陛下の友人は躊躇を忘れました   作:扶桑畝傍

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その③

王宮

「ほぉ~、養殖の目途が立ったか、早かったの。」

「陛下の御友人、一体何者なんですか?」

「なに、この国の利益になるならそのままでよい、

 下手に勘繰ると逃げ出しかねん。」

「むぅ、そうですね、既に税収も増加傾向、

 転領希望の者も増える一途、

 他領主から恨みを買わねば良いのですが。」

「ソレに関しては我らが動かねばならんだろ?

 アイツは、俺に信頼を寄せてくれている、

 なら、それに応えてやらねばならん、

 隣国との戦争も『陣形・攻め方・守り方』も舌を巻く、

 おかげで被害は最小限で大勝したのだ、

 本来なら『領主』の地位でもいいのだが、

 あくまで『臨時領主』だ、平民からの領主へなるには、

 他貴族の婿養子になるぐらいしかない。」

「そうですね、貴族制度は『悪くない』と言っておりましたが、

 『準貴族』を創ってもいいかもしれないとも。」

「そうか、それの法案も色々大詰めだったな。」

「はい、冬季の手前には可決、発布となります、

 功績を挙げた兵士に勲章以外にも名誉を与えられますし、

 小さいながらも『自分の土地』を持つのは、

 国からの信頼の証になります。」

「自分の土地を持たせ、家庭を築かせれば、

 国外への流出を減らせるし、人口増加も期待できる、

 いやはや、人質を取る様に見えてしまうな。」

「陛下。」

「すまぬ、しかし、本当に、アイツは何者なんだろうな?」

「そうですね、

 国の利益の為、手放したくは無いんですけどね。」

▽

〈お~い、ご友人、水精霊から連絡だぞ~〉

「お、なんだって?」

〈そろそろ冬季の手前だと〉

「うし、また行って来る。」

〈うぉい!!〉

▽

「こんちゃ~・・・さぶっ!?」

慌てて毛皮のフードを被る

《ぁ、あぁ、いらっしゃい》

えぇ、水神も寒いって感じるんだ

「兎に角暖まりましょうか。」

《そうね》

焚火を焚きつつ湖を見ると

「かっちこちですね。」

《そうなのよ・・・っしゅん!?

 ぁ゛~寒い、急に寒くなってね、一晩でこの様よ》

「うぬぅ、氷は割らないと・・・あ!!」

何かを思いついたのか、

山にある空洞に

湖の氷を切り出し、枯草を間に挟みながら

どんどん積み上げていく

「氷室って言ってな、上手く行けば、

 『夏季』でも涼しくて『かき氷』も食べれるぞ?」

《いま冷たい話題は要らないけど

 かき氷はちょっと楽しみね》

「さてと、土精霊『来てくれな』〈いるよ!!〉あ、いた。」

〈貴方の『来てくれないと』って、

 マジで怖いからやめてよ!!普通に出て来るからさ!!〉

「はいはい、

 それでさ、地下であったかい場所ない?」

〈あったかい場所?

 ん~・・・熱すぎる『溶けた土』ならあるけど〉

「・・・はい?」

《あぁ、なんか妙に熱い場所あるのよ

 ここからそう離れて無いけど》

▽

あぁ、コイツ、ほんとなんなんだろ?

ま、『温泉』はマジ助かるから良いけど

《はぁ~、生き返る~》

〈は~、こんな楽しみ方があるなんてな~〉

「いや、こんな近くにあるのはマジでヤバイ土地だなここ、

 陛下に言ってここも家の土地にしてくれないかな・・・。」

▽

さくっと底に溜まってた土を回収し、

湖底が更に深くなった

《お~、なんか身体が軽くなった感じがする》

〈湖底に、こんな栄養が豊富な土があるなんて

 いや、考えて無かったわ〉

「ただ、取り過ぎても良くないから、

 10年に一回ぐらいかな、

 ただ、土砂崩れとかで流れ込んだら例外だけど。」

〈それは大丈夫だよ、

 俺達がちゃんと補強してるからな!

 ドライアド達も協力してくれてな、

 頑丈な土地になってるぜ!〉

「そのドライアドなんだけど、水中植物はまた別なのか?」

〈水中〉《植物?》

〈ソレに関しては、親戚のような者ですよ?〉

「おぉ、冬季前なのに、大丈夫なのか?」

既に反対側が透けて見えるぐらい薄い

〈えぇ、冬季は眠るだけですので

 あんまり姿をさらさないだけですわ〉

「なるほど、

 んで、親戚って事は、会話も?」

〈えぇ、ですけど既に冬眠しているようで、

 返事はありません、正直、私も眠いですけどね〉

あふぁ、と、欠伸をするドライアドさん

「すいませんね、

 ドライアドさん、来春、起きられましたら

 連絡をお願いします、

 湖底の土はどのぐらいの頻度が最適か、確認したいので。」

〈わかりましたわ・・・あふぅ、

 それでは・・・来春、ま、た、おあい、しましょ。〉

▽

温泉に浸かる水神と土精霊を放置して帰って来た

「いや、マジでどうしてこうなった?」

冬季を目前に控えての『住民の急激増加』は、

正直、胃が痛くなるが、

身ぐるみそのままで領地から逃げ出して来たのがほぼ全てで、

圧制もあるし、迫害も

「何とかするよ。」

あぁ、泣いちゃって、まぁ。

仕方ない、『解禁』するか

両手をパンと合わせ

「せ~の。」

一気に集合住宅を『錬成』し仕上げる

( ゚д゚)

って、みんな固まってるけど

「はい、これで当面の住居は勘弁してくれる?」

コクコク

「食糧は王都にも支援を要請しとくよ。」

流石に2万人近い住民が一気に押し寄せて来るなんて

考えてなかったので、陛下に国庫から出して貰おう

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