とある斬月の英雄奇譚   作:レイノート

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ついにやってしまった。
だが私は謝らない。今回はとあるシリーズ×仮面ライダー斬月という異色の組み合わせです。
どうか暖かい目で見守ってください!!


プロローグ「仮面ライダー」

学園都市

 

東京都西部に位置する完全独立教育研究機関でありとあらゆる教育機関・研究組織の集合体であり、学生が人口の8割を占める学生の街にして、外部より数十年進んだ最先端科学技術が研究・運用されている科学の街。

そのため、幽霊や心霊現象と言ったオカルトの類は廃れていると言っても過言ではない。

だが、そんな科学の街でも都市伝説は存在する。オカルトの類は廃れてこそいるが、興味の無い人がいない訳では無い。

 

 

 

「ん~」

 

 

 

この悩ましい表情を浮かべている少女「佐天涙子(さてんるいこ)」もオカルトの類に興味を持つ一人だ。そんな彼女は自室のパソコンで学園都市に関わる都市伝説等を調べている。だが、自身の興味をそそられるようなものはなく、退屈な余り溜息を着く。

 

 

 

「どうしたんですか、佐天さん?」

 

 

 

溜息を着いた涙子に気づいたルームメイトの「初春飾利(ういはるかざり)」は砂糖のような甘ったるい雰囲気を纏った声で問い掛ける。

 

 

 

「あぁ~初春~

 

なかなか良さそうな都市伝説とかなくて退屈なんだ~」

 

 

 

猫なで声で軽い愚痴をこぼす涙子。

ここしばらく興味をそそられる話題に出会えてないせいか、退屈なのは初春の目から見ても分かっている。

 

 

 

「まぁまぁ、都市伝説なんて誰かが作った妄想がほとんどなんですから~

 

あっ、いちごおでん食べます?」

 

 

 

学園都市で売られているゲテモノジュースの一種であるいちごおでん。涙子は以前に初春に勧められるがままに食したところ、余りの不味さにトイレに駆け込んだ苦い思い出がある。正直あれを食べるのは相当なゲテモノ好きか、舌がイカれてる人ぐらいだろう。

しかし、初春はいちごおでんを好んで食べるというのだから驚きだ。彼女の舌がイカれてないことを祈る涙子。

 

 

 

「いや大丈夫!さぁーて面白い都市伝説ないかな!」

 

 

 

涙子はやんわりと断り、再びパソコンへと向き直る。

とは言ったもののやはり興味をそそられるものはなく、パソコンを閉じようとした時だった。

 

 

 

「ん?なにこれ?」

 

 

 

たまたまカーソルを下に向けていたら、新しい項目ができていることに気づく。そのまま項目をクリックする涙子。

出てきた内容は、

 

 

 

「仮面·····ライダー··········?」

 

 

 

表示されている項目のタイトル『()()()()()()

 

今まで見てきた都市伝説の内容とは、全く異質なものだった。これは面白そうと思った涙子は詳細を目に通していく。

 

 

 

「なになに·····仮面ライダーは神出鬼没であり、色んな学区での目撃情報が確認されている

 

武装無能力集団(スキルアウト)や不良に絡まれた学生達を救ってくれるヒーロー

 

しかし、映像や写真といった決定的な証拠がなく、精神系の能力者が悪戯目的で能力で幻覚を見せているといわれているため、真相は不明か··········」

 

 

 

面白そうと思ったが、能力による悪戯という言葉に納得しかける涙子。

学園都市の都市伝説の真実の多くは、能力者の悪戯などの為、今回の仮面ライダーというのも何処かの能力者の悪戯かもしれない。

そう考えてしまうと先程まで抱いていた興味が失せ、途端にやる気をなくしてしまう。

不意に、勉強机の上に置いている目覚ましを時計を確認すると夜の10時を超えていた。ルームメイトの初春もいつの間にかベッドで就寝していた。

 

 

 

「もう寝よう·····」

 

 

 

ここらが潮時と感じた涙子はパソコンの電源を落とし、自身もベッドへと向かう。眠気も丁度良い感じに深まり、寝るまでにそう時間はかからないだろうと思う。

忘れずに部屋の電気も消し、ベッドへと身体を預ける。

 

 

 

「(明日もいい一日でありますように··········)」

 

 

 

そう心の中で呟くと、涙子の意識は薄ら薄らと眠りに落ちていった。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

翌日の放課後。

涙子、初春が通う柵川中学は教師達の会議があるため、午前授業で終わり、午後の有意義な時間を過ごすためか生徒達は足早に教室を出ていく。

 

 

 

「はぁ·····今日はどうしようかな··········」

 

 

 

授業が早く終わるので、親友の初春と一緒に買い物にでもと考えていたが、風紀委員(ジャッジメント)の仕事があるからと断られてしまい、絶賛暇な涙子。

どう暇を潰そうか悩んでいたところ、

 

 

 

「佐天さん、君は帰らないのか?」

 

 

 

と後ろから声を掛けられる。

 

 

 

「あっ、高虎さん、何かようですか?」

 

 

 

涙子に声を掛けたのはクラスメイトの『高虎玲香(たかとられいか)

クラスではちょっとした人気者であり、中学生とは思えない程大人びている雰囲気を醸し出しおり、同級生でありながら思わずさんをつけて呼んでしまう。

身長は平均の女学生より高めであり、体型は出るところは出て引っ込んでいるところは引っ込んでいる下手な女優顔負けのスタイルに加え、艶のある長い黒髪をポニーテールで纏めている。

顔立ちも中性的で、男女問わず魅了する高虎玲香は、ファンクラブが作られており、しかも他の学校の生徒も入っているだとか。

そんな有名人である彼女が話を掛けてきたことに驚きつつも、返事を返す。

 

 

 

「皆、足早に帰ってしまい、残るは君と私だけだよ」

 

 

 

「あっ」

 

 

 

いつの間にか他のクラスメイトは教室を出ている事に今気がついた涙子。

 

 

 

「先程まで何か考え事をしていたようだけど、何か悩みでもあるのかい?」

 

 

 

「あっ·····いや、この後暇だからどうしようかなって、へへ·····」

 

 

 

高虎とはあまり話したことがないため、思わず苦笑いで誤魔化す。

 

 

 

「そうなんだ、でしたらこの後私と一緒に買い物にでもいきませんか?」

 

 

 

「······························はい?」

 

 

 

 

数秒の沈黙の後、腑抜けた声ではいと呟く涙子。

思考回路が一瞬のフリーズを起こす。

この学校のNo.1美少女からのお誘いを受けた?

余りの急展開にどうしたらいいか分からず、無意識のうちに

 

 

 

「よ、喜んで!?」

 

 

 

と勢いよく返事をする。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

第七学区・セブンスミスト。ありふれた洋服チェーン店ではあるが品ぞろえが多い上、学生でも買えるお手軽な値段であるため、訪れる学生は少なくはない。

午後の予定が空いている涙子と高虎はショッピングを楽しんでいる。

 

 

 

「どうですか?似合いますか?」

 

 

 

他の誰かに見られるという少しばかり恥ずかしいのか、頬が少し赤く染まっている涙子。彼女が着ているのは淡い桃色のワンピース。最近の流行だと店員に勧められて、試しに着てみることにした。

 

 

 

「あぁ、とても似合っているよ

 

私が男であれば、君みたいな可愛い子と付き合いたいな」

 

 

 

高虎は屈託のない笑顔でワンピース姿を褒める。

嘘偽りのない褒め言葉に先程よりも顔を赤くする涙子。

 

 

 

「あ、ありがとうございます、高虎さんも試着どうぞ·····」

 

 

 

「あぁ、ありがとう」

 

 

 

涙子と入れ替わり、高虎は試着室に入る。

どんな服を選んでくるのか、少しドキドキしていた。

 

 

 

 

「んん·····ん·····」

 

 

 

どうしたのであろうか、試着室の中から高虎の苦しそうな声が聞こえる。様子が気になった涙子は試着室のカーテンを開けて中を見る。

 

 

 

「ッ!?」

 

 

 

涙子の目に飛び込んできたのはメロン

そう、メロンなのだ。

涙子は本日二回目のフリーズを起こす。確かに制服を着ていても高虎の中学生離れした程よく育ったメロンは見えていたが、ブラという名の抑圧から解放されたのは特大のメロンであった。

 

 

 

「メロンが·····一つ··········メロンが··········二つ···············」

 

 

 

余りの刺激が強すぎる光景に混乱してしまった。

 

 

 

「ん?どうかしたのかい、佐天さん?」

 

 

 

当の本人はブラのサイズがキツくてホックに引っ掛けられず困ったいただけであるが、図らずも一人の女性を悩殺してしまった事実に気づかず、覗かれていることにすら気にしてなどいなかった。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

「今日は私の買い物に付き合ってくれてありがとう」

 

 

 

「い、いえ

 

こちらも有意義な時間が過ごせました、高虎さん誘ってくれてありがとうございます」

 

 

 

ぶっちゃけ最初は乗り気じゃなかった涙子。

高貴でお堅い印象があった高虎の意外な一面を知り、そんな考えはいつの間にか消え、ずっと前から仲の良い友達のように一緒にショッピングを楽しむことが出来た。

本当の意味でとても有意義な時間を過ごせたと思っている。

 

 

 

「その··········私も親しい人からあまりさん付けをして欲しくないんだ、君が良ければなんだが、玲ちゃんと読んで欲しい」

 

 

 

 

恥ずかしそうに頬を掻きながら、あだ名で読んで欲しいと言う高虎。

普段のクールな彼女とうって変わり、小動物のような潤んだ瞳で懇願してくる姿にギャップ萌えを感じ、涙子は思わずドキッとする。

 

 

 

 

「えーと·····玲ちゃん··········でいいのかな?」

 

 

 

「あぁ·····ありがとう、佐天さん

 

私も今日は楽しむことができたよ、それじゃあ明日も学校で」

 

 

 

高虎は涙子に感謝を告げ帰路につく。

 

 

 

「さて、私も帰ろう」

 

 

 

買い物袋を持ち直し、涙子も帰路に着く。

涙子の住んでいる寮には特に門限は定められてはいないが、時刻は既に夕方になっており、学生達の姿も少なくなってきた。

このぐらいの時間帯は武装無能力集団(スキルアウト)が闊歩してくるので、一人でいるのは絡まれて大変危険である。

なのでなるべく最短で足早に歩を進める。

 

 

 

「(ちょっとぐらいなら大丈夫かな··········)」

 

 

 

涙子は狭い路地に入る。

普段あまり利用はしない道だが、遅刻しそうな時等に学校までの近道として利用していたりする。

早く帰りたいという焦り気味で注意が散漫になっていたせいだろう。角を曲がろうとした瞬間、涙子は何かに激突してしまった。

 

 

 

「いたた··········」

 

 

 

ぶつかった衝撃で尻もちをついてしまう。

 

 

 

「痛えなぁてめぇ!」

 

 

涙子は胸ぐらを掴まれて、無理やり立ち上がらせられ、壁へと押さえつけられる。

衝突したのは人だった。しかもタチの悪いことに、金髪に耳たぶにピアスという、見た目からして不良の男。

 

 

 

「骨が折れてるかも知れねぇから慰謝料払えよ、慰謝料

 

そうすりゃ見逃してやるよ」

 

 

 

「す、すみません·····今お金はなくて··········」

 

 

 

 

涙子の言っている事は本当だった。

先程の買い物で、残金は零。仮にお金があったとしても出すことはしない。

 

 

 

「そっか~それじゃあ身体で払ってもらおうか

 

抵抗したら·····わかってるな?」

 

 

 

男は懐からナイフを取り出して、涙子の首へと突き立てる。

突然訪れた恐怖に身体は硬直してしまい、喉が震えて声が出せない。仮に助けを呼んだとしても、この人通りの少ない路地裏では風紀委員や警備員も気づかないだろう。

もうダメだ。涙子が諦めて目を閉じた時だった。

 

 

 

『貴様、何をしている』

 

 

 

辺りに響いたのは一つの声。不良とは違う低い男性の声だ。

涙子は恐る恐る目を開ける。

そこに居たのはその声の主であろうナニカ。否、鎧武者である。

この科学の街に似つかわしくない戦国時代の武将を彷彿とさせるその姿は正しく武士。

 

 

 

「な、なんだてめぇ!」

 

 

 

気配もなく、背後にいた鎧武者に驚く不良。

 

 

 

『その子をはなせ』

 

 

 

「俺に指図するんじゃねぇ!!」

 

 

 

不良は涙子を突き飛ばし、鎧武者へと駆け出す。大声をあげながらナイフを向けて突進する。

 

 

危ない。涙子がそう叫ぼうとしても声は出ず、ただ見ていることしか出来ない。

 

 

 

『遅いな』

 

 

 

だが不良のナイフが鎧武者に当たることは無かった。

あともう少しでナイフが当たろうかという目前で、突然不良は倒れ気絶していた。

何が起きたのか、分からない涙子はその光景をぼんやりと見つめている。

 

 

 

『大丈夫か』

 

 

 

「え·····あっ·····はい」

 

 

 

いつの間にか地面にへたりこんでいた涙子に手を伸ばす鎧武者。

伸ばされた手を握り立ち上がる。

 

 

 

『無事ならいい、だが今度から危ない道は通らない事だ』

 

 

 

一言そう告げると鎧武者は背を向け、その場を後にしようとする。

まだお礼も言っていない。そう思った涙子は待ってと叫ぶ。

 

 

 

『なんだ?』

 

 

 

「貴方の·····貴方の名前は?」

 

 

 

鎧武者は動きを止めて、涙子の方に向き

 

 

 

『斬月·····仮面ライダー斬月だ』

 

 

 

自身の名を告げ、今度こそその場から消える斬月。

 

 

 

「あれが·····仮面ライダー··········」

 

 

 

あっという間の出来事だった。時間にして五分も経っていないのに、数時間のような出来事に感じる。

あれが噂の仮面ライダー。本当に実在するとは思わなかった。

自分を助けてくれたあの勇姿は、正しく正義の味方。

 

 

 

「また··········会えるかな··········」

 

 

 

涙子の顔は朱色に染る。

その顔はまるで恋する乙女。言わずもがな、やつはとんでもないものを図らずも盗んで行ったのだ。

涙子の心を。

 

 

 

 

 




メロン。圧倒的メロン!。
大事なことなので二回言いました。
次回は超電磁砲組の初邂逅になります。
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