陛下の友人は躊躇を忘れました   作:扶桑畝傍

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その①

さて、

どこから手を付けようか?

今、俺が居るこの『土地』は

なんにもない荒野

この見える範囲と、山の麓までが『俺の土地』

辛うじて雑草が生え、ぽつぽつと木が少し

「ふむ、

 先ずは『土精霊から』呼びますか。」

そうここは異世界

理由は解らないが、

この近くにある街道に倒れていて

丁度、視察帰りの『国王陛下の車列』が俺を見つけた

最初は街道脇に放り投げられたけど

「ぐぇっ!?」

って、声をあげたから助かった

陛下は優しくて、「良かったら家に来ないか?」

って言うもんだから「はい、このままじゃ野垂れ死ぬので。」と

転がり込んだ

そうこうしている内に陛下と和気あいあいし、

色々法律やら兵站についても話し込んだ

事務総監に「夜更けまで何やってるんですか!!」って、

怒られたりもした、だって陛下、面白いからね~

んで、『魔法』についても色々話し込んでたら

『いつの間にか使えるようになっていた』

うん、正直どして?って思ったけど、

陛下自身が『魔力スポット』で、

近くに居る人物は魔法の才能が開花するか、

それに準ずる能力に目覚めていたらしい

「『土精霊さん、来てくれないと・・・』」

〈んな脅しするなよ!!怖いわっ!!〉

って、来てくれる

「お、キミが代表?

 この一体の『酸性濃度』を知りたいんだけど、

 それと、水精霊にも声掛けといてくれる?」

〈酸性濃度?なんだそりゃ?

 水精霊はこの近辺は居ないぞ?地下水もそんなに多く無いし〉

ありゃ?困ったね

「そっか、あの山の麓まで俺の土地になったからさ、

 開墾して良いよって言われたんだけど、

 先ずは畑かな~って考えてたけど、先に水源確保か~。」

〈ぁ~、陛下の友人って、アンタの事だったのか〉

「おう、ヨロシク。」

妖精界隈では陛下の友人で俺は知れ渡っているらしい

「んで、あの山には水源あるかな?」

〈・・・ど~だろ、

 行った事ないし、ここまで水を引くにも遠すぎないか?

 地上じゃ蒸発してここまで川として引っ張れないだろうに〉

確かに、日差しは強い

「ま、色々あるんだよ、行った事ないんだね?」

〈あぁ、今、土精霊連絡で聞いてるけど、

 ・・・あ、居た居た、なんでも、山の向こう側には

 でっかい湖があって、反対側に流れてるって〉

なるほど

「そこの水資源って、分けて貰える?」

〈え?いや、どうだろ〉

「水精霊いるんでしょ?」

〈・・・水神なら居るって〉

「ぁ~、湖だもんね、いるか、

 なにか困って無いか聞けるかな?」

〈え゛っ!?水神様に?無理無理、

 水精霊が最低1000年経って、

 水神になれるかもしれない存在に、土精霊の俺が声かけても

 返事なんてして貰えないぞ?〉

なるほど、んじゃ直接聞きに行くか

「うし、とりあえず、農地に仕えそうな土を選定しといて。」

〈ちょ、おい、どこ行くんだよ?〉

「水神とこ。」

〈まてやっ!!〉

《はぁ》

水神になれたのはいいけど、

この水量、どんどん増えてるのよね

麓へ流すのは良いけど、やり過ぎちゃうと

下流の街とか森を押し流しちゃうのよね

どうしたらいいかしら

「こんちゃ~っす、

 ここに水神さんいますか~?」

《へ?》

「あ、流石に服着て下さい。」

《きゃぁ~っ?!》

《もぅ、お嫁に行けない》

「え?水神さんにも、そう言う概念あるんですね。」

《・・・言葉のあやよ、それで?なんの用かしら?》

「単純に水資源を分けて貰えないかな~って。」

《え?貴方、この川の下流の人間でしょ?》

「いいえ、こっち側、山の向こう側です。」

《どうやって来たのよ》

「『アレで飛んで来ました』」

そこには『宙に浮かぶ鉄?の塊が浮いていた』

《・・・そぅ、(見なかった事にしよ)

 それで、どうやって水を山の反対側へ流すつもりかしら?

 (山を越えるなんてもってのほかだし、

  地下水もこの土地の性質上、水を通しにくいし)》

「あぁ、こう言うのと、地下ダムで作ります。」

この人間はよくわからないけど、さいふ?おん?方式?とかで、

山を越える大きな筒で水を反対側に流しだし、

地下に土精霊達を呆れさせながら

『ダム』とか言うのを作り上げた

自然流下式なるもの?で、

溢れた分だけ下流に流せるシロモノらしい

なるほど、これなら麓の街や森を押し流しそうな分、

こっちに流れ込み流水量を抑え込めると、

なるほど、これは他の水神達に教える必要があるわね!

「うし、地下トンネルも問題無し、後は運河か・・・うし、

 そろそろ土精霊の選定も終わってるだろうし

 そろそろ帰りますね。」

《え?あ、うん、あの》

「なんでしょう?」

《いえ、貴方が造る町?

 出来たら遊びに行っていいかしら?》

「えぇ、まだ暫く掛かりますけどね。」

えぇ、1000年と言う自負があるからこそ、

油断してたわ、後で聞いたけど、

あの『陛下の友人』だったそうで、

それからたった一年で形になるなんて想像すらしてなかった

 

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