破壊神ゴジラvs鬼神エヴァンゲリオン~最終戦争~ 作:井上ああああ
2015年よりおきた使徒との戦い、エヴァシリーズによるテロ行動。
これらで世界はセカンドインパクト以来の衝撃が走った。
また、2020年に同じエヴァによるテロがおき世界中で被害がおきた。
これらをネルフの持つエヴァンゲリオンが鎮圧したことで、彼らは名声を獲得することになった。
そして、2022年。
エヴァに代わるべく生み出された巨大ロボットが各地で猛威を振るうこともあったが、平和な世界は続いていた。
まるでつかの間の平和を楽しむかのように。
かつての少年少女は若者になっていた。
シンジは大学生を卒業した。
音楽講師兼ネルフ職員として働いている。
アスカはドイツ支部での勤務をしている。
元々科学に興味があった彼女はドイツ支部で科学顧問になっている。
綾波レイは学者になった。
エヴァに乗りながらも、世界を守る使命を帯びながらもその人生を楽しんでいた。
パイロットたちだけではない。
彼らの友人も同じくであった。
リツコの手により、エヴァンゲリオン各機体は身長・体重が増量した。
80mだったエヴァ各機は300mに進化していた。
ケンスケはアスカを追いかけたままドイツ支部で正規職員となった。
ヒカリもまたネルフ職員として勤務している。
そして、渚カヲルもそうであった。
火星。
スペースシャトル「エンバー77」は火星に降り立った。
最新鋭のスペースシャトルであったそれは光に近いスピードを移動することができる物であった。
宇宙飛行士の中には渚カヲルもいた。
「気をつけろよ、新入り。」
持ち前の高い知能で大学を速いスピードで卒業したカヲルはNASAの宇宙飛行士となっていた。
本来であれば宇宙服など着なくても、ATフィールドの膜をはり生きることができる。
だが、建前上であれ自分は人間ということになっている。
宇宙服越しからでも火星の赤い砂の感触はわかった。
彼が宇宙飛行士になった理由は自分たちを産んだ第一始祖民族のことを知りたかったから…。
今回はその第一歩だ。
「先発の探検隊が回収できなかったものがある、お前はネルフのところのガキだろう?今回はお前にとってもいい勉強になるぞ。」
金髪青目をした宇宙飛行士のリーダーは言った。
特務機関ヴィレは、あまりにもネルフの名前が有名になり過ぎていることから名前を「ネルフ」に戻すこととなった。
新しい名前は定着しにくい、それが世の常と冬月は言っていた。
「ありがとうございます、大尉。」
「間違っても砂なんか持ち帰ろうと思うなよ。何があるかわからんのだからな。人間でも使徒でもない第三の存在がいる可能性は高いのだからな。」
大尉はカヲルを連れると、宇宙用のバギーを使い国連軍火星基地に向かっていった。
赤い砂が一面中に広がっていた。
「ふっ、緊張しているのか。」
「いいえ。」
「そうか、ならいい。だがな…今から見る物はお前をかなり驚かせるぞ。」
大尉はそういうと、バギーのブレーキをとめた。
「ここだ、あまり驚くなよ。」
そして、指を指した。
カヲルは身を乗り出してその方角を覗き込んだ。
一面中赤い砂が並んでいた、その中に大きな5kmほどあるクレーターができていた。
その中心部にはピラミッド状の物体があった。
ここにも生物がいて、文明があったということなのか?
「これは!?」
「わからん、だが地球外生命体の文明だ。」
そして、大尉はさらに指を指した。
その先には柿色の槍のようなものがあった。
ロンギヌスの槍ではない、もっと強いもっと大きい何かだ。
クレーンがその槍状の物体を持ち上げた…その先には白い背びれかのこぎりのような刃があった。
「なんだあれは…。」
そのエネルギーはカヲルにも伝わった。
一瞬カヲルは目がくらみかけた。
この圧力は尋常ではない。
「おい、新入り!」
大尉はカヲルを抱き起した。
「すいません、大尉…気分が悪くて…。」
「少し休もうか。」
その時、カヲルはわかった。
この世界には自分の知らない何かがまだまだある。
今回みつけたものはまだその一歩、その先に自分たちを産んだ第一始祖民族の秘密が待っているはずだ。
地球にもその答えはあるはず。
カヲルは地球をみつめた。
同じころ、南太平洋のある島。
そこは長い間破棄された島であった。
住民はほとんどおらず、かつて文明らしいものがあったそうだが結局破棄された状態が長い間続いた。
かつて大航海時代にイギリスがその島をみつけ、根付こうとしたがその島に資源らしい資源がみつかることはなかった。
したがって、イギリスも破棄した。
忘れられた名もない島であった。
しかし、つい最近そこを訪れた漁船があるものをみつけた。
それは大きな遺跡だった。
遺跡の奥にはなんと20m近い繭があった。
不審に感じた漁村は地域のオーストラリア軍に通報、やがてそれはネルフへと向かっていった。
使徒の可能性がある。
そう判断したのだ。
ヘリコプターとともに、降り立ったリツコと綾波レイはその繭へと向かっていった。
レイは生物学を専攻している。
「マグロを探していたらここにたどり着いたらしいです、近所の漁民はここが穴場なのでひそかにきてはとっているとか…。」
先頭に兵士数名、通訳、リツコ・レイ・最後尾にまた兵士の10数名はジャングルの中を突き進んだ。
やがて、マヤ文明のような遺跡を通り抜けると大きなゲートに入っていった。
「この先に繭があるとか…。恐らく魚ついでに黄金でも探したんでしょうね。」
リツコとレイは男の話に空返事を返すと突き進んでいった。
やがて、ゲートを入り突き進むと周囲は暗い闇で覆われていた。
男はライトを持つと、奥地へと進んでいった。
一行は奥に進むと階段らしきものがあった。
「こんなものがあったのに、誰も把握していなかったなんて…。」
リツコは思わず口にした。
「この辺じゃ変な噂がたっていたんですよ、食人族がいるとかテロリストが基地にしてるとか…全部まがいものだったんですけどね。」
一行が進んでいくと、そこにはより多くの兵士がいた。
リツコは気が付くと、そこは海に近い洞窟であることがわかった。
そしてそれはあった。
まるで蚕の繭がごとく。
糸で包まれた球体のものが。
横幅だけで30mはある。
どれだけ巨大なんだろう。
リツコはセンサーを近づけた。
「それは?」
「これを使えば使徒か否か、判明できるんです。」
センサーは反応しなかった。
使徒ではない。
だが、これはなんなのだろう。
「レイ、これは何かわかる。」
レイはふと見つめた。
「まるで蝶々の蛹か何かにみえます。幼虫が糸を巻きその中で成長を待っている。」
蝶…もしもこれが蝶の蛹であれば世界一大きな蝶になるだろう。
すると、近所に来ていた老人が声を出した。
男は繭をみて何か怯えた様子で叫んでいた。
「あの人何を言ってるのですか。」
通訳の男は老人の声を聴いて青ざめた。
「黒い王が四つの下僕とともにやってくるのだ。繭は黒い王と戦う白の女王のもの、でもそれだけでは勝てない…。」
リツコは首を傾げた。
老人はライトを持つと、壁に光を当てた。
そこには大きなトカゲのような怪物が人型のモノを踏みつけている画があった。
その人型のモノに見覚えがあった。
角らしきものが生えていた。
まるでエヴァのように。
それを踏みつけるトカゲの怪物。
リツコは老人の顔を観て言った。
「あなたはなんなの。」
すると老人はゆっくり口を開いた。
その言葉を通訳は訳した。
「私の祖父はかつてここに住んでいた。その時言っていたことだ。妄言だとみんなバカにしていたが…事実だった。」
ライトをみた。
そこには見慣れない象形文字がならんでいた。
リツコは青ざめた。
何か嫌な予感がする。
とんでもないことがおきる。
レイは繭をみつめた。
リツコと同じくその心の中には何かモヤモヤした不安がよぎっていたからだ。
その漠然とした不安を持っていたのはリツコだけではなかった。
第三新東京市。
ヴィレから、ネルフに組織名が戻ったばかりの組織を立て直していた副司令の葛城ミサトはふと夜景をみていた。
そのわきには夫の碇シンジ、もとい葛城シンジがいた。
年齢は36にさしかかったが、まだ昔のままだった。
肉体も、美貌も。
しかし、彼女は最近子皺が増えたように感じていた。
「どうしたの、ミサトさん。」
シンジはミサトに聞いてみた。
ミサトはシンジの顔をみつめた。
もう14歳の少年ではない。
ミサトと同じぐらいの身長に成長していた。
「いえ…。」
「なんか最近険しい顔になってるよね。」
「そんなことはないわ…。」
「いや、なってるよ。」
ミサトは内心わかっていた。
この平穏は長く続かない。
使徒、あるいはそれ以上の災厄が近づいている。
それだけではない。
彼にだけは言っておくか。
「私昨日夢をみたのよ、セカンドインパクトのままの夢を…。南極の氷が解けていく姿を…その中を白い巨人が進んでいくのを…。そして、父は私を助けて死んでいった。」
シンジはふとミサトをみつめた。
意外と身長が小さい。
ボクは越してしまった。
その背中は意外と広い。
だが、小さくみえた。
夜景のせいだろうか。
「きっと、あれと同じことがおきる。その前兆か何かよ。今度こそ世界は滅びるかもしれない。私たちは勝てないかも…。今度こそ私も殺される。不安なのよ。」
シンジはミサトを後ろから抱きしめた。
「そんなことないさ。」
「シンジ君。」
「ボクがあなたを傷つける者全てから守る。ボクと母さんの初号機がね…。」
シンジはすでに知っていた。
エヴァ初号機の中には母がいると。
全てはゼルエルとの戦いのあと初号機に取り込まれた際に母をみたのだ。
はっきりと。
「もう私よりも強くなったのね、あなたは…。」
ミサトはシンジの手をつかんだ。
「多分まだ敵わないと思う、ミサトさんには。」
そんな時だった。
シンジとミサトのケータイに同時に連絡がかかった。
招集だ。
「まさか使徒かな、それとも別組織のエヴァかな。」
「わからない。」
ミサトはケータイを取った。
「葛城一佐、大阪湾で武装した暴力団とテロリストと巨大ロボットが客船をシージャックした。いってこれを鎮圧してくれ。」
冬月総司令の声だ。
「私もですか。」
「君とシンジ君、ご指名だ。君たちの息子とペンギンのことは任せたまえ。」
「了解しました、すぐに向かいます。」
ふと、シンジとミサトは第三新東京市をみた。
その夜景には紫色のシグナルがともっていた。
「バットマンのマネしすぎじゃないあれ。」
「ボクの趣味じゃないので…。」
まあ、カッコイイからいいか。
ミサトの愛車に乗り込んだシンジはすぐさまネルフ本部に向かった。
大阪湾。
客船「サンライト」は暴力団と手を組んだ過激派団体に支配されていた。
この客船のオーナーが暴力団に対して上納金を支払わなかった。
それに対する報復であった。
暴力団に雇われた過激派団体、そして破門を喰らったチンピラ集団これらのチームが集まっていた。
船員や客を一人でも多く殺し、オーナーを怖がらせる。
これが目的であった。
船員や客たちは縛られマスト上に立たされていた。
白いスーツを着たリーダーの男は船長に話しかけた。
「のォ…船長さん。わしらの提案をきいてくれはせんかのォ…。この船をちょいとばかりもらえればわしらもこないなマネはせんですむんや。」
「ふざけるな!ヤクザなんぞに従わん!」
船長は叫んだ。
だが、リーダーの男は不適に微笑んだ。
「船長さん。根性あるのォ…ええこっちゃ。」
するとリーダーは部下を呼び寄せた。
部下は刀を持ち出した。
そして、リーダーは刀をつかむと鞘を抜いた。
銀色の刀が船長の顔をうつした。
「船長さん、チャカとだんびらどっちがつよいと思う?極道のケンカはな全部だんびらが勝つんやで…。」
リーダーは船長の胸に刀を突き刺すと引き抜いた。
船長は何も言わず、胸から血を出して息を引き取った。
「あらぁ?死んでしもうた。なんでやろー!?」
リーダーは不適に笑った。
「おう、そうや…名乗りをあげようか。わしは鈴原マサキ!」
マサキの白スーツに赤い血はどっぺりとついた。
「次はどいつにしたろかァ…そうやなあ女がいい。メス犬を連れてこいや!」
マサキの声に応じた舎弟は人質の中から女をつかむと、マサキの前にもってきた。
若い女だった。
マサキは女の腰に手を回すと耳をなめはじめた。
そして、ヤニ臭いねっとりとした唾液を巻き散らしながら言った。
「ええ女やのォ…ねえちゃんわしの女にならんか?それとも死ぬか?」
女は海の上をみた。
そこには大きなカニ型のロボットがいた。
大きさは100mはくだらない。
「あれが気になるか。あれはのォ…高かったんや。でも中国で安値で売られとった。向こうではごっつああいうの作られとるねんで。安い金で買って高く売る。ビジネスの鉄則や。おねえちゃんもインドネシアにうったろうかのォ…。」
「やめてください。」
「30万ぐらいかなあ、ってこれ高くないがな!」
マサキの声を聴くと舎弟はゲラゲラと笑い始めた。
女の目からは涙があふれていた。
「あ、アカン…泣く女みるとすっごいごっつ殺したくなってくるんや…もうアカン。殺してしまいそうや。おいコラァ!!!死んでみるか!?どやねん!!!!」
そんな時だった。
マサキの無線に声がした。
「侵入者が出ました!!!3名やられました!!!」
大阪府警か。
マルボーか?
こないなところでマルボーにみつかりたくはないな。
マサキは女をつかむと、マストの奥に行った。
舎弟や傭兵たちは人質たちに銃を向けていた。
「けっ、これだけおったら怖いものなどあるわけないわ。」
どちみち人質は皆殺しの予定だ。
楽な仕事、親分連中も耄碌したもんだ。
マサキはそう思い込んでいた。
ミサトはウェットスーツを脱いだ。
泳いでここまできた。
結構な距離があったが、ミサトは泳ぎここまでくることができた。
今きているのは、タンクトップとジーンズだけ。
ここに来るまで、港で3人の守衛を殺した。
「おいコラここでなにしてるんや!」
入れ墨をいれた男が銃を向けてきた。
ミサトは走り込むと男の腹部に蹴りを入れた。
「おべ!」
男は悲鳴をあげると地面に倒れた。
「こいつ…。」
男は起き上がろうとしたが、ミサトは男の頭に銃を突きつけた。
「人質はどこ。」
「ま、マストにおる。お、おれはなにもしとらん。」
ミサトはそのまま男の顔を蹴り飛ばした。
サッカーボールのように、男はそのまま気を失った。
彼女は持ってきたカバンの中から防弾ジョッキを着るとそのまま前へ突き進んだ。
作戦課長、元々は使徒に対するものだったが…最近はこういう警察や戦略自衛隊のバイトが舞い込んでくる。
これもまた資金確保のため。
自分の力が社会のためになるなら、ミサトはいくらでもする気でいた。
ゼーレが以前ほどの力がなくなった今、それよりひどい連中が世界で溢れている。
ふとミサトは周囲をみた。
中には殺されたと思われる人間もいた。
こいつら見境がない。
まるで殺しが目的のようだ。
ミサトは殺された人の瞼をつかむと目を閉じさせた。
ふと彼女の前にまた別の見張りがきた。
今度は二人、ミサトは愛用のハンドガンを手にすると二人の頭めがけて銃を撃ちこんだ。
「どうせあんたら、生きてても死刑よ。」
ミサトはそのままマストに向かって突き進んだ。
5名の男がいるのがみえた。
白いスーツを着た男の顔に見覚えがあった。
鈴原マサキ。
ヤクザの男だ。
死んだ鈴原トウジの従兄。
「悪党め…。」
ミサトは脇に隠れると銃弾をため込んだ。
「お前らには死刑台ではなくこの銃弾がお似合い。」
彼女は銃弾を撃ちこんだ。
その放った全ての銃弾は、またたくまに4名の男の頭を撃ちぬいた。
マサキはあまりの速さに悲鳴を上げた。
「誰や!!!」
ミサトは姿を見せた。
「なんや、オノレか。」
「任侠の仁義はどこへいったのかしら。」
「もうわしはヤクザやない、破門よ。ワシの子分とともに半グレやっとるんや。そんで…この船を乗っ取って船員と乗客を殺す話が舞い込んでよォ…やっとるのよ。それもこれもオドレのせいじゃボケぇ!」
「お前のような外道は地獄がお似合いよ。」
「言ってくれるのォ…姉ちゃんよチャカとだんびらやったらだんびらが勝つ。やってみるかァ!!!」
こいつは生かしておいた方がいいか。
殺してやりたい気分だが…。
リーダーであるから組織図もわかるはず。
「あんたみたいな小物があたしと勝負なんて笑わせる。」
ミサトは容赦なくマサキの皮靴めがけて銃を撃った。
「う、うぎゃああああああああああああ!!!!」
足の指を狙った。
恐らくかなり痛いだろう。
刀を離すと、マサキは足を抱えていた。
そのチャンスをミサトは見逃さなかった。
地面に倒れていたマサキめがけて蹴りをぶち込んだ。
マサキは口から血を拭くとそのまま気を失った。
その頃、シンジはネルフ専用機に吊り下げられた初号機の中にいた。
海にはカニ型のロボットがいた。
エヴァではない。
JAなどがそうであったように、巨大ロボットが作られている。
その多くはろくでもない組織に売られている。
上空900mでもその姿はみえた。
エヴァも作られているとすれば‥。
無線越しに冬月の声が聞こえた。
「みえるか、あれはカニ型ロボットだ。ああいうのが市街地に入ればろくなことにならない。破壊しろ。」
「了解。」
エヴァ初号機は世界最強の力を持っている。
その力を正しいことのために使う。
父の墓に誓ったことだ。
初号機を引き下げていたチェーンは解かれた。
初号機は小型のプログレッシブダガーを持つと、とびかかった。
カニ型ロボットは大きく後退した。
二体は海の中へもつれこむと、その先に別のロボットがみえた。
深海の中で待っていたのか。
120mのサメ型ロボットが3体。
「来ることはわかってたぜ!てめえはここで死ぬんだよ!!エヴァンゲリオン!!」
声が聞こえた。
相手方の無線も傍受していたのだ。
サメ型が近づいてきた。
冬月の声が聞こえた。
「あれは中に人はいない。ドローンのようなものだ。思いっきり壊してしまえ。」
初号機はダガーを持つと、襲い掛かってきたサメ型ロボットをそのまま切り捨てた。
まずは一体。
二体目が腕に噛みついてきた。
初号機は手を伸ばすと、二体目をそのまま怪力でへし折った。
そして、最後の一体をつかんだ。
「こんなのへでもないよ。」
初号機の顎が開くと、最後のサメ型ロボットはそのまま初号機にかみ砕かれた。
その時だった。
カニ型の鋏状の腕が近づいた。
そして、初号機のクビをつかみすさまじい力で締め上げた。
「へへへ、このまま深海のなかで死ねっ!」
だが、シンジの敵ではなかった。
「ごめんよ、それが君の全力なんて思わなかったんだ。」
ダガーを使い、カニ型のそれの腕を切り裂いた。
轟音をとどろかせると、カニ型の右腕がちぎれた。
「な、なんだこいつ!!」
初号機はそのまま怪力で敵の顔面をつかみ万力で締め上げた。
「このままへし折れば君は死ぬ。死にたいか?降参するか。」
敵機は火花を散らし、今にも壊れそうだ。
このままでは死ぬ。
流石に人を殺す気はない。
「降参しろ。」
「わかった…。俺の負けだよ。」
初号機は地面に上がろうとした。
海上には恐らく戦略自衛隊か国連軍か、何かわからないが艦艇がみえた。
そんな時だった。
海の中に何か悪寒を感じた。
何だ今のは…。
海の底に何かがいる。
まあいい、今はこいつをもっていこう。
シンジは海上にあがった。
そして、カニ型ロボットをつかむとそのまま艦艇に後を任せた。
ふと、船の上をみるとミサトが手を振っていた。
周囲には警官や戦自の隊員がいた。
どうやら事件は解決したようだ。
ミサトも無傷だった。
相変わらず戦略家として以外は大した兵士だよなあの人、無茶だけど…。
シンジはほくそ笑むとエヴァ初号機の手を伸ばした。
ミサトは初号機の掌の上に乗ると、そのまま寝そべった。
ふと、ミサトの肌の温かさがエヴァを通してわかった。
すると、ミサトが無線を通して会話を始めた。
「えへへへ、シンジ君の手の中にいる。まるで小人になったみたい。」
「どうせだから、中に入ってみる?」
シンジはふと提案した。
ミサトはキョトンとした顔から笑顔になった。
エントリープラグの中にミサトは入ってきた。
「ミサトさん、ここの眺めすごくきれいだよ。」
ふと、シンジには大阪の夜景がみえた。
エヴァ初号機を通して見えるようだ。
ミサトにもこの光景がみえた。
眠らぬ街、大阪。
その夜の明かりはシンジたちを優しく包んだ。
「奇麗。」
まるでダイヤモンドが光り輝くようだ。
「シンジ君、これがあなたのみる世界なのね。」
小さくてきらきらしてる。
でもその全てが美しい。
「とてもとてもきれいだわ。」
「ミサトさんもとてもきれいですよ。」
ミサトは微笑んだ。
そして、シンジの頭を指でやさしくこづいた。
「じゃあキスする?」
「いや、ここではちょっと…。」
そんな時だった。
冬月の咳払いが聞こえた。
「葛城一佐、調子に乗るな。帰還しにこい。」
ミサトはいたずらに微笑んだ。
シンジもそれに微笑みでかえした。
誰も知らない中、マリアナ海溝の奥では次元の亀裂が入っていた。
その亀裂は日々、刻一刻と広がっていったのだった。
その先にもう一つ世界があった。
そこにはいた。
破壊の神であり、あらゆる万物の王である『それ』が。
彼に付き従う四体の部下、それらに率いられる虫たちもひそかに集結していた。
破滅の王が世界にやってこようとしていたのだ。
ゴジラが本格的に登場するのはちょっとまだ先です。
お楽しみに。