機動戦士ガンダムSS -アフターストーリー オブ センチネルー 作:豊福茂樹
またまた半月ぶりの御久し振りです。今回も皆様にお目通り叶い、嬉しさ感涙の豊福茂樹でございます。お初にお目にかかります方も有難うございます、よろしくお願いします。今話からでも第一話からでも、お好きな方からお読みください、きっと損はさせません!(本当か?)
ルーツ達の闘いも遂に舞台は宇宙に! 新たな人々との出会いと別れ、渦を巻く人間模様、ラグランジュ4艦隊決戦にルーツ達は間に合うのか? そしてランファンの踏み出した一歩とは?
それではどうぞ本編をお召し上がりください。
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追伸:捩じれ骨子様、熱い(?)応援感想有難うございます。本編もノリノリ(昭和)で頑張ってまーすww
機動戦士ガンダムSS
―第2部宇宙編開幕―
第7話:――ストライク――
-1-
北米大陸ノースカロライナ。地球連邦軍北米大陸統括参謀本部。
「ラマカーニ部隊の予想進路は!?」
「打ち上げ時刻と現在の軌道、地球自転及び月公転周期から計算して、最有力目的地はおそらくペズン!」
「ペズンと連絡は?」
「そ、それが、繋がりません!」
「何だと――――!?」
「爆破されたのでは無かったのか?」
「いや、一度はそうなったが、残った半分の施設にティターンズとネオジオンから接収した生産、開発設備を移設、増築して再建されている」
「………あそこには、ジオン時代からの、ニューディサイズも使った機体開発設備がある」
「それもネオジオン戦役後は、ニュータイプ専用機の研究及び開発生産が行われていたはずだ!」
「何という事だ、奴らの手に渡ったら――――」
-2-
パナマ洋上基地、アルビオン艦橋。
「19時間?」
ヒースロウが目を剥く。
「ええ、司令。最短で彼等の目的地ペズンに至るには、19時間後の打ち上げが理想です。それ以上の遅れは、航海士の計算上、数日単位の遅れとなり、彼らの軍事活動を追いかけるには非常に困難が生じます」
サンズ艦長の淡々たる報告。
「つまり間に合わんと?」
「おそらく」
「この船はミノフスキークラフト艦艇だろう? ブースター無しでも大気圏離脱が出来るのではないかね?」
「いえ、ありていに言えば気球が大気圏を離脱するようなものです」
「???」
「ふわふわ浮かぶ気球では、ロケット推進に追いつけません」
「――――っ。わかった。だが、ブースターは無いのだろう?」
「ええ、ラマカーニの一党に使われたものを除けば、すべて破壊されています」
「テムジンめ!」
ラマカーニ部隊を手引きしたパナマ基地司令テムジン少将は既に拘束されているが、何の慰めにもならない。
すると、話を聞いていたルーツが、ドリンクチューブから口を離し、口を開く。
「ブースターならいくらでもあるだろ?」
「?どこに?」
「俺の元いた第2ヒューストン基地の御隣、第1ヒューストン基地。旧NASAさ」
-3-
ロケット・バケーション・カンパニー。
第1ヒューストン基地、即ち旧NASA宇宙博物館に間借りする彼等は、他に仕事を持ちながらも、文字通り、バケーション期間に宇宙ロケットの開発をする、金と暇のある(もしくは無理やりひねり出す)おじさんたちの会社と言うか、ヲタクの集まりである。
「ようやく完成だな、サリーム」
「ああ、ヘンリー」
「お前が調子に乗ってアレコレ変な事しなけりゃもっと早くできてたのにな」
「それを言うな!」
「社長もサリームも喧嘩しない。手を動かして!」
「いやナディア、ちゃんとやってるって」
「やーい、怒られた」
「てめえもだ!」
大変仲はよろしい。
彼等は西暦時代の人類最初の月宇宙船、アポロサターンロケットのレプリカを作っている。
レトロ月遊覧宇宙船として、この宇宙世紀に蘇らせるのだ。
こう見えても中身は最新型で、切り離さずに月まで行って帰って来れる(大気圏再突入は、この時代バリュートと言う便利なものがある)。
彼等がようやく組み立てた船の打ち上げ時期を相談する為、博物館長室に向かうと、部屋からは、館長の怒鳴り声が聞こえてくる。
「馬鹿言うな! サターンは文化遺産、いや、世界全人類が宇宙に挑んだ輝かしき歴史の、掛け替えの無い至宝だぞ! 誰がお前ら軍隊になどくれてやるものか! おとといきやがれ!!!」
『しかし、我々も事によっては全人類の命運を賭けるのだ! そこをなんとか!!!』
「なら、他のロケットを束ねて何とかだな」
『そんなもの、強度計算が間に合うのか?』
「ミノフスキーなんとかだろ、空中でばらけても、ふわふわ浮かんで落っこちねえんだから別にいいだろ」
『いい訳有るかーっ!!!!』
ヘンリーたちは呆然と見ていたが、恐る恐る声をかける。
「我々は出直した方がいいかな?」
「―――――ちょっと待て」
『何だと?』
「サターンと同出力以上のロケットブースターが有ればいいんだな?」
『そうだが?』
-4-
パナマからヒューストン航路上、アルビオン居住区。
ケンザキはウォードの部屋の前に居た。
「ウォード、出て来てくれ」
ドアの向こうから帰って来るのは沈黙。
「話が有るんだ、ウォード」
返答は無い。
ウォードはベッドに大の字に寝転がり、毛布もかけず眠るでも無く、天井を見つめていた。
何をする気も起きない。
もう自分は落ちこぼれだ。
何をしても無駄だ。思うようにはいかず、思うような地位には付けない。
すると、ポケットの端末が鳴る。
画面を覗く。バードマンからのメールだ。
どうせ自分への罵詈雑言だろうと思い、画面を消そうとして、そこに信じられないものを見る。
『件名:ゴメン。俺が悪かった』
バードマンが、自分に謝るような何かをした覚えが無いのに、何故――――――?
-5-
アルビオン食堂。
ランファンは項垂れていた。
「………ルーツって、格好いいよな」
「ランファンちゃんも格好いいわよ~」
「お世辞はいいよ、カーリー。アタシなんか、あいつに比べたら自分の事だけで手一杯で、てんで餓鬼だよ」
カーリーも二の句を継げず、沈黙が落ちる。
「まあ、そりゃそうだよな。てんで餓鬼。お子ちゃまだ」
クリプトがとどめを刺す。
これにはカーリーも怒りを覚え、彼を睨み付ける。
「おーこわ。でも仕方ねーじゃん、本当の事だからな。
だけどな、三年前のルーツなんか、まんま今のランファンちゃんと同じか、下手したらもっとガキだった。俺だってそうさ。餓鬼だった―――――
大人でいてくれたのは、本当に格好良かったのは、マニングスって言う、今のルーツと同じ大尉、当時の俺達のMS戦隊長だったんだ。
俺たちゃ今でこそ英雄だなんて言われてるけど、あの戦争での本当の英雄が誰だったか知ってる。
だから、今の俺達が有るんだ。
ちっぽけな自分に自惚れて、マニングスを目指さないままだったら、やっぱり餓鬼のままだったろうさ。
だから、今からルーツを目指せばいーじゃん。
何せ、ランファンちゃんは、ルーツによく似て可愛いーんだからな。
きっとなれるさ」
クリプトの輝くような笑み。
「――――っ!」
ランファンは、顔を赤くして背けた。
-6-
アルビオン居住区。
ウォードは自室で画面を食い入るように見つめる。
『悪かった。お前を一方的に悪者みたいに言ってよ。オコーナーに叱られたんだ。
美味しい所を攫われたって言っても、それってお前の命を守ってくれたって事じゃないか!―――って。
その通りだよな。チームだから、仲間なんだから。
スコアなんてたまたまで、みんなで生きて帰る事が一番大事じゃないか。
だからゴメン。そして何より有難う。守ってくれて。だから元気出せ!』
「なんだよ―――――」
ウォードは呻く。
「馬鹿じゃないか? この前、ジオン残党とやった時、俺達を守ったのはお前だろう? 馬鹿じゃないか?」
『追伸:でもナンパの時は、意気地の無かった俺も悪いけど、お前が悪かったのは取り消さねえからな!』
「馬鹿野郎、生意気なんだよ、落ちこぼれの癖に―――――」
自分でも意外だった。
涙を流すなんて。
「ウォード、開けてくれ!」
自分を呼ぶケンザキの声。
涙を拭い、ベッドから起き上がり、鍵を開ける。
「何だよ?」
「いや、言いたかったんだ」
「だから何をだよ?」
「有難うって。控えめに言っても嫌な奴だった、僕の友達でいてくれて。
『美味しい所、もーらい』なんて言いながら、いつも背中を守ってくれて、コンビでいてくれて有難うって」
「馬鹿野郎―――」
今度の涙はもう、拭っても拭っても止まらない。
「馬鹿じゃないか? どいつもこいつも―――、そんなの、俺が言うべきセリフじゃないのかよ―――――」
-7-
旧NASA、第1ヒューストン基地。
突貫工事でブースターの取り付け作業が進む。
アルビオンの船体左右の後に、それぞれ大型液体燃料ロケットが据付けられ、そして中央後部に、それよりも更に巨大な超大型ロケット、『アポロサターンレプリカ号』が据付けられる。
レプリカ号の本来のコクピットである三角錐、本来のアポロであれば大気圏再突入ユニットの部分は、アルビオンとの接続の為に取り外されて、操縦機器はその後部、本来の月着陸ユニットと月周回ロケットの部分である、レプリカ号では遊覧用の客席部に移される。
「何故わざわざこんな事をするのだ?」
ヒースロウがヘンリーに詰め寄る。
「まだコンピューター制御が完璧じゃないんでね。人も乗らなくちゃならない」
「そうか、ならばこちらには、ALSSと言う優れたコンピューターシステムが有る。接続して小1時間も有れば、この程度のロケットなら完全に掌握する事だろう」
その言葉にヘンリーの、サリームの、ナディアの、カンパニー一同の顔が青ざめる。
「あら、そんな事には私の可愛いアーサーは貸さないわよ」
ブラウンが口を挟む。
「何だと?」
「カーッ! 本当にわかってないな、この坊主は」
今度はスミスも。
「一体何をだ?」
「いい? この子は彼等が手塩にかけた可愛い子供なの。いくらゴップ議長が、丸ごともう1基作り直せる補償金を払う約束でも、この子は彼等にとって掛け替えが無いのよ! 使い捨てなんてもっての外!」
「そういうこった。なら、てめえらの手で操縦して、この基地に無事に還したいってのが人情ってもんだ」
「――――っ、この私を悪役扱いか。いいだろう、そこまで言うのならば君達が責任を持って彼等を手伝い給え! ただし言っておくが、この先ガンダムの宇宙空間適応への仕様変更、サイド4の海軍MS研究チーム本部からの補給船との合流、追加ユニットの接続と調整。お前等にペズンまで休む暇など無い! 疲労が原因で整備ミスなどしてみろ! ただでは置かんからな! 覚悟しろ!」
面々は手を叩き合い、抱き合って喜ぶ。
「では私も手伝います。人手が多い方が早く済むでしょう」
チェレンコフがどこか吹っ切れた顔で申し出る。
「ガズィの改良の方はどうした?」
「プランは完璧に立てました。後は部下任せで構いません。うるさく言う上司がいない方が捗るでしょうよ」
「……言う様になったな、君も」
「上司と同僚に恵まれましたからね」
やがてアルビオン打ち上げまで百秒を切り、カウントダウンが始まった。
シートに固定されたケンザキとウォードが呟く。
「結局、バックス中尉に面会させてもらえなかったな」
「医療士官の許可が下りないんじゃ、仕方がないさ」
「本当なら、補充要員と交代させられるのを、ルーツ大尉達が強硬に反対して、なんとかってとこらしい」
「……きっと、俺達の所為も有るよな」
「ああ、早く面会できるぐらい回復して欲しいよ」
「どうしたもんかなー」
ルーツがぼやく。
「お前のいつも通り、出たとこ勝負でいいんじゃねえ?」
気楽に笑うクリプト。
「違いねえ」
「出た後ぐらいは考えなさいよ!」
ツッコむブラウン。
「チッ、ヒースロウと同じ事言いやがる」
「不満?」
「有り難過ぎて涙が出らあ」
「ウヒャヒャヒャ」
いつものやり取りに馬鹿笑いするクリプト。
「もう時間だぞ、舌噛むぞ! 気を付けろよ!」
「ウヒャ、わりいわりい」
「ランファンまで小姑かよ」
ぼやくルーツ。そして複雑な顔のカーリー。他の面子はそれぞれ覚悟を決めた風だ。
『スリー、トゥー、ワン、テイクオフ』
激しい振動、そして襲い掛かるG。
-8-
巡航哨戒中のギャプランのコクピットから、シェイドはアルビオンがヒューストンから大西洋に向け、宇宙に上がる噴射炎の軌跡を眺める。
「行っちまいやがった」
ギャプランのモニターに、もう何度も繰り返し見たメールを呼び出す。
『負けたのが演習で良かったなwww 精々歯軋りして悔しがって訓練しろ、バーカ! 本番で死んで、またあの世でマニングスの手を焼かせて迷惑なんぞかけたら、承知しねーからな!』
「チッ!」
置いて行かれた悔しさに、舌打ちし、歯噛みする。
戦場など散々で、懲り懲りで、もう二度と行きたくはないとは思うのに、それでも――――
「お前等こそだ! この阿呆共!!」
宇宙へ上がる二人が、眩しくて羨ましくてならない。
他の誰かをあの地獄に送るよりは、自分が―――――と。
-9-
アポロサターンレプリカ号は、無事にアルビオンと分離し、減速、軌道修正後、大気圏に再突入した。
全てが終わった後、この船は『地球を救った会社と宇宙船』として話題になる事となり、レプリカの数を後に五隻にまで増やしたにもかかわらず、長い乗船予約待ちが、いつまでもいつまでも途切れる事は無かったと言う。
-10-
ラグランジュ4宙域、小惑星ペズン。
「お待ちしていました。ラマカーニ准将」
「有難う、ゴーダ大佐」
「ゼクドライ12機とサイコゼクドライ4機は、すぐにお渡しできます。バーザムとハイザックカスタムも、滞在中に生産できる数は全て」
「助かるよ。何せこちらはよりによって、MSを満載していたコロンブスを墜とされ、半数近くの機体を失った。補充が多いに越した事はない」
「ただ、サイコガンダムMkⅢとサイコSガンダムはまだ未完成です。研究用に解体されているノイエジールⅡも、再組立てには時間がかかります。申し訳ありません」
「済まんが急いでくれたまえ。その3機が揃えば、連邦の通常戦力など、物の数ではあるまい」
「ええ、間違い無く」
「これが君達の機体だ」
「ザクⅢに似ているな。アヴァン“大佐”」
「そうだ、ラドック“団長”。ザクⅢとゼクシリーズの素体は、もともとペズンで研究開発されていた、ザクⅡの後継機データが元だからな。似ていて当然さ」
「ファンネルは、大型が4基に小型が6基?」
セヴが技術者に訊ねる。
「ええ、大型はアナハイムの新規設計です。再充電しなくてもマイクロエネルギーCAP方式で連続発射可能ですよ。小型は、ネオジオンの量産型キュベレイ用の接収物の流用で、普通の充電式ですね」
「姉さんと同じ10基、操れるかどうか不安」
「すぐに慣れる。ノイ」
「ゴーゴン君の機体はファンネル無しでいいんだな?」
「ああ。サイコミュユニットさえ積んであればそれで構わないよ。ファンネルは、有っても使えない」
「メデューサで無くて大丈夫か?」
「正直に言うと、サイコミュユニット、バイオセンサーだっけ?の出力自体はメデューサより上だけど、アタシの能力専用じゃないからね。サイコウェーブの維持はちょっと疲れるかもね」
「分かった。それはフォローする」
「チッ、そう言う事さらりと言うから」
「?」
「何でも無い」
「済まんな。我々の機体が失われなければ、苦労はさせずに済んだものを」
「だから、アンタが謝るこっちゃないよ!」
「グェン君とジェイス君にも、通常のゼク・ドライ2機を回そう。ただし、他のジオン義勇団の面々に回すのは、旧式のハイザックカスタムで我慢してもらう」
「ジムやバーザムを回されるよりはましだ。説得しよう。ただし、拒む者は快くサイド3に還してやってくれ」
「当然さ。君達はその為と、真の戦士の『義』に依って協力してくれるんだからな」
「頼む」
皮肉にも、ジオン義勇団と帰還を望む元ジオン兵達は、機体こそ墜とされたコロンブスに預けていたが、人間は厳重な監視下に置くと言う理由で、全ての者が旗艦ウラケノスに乗船しており、残らず宇宙に上がれたのだ。
元ティターンズ兵士の多くがコロンブスと機体とともに、地球に取り残されたにもかかわらず。
-11-
地球・ラグランジュ4中間宙域。
「あれかな?」
宇宙空間で、ビグロ改のコクピットから、ウェストが光を見つける。
コンテナ船の上部に設置された甲板にドッキングした形のそれは、いざという時に砲台として、また時に分離してMAとして、輸送船を護る。旧ジオンのビグ・ラングシステムを、ウェスト達が研究して改良したものだ。
長距離ブースターを追加したベースジャバーに乗った、ジムⅡ2機も随伴している。
「ルーツもクリプトも、元気かな?」
-12-
地球連邦軍、ラグランジュ4宙域、サイド2及びサイド5駐留防衛艦隊。
サイド2艦隊、旗艦マゼラン改級ハルバード。
「やっと合流できましたな」
スタンリー提督が、司令席で白髭をしごく。
『戦は万全で臨むに限りますな。何故ペズン入港前に阻止しなかった?など、兵の士気と現場の指揮を知らぬ、頭でっかちのデスクワーク参謀の戯言』
サイド5艦隊、旗艦マゼラン改級ナーガの司令席で、ウォン提督も太鼓腹を揺する。
「戦力は、艦砲火力でペズンの固定砲台を含めてもこちらが5倍近く」
その数は輸送補給船を除く戦闘艦艇にして、21隻の正規一個艦隊が二つ。計42隻。
対してウラノス、ペズン側の戦闘艦艇は、5隻と3隻の僅か計8隻に過ぎず、中でも火力に優れるマゼラン級戦艦は、ウラケノス只1隻のみ。
『MS戦力は、情報部の推測データによるとこちらが2倍程度。攻城戦の定石の3倍には足りませんが、なあに、向こうは逆にMSでこちらに無理な強襲を仕掛けざるを得ない。むしろ防御戦の利はこちらに有ります』
「然り然り。増援の強襲揚陸艦1隻など待つまでも無いでしょう」
『士気の高まっている今が、仕掛け時ですな』
-13-
アルビオンMSデッキ。
「リョウ! シン!」
「「テックス!!」」
3人はファーストネームで呼び合い、ハグし、小突き合い、旧交を温め合う。
その一方では―――、
「よくやった、オズ。ストライクユニットとストレートユニットの配達御苦労」
「いえ、スミス少佐。当然の事をしたまでです。それと…………、他にも話が有るんですが―――」
「なんだ? ユニットになんか支障でも出たか? どうにかしてやるから、何でも思い切って言ってみろ」
「は、はい、それじゃあ、遠慮なく―――」
「いいから早く!」
「はいっ! お、お嬢さんを僕にくださいっ!!」
「………。なあぁんだとぅぉぉぉおおおお!!??」
「あら、めでたいじゃない」
微笑むブラウン。
「いい訳有るかああぁぁっ!! 見ろ、こいつの頭を!」
「?、!。――――ハゲね」
「お恥ずかしい限りです」
「だからどうしたの?」
「いいか、もしコイツとうちの可愛いスザンナの間の子や孫に、男でも生まれてみろ! 言いたかねえが、チビでハゲになるんだぞ? どれほど惨めで女にモテねえか、苦労するか、火を見るより明らかだろうがっ!」
「あの……、実は――――」
「ま、まさか――――――――――!?」
「もう、できてしまいまして」
ぱったん。
―――スミスは倒れた。
「お、お義父さんっ!!!」
「バリーっ!?」
だが、その後の作業はオズ技術中尉が優秀だったお蔭で、特に支障は無かった。
途中で目を覚ましたスミスは、借りを作った形になり、その後特に反対する事も言わなかったらしい。
ちなみに、その後の風の噂によると、チビでハゲとして生まれたある男の子は、周囲の心配をよそに、背が高く黒髪で切れ長の目の美女を彼女にし、高齢のバリーをして「思い残す事は無い」と、大層安堵させたらしい。
-14-
ラグランジュ4宙域。
「ば、馬鹿な!?」
サイド2艦隊旗艦ハルバードのブリッジでスタンリーが呻く。
「こんなはずでは―――」
眼下で繰り広げられる光景は、まさに蹂躙であった。
ジムⅡやジムⅢが次々と戦闘不能になって行く。
手や足、頭部を吹き飛ばされて。
「貴方まで真似しなくていい。ノイ、貴方はまだ10基のファンネルに不慣れ」
『……お兄さんは、勝者でも正義でも、何をしてもいい訳じゃないって言った。お兄さんは、言葉通りコロンブスに乗った人達を殺さなかった』
2機の白いサイコゼク・ドライが戦場を制圧して行く。
だが、融合炉を撃ち抜かれ爆散した機体や、コクピットを撃ち抜かれた機体は、少なくとも、この姉弟が仕留めた機体の中には、無かった。
『だから、姉さんもそうするなら、僕もそうする』
「……そう」
セヴの唇の端に浮かんだのは、まるで泣くような笑み。
彼女達だけでなく、元ティターンズパイロットも、彼女らの影響を受けてなのか、やはり元同胞の意識があってなのか、とどめを刺す者は少ない。
『俺達甘いですかね? アヴァン大佐』
「……いや、後の事を考えれば、余裕のある限り、そうした方が政治的に優位に立てる。間違ってはないな」
『そ、そうですよね』
『この、ゼク・ドライの性能ならば!』
黒い10機のゼク・ドライに宿るのは、慢心か、打算か、高潔か?
『ラドック団長、俺達もああしなくていいんですか?』
『甘い事を言うな、ジェイス!』
「そうだな、グェン。私にはお前等の命の方が大事だし、所詮傭兵で、元々敵で、奴らに取っては『死神』に過ぎん。むしろ敵に情けを掛けるなら、少しでも早く切り込み、敵の旗艦を墜とすべきだ」
『そ、そうか、そうっすよね!』
「と、言う訳だ。頼んだぞ、ゴーゴン」
『ふんっ、任せなよ!』
赤いサイコゼク・ドライのサイコミュユニットが唸り、眼前の敵の半数以上が戦闘に支障をきたす。
緑のサイコゼク・ドライ、2機のゼク・ドライと、2機の赤いハイザック改が、連邦部隊を切り裂いて行く。
旗艦を目指し、命ごと薙ぎ払い。
「ば、馬鹿な馬鹿な馬鹿なぁあっ!?」
それがスタンリー提督の最後の言葉となった。
『チェックメイトだ』
ラドックのビームバズーカと10基のファンネルが、ハルバードのブリッジを容赦なく撃ち抜く。
-15-
強襲揚陸艦アルビオンのブリッジでヒースロウは呻く。
「―――何故?、待てなかった!」
ニュータイプに対応できる部隊など、カラバ隊のアムロ・レイ他少数を除けば、我々位しかいないと言うのに。
「ルーツ、行けるかっ?」
『AB小隊準備完了! C小隊もウォード、バードマン準備完了! いつでも行けるぜっ!』
「至急発進せよ!」
『オーライ、準備完了全機、及び、ガンダムSSストライクシルエット!出るっ!』
-16-
サイド5艦隊、旗艦ナーガ艦橋。
「て、撤退、撤退だ!」
ウォン提督が些か遅きに失した命令を下す。
「提督、通信です」
「誰からだ?」
「MS実験開発部隊司令ヒースロウ准将! 援軍ですっ!」
「ひ、ヒースロウ君、遅いぞっ! 何をやっていたのかねっ?」
『到着予定時刻は、予め通達していたはずですが?』
「せ、戦場においては臨機応変にっ!」
『提督が臨機応変に物理や天文法則までお変えにできるのなら、後で苦言はいくらでも受け付けます。それより、もうじき我が攻撃部隊がペズン発電施設と砲台を黙らせます。その混乱の間に部隊を再編され、戦線を戦略的にお下げになられるのがよろしいかと小官は愚行致しますが、如何に?』
「ぷっ」
ヒースロウの余りに淀みの無い鮮やかな物言いに、通信士官が思わず吹き出す。
「わ、分かった、一考の余地はある」
-17-
ルーツは砲撃をかいくぐる。
おそらく加速Gは、昔同じようにペズンにBstSガンダムで突入した時より高い。
だが、ルーツは不思議なほど落ち着いていた。
(最初の実戦と同じ任務とはな)
衛星ミサイルや砲台は、その全てが再建されてはいなかった。
超高速にも拘らず、背に積んだ艦艇クラスの巨大ビーム砲を、確実に残りのそれに命中させていく。
すると迎撃MSがやって来る。
ストライクシルエットは一旦、大きなループを描く。
AB各小隊機が追い付き、突出していたルーツと再度編隊を組む。
迎撃部隊が怯む。
そして空いた僅かな綻びに、ルーツは迷う事無く飛び込む。
それを追いかけようとするMSに、クリプトやランファンたちが立ち塞がる。
「ルーツだけにいい恰好させるかああぁっ!」
ランファンがロングビームサーベルで、ハンブラビの両腕を切り落とし、返す刀で頭部と両肩のビームカノンも斬り落とす。。
「や、やった? やれちゃった?!」
『ウヒャヒャヒャヒャ!じゃあ、俺もそうすっか!』
クリプトがガブスレイのライフルを狙い打ち、更に腰のビームマシンカノンでビームカノンも両肩ごと壊す。
『嘘?』
『マジ?』
『―――っ!』
『別にお前らまで真似しなくていーぜ』
『馬鹿にしないで下さい。中尉達がそうするなら、僕だって二人に余分な敵を近付けさせない事ぐらいはできるっ!』
『邪魔な敵を追い払うぐらいならっ!』
「お、お前等バカア?」
『貴女に言われたく無いですね』
『そうだよ今更』
『俺も俺も』
『味方のピンチ救って美味しい所頂くのは、俺の役目だからな』
「バードマンとウォードもかよ?」
『………』
カーリーも黙って敵部隊を追い払う。
彼女は悔しかった。
何故自分はランファンと同じ気持ちで戦えないのか、それをする技量も勇気も無いのか。
いま、彼女の隣に立つクリプトの様に―――――
そしてルーツはメインと予備の二つの発電衛星も破壊した。
アヴァンやラドック達は大至急ペズンに引き返したのだが、その時既にルーツ達は撤退した後だった。
ラグランジュ4連合艦隊は辛うじて壊滅を逃れ、合流したアルビオンとともに、ペズンに陣取るウラノスと、遠巻きに睨み合いをする事となる。
-18-
アルビオン、ブリーフィングルーム。
ヒースロウは居並ぶMSパイロットに辞令を下す。
「ランファン、カーリー、ケンザキ、オコーナー、ウォード、バードマン各准尉。君達を戦時特例法に基づき、准将権限において少尉に昇進を任命する」
彼等は喜びよりも、まず呆気にとられた。
「これで君達は正式な士官だ。同じ士官として対等に医療担当士官と意見を交わす権利を持つ。バックス中尉を、君達の手でどうにかしたいのだろう?」
徐々に、呆気が喜びに変わって行く。
特に、ケンザキとウォードの、心と顔の輝きに。
「「有難うございます!」」
「やったじゃん」「俺も相談に乗るよ」「俺も俺も」「なんだかんだ言っても私にとっても恩師ですしね~」
「恩に着るぜ、ヒースロウ」
「いよっ、名指揮官!」
「ルーツ、クリプト。恩に感じるなら調子のいいおだてでは無く、仕事で返したまえ。それに、彼等のこれまでの働きは昇進に値する。私もそれに報いただけだ」
「「へいへい」」
-19-
アルビオン居住ブロック。
医療担当士官の立会いの下、ケンザキ達はバックスの部屋の前で、彼に懸命に呼びかける。
「中尉、出て来てください、お願いします!」
「謝らせてくれよぉ!」
「謝るだけじゃない! 僕達は僕達の道を見つけたんです! 貴方はちゃんと僕達の味方だった! だから、有難うを言わせてください!」
『帰ってくれ』
ドアの向こうから帰って来たのは拒絶の声。
『私はそれに値する人間じゃない、ただの子供だったんだ。幼稚に君達に規律と団結を押し付けただけ……、大尉達の足元にも及ばない。人にものを教えたり導いたりする様な人間じゃあなかったんだ』
ッガアアアアァアン!!!!
突然ルーツが切れてドアを蹴り付ける。
「いい加減にしやがれ! 規律と団結を押し付けたんなら、それをするだけの理由が、お前の気持ちが有るって事だろうが! どんなに幼稚だろうが何だろうがどうでもいい! 他人の御題目に縋る前に、テメエの言葉で、テメエの気持ちで喧嘩しやがれ!!」
「「「大尉!」」」
医療士官を始め皆がルーツの暴挙を取り抑えにかかる。
だが、ルーツは、その瞳の意志は、小揺るぎもしない。あるのはただ、強い炎の揺らめき。
「だってそうだろうが。人間ってのは、誰だって、好きな何かを愛する、誰かを愛するテメエの気持ちで、現実に喧嘩売って、幸せになる為に、幸せにする為に生きてるんだ。それが人生だろ? 違うって言うのかよぉ!?」
―第8話へ続く―
おまけ。
ガンダムSS設定。
※機体解説。
●ガンダムSSストライクシルエット
ガンダムSS第3形態。
機体コンセプトは勿論、ストライクの名が示すように、マスターグレードプラモデルで皆様おなじみの、プラン303E『ディープストライカー』と同系の機体(シードの某ガンダムじゃないよ)。
303Eは机上のプランで終わったが、それを引き継いだ当機はちゃんと完成し、実戦に投入された。
303Eではアーガマ級(アイリッシュ級)主砲の大型メガ粒子砲だったが、ストライクシルエットではより現実的に、高機動を活かして接近しての射撃ならば、拠点破壊と言えどサラミス級巡洋艦主砲の中型メガ粒子砲で充分。と、主砲サイズをダウン。
バックパックはスマッシュシルエットでも使用した強化バックパックに加え、更に通常バックパックもくっつけると言う、やはりBstや303Eと同様の手法で増強。プラン303Eと同等かそれ以上の推力比を実現した。
他の装備はやはりバックパックにディスク型レドームと、ビームマシンカノンを2門追加(計4門)。更にこれでもかと、実体弾の90ミリマシンガン4門のファランクスユニットを追加。それとIフィールドユニットである。
90ミリマシンガンはガンダリウム装甲を貫通するには本来威力不足だが、弾丸自体もガンダリウムジャケット(重金属をガンダリウムで覆う事。某ブルー漫画のルナチタニウムジャケット弾と同じ)にする事で貫通力を獲得。しかし、ガンダリウム合金自体が超軽量の金属なので、貫通はしても内部を破壊する能力はイマイチな処を4門装備で補っている。
何よりビームマシンカノン×4と合わせての弾幕能力は高く、補助兵装として採用。
さて、話を元に戻すが、主砲サイズをダウンしたお蔭で、全体を軽量にすると言う、SSの機体コンセプトは保っているのだ。303EがA10サンダーボルトなら、ストライクシルエットは爆弾や対地ミサイルを積んだF22戦闘機並の性能を確保。通常MSは未だにF15イーグル(デルタSなどの高級機がこれ位)どころか、それ以前のF4ファントムやMigフィッシュペット並の性能なので、実戦で充分なドッグファイト能力を持つ訳である。
だが、ドッグファイトを挑む敵機を振り切れてしまうので、作中ではあまり関係なかった(苦笑)。
●ゼク・ドライ
名前の通り、ゼクシリーズ3番目の機体である。
機体コンセプトとしては、高性能ではあったが、重量級機体のゼク・ツヴァイを、接収研究されたザクⅢの技術を取り入れる事によって軽量スリム化。更にエネルギー兵器を扱いながらも高機動を保つ為の、ジェネレーター出力やコンデンサーの強化、と言った、実験開発部隊ガンダムと同様の手法で改良、開発が為されている。
主兵装はビームマシンガン、またはビームバズーカ。内臓兵器として、胸部に105ミリマシンガン(ガンダリウム装甲以外には充分な破壊力を発揮)×2、スカート内にザクⅢ同様のビームガン×2。加えてこれまでのゼクシリーズ同様、状況に応じてシュツルムファウストなどの追加兵装を装備する為のウェポンラックを複数装備。
実験開発部隊ガンダムに匹敵(化け物SSを除く)する、かなりの高性能機となった。
●サイコゼク・ドライ
その名の通り、ゼク・ドライにサイコミュユニット(アナハイム製バイオセンサー改。カミーユがZで使用した物より、安定性安全性を重視した為、若干性能は落ちている)を搭載した機体。
ゴーゴン以外の機体についている小型ファンネルは、作中で触れた様に量産型キュベレイ用の接収物を流用(某ヘビーガンダムと同じ)だが、大型のファンネル(と言っても、ドローンファンネルやエルメスのビットに比べれば、融合炉を内蔵していない小型)は、新型マイクロエネルギーCAP方式の採用により、本体に戻って再充電しなくても、複数回の発射を可能とした、後のヤクト・ドーガやサザビーに装備されたのと、ほぼ同じ機構のモノ。
本来これはアナハイム内と言えど、ジオン系の技術であり、シャアが連邦への供給をストップさせる権利人脈を有していたため、後にアムロが独自にフィンファンネルを開発せざるを得なかった顛末は、余談である。
●バーザム
名称はただのバーザムだが、実際にはペズンで改修されたオリジナルタイプである事は、センチネルと同じ。
●ハイザックカスタム
ハイザックにやはり、ジェネレーターやコンデンサー等の強化を施した機体。バーザムとほぼ同性能。
だが、ザクフレームと連邦フレームの違いからか、若干ハイザックカスタムは格闘と狙撃寄り、バーザムは通常の射撃戦寄りの性能を持つ事となった。
またまた余談ではあるが、後にザクフレーム自体がジオンの技術権利であると主張して、ジオンと連邦間で法的所有権闘争が発生し、連邦にとっても既にジェガン大量生産が決まっていた事も有って、ハイザックカスタムはその後、ジオン共和国が生産運用する権利を持つ事となったのである。
●ビグロ改
作中でも触れたように、イグルーのキャデラックさん達のビグラングシステムの発展改良形である。
ちなみに前にまるで、テックスが「ルーツをやらせはしない!」とか言って、庇って死ぬパターンになるかも、みたいなフラグを書いたが、少なくとも今回はあの後すぐ別れたので、その問題は先送り(ホッ)。
別れたのは、今度は月にアレ(って何?)を取りに行ったから。
●ベースジャバー
取り立てて書く事でも無いのだが、一応、長距離ブースターはフルアーマーユニコーンの背中にも付いてたあれですよ、と言う小ネタ。ウェストたちの部署の要望も、あのブースターの開発経緯に一枚噛んでたのね(笑)。
※キャラクター解説
●ストール・マニングス(享年36)
かつてリョウ達が所属し、ヒースロウが率いていたα任務部隊のMS戦隊長兼、戦技教練だった人物。ペズン・月面紛争、ニューディサイズとの最後の戦いで命を落とす。
人柄は頑固だが、実直で面倒見のいいお人好し。一年戦争時に仲間を庇い片足を義足に。それ故に最後の戦いまでは彼自身が実戦に参加する事は無かったのだが、そこで彼が相手をしたのは、有ろう事か庇ったかつての仲間だったのである。
昔のリョウは最初は訓練で厳しく当たる彼をサディストと呼び、今のランファン達のように反発していたが、後には、親の無い彼にとって父のような存在となっている。
ってこれ、ホントはセンチネルを知らない人の為、第一話で真っ先に入れておかなきゃいけなかった解説ですね、説明不足で申し訳ありませんでした。m(--)m
●スタンリー提督(62)
中将、サイド2配備艦隊及び、ラグランジュ4宙域司令兼任。
連邦の基本戦術、『物量によって効率的に敵を制圧する』に於いては、間違いなく有能な人物であり、味方の損害を抑える事に長ける、ちゃんとした戦歴を持っていた。
だが、ニュータイプ戦力と言うものを、風聞でしか耳にした事が無く、尾ヒレの付いた戦場伝説程度の認識しか無かった事が、彼の最大の敗因、そして死因となったのである。
●ウォン提督(57)
少将。サイド5配備艦隊司令。
スタンリー提督と同様であるが、こちらは幸か不幸か運よく存命。巻き返しは成るか?
●テックス・ウェスト中尉(26)
そんな訳でやっと登場。でもすぐに今度はアナハイムに行きました。
●ゴーダ大佐(47)
ペズン基地臨時司令。
本来の司令であるクレイマン准将は、ゴーダを始めとする親ティターンズ派によって軟禁中。いと哀れ。
●ヘンリー、サリーム、ナディア
本作はフィクションであり、実在の人物とキャラクターとは関係ありませんよ斉藤(筆者のなろう掲載別作品、『六枚の翼』『八枚の翼と大王の旅』のキャラ)さん(苦笑)。
●ピエール・オズ技術中尉(27)
海軍MS運用研究チーム所属。配置こそこれまでサイド4本部勤務だったが、本来スミスの部下である。
本文中でも語ったが若ハゲ。が、流石スミスの部下だけあって、腰は低くとも肝は太い。
後の子孫達もまた、負けず劣らず肝が太いらしい(また小ネタ)。
この度めでたくバリーの許可を得てスザンナ・スミス(23)と婚約。式は3か月後の6月の予定である。
お幸せに。―――と、綺麗にまとめた所でまた次話へ!
遂に切られる連邦最強の切り札。
ルーツは暴挙を咎められ1日の謹慎に。一方ランファンたちは戦争の『結果と現実』を目の当たりにし、バックスはルーツを羨む内心を吐露する。
「だからもういい」「後はお前の好きに生きろよ」 ルーツはバックスにそう告げ、ガンダムSSストレートシルエットで再び彼の闘い、ロックンロールへと向かう。
そして、一人取り残されたバックスは―――――
第8話 ―ストレート―
ってな訳で、いよいよ宇宙に鳴り響くロックンロール! 君よ、括目して観よ!!
ボルテージはMAXでお届けいたしまーす!!
是非とも!また次も読んでね!
おっ楽しみに~!
(^^)/