「っと、ただいま~、
水を分けて貰える事になったよ~。」
〈は?まだ半日も経ってないだろ?〉
「兎に角急げ急げ、もう水は流れて来るからさ。」
〈はぁっ!?冗談だろ?〉
「運河はそこまで造って来たからさ、
それで、農地向きの地区はありそう?」
〈・・・それが、あんまり向いてないんだ、
他所から持って来ようにも遠すぎるし、
地下も向いてない、水の保持力が少ないんだ〉
「そっか、まぁ、それはそれで目途が立つ、
海までの距離はこっちの方が遠いんだよな?」
〈ん?まぁ、そうだけど、
なんで『遠回り』を選ぶんだ?〉
「内緒、そうすると・・・。」
なぁ?こうして喋ってるじゃん?
コイツ、喋りながら『魔法』でどんどん造成してやがるんだ
なんだか白っぽい土?を創り出して
溜池造ってるし、うわ、水通してねぇなんだコレ、
こんくり?なんだそれ?もるたる?は?わからん
んで?なんだそれ・・・はぁっ!?『糞尿の塊と石灰!?』
臭ぇってば!!
あ、コイツオカシイ、全部混ぜやがった上に、
畑?にするとか言った土地にソレを全部混ぜやがった
おぃいいっ!!
は?これで栄養価が高い土が出来るだ?んなアホな
水も撒きだしやがって、俺の通り名が『糞かぶり』になったら、
コイツ埋めてやるからな・・・
一週間して、オドロイタってのと、呆れた
用事があって少しここから離れてたら
『町』が完成してた
と、言っても建物はまだないけど、
道、巨大運河、畑群、え?なにをどうしたらこうなるの?
道は、『こんくり』で出来た街道で、
コイツが倒れていた場所で国の街道と合流してて、
微妙に斜めになってて、両脇に『側溝』なるものがあって、
雨水はそこに流れ込んで、『こんくり』の下に、
雨水洞って言う専用の通り道があるんだと、
これも、用水路に繋がってて、畑に回せるそうだ
んで、畑はマジで驚いた、
ほんとに栄養たっぷりで、すげぇ事になってた
ただ、糞尿・・・どうなったんだ?
ん?『ワールドワームの幼虫じゃねぇか!!』
なにぃい!?コイツ等がこの土に変換しただってっ?!
コイツ等、砂漠だと巨大化して人間とか魔物を普通に襲うのに
なんでだ?コイツ等『小さいままだぞ?』
はぁっ!?『栄養』が足りてれば『小さいまま』だとぉっ!?
つまり?糞尿が『栄養』として充分で、
その出て来たモノで土が良くなる・・・やべぇ、革命じゃねえか!!
んで?
なんだこの運河?
真ん中の高いとこに小さめの水路と、
両脇のこの『デカすぎる空堀』は?
え?コレでいいの?は?小さめの水路からあふれた水が
この空堀・・・じゃない?え?海まで繋がってる運河なの?
あ、そ、
『航路用運河・空堀運河・水路・空堀運河・航路用運河』と、
全部で5本で形成されてるとかデカすぎだろ!!
え?絶対必要になる?ほんとかよ?
まぁいいや、『ワールドワーム』のコレはマジ革命だ、
大至急他の奴らに伝えなきゃ!!
▽
そんなこんなで半年、
陛下の友人は派遣されて来た農民達と収穫を楽しんでいる
はぁ、土精霊の本懐だな、
やっぱ、人間が喜ぶ顔は何よりの褒美だ
ん?水精霊から?は?山で凄い雨だと?
〈おい!!なんかヤバいぞ!!山で大雨だって!!〉
「来たか、
水神さんとこ行ってくる、お前は念の為、
運河に盛り土出来るように準備しててくれ。」
〈いや、だからまてやっ!!〉
▽
《あわわわっ!?なんでこの雨止まないの~っ!?
湖があふれる~!!》
「水神さん!!
地下ダムの切り替えをするからこっち来て!!」
《あぁ!!陛下の友人さん!!たすけて~っ!!》
▽
《どどどうするの!?》
「どうって、ほら、教えたでしょ?」
《これ?》
ただの歯車だが、水車式歯車で、ここに水を流せば稼働する
《ん~、わかんないけど、流すね?》
既にダムの上からは溢れた水が流れている
そして、
更にその勢いが増して行く
《えぇえっ!?どうなってるのっ!?》
「可動式止水板、普段は閉じてるけど
増水時はここも解放して流水量をあげられるんだ。」
《ほぇ~》
轟音でほとんど聞こえてなかったけど、
これで湖が溢れる心配もないね♪
《でも、これって、こっちの運河は大丈夫なの?》
「あぁ、たぶんな、
今回が初稼働だ、ついでだ、見に行ってみるか?」
《え?いいの?》
「あぁ。」
▽
溢れ出た水は、巨大運河へ流れ込み、
『空堀へ流れ込んで行く』
《うわ~!!凄い凄い!!》
「うし、大丈夫そうだな。」
可動式止水板が動くと、
航路用水路、水路に繋がる道を狭め、
空堀へ向かう水路を大きく開ける動作を連動させていた
「この空堀が海まで繋がっている、
因みに俺の街に『警報』も鳴る様に連動している、
早々被害は出ない筈だ。」
《はぇ~、友人さんは凄いね~》
「雨はどうだ?止んだか?」
《う~ん、まだ掛かりそう、
てか、これを予測してこれだけの設備を?》
「まぁな、
たぶん、向こう側は『雨季』だろ?
湿気った空気が山に当たると、そこで雨雲に変化するんだ、
そこで豪雨となる、当然湖に流れ込むし、
『底に土が溜まる』
定期的に掘り出して山に戻すか、家にくれないか?
山の栄養を含んだ土は新しい開墾地に使えるからさ。」
《え?底に溜まってるの?》
「知らないのか?」
《知らない》
「・・・よく1000年生きてたな。」
《そうなの?》
「まぁ、雨季が終わってからだな、じゃなきゃ深くて難しい。」
《へ~》
「・・・上手くいけば『より強い水神になれるかもな』」
《え?ほんと?》
「試してないなら、結果がどうなるかわからん、
ま、そこは土精霊と話といてくれ、俺は街に戻る、
そっちがきちんと稼働してるか確認しなきゃな。」
《わかった、たぶん冬季の手前が一番少なくなる筈だから
その時声かけるね?》
「あぁ、雨が止んで水量が減ったらちゃんと元に戻せよ?
窯の底に穴が開いてるようなもんなんだからな?」
《そ、それは怖いわね、ちゃんと見て判断するわ》
▽
「ただいま~・・・おぉ、すげぇ。」
泥水が勢いよく流れており、空堀運河は
その能力を遺憾なく発揮している
「まだまだ水位に余裕があるな、
うし、当面は何とかなりそうだな。」
〈盛り土必要ないじゃん〉
「無い方がいいよ、
あるとしたら天変地異クラスだ。」
〈・・・勘弁してくれ〉
「向こう側の雨季が終われば
底に溜まる土砂を回収して畑に使えるし、
運が良けりゃ『魚』も流れ着いてるだろ。」
〈なるほど、それで妙な溜池造ってたのか〉
「あぁ、養殖して魚を増やせるし、
国内に売れば金も動く、これで漸くスタートラインだ。」