未熟なのは変わり無い。無念。
●シャーリィ・カーリー准尉(22)
ブロンドの母性溢れるお姉さんキャラ。でも怒らすと怖く、前衛を努めるのにふさわしい性格。A小隊。
今後何かとルーシーをかまってはうざがられるが、彼女は気にせずルーシーをオモチ………、もとい、可愛がるだろう。南無。
●トマス・オコ-ナー准尉(22)
落ち着きはあるが積極性に欠けるタイプ。協調性がある分、接近戦では仲間を気にし過ぎて動きが悪くなる傾向が有るため、中衛兼遊撃のB小隊に。
今回は設計ミスによってひどい目に遭ったし、僚機が自分よりも技量が上で、自分の面倒をまず見なければいけない状況になったので、彼も変わって行く事だろう。
●ロデム・ケンザキ准尉(22)
冷静だが積極性もあり、新兵6人の中では一番バランスのとれた高い技量を持つ完璧眼鏡君。B小隊。
完璧ゆえに人を小馬鹿にするのが欠点。
彼自身は優秀故、教官であったバックス中尉に一番気に入られていると思っているのだが――――。
まあ、直接の上司であるクリプトと同僚のトマスが何とかするだろう。多分(おい)。
●ウェイ・バードマン准尉(22)
接近されるとパニクる癖がある。人間関係でも虚勢を張ってやらかす人。ああ無情。
だが遠距離狙撃にはセンスが有り、C小隊に抜擢。
きっとその内芽が出るだろう。今回もアレだったが(ひどい)。
●ノートン・ウォード准尉(22)
ちゃっかり君。狙撃も立ち回りも美味しい所を横から攫うちゃっかり君。C小隊。
ちゃっかり過ぎてその内トラブルを起こす。
彼にも本当の意味で美味しい所を頂くキャラになって欲しいものである。
以上、本作におけるAKG6人衆でした。
●メアリー・サンズ中佐(36)
ヒースロウ准将とそう歳は変わらないが、本来これでもスピード出世のエリートである。
強襲揚陸艦アルビオン艦長。
色々苦労を重ねてきて、並大抵の事では動じない所が長所となった。小学生の双子の男女を養う逞しき母でもある。その分やや不感症気味。でも滅多に帰らない家庭では、繊細で優しい夫が補ってくれているので問題ない。
しかし、仕事はきっちりこなすものの、ヒースロウの精神的ストレスを和らげる役割はあまり果たさない。合掌。
●バリー・スミス技術少佐(48)
海軍MS運用研究チーム室長。事実上のMS実験開発部門の責任者である。
小柄だが兎に角パワフルな人物。平気で耳たぶを掴んで引っ張りスパナを投げる整備の鬼。今時天然記念物。
髭面で太っているので愛称はドワーフ。そしてその貌は、知る人ぞ知る往年の名レスラー、ジャイアント馬場の宿敵世界チャンピオン、ハリー・○イス(Gさん笑って許してね)。
機械以外の世事にはあまり興味ないヲタクだが、年の功で偶にいい事を言う。
後の世に、ひょっとしたら別姓で、小柄な所や性格とかが似た曾孫とかがいるかもしれないwww
●アダム・チェレンコフ技術大尉相当官(40)
アナハイムエレクトロニクスから出向してきた、プロトガズィ開発責任者。
優秀な人物には違い無いが、いまいち机上の理屈や数字を追いかけ過ぎるきらいがある。
所謂青瓢箪だが、これからスミス達に鍛えられ、一人前の技術者となって行くだろう。
ちなみに見事なアラフォーだがこの先、賢者になって異世界転移する予定は無い(おい)。
ゴーゴン、グェン他のキャラクターの紹介はまた次回以降で。
痛み分けに終わったジオンゲリラとの戦い。
だがゴップの命により再戦は許されず、当初の予定通りの演習任務を続ける。
ニュータイプとの演習を予定されたカリフォルニアに向かった彼等が出会ったのは―――
第三話 ―サイトシーイング―
てなわけで、ガンダムSS第3話は、8月初旬アップの予定です。
よろしければ、また次も読んでね!
お楽しみに~。