さて、
どこから手を付けようか?
今、俺が居るこの『土地』は
なんにもない荒野
この見える範囲と、山の麓までが『俺の土地』
辛うじて雑草が生え、ぽつぽつと木が少し
「ふむ、
先ずは『土精霊から』呼びますか。」
そうここは異世界
理由は解らないが、
この近くにある街道に倒れていて
丁度、視察帰りの『国王陛下の車列』が俺を見つけた
最初は街道脇に放り投げられたけど
「ぐぇっ!?」
って、声をあげたから助かった
陛下は優しくて、「良かったら家に来ないか?」
って言うもんだから「はい、このままじゃ野垂れ死ぬので。」と
転がり込んだ
そうこうしている内に陛下と和気あいあいし、
色々法律やら兵站についても話し込んだ
事務総監に「夜更けまで何やってるんですか!!」って、
怒られたりもした、だって陛下、面白いからね~
んで、『魔法』についても色々話し込んでたら
『いつの間にか使えるようになっていた』
うん、正直どして?って思ったけど、
陛下自身が『魔力スポット』で、
近くに居る人物は魔法の才能が開花するか、
それに準ずる能力に目覚めていたらしい
「『土精霊さん、来てくれないと・・・』」
〈んな脅しするなよ!!怖いわっ!!〉
って、来てくれる
「お、キミが代表?
この一体の『酸性濃度』を知りたいんだけど、
それと、水精霊にも声掛けといてくれる?」
〈酸性濃度?なんだそりゃ?
水精霊はこの近辺は居ないぞ?地下水もそんなに多く無いし〉
ありゃ?困ったね
「そっか、あの山の麓まで俺の土地になったからさ、
開墾して良いよって言われたんだけど、
先ずは畑かな~って考えてたけど、先に水源確保か~。」
〈ぁ~、陛下の友人って、アンタの事だったのか〉
「おう、ヨロシク。」
妖精界隈では陛下の友人で俺は知れ渡っているらしい
「んで、あの山には水源あるかな?」
〈・・・ど~だろ、
行った事ないし、ここまで水を引くにも遠すぎないか?
地上じゃ蒸発してここまで川として引っ張れないだろうに〉
確かに、日差しは強い
「ま、色々あるんだよ、行った事ないんだね?」
〈あぁ、今、土精霊連絡で聞いてるけど、
・・・あ、居た居た、なんでも、山の向こう側には
でっかい湖があって、反対側に流れてるって〉
なるほど
「そこの水資源って、分けて貰える?」
〈え?いや、どうだろ〉
「水精霊いるんでしょ?」
〈・・・水神なら居るって〉
「ぁ~、湖だもんね、いるか、
なにか困って無いか聞けるかな?」
〈え゛っ!?水神様に?無理無理、
水精霊が最低1000年経って、
水神になれるかもしれない存在に、土精霊の俺が声かけても
返事なんてして貰えないぞ?〉
なるほど、んじゃ直接聞きに行くか
「うし、とりあえず、農地に仕えそうな土を選定しといて。」
〈ちょ、おい、どこ行くんだよ?〉
「水神とこ。」
〈まてやっ!!〉
▽
《はぁ》
水神になれたのはいいけど、
この水量、どんどん増えてるのよね
麓へ流すのは良いけど、やり過ぎちゃうと
下流の街とか森を押し流しちゃうのよね
どうしたらいいかしら
「こんちゃ~っす、
ここに水神さんいますか~?」
《へ?》
「あ、流石に服着て下さい。」
《きゃぁ~っ?!》
▽
《もぅ、お嫁に行けない》
「え?水神さんにも、そう言う概念あるんですね。」
《・・・言葉のあやよ、それで?なんの用かしら?》
「単純に水資源を分けて貰えないかな~って。」
《え?貴方、この川の下流の人間でしょ?》
「いいえ、こっち側、山の向こう側です。」
《どうやって来たのよ》
「『アレで飛んで来ました』」
そこには『宙に浮かぶ鉄?の塊が浮いていた』
《・・・そぅ、(見なかった事にしよ)
それで、どうやって水を山の反対側へ流すつもりかしら?
(山を越えるなんてもってのほかだし、
地下水もこの土地の性質上、水を通しにくいし)》
「あぁ、こう言うのと、地下ダムで作ります。」
この人間はよくわからないけど、さいふ?おん?方式?とかで、
山を越える大きな筒で水を反対側に流しだし、
地下に土精霊達を呆れさせながら
『ダム』とか言うのを作り上げた
自然流下式なるもの?で、
溢れた分だけ下流に流せるシロモノらしい
なるほど、これなら麓の街や森を押し流しそうな分、
こっちに流れ込み流水量を抑え込めると、
なるほど、これは他の水神達に教える必要があるわね!
「うし、地下トンネルも問題無し、後は運河か・・・うし、
そろそろ土精霊の選定も終わってるだろうし
そろそろ帰りますね。」
《え?あ、うん、あの》
「なんでしょう?」
《いえ、貴方が造る町?
出来たら遊びに行っていいかしら?》
「えぇ、まだ暫く掛かりますけどね。」
えぇ、1000年と言う自負があるからこそ、
油断してたわ、後で聞いたけど、
あの『陛下の友人』だったそうで、
それからたった一年で形になるなんて想像すらしてなかった