陛下の友人は躊躇を忘れました   作:扶桑畝傍

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その③

王宮

「ほぉ~、養殖の目途が立ったか、早かったの。」

「陛下の御友人、一体何者なんですか?」

「なに、この国の利益になるならそのままでよい、

 下手に勘繰ると逃げ出しかねん。」

「むぅ、そうですね、既に税収も増加傾向、

 転領希望の者も増える一途、

 他領主から恨みを買わねば良いのですが。」

「ソレに関しては我らが動かねばならんだろ?

 アイツは、俺に信頼を寄せてくれている、

 なら、それに応えてやらねばならん、

 隣国との戦争も『陣形・攻め方・守り方』も舌を巻く、

 おかげで被害は最小限で大勝したのだ、

 本来なら『領主』の地位でもいいのだが、

 あくまで『臨時領主』だ、平民からの領主へなるには、

 他貴族の婿養子になるぐらいしかない。」

「そうですね、貴族制度は『悪くない』と言っておりましたが、

 『準貴族』を創ってもいいかもしれないとも。」

「そうか、それの法案も色々大詰めだったな。」

「はい、冬季の手前には可決、発布となります、

 功績を挙げた兵士に勲章以外にも名誉を与えられますし、

 小さいながらも『自分の土地』を持つのは、

 国からの信頼の証になります。」

「自分の土地を持たせ、家庭を築かせれば、

 国外への流出を減らせるし、人口増加も期待できる、

 いやはや、人質を取る様に見えてしまうな。」

「陛下。」

「すまぬ、しかし、本当に、アイツは何者なんだろうな?」

「そうですね、

 国の利益の為、手放したくは無いんですけどね。」

〈お~い、ご友人、水精霊から連絡だぞ~〉

「お、なんだって?」

〈そろそろ冬季の手前だと〉

「うし、また行って来る。」

〈うぉい!!〉

「こんちゃ~・・・さぶっ!?」

慌てて毛皮のフードを被る

《ぁ、あぁ、いらっしゃい》

えぇ、水神も寒いって感じるんだ

「兎に角暖まりましょうか。」

《そうね》

焚火を焚きつつ湖を見ると

「かっちこちですね。」

《そうなのよ・・・っしゅん!?

 ぁ゛~寒い、急に寒くなってね、一晩でこの様よ》

「うぬぅ、氷は割らないと・・・あ!!」

何かを思いついたのか、

山にある空洞に

湖の氷を切り出し、枯草を間に挟みながら

どんどん積み上げていく

「氷室って言ってな、上手く行けば、

 『夏季』でも涼しくて『かき氷』も食べれるぞ?」

《いま冷たい話題は要らないけど

 かき氷はちょっと楽しみね》

「さてと、土精霊『来てくれな』〈いるよ!!〉あ、いた。」

〈貴方の『来てくれないと』って、

 マジで怖いからやめてよ!!普通に出て来るからさ!!〉

「はいはい、

 それでさ、地下であったかい場所ない?」

〈あったかい場所?

 ん~・・・熱すぎる『溶けた土』ならあるけど〉

「・・・はい?」

《あぁ、なんか妙に熱い場所あるのよ

 ここからそう離れて無いけど》

あぁ、コイツ、ほんとなんなんだろ?

ま、『温泉』はマジ助かるから良いけど

《はぁ~、生き返る~》

〈は~、こんな楽しみ方があるなんてな~〉

「いや、こんな近くにあるのはマジでヤバイ土地だなここ、

 陛下に言ってここも家の土地にしてくれないかな・・・。」

さくっと底に溜まってた土を回収し、

湖底が更に深くなった

《お~、なんか身体が軽くなった感じがする》

〈湖底に、こんな栄養が豊富な土があるなんて

 いや、考えて無かったわ〉

「ただ、取り過ぎても良くないから、

 10年に一回ぐらいかな、

 ただ、土砂崩れとかで流れ込んだら例外だけど。」

〈それは大丈夫だよ、

 俺達がちゃんと補強してるからな!

 ドライアド達も協力してくれてな、

 頑丈な土地になってるぜ!〉

「そのドライアドなんだけど、水中植物はまた別なのか?」

〈水中〉《植物?》

〈ソレに関しては、親戚のような者ですよ?〉

「おぉ、冬季前なのに、大丈夫なのか?」

既に反対側が透けて見えるぐらい薄い

〈えぇ、冬季は眠るだけですので

 あんまり姿をさらさないだけですわ〉

「なるほど、

 んで、親戚って事は、会話も?」

〈えぇ、ですけど既に冬眠しているようで、

 返事はありません、正直、私も眠いですけどね〉

あふぁ、と、欠伸をするドライアドさん

「すいませんね、

 ドライアドさん、来春、起きられましたら

 連絡をお願いします、

 湖底の土はどのぐらいの頻度が最適か、確認したいので。」

〈わかりましたわ・・・あふぅ、

 それでは・・・来春、ま、た、おあい、しましょ。〉

温泉に浸かる水神と土精霊を放置して帰って来た

「いや、マジでどうしてこうなった?」

冬季を目前に控えての『住民の急激増加』は、

正直、胃が痛くなるが、

身ぐるみそのままで領地から逃げ出して来たのがほぼ全てで、

圧制もあるし、迫害も

「何とかするよ。」

あぁ、泣いちゃって、まぁ。

仕方ない、『解禁』するか

両手をパンと合わせ

「せ~の。」

一気に集合住宅を『錬成』し仕上げる

( ゚д゚)

って、みんな固まってるけど

「はい、これで当面の住居は勘弁してくれる?」

コクコク

「食糧は王都にも支援を要請しとくよ。」

流石に2万人近い住民が一気に押し寄せて来るなんて

考えてなかったので、陛下に国庫から出して貰おう

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