王宮
「ほぉ~、養殖の目途が立ったか、早かったの。」
「陛下の御友人、一体何者なんですか?」
「なに、この国の利益になるならそのままでよい、
下手に勘繰ると逃げ出しかねん。」
「むぅ、そうですね、既に税収も増加傾向、
転領希望の者も増える一途、
他領主から恨みを買わねば良いのですが。」
「ソレに関しては我らが動かねばならんだろ?
アイツは、俺に信頼を寄せてくれている、
なら、それに応えてやらねばならん、
隣国との戦争も『陣形・攻め方・守り方』も舌を巻く、
おかげで被害は最小限で大勝したのだ、
本来なら『領主』の地位でもいいのだが、
あくまで『臨時領主』だ、平民からの領主へなるには、
他貴族の婿養子になるぐらいしかない。」
「そうですね、貴族制度は『悪くない』と言っておりましたが、
『準貴族』を創ってもいいかもしれないとも。」
「そうか、それの法案も色々大詰めだったな。」
「はい、冬季の手前には可決、発布となります、
功績を挙げた兵士に勲章以外にも名誉を与えられますし、
小さいながらも『自分の土地』を持つのは、
国からの信頼の証になります。」
「自分の土地を持たせ、家庭を築かせれば、
国外への流出を減らせるし、人口増加も期待できる、
いやはや、人質を取る様に見えてしまうな。」
「陛下。」
「すまぬ、しかし、本当に、アイツは何者なんだろうな?」
「そうですね、
国の利益の為、手放したくは無いんですけどね。」
▽
〈お~い、ご友人、水精霊から連絡だぞ~〉
「お、なんだって?」
〈そろそろ冬季の手前だと〉
「うし、また行って来る。」
〈うぉい!!〉
▽
「こんちゃ~・・・さぶっ!?」
慌てて毛皮のフードを被る
《ぁ、あぁ、いらっしゃい》
えぇ、水神も寒いって感じるんだ
「兎に角暖まりましょうか。」
《そうね》
焚火を焚きつつ湖を見ると
「かっちこちですね。」
《そうなのよ・・・っしゅん!?
ぁ゛~寒い、急に寒くなってね、一晩でこの様よ》
「うぬぅ、氷は割らないと・・・あ!!」
何かを思いついたのか、
山にある空洞に
湖の氷を切り出し、枯草を間に挟みながら
どんどん積み上げていく
「氷室って言ってな、上手く行けば、
『夏季』でも涼しくて『かき氷』も食べれるぞ?」
《いま冷たい話題は要らないけど
かき氷はちょっと楽しみね》
「さてと、土精霊『来てくれな』〈いるよ!!〉あ、いた。」
〈貴方の『来てくれないと』って、
マジで怖いからやめてよ!!普通に出て来るからさ!!〉
「はいはい、
それでさ、地下であったかい場所ない?」
〈あったかい場所?
ん~・・・熱すぎる『溶けた土』ならあるけど〉
「・・・はい?」
《あぁ、なんか妙に熱い場所あるのよ
ここからそう離れて無いけど》
▽
あぁ、コイツ、ほんとなんなんだろ?
ま、『温泉』はマジ助かるから良いけど
《はぁ~、生き返る~》
〈は~、こんな楽しみ方があるなんてな~〉
「いや、こんな近くにあるのはマジでヤバイ土地だなここ、
陛下に言ってここも家の土地にしてくれないかな・・・。」
▽
さくっと底に溜まってた土を回収し、
湖底が更に深くなった
《お~、なんか身体が軽くなった感じがする》
〈湖底に、こんな栄養が豊富な土があるなんて
いや、考えて無かったわ〉
「ただ、取り過ぎても良くないから、
10年に一回ぐらいかな、
ただ、土砂崩れとかで流れ込んだら例外だけど。」
〈それは大丈夫だよ、
俺達がちゃんと補強してるからな!
ドライアド達も協力してくれてな、
頑丈な土地になってるぜ!〉
「そのドライアドなんだけど、水中植物はまた別なのか?」
〈水中〉《植物?》
〈ソレに関しては、親戚のような者ですよ?〉
「おぉ、冬季前なのに、大丈夫なのか?」
既に反対側が透けて見えるぐらい薄い
〈えぇ、冬季は眠るだけですので
あんまり姿をさらさないだけですわ〉
「なるほど、
んで、親戚って事は、会話も?」
〈えぇ、ですけど既に冬眠しているようで、
返事はありません、正直、私も眠いですけどね〉
あふぁ、と、欠伸をするドライアドさん
「すいませんね、
ドライアドさん、来春、起きられましたら
連絡をお願いします、
湖底の土はどのぐらいの頻度が最適か、確認したいので。」
〈わかりましたわ・・・あふぅ、
それでは・・・来春、ま、た、おあい、しましょ。〉
▽
温泉に浸かる水神と土精霊を放置して帰って来た
「いや、マジでどうしてこうなった?」
冬季を目前に控えての『住民の急激増加』は、
正直、胃が痛くなるが、
身ぐるみそのままで領地から逃げ出して来たのがほぼ全てで、
圧制もあるし、迫害も
「何とかするよ。」
あぁ、泣いちゃって、まぁ。
仕方ない、『解禁』するか
両手をパンと合わせ
「せ~の。」
一気に集合住宅を『錬成』し仕上げる
( ゚д゚)
って、みんな固まってるけど
「はい、これで当面の住居は勘弁してくれる?」
コクコク
「食糧は王都にも支援を要請しとくよ。」
流石に2万人近い住民が一気に押し寄せて来るなんて
考えてなかったので、陛下に国庫から出して貰おう