急に書きたくなって書いてみました。
楽しんでいただけたら、幸いです。
よろしくお願いします。
俺は転生した。
俺が交通事故で死んだその日、確かに死んだという確信を得た後、意識が戻り目を覚ますと俺の暮らしていた部屋に突っ立っていた。
白昼夢のような不思議な体験をしただけなのかと内心首を捻っていると、部屋にかけてあったデジタル時計が俺の轢かれたであろう時間を指して止まっていたので、おかしいと感じ、体を動かそうとするとこれも動かない。
なにかあると思っていると、目の前に自らを神と名乗る存在が現れた。
性別は男。初老に差し掛かった立派なひげをアゴに蓄えた老人だった。
その神によると、新年に日付が変わる瞬間にランダムでその年に死んだ中から1年に一人選び、転生を行うらしい。俺が死んだのは8月の夏休み、図書館へ受験勉強をしに行く途中だったので、俺の中では一瞬でもすでに半年近く俺(の魂?)は眠っていたことになるのか。
この転生は昔からの決まりらしく、俺を転生してくれた神も始まった理由は特にわからないらしい。
その後に「世界の停滞を世界が恐れたからかもね」と言っていたので、あるいは俺もそうなのではと思ったが。
付け加えると、他に死んだ人間は普通に天国か地獄に行くらしい。死んだ人間は全員何らかの形で再び転生するというのは人間の勝手な妄想だったようだ。そんなこと言ったら天国だとか地獄だとかも妄想なのだが、そこら辺は神も「なんで人間に天国や地獄の存在が想像できたのかわからない」らしい。
それは置いておいて、今回転生したことに対する感想としては、俺個人としては新たな人生を送れるということで得した気分だ。
若干心の中で興奮しながら神に何処へ転生するのかと聞いたら、ある程度は希望を聞いて選ばせてくれるらしい。
その時に説明を聞いたところ、昔の人間の傾向としては転生と言うと「過去に」「未来に」「おとぎ話の中に」というのが多かったらしいが、ここ最近は文明も発達したからなのか「映画の世界に」「漫画の世界に」「小説の世界に」というのが一般的になってきているらしい。
ちなみに転生する世界は平行世界なので、過去を改変しようが、未来をめちゃくちゃにしようが、原作をぶち壊そうが関係ないと言われた。
つまり好きに生きていいということだ。
さて、そんな条件を教えてもらった俺がただ一つ、転生する世界に希望するのはこれだ。
魔法がある世界。
俺が生まれたのは地球という星で、そこでは科学文明が栄えていた。
どのような事象にも科学的な根拠があるとされ、超常的な能力を持つとされる人々も、嘘か誠か分からない怪しい存在という扱い。
はっきり言ってロマンがない。
いや、ないというより入りこむ余地が残されていないと言った方がいいのか。
俺としては超能力も信じたかったが、なにせそれを直接確かめる方法がないのでそれも確信が持てない。
しかし始めから魔法という奇跡が起こせる世界ならどうだろう。
そんな世界でもう一度生を受け、あるいは魔法に触れる機会が、さらに言えば魔法を使う機会が得られれば。
どんなに心躍る生だろうか。
そんな想いを胸に抱いて願ってみたところ、神はその後魔法のある世界について細かく希望を聞いてきた。
科学と魔法が互いに区別されているが共存している世界がいいか?
魔法のみが発達した世界がいいか?
魔法と科学が融合した技術が発明されている世界がいいか?
俺の答えは「科学も魔法もあるが、魔法は科学を享受する人々に対して秘匿されている世界」とした。
これはまがりなりにも科学を享受して(記憶は受け継がれるらしい)生きてきた俺が、いきなり科学のない世界に行っても、上手く生活していける自信がなかったためだ。しかし純粋な魔法には触れたいので、このような結論に達した。
そして世界の希望の次に、転生したとして個人プロフィールはどのようなものがいいか聞いてきた。
種族は?
身分は?
性別は?
容姿は?
名前は?
能力は?
そのどれもがはっきり言えばどんな世界に行くかによって変わるのでは?といった所、その意見如何によって決めるらしい。
「それとも行きたい世界に心当たりはあるの?」と聞かれたが、俺は基本的に元の世界で見聞きした小説や映画の中には転生したいとまで思うほど惹かれるものがなかったので、おとなしく質問に答えることにした。
種族は魔法の才能が高い種族ならなんでも。ただし人型で。俺にだって人間(の女の子)と仲良くしたいという欲求はある。
身分は生きるのに苦労しなければなんでも。ただし王族とか生きていく上でやたらいそがしそうな身分はカット。
性別はもちろん男。
容姿は特に整えてもらわなくても、両親に似た子どもとして普通に生まれればいい。
名前もその世界の両親に決めてもらえればいい。
能力は魔法の才能は種族で言った通りで後はその種族や体の構造に準じたものでいい。
俺としては魔法を使って楽しく生きていければいいので、あまり贅沢をしたいというような欲求はない。よってこのような希望になった。
それにすべて許可が出たので、最後に神から転生する世界について告げられた。
俺が転生するのは――――――――――
漫画【魔法先生ネギま!】。
こうして俺は、一瞬再びブラックアウトした後。
『吸血鬼』の里に生まれ落ちた。
俺は転生した。
評価・感想待ってます。