世界を作り直した後の碇シンジの妹で姉で叔母な綾波レイと、婚約者マリ   作:明月卿

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 度々の改稿誠に申し訳ありません。

 R-18のシンマリ小説「宇部新川の二人はバックが好き」https://syosetu.org/novel/259470/1.html
の続編となります。シンエヴァアフターの世界におけるシンジとマリの物語としてこの長編を構想していますが、この第1話ではシンジの「妹のような親戚」としての綾波にもフォーカスしていきます。筆者は元々LRS(綾波とシンジの愛)を愛好していました。そのため「破」を最も好んでいたのですが、LRSは破でいきつくところまでいってしまった、とシン・エヴァンゲリオンについてはあれでいいのだと諦観を持っていました。
https://togetter.com/li/1737595
しかし、以上の議論の結果シン・エヴァンゲリオンこそがLRSの究極を示しているのだと発見してしまいました。
 この小説はそれを解説しようというものでもあります。


絶壁胸ドライバーと巨乳婚約者:悪魔とユダ

 「修了おめでとう、碇1尉」

 「ありがとうございます。今までお世話になりました、葛城1佐」

 

 通話を切って周りを見わたすと、同期はほとんどもう原隊へと去ってしまっていた。小平の隊舎1階のロビーは閑散としている。

 

 幹部自衛官の最後の義務教育である幹部上級課程(AOC)の卒業式の直後、第3種制服(夏)のままでパンパンに膨らんだ衣嚢(ゴワゴワした頑丈な布で作られた巨大な鞄、長期間に及ぶ演習や引っ越しの際に衣類などを詰める)の上に腰かけて外を眺めていると

 

 「入校中に転属なんて、ツイてないな。碇」

 

 同期の相田1尉に声をかけられた。彼は会計科だ。

 

 「いや、葛城1佐から入校前に聞いてたんだ。富士に新設される部隊の指揮官で、中隊長待遇だって。AOC終わったばかりだってのにさ」

 

「市ヶ谷にいた方が良かったんじゃないのか?葛城1佐にCの受験勉強見てもらえるだろ」

 

 AOC卒業の翌年から、C、つまり指揮幕僚課程ことCGSの受験が始まる。これは旧陸軍でいう陸軍大学校に相当するもので、合格すると将官への道も開けてくる。

 とはいえ役人並みの激務を強要されるため、潰れて脱落していく人も多い。

 

 葛城1佐は中学生のころから父の仕事の関係で何かと僕もお世話になっていた人で、僕が中学生の時に1尉だった。その後2回目でCGSに合格して3佐に上がり、順調に階級を上げていった。

 …正直将軍になれるような柄の女性ではない。仕事をこなす、というかいなしていくのが得意なのかもしれない。

 

 怖いのでこの辺は突っ込まないことにする。

 

 「出世なんか興味ないよ。それより…もうすぐ結婚するしね、僕も」

 

 「ホンマ、碇ばっかり別嬪さんに縁があるのう」

 

不意に鈴原1尉の声が聞こえて

 

 「ギブギブ!」

 

 徒手格闘で皆が習う裸締め(チョークスリーパーのこと)を掛けてきやがった。こればかりは技が決まるとシャレにならないので、決められたと感知したら元立ち(訓練の際に技を受ける方)は習技者(技を掛ける方)の腕に身手期せずしてタップできるようになっている。

 しかし腕は締り続け、意識を失いかけたところで

 

 「行きますよ、碇1尉」

 

 北海道の春一番のような90%の冷たさと10%の暖かさの予感(あくまでも予感)を含んだ、澄んだ声が聞こえた。

 

 「ああ、今行k

 

 「またえらい美人さんやのう…相田1尉の行ってた、碇の超可愛い奥さんってアンタのことかいな…いや胸g」

 

 「鈴原1尉、セクハラだぞ!…やりすぎだよ、それは」

 

 頭頂部を何かが掠めたかと思うと、トウジの顎にえらく綺麗な肘打ちが真横から撃ち込まれていた。

 

 僕と同じ第3種夏服(開襟半袖シャツとズボン)を着用した目の前にいるWACの3曹の胸は、確かに果てしない大平原ではあった。

 

 「何ですかあの人…」

 

 「医官なんだ。今度アメリカに留学するんで、POE(幹部初級英語)課程に入ってる。なんと土曜にも遊ばないで所沢(防衛医大)に戻って診療してるそうだよ」

 

 警務隊にこられると彼女にもトウジにも不利なことになるので、何もなかったことにして荷物をそそくさと車に積み込み、出発させた。

 

 で、その1時間後、彼女がハンドルを握る小型トラック(実際には2代目パジェロを軍用車っぽくしただけのものなので、皆パジェロと呼んでいる)は、予想通り中央自動車道上の渋滞に巻き込まれて立ち往生していた。

 

 暇なので久々に綾波を笑わせてみようと思った。せっかくの愉快な状況なので、昏倒したトウジを背中から抱きかかえて鼻の穴に指突っ込んだところを、ドライバーに僕のスマホで撮影してもらっていたのだ。で、綾波にLINEで写真を送ってみた。例によって30秒もしないうちに既読がついたが、返信は

 「何?」

 の一言のみ。

 

 「綾波は変わらないなあ…もうすぐ結婚するのに」

 

 「綾波、って碇1尉のご結婚の相手ですか?」

 

 綾波程ではないが無口そうなドライバーも、流石に気になるのか。

 

 「いや、綾波は僕の母方の従妹だよ。もうすぐ、父方の親戚で僕の友達の渚君と結婚する予定なんだ」

 

 「随分と気にかけてるんですね。初恋の相手だったとか?」

 

 「うーん…そう、なのかな…。何というか、前世の記憶?というような…」

 

 「私は貴方の部下です。つまり同じMOS(特技)持ちですから、そういう話を疑いはしません」

 

 「同じ特技、ね…」

 

 先ほど見せてくれた徒手格闘の技のキレからは、僕と同じ部隊だとは信じられない。あれだけのセンスがあれば女だてらに格闘指導官として活躍できるだろうに。それに普通科(いわゆる歩兵、陸上自衛隊の職種の中では最も多くの種類の武器を扱う)の保有する対戦車ミサイルや迫撃砲といった火器全般を扱えるという。まだ3曹というのにどれだけのキャリアを積んだというのか。

 そもそも、新隊員どころか中高生と行っても通るくらいに顔立ちにあどけなさというか幼さが残っている。顔だけではなく特にその胸など、恐ろしいほどの断崖絶壁で…

 

 「ブチ殺しますわよ」

 

 「ごめんごめん、メシおごるから許して」

 

 渋滞は解消していた。

 

 「談合坂に止まって」

 

 そんなわけで食事となった。僕はすた丼を、ドライバーはほうとうをそれぞれ頼み、出来上がるのを待ちつつお茶を飲んでいると、僕は盛大に噴き出した。

 婚約しているマリからのLINEが来たのだが

 

 「うわー…裸エプロンの自撮りですか…お尻も鏡を使って見えるようにしてるし、乳首をギリギリ隠しつつデカいおっぱいを最大限見せてて…それにこの物欲しそうな表情、最近会ってないんですか?可哀そうですよ、碇1尉」

 

 時間を止めたとしか思えないような、目にもとまらぬ早業でドライバーにスマホを奪い取られていた。

 

 「えらく分析がシャープだな!」

 

 「男性向けの週刊誌や漫画雑誌よく読む方なんで」

 

 「グラビアばっか穴のあくほど熟読してたのか」

 

 「実をいうとレズです」

 

 「怖エ!つうか君大胆すぎだろ!」

 

 「あ、また来ましたよ。今度は手ブラジーンズですか。乳のボリュームを最大限大きく見せる腕の角度に加え、ノーパンでチャックを開けつつもギリギリちゃんと隠して…かなり手慣れた手口ね。しかもこのジーンズダボダボですよ、碇1尉の使ってるんですか。マニアックですね。奥様いったい何やってたんですか…」

 

 「ああ、バイトでちょっと…いやそういう事じゃないよ!美大でモデルやってたんだよ!」

 

 「…次は全開パーカー。仕事中におふざけが過ぎるんじゃないですか?」

 

 『僕は悪くない!』

 

 コロナ禍の上平日の午後と来てはサービスエリアのフードコートも閑散としていて当然だ。それにしてもドライバーが椅子5つ分も僕から距離をとっていては、いくら僕がバカガキ(アスカ談)とはいえソーシャルディスタンスではないことぐらい良くわかる。

 

 とりあえず、顔を青ざめさせるくらいなら早く僕のスマホ返してくれないかな?

 

 「今度はマリが何送って来たんだーい?」

 

 気持ち大声で聞いてみる。

 

 「『ドライバーは部隊でも評判の美人さんだそうだと聞いたにゃ』いやべつにそんなことは…『変な気起こさないよう抜いとけ!』…なんていってますよ。これは…風呂場ですかね?顔と肩と胸元しか写ってないけど全裸っぽい。自分でバナナを喉の奥まで突っ込みながら、目をつぶって苦しそうな顔をしてます。バナナ握ってる手はうまく映らないようにしてますけど」

 

 「…僕を…変な奴だと思うか…?」

 

 「逆に思われないで済むと思ってたんですか?自撮りでこれなら普段どんだけ恐ろしいことやってるのか、レズながら気になるわ…。あ、次のが来た。なんか悔しそうな顔してますよ。口の端からヨーグルト垂らしながら。ご丁寧に眼鏡にもヨーグルトをべっとりつけてますね。芸が細かいわ…」

 

 「とりあえず、とっとと食おう」

 

 自衛官の制服を着ているだけでも目立つ。それが卑猥な言葉を大声で、しかも男女間で言い合っていては、朝日新聞にどういう流言飛語が投書されるか分かったものではない。

 

 トイレを済ませてすぐにパジェロを出す。渋滞は解消され、富士まであと2時間くらいだろうか。

 

 「…このことは他言無用ということにしときますね」

 

 「すまぬ」

 

 「せっかくだから中隊長の弱み握ろうと思ってたんですが、これではSAN値が下がるだけです。でも、条件としてその綾波さんという人の事教えてください」

 

 「やっぱり弱みを握りたいのか」

 

 「弱みなんかないと知ってますよ。中隊長が奥様を本当に大事にしている事はよくわかります。単純に、恋愛感情抜きに異性を大事にしている人の考えに興味があるだけです」

 

 「そう、だね…。君が僕と同じなら、マリしか知らない僕の…前世、かな?話をしてもいいか。君は、僕の部下なんだし」

 

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 綾波について考えるとき、いつでも最初に思い出すのは「食事」のことだ。

 小食ながらに、いつも僕と同じものを食べたがっていた、あの嬉しそうな顔を。

 

 僕が中学3年の時に、小学6年生だった彼女は両親を亡くし、僕の両親が世話することになった。母の両親の間に遅く産まれた、つまり僕の叔母にあたる彼女は、病弱なのでかかりつけの病院から遠ざけるわけにはいかないという事情があって家には引き取れず、荒れ果てた団地に一人で暮らしていた。かなり無口な性質だった。

 小食なので初対面のころは毎日コンビニのおにぎり2個位で済ませていたらしい。

 外食するときは両親がいつも連れてきたが、小食というのに決まって僕と同じものを食べたがっていた。最初にファミレスで食事したとき、綾波はお粥しか頼まなかったが、僕の頼んだステーキをみて

 「一口、ちょうだい」

といった。

 「肉食べないんだろ」

と僕はいったんは拒否したが

 「意地悪しないの」

と母に言われて、フォークに一口分切り分けて差し出した。

 たった一口分のステーキをゆっくりと噛んでいた彼女の本当に嬉しそうな笑顔を、僕は死ぬまで忘れないと思う。

 翌年僕は高校に上がり、入試に行く途中であったアスカや、父さんの親戚兼ピアノ仲間だというカヲル君と遊ぶことが多くなり、あまり綾波との時間が取れなくなった。それでも高1の夏、両親が海外に行ってしまい葛城3佐の所に厄介になるようになってからは、僕が代わって彼女に朝弁当を渡すようにしていた。おにぎり2個と魔法瓶の味噌汁とかだけどね。

 「だから料理が上手くなったんですね」

 「うん、北海道の部隊にいたときは、演習の時には天幕の中で、家の近くでとってきた行者ニンニクやタラの芽を使って鉄板でジンギスカン作ってやったよ。幹部がそんなことしたら陸士(兵隊)の立場がなくなる、ってあとで陸曹(下士官)に注意されたけど」

 

 大学を受けるときの事だ。それなりに成績が良かった僕は東大を受けることにした。一回くらいは上京してみるのもいいと思ったからで、京大出身の両親からは当然反発された。

 「『形而上生物学』なんて怪しいことこの上ないだろ」

 「私たち陰陽隊員の必修科目ですよね、それ」

 「怖いと思って逃げだした宿命に、結局飛び込んでしまったよ。それが、僕という人間の本質なのかもしれない」

 特に父との仲が険悪になった。綾波は、どうも姉気取りだったらしく…そのことを酷く気にしていた、らしい。ある日食事を届けに行った際その話になって

 「お父さんの仕事を信じられないの」

 「当たり前だろ!あんな怪しげな学問、恐ろしすぎるよ!そもそも『ゲンドウはあんなことでちゃんと役所で働いていられたのか』って婆さんが死ぬ直前に嘆いてたよ!」

 ビンタされた。

 それでも東大に受かった息子に両親があーだこーだ言えるわけがない。興味の赴くまま文学部で哲学を学び、色々あって自衛隊に入り、両親と似たような道を歩むことになってしまった。大学の時に何があったかは、また別のお話。

 小平で形而上生物学の実技研修を受けることになった際、母には

 「父さん喜んでたわよ。何も言わないし、素振りにも見せないけど」といわれた。

 「何でわかるんだよ」

 「分かるわよ」

 そういうものなのだろうか。

 綾波はその後カヲル君と付き合うようになり、大学を出て直ぐに婚約した。カヲル君は親から受けついだ事業を順調に成長させている。でも金をつぎ込まなくても、もう綾波は十分健康に生きていける。妊娠したらしい。

 

 「あ、またマリからだ…あちゃ」

 

 「ちょっと見せてください…」

 

 また時間を止めたのだろうか?再び渋滞に捕まっているから見るのは構わないとしても、またしてもいつの間にか奪い取られてしまった。

 

 「『やられちゃった、にゃ…Der Sturm und Drang des letzten Bataillonsに…』何がどうなったらこうなるんですかね?」

 

 僕らの新居に選んだ御殿場市の古い一軒家の中庭の草の上で、彼女は全裸で横たわっていた。全身に日焼け止めを線状に塗りつけて。しかもご丁寧に顔と胸と内股を重点的に白く汚している。右腰を内側にねじって巧く秘所を隠し、左手で胸を隠してはいるが自分で揉んでいるような手つきが余計にイヤらしい。自撮りしている右腕は写らないようにしている。なおかつ

 

 「周りにおいてあるの、碇1尉の半長靴(軍用ブーツ)ですよね…それも4足も。兵隊の集団にアレされたっていいたいんですか」

 

 「活字中毒だからって、僕の隠し持ってたエロ小説読まなくたって…」

 

 「どういうエロ小説!?」

 

 またLINEが来た。

 「その子は多分『こっち側』だと思うニャ」

 そうなのかな。

 

 「…と、ここから先を話すと、君はもしかしたら黄色い救急車を呼ぶかもしれない」

 「私にもそういう話があります。興味を持っていただけるかは分かりませんが、ここは部下を信じてください」

 「そうかい」

 

 「好きな人が明日をも知れない命となったら君はどうする?側にいるかな?それとも、あらゆる策を尽くして健康になってもらうかい?例えば、他人に寝取られてでも」

 

 「その人と敵対することになってでも、私は好きな人に生きていてほしいですね」

 

 「いい答えだ。なら、語ろう」

 

 マリが思い出させてくれた。AOC入校前、少し休みが取れたので宇部新川に帰省することにしたんだ。その時、

 「君に大切なものを取り戻してあげるよ」

と、駅のホームのベンチに座るよういわれたんだ。

 そう、思い出した。

 僕と僕の両親と綾波とアスカとカヲル君の、人類延命のための果てしなく繰り返された悪戦苦闘を。

 そして、最後の周回のことだ。僕は綾波を、異性として愛していた。「最強の使徒」に彼女が取り込まれたときは、自分も世界もどうなっても構わないからと彼女を救おうとしたものだった。しかし

 「綾波は、母さんの…綾波ユイのクローンだった。それも、ちゃんと作られてはいなかった。明日をも知れない身だったんだ。たった10年くらいしか生きていなかったのに…脳腫瘍、卵巣腫瘍、子宮は内膜症で摘出され、40℃の熱が出ることもあった。限界を大幅に越えた状態で、エヴァンゲリオンで戦っていたんだよ」

 

 「僕のせいだ…僕が弁当なんて渡したから、綾波はもう点滴でしか栄養を取れなくなっていたのに無理にそれを食べようとして、余計におかしくしてしまった。それなのに綾波は、使い捨てのアルミ容器まで綺麗に洗ってとっておいてくれた」

 

 だから今この世界では、綾波は僕と同じものを食べたがったんだ。

 

 「自分ではろくに食えないのに、綾波は料理を練習しだしたよ。食事会を開いて何とかして僕と父さんの中を取り持とうとしていた…それを死に土産にするつもりだったんだ」

 

 だから、いつでも僕を殴ったんだ。

 

 「結果的にそのせいでアスカが使徒にされてしまった。僕は恐怖のあまり縮こまって、アスカを殺しも助けもできなかった」

 

 「それでも、せめて、と彼女を救ったはずだった。でも、14年後初号機が回収されたとき、僕しかサルベージされなかった。綾波の肉体はもう限界だったんだ。初号機に溶け込んだ魂を容れる器が無かったんだ」

 

 僕がおかしくなってしまったせいでカヲル君も死なせてしまった。

 それでも、もう一人の綾波は、農作業に精を出してくれた。

 けど、僕の目の前でいなくなってしまった。僕は、どうしても綾波の喪失を受け入れなくてはならないということだ。

 だから…

 

 「私はここでいい」

 

 綾波は、「ツバメ」と顔に書かれた歪な人形を抱えている。本当に子供を産みたかったんだね。多分、僕との。けどそれはできないんだよ。君が「綾波」である以上は。

 

 「もう一人の君は、ここじゃない居場所を見つけた」

 君は本当ならもっと健やかに生きていける、ともう一人の綾波が教えてくれた

 

 「エヴァに乗らない幸せ。碇君にそうして欲しかった」

 

 「うん、だからここじゃない君の生き方もあるよ」

 君もエヴァに乗らずに幸せになってくれなかったら、僕のやることに意味なんてない。

 

 「あとでマリさんが迎えに来る、だから安心して」

 でも、新たに創世された世界で君の隣にいるのは、僕じゃないんだ。

 

 新しい世界でも、愛してるよ。そこでの君が知る以上に

 

 「…カヲル君から、僕はきっと新たに世界を創世する『アダム』の任務を引き継いだんだと思う。そして、知恵の実である書物を愛好し、あの浜辺で入滅するはずだった僕を、自分の身を危険にさらしてでも強引に現世に引き戻すー楽園追放を行ったマリが、僕にとっての『イブ』ということになる」

 

 パジェロはいつの間にか富士駐屯地に入っていた。

 「…よくわかる話ですね」

 「ありがとう。あの時向こう側のホームにいた2人をみて、僕の愛は成就した、と確信した。でも最近はこうも思うんだ。アダムとリリス、そんな神にも等しいものを、地を這いずって子を産みやがて老いぼれて死ぬただの人間に貶めてしまったんだ。そんな僕は、もう『悪魔』とでもいうしかないのかもな、と」

 ドライバーはその時、初めて笑ってくれた。

 「あ、可愛い。君そんな顔で笑うんだ」

 「私、中隊長とも奥様とも仲良くなれると思います。こんどぜひ、ゆっくりとお話がしたいわ」

 僕は衣のうをパジェロの荷台から取り出して担いで隊舎へと入っていった。入口に入る前に車のほうに向き直って、横に立つドライバーに声をかけた。

 

 「ああ、つまみ作るから、僕の家でマリと3人でゆっくり酒でも飲もう。暁美3曹」




 以上が私のシンエヴァの解釈となります。
 ご感想お待ち申し上げています。
 なおシンジが隠し持っていたエロ小説はこちらになります。
https://www.amazon.co.jp/dp/4576100459?language=ja_JP
「発情期ブルマ検査」の作者が「破」公開の翌年に発表したもので、マリたん逃げてーな展開を期待していたのですが…

 今後はこの世界におけるシンジとマリの馴れ初め、東大生の時になぜシンジがこの世界に入ることを決意したか、シンジとドライバーがどんな任務に従事していくか、を書いていこうと思います。
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