破壊神ゴジラvs鬼神エヴァンゲリオン~最終戦争~   作:井上ああああ

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なんとか7月中に間に合いました…。


第12話 ゴジラvsエヴァ 最終決戦 パート4

 地球、コア近く

 ゴジラの熱線はコアを地表を貫き、大きな穴を開けた。

 

 モスラはエヴァ各機を庇い、死んだ。

 多元世界の守護者であるモスラの魂は金の鱗粉になった。

 それはあるものに注いでいった。

 地表の穴を抜けていき、マントルの中で眠るもの。

 

 

 それはエヴァ初号機だった。

 

 

 初号機であったそれは、マントルの中で力なく漂っていた。

 かろうじて、コアは残っていたが他はもうボロボロだった。

 そんな初号機に金色の雪のような鱗粉がふりかかっていった。

 モスラの魂たちが、初号機にふりかかっていたのだ。

 

 だが、 初号機の中にいるシンジもその心臓の鼓動をとめつつあった。

 死にかけていた。

 

 

『言ったはずだ、シンジちゃん。お前じゃヤツに勝てねえのさ。』

 

 

 宿敵コンラッド。

 彼の消えたはずの魂の1部の声が響いた。

 そして、あの高笑いも。

 

 それも消えていった。

 もう何も聞こえない。 

 感じない。

 

 

 

 マントルの中で初号機とともに息絶えようとしていた。

 意識はかろうじであった。

 

 

「ごめん、ミサトさん。」

 

 

 

 彼はそう言い、事切れようとした。

 その時だった。

 

 

 

『碇君。』

 

 

 

 声がした。

 シンジは少し目を開けた。

 すると、体中に金色の何かがふりかかるのがみえた。

 

 

 まるで金粉のよう。

 

 

 

 と、同時にシンジの中で何かが蘇る気がした。

 体力・気迫・精神力…。

 それはシンジだけではなかった。

 

 

『碇くん。』

 

 

 綾波の声だ。

 コアが再生していってる。

 エヴァ初号機も。

 元々エヴァには自己修復機能があったが、これはそれ以上だ。

 

 

 

『まだあきらめないで。』

 

 

 綾波の声、シンジは目を覚ました。

 

 

 やがて、シンジの体にかかっていた金色の粉は、白色に輝いた。

 まるで蛍の群れがシンジにかかるように。

 それは心地よかった。

 

 

 その時だった。

 

 頭に声が聞こえた。

 

 

 

『シンジくん。』

 

 

 この声に覚えがある。

 確か。

 マリだっけ。

 

 

「マリさん?」

 

『そう、でもあなたが知ってるそれは分身。私はホンモノのマリ。私たちはモスラの中で生きていた。』

 

 

「モスラも魂を取り込めることができるのか。」

 

 

 シンジはため息をついた。

 力が戻っていくのを感じる。

 だが、勝てない。

 

「無理だよ。もう何をやっても勝てない。」

 

『お願い、諦めないで。』

 

「どうしろってんだよ!!!何度も何度もあいつにやられて痛い想いをしてきた。そのたびにあいつは強くなっていく一方だ。互角ですらない。一方的だよ。そんなのにどうやって…。」

 

 

 シンジは14歳の少年の時に戻ろうとしていた。

 今まで経験していた全てが無意味だったのだ。

 

 

『武器ならあそこにある。』

 

 

 初号機はふと、そばにある槍をみた。

 

 それはマグマを吸収し、モスラのエネルギーも吸収し大きくなっていったのがシンジにはわかった。。

 ゴジラの背びれをもした刃の形も長く、大きく伸びていった。

 形状ももはや、槍ではなくなっていった。

 それより大きなバスタードソードあるいは、バスタードソードのような大型剣になっていくのがシンジにはみえた。

 

 

『その中に、全ての希望のエネルギーがある。』

 

「希望?」

 

『ヤツはこの世の全てを喰らいつくす。熱・毒・衝撃・放射能・光・電気、それだけじゃない。感情すらも食べるの。特に憎悪と怒りの感情を喰らう、悲しみも絶望も恐怖も…。でもたった一つだけ食えないものがある。希望よ。ヤツには暴力だけでは勝てない。希望を、込めてヤツにそれを叩きつけて。』

 

 

 これなら奴を倒せるのか。 

 シンジは手に持った。

 そのエネルギーの重さに思わず腰が抜けそうになった。

 

 

「重っ。」

 

 

『モスラの魂が、そして私たちの魂が…あなたとその武器を蘇らせた。あなたはモスラと一つになったのよ。私たちの知恵と魂をあなたにあげる。絶対に勝てるわ。』

 

 両手でしっかり持つと天に掲げた。

 白い光に包まれたそれはシンジに自信を取り戻すには十分であった。

 

 

『チャンスは一回しかない。このエネルギーは一時的な物。だから大事にして…これが割れたり壊れれば…次こそあなたは死ぬから。』

 

 

 

 この剣がヤツの心に忘れていた愛を思い出させるのなら。

 希望のエネルギーが溜まった物であれば…。

 ヤツにそれを植え付けてやろう。

 どういう形であれ、ヤツを倒すにはそれしかない。

 

 

「やってやるぞ。」

 

 

 シンジは天を見つめた。

 大きな穴が開いていた。

 ここから自分は降って来たんだ。

 

「ゴジラを倒すしかない。」

 

 

 彼は思いを込めた。

 そして、12枚の翼を開いた。

 その両手には大剣が構えていた。

 それは白い輝きに満ちていた。

 初号機は天に上りかけあがっていった。

 

 

 

 地上、二号機・四号機・零号機の前に破壊神はやってきた。

 黒い岩肌の中にうかんだ目は瞳孔がなく、白く不気味に輝いていた。

 口元は青白いチェレンコフ光で輝いていた。

 

 

 このままだとやられる。

 動かなくては。

 それぞれが武器を構えていた。

 

 まず最初に動いたのは四号機だった。

 四号機は、手をかざした。

 

 

「この世界から、消えてもらおう。」

 

 見栄を切ると、指を鳴らした。

 そして、デストロイアにしたときとは比べ物にならない大きな強大なディラックの海を召喚した。

 あれはあらゆる物質を飲み込む、そして虚数空間は別の宇宙である裏宇宙につながっている。

 

 ゴジラはふと、足元をみた。

 そして、微笑んだ。

 

 

『面白い。』

 

 

 その体は底なし沼にのまれるが如く、飲まれて行った。

 だが、抵抗をしているようにはみえなかった。

 

 

「まるで無関心か。」

 

 

 まるでカヲルすらも嘲笑うかのように冷たくみつめていた。

 やがて、ゴジラの頭の先まで飲まれていった。

 そして、虚数空間は一つの球体になり消えようとした矢先であった。

 

 

「あぐッ!!!!」

 

 カヲルの右腕に激痛が走った。

 そして、手を抱え地面に倒れ込んだ。

 

「どうしたの!!」

 

 アスカの声とともに二号機は駆け寄った。

 

 

「やられる!」

 

 

 その時だった。

 

 その中に、白い光が二つあった。

 ゴジラの目だ。

 

 

 

「ヤツにはきかないんだ。」

 

 

 カヲルは腕を抑えながら言った。

 その言葉には絶望がこもっていた。

 ブラックホールも破壊するなら、虚数空間も破壊する。

 ヤツはすさまじく強い。

 

 

 

「ちっ!!!」

 

 

 アスカはキャノン砲を構えた。

 絶対零度砲を放とうとした。

 零号機もポジトロンライフルを抱えていた。  

 

 

 だがどれも通じる可能性はない。

 彼女たちの手は震えていた。 

 恐怖に…。

 

 

『何度やっても同じこと、貴様らはまとめて我が胃の中に納まればよいのだ。』

 

 

 ゴジラはエヴァたちをみていた。

 そして、ゆっくりとゆっくりとのそりのそりと近づいてきた。

 その目は白く不気味に輝いていた。

 口元は青白い輝きで満ちていた。

 まるで彼らを死で包もうとしていたのだ。

 

 

 その時だった。

 

 

「みんな待ってくれ。」

 

 

 シンジの声。

 生きていたのか。

 

「シンジ!?」

 

「シンジ君!?」

 

 

 二人は気持ちが高ぶった。

 生きていた。 

 死んではいなかったんだ。

 生きていた。

 

 

「僕に考えがあるんだ。二人とも絶対零度砲があるだろ?それを使ってヤツを足止めしてくれ。その隙に僕が一撃をくれてやる。」

 

 

 二人の中で希望が広がった。

 

 

「無事なの?」

 

「ああ…。」

 

 姿は見えない。

 だが、初号機は無事。 

 シンジも生きている。

 アスカの心の中に安堵が広がっていった。

 

「まるで神様になっちゃったみたいね。」

 

「頼む、いいからやってくれ。」

 

「わかったわかった。」

 

 

 カヲルとアスカはいわれたように、絶対零度砲を構えた。

 

 

「零号機、君も手伝ってくれ。ファイヤーシールドを頼む。」

 

 

 カヲルの言葉に従うように零号機は二体の前に踊り立った。

 そして、装備していたファイヤーシールドを展開した。

 

 

 ゴジラは青白い光を放った。

 ファイヤーシールドはそれを受け止めた。

 その手が震えているのがカヲルにはわかった。

恐怖か、力負けか、カヲルはその両方だとわかった。

 

 カヲルはすぐさま、ゴジラの脇に移動すると絶対零度砲を放った。

 別の方角から二号機も放った。 

 黒い岩肌の破壊神の体は再び氷漬けとなった。

 

 

 

「今よ!」

 

 

 アスカは声を出した。

 すると、地中の裂け目から大きな光り輝くものがあがったきた。

 カヲルもアスカもそれを目を凝らしてみた。

 

 光は収まると、大きな太く長い物に代わっていった。

 剣だ。

 まるで、西洋のクレイモアかバスタードソードのようだ。

 アスカが日本にいたころ、みていたファンタジー漫画の主人公がつけていたものに似ていた。

 

 

「ドラゴンころし、ならぬゴジラころし…。」

 

 その大剣を抱えているものがあった。

 それはエヴァ初号機。

 

「シンジ!」

 

 

 その様子をネルフ本部にいた冬月もモニター状でみていた。

 

 

「シンジ君!」

 

 よかった生きていた。

 死んでいなかった。

 そして、冬月はモニター状に広がる光に思わず目を背けざる負えなかった。

 光輝くそれを抱えている初号機は勇ましく誇らしく冬月にはみえた。

 

 

 初号機は大きく飛び上がった。 

 氷漬けになったゴジラの氷の音がビキビキとしていた。

 割れている。

 そして、青白い光が輝いた。

 

 

 

 氷が解けていった。

 ゴジラがまた目覚めたのだ。

 足止めは短い時間にしかならなかった。

 

 

 アスカは悲鳴を上げた。

 

 

「あいつが目覚める!」

 

 

 やがて、光に包まれた大剣を抱えた初号機がおりたった。

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

 

 14歳の時とはけた違いに成長していたシンジの雄々しい声がアスカに聞こえた。

 

 

 ゴジラは氷の結晶を砕くと、ふと天をみた。

 そこには初号機がいた。

 

 

『お前!!』

 

 

 だが、前回と違う。

 あふれる希望のエネルギーはゴジラを突き刺すようにじわじわと差し込んでいった。

 

 ゴジラは青白い熱線を放った。

 だが、大剣はその熱線を弾いた。

 

 破壊の神は気づいた。

 こいつ、もしかして…モスラのエネルギーを吸収したのか。

 ということは我が肉体にもダメージはいきわたる。

 

 その時、ゴジラに頭に焦りが浮かんだ。

 白い瞳孔のない目は大きく見開いた。

 そして、天から落ちてきた初号機はその大剣を使いゴジラの頭めがけてふりかざした。

 

 

 ゴジラは頭を横にそれ何とか避けた。

 だが、その剣はゴジラの肩に激突した。

 そして、深々と胸まで突き刺さっていった。 

 ゴジラの皮膚を大きな斬撃が突き刺した。

 

 

 

 ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!

 

 

 その時、彼は感じた。

 痛み。

 もう何億年以上も経験していないそれがゴジラの中に蘇ってきた。

 そして、口と傷口から噴水のような大量の血が噴きでていったのだった。

 

 

 

 ゴジラの強固な皮膚と岩肌をえぐり、肉をそぎ落とすとそれは心臓にまで達した。

 手ごたえはあった。

 シンジは微笑んだ。

 初号機を通して、ゴジラの心臓の鼓動がわかったのだ。

 

 

「やった…。」

 

 

 だが、違った。

 大剣が動かなくなった。 

 ゴジラの心臓の鼓動が激しくなっていくのを感じた。

 

 

 

「まさか…。」

 

 

 シンジは絶望した。

 死んでいない。

 それどころか、心臓の鼓動だけで剣を抑えている。

 まさか…。

 

 

 

『貴様に礼をいおう…。気づかせてくれた。』

 

 

 シンジの頭に声が響いた。

 人間の物ではない。

 まさか、モスラのテレパス能力が僕に受け継がれたのか。とシンジはわかった。

 

 

『俺は甘かった。最初から怒ればよかったのだ。』

 

 

 シンジの心に蘇った。

 恐怖が。

 

 

 ゴジラの背びれは赤く輝いていた。

 毒々しく。

 

 シンジにわかった。

 ゴジラは怒ったのだ。

 それは宇宙の終焉を意味している。

 

 

「あ、ああ・・・・あああ・・・・・・。」

 

 

 シンジの心に恐怖があがった。

 彼だけではない。

 そこにいるすべての者が恐怖に包まれた。

 

 赤い色、怒りの色。

 ゴジラはそれに包まれていた。

 

 

 本気になった。

 

 

 ゴジラの瞳孔のない目の周囲、その筋肉を赤いマグマのような血管が浮かび上がっているのがみえた。

 そして、片手を使い大剣を引き抜いた。

 力づくで。

 

 

 ぐきっ!!!!

 

 

 音が響いた。

 

 ゴジラの剛力は大剣すらもへし折った。

 もう希望のエネルギーですらも、このバケモノをとめられない。

 

 

『こんなもので俺を倒すことはできん。』

 

 

 ゴジラはそれだけいうと初号機を振り払った。

 初号機は地面に倒れた。

 シンジは思わず腰が抜けた。

 

 

「あ・・・・ああああ・・・・・。」

 

 

 

 

 そして、ゴジラの大きな足が降り注いだ。

 初号機の上半身は一気に足に踏みつけられた。

 

 

「あああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

 

 シンジは悲鳴を上げ苦しんだ。

 

 

「やめろ!」

 

 

 

 そんなシンジを助けるべくカヲルは激痛をこらえて指を鳴らした。

 ゴジラの周囲に複数の虚数空間が出てきた。

 

 

 そして…。

 

 

「喰らえ!!!」

 

 

 

 複数のロンギヌスの槍が降り注いだ。

 それはかつてネルフ本部にやってきた量産機が持っていたもの。

 10体以上の槍はゴジラの傷跡や頭部に降り注いだ。

 

 

 ざくっ

 

 

 鈍い音が響いた。

 脳に刺さった。

 効果は・・・・。

 

 ゴジラは動いている。

 きいてなかった。

 刺さっているが、まるで痛みなどないように突き進んでいる。

 

 

「バカな・・・・。」

 

 

 カヲルは絶望の表情を浮かべた。

 効かない。

 ゴジラの動きは止まらなかった。

 ロンギヌスの槍はゴジラに効果がなかったのだ。

 

 

 

『愚か者がッ!!!!』

 

 

 ゴジラは怒りのあまり、鼻息を鳴らした。

 その鼻息は衝撃波となり、3体を地面に引き倒した。

 

 

「ああああああああああああああああ!!!!」

 

「うわあああああああああああああああああああ!!!」

 

 

 

 モニターで見ていた冬月は顔を青ざめた。

 同じく発令所にきていたリツコも顔を青ざめた。

 

 

「これではあの壁画と同じ…。」

 

 

 モスラが倒れる、四体の巨人が倒れる。

 第一始祖民族が警戒していたシナリオ通りになった。

 

 

 

「宇宙空間から巨大なエネルギーが!!!」

 

 

 

 オペレーターが叫んだ。

 すると、冥王星にある人工衛星の1部がうつしていた。

 宇宙空間を無数の物体が包んでいた。

 

 

 その真ん中に金色の生命体がいた。

 それは東洋の龍のような姿をしていた。

 日向にはわかっていた。

 

 

 

「ギドラだ。」

 

 

 宇宙空間に漂っていられる金色の龍は太陽より大きかった。

 まるで太陽系を食いつくそうとのびていた。

 

 

「あの壁画と同じ…。」

 

 

 リツコは絶句した。

 すべては予言の通りになった。

 モスラが倒れ、エヴァが倒れ、ギドラがやってくる。

 それを迎え撃つゴジラが立ち上がる。

 そして始まるのだ、ラグナロク。

 神々の最後の戦いが。

 

 

 

 ゴジラは初号機を踏んだまま、睨みつけた。

 宇宙の先にいる。

 自分の最後の宿敵が。

 奴も皇帝になり、自身の軍隊を率いているのだろう。

 だが、それも無意味なことだ。

 

 

 ふと、ゴジラは目の前で力なく踏まれている初号機をみた。

 彼が支配する世界では彼は王であり帝であり、神であり、処刑人でもある。

 処刑を行う時がきた。

 そして、処刑はゴジラにとって食事でもあったのだ。

 

 

 破壊神は初号機に食らいついた。

 そのまま轟音とともに初号機の上半身に食らいつきそのまま食いちぎった。

 そして、上半身のみが持ち上げられた。

 

 

「うがあああああああああああっ!」

 

 

 シンジは何もできなかった。

 もはや、避けることもできなかった。

 最後の時がきた。

 彼は確信した。

 

 

「ごめん、みんな。」

 

 

 音声回路を使い、最期の言葉をいった。

 後生の別れ。

 最後まで付き合ってくれた友人たち、シンジは心からの感謝を述べた。

 

 

「さよなら。」

 

 

 ゴジラはそのまま初号機の上半身を一瞬で嚙み砕いた。

 ばらばらになった破片や肉片はそのままゴジラに呑み込まれて行った。

 食い殺されたのだ。

 

 

 

「シンジくん!!!」

 

 

 リツコは悲鳴を上げた。

 

 

 初号機の生体反応がなくなった。

 死んだ。

 恐らくシンジの魂も。

 食われた。

 

 

 

「シンジ…。」

 

  

 アスカはその光景をみていた。

 その時、何かがキレるのを感じた。

 

 

 

「うわああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

 

 

 弐号機は雄たけびを上げATフィールドを放った。

 そして、それはすさまじい衝撃波となった。

 

 

「このトカゲがあああああああああああああああ!!!!」

 

 

 カヲルは目を赤く輝かせた。

 完全に彼はリリンそのものになっていた。

 そして、怒りとともに全身の力を振るい、ATフィールドをぶつけた。

 

 

 

 だが、それらは怒りの衝動に任せた悪あがきに過ぎなかった。 

 ゴジラは彼らの怒りよりもはるかに強い怒りで彼らをにらんだ。

 

 

『邪魔だッ!!!!』

 

 

 だが、ゴジラの怒れる咆哮はそのATフィールドを突き破るほどの衝撃波を発生させた。

 それは弐号機・零号機・四号機を包むと一瞬で破壊していった。

 アスカもカヲルも零号機の中にいたナオコも…すべてが滅び去った。

 塵となった。

 

 

 

「あんたたち…。」

 

 リツコは惚けなく言った。

 エヴァ各機の生体反応がなくなっていった。

 全部砕けた。

 死んだ。

 まるで造作もないように。

 

 

 冬月はある言葉を思い出した。

 ロバート・オッペンハイマー。

 原爆の父といわれた男の言葉。

 

 

 

「ヒンドゥー教の聖典『バガヴァッド・ギーター』の一節にこうある。『ヴィシュヌは王子に義務を果たすよう説得するため恐ろしい姿に変身し、『我は死神なり、世界の破壊者なり』と語った』と。」

 

 

 ゴジラは水爆で生まれた。

 それがすべての始まりだった。

 今考えればそれが世界の終焉の序章に過ぎなかったのか。

 

 

「私たちは間違ったことをしたのだ。」

 

 

 

 ゴジラは邪魔者を排除した。

 一瞬で。

 そして、天を睨みつけた。

 

 

『さあ、始めようか。我が旧友よ。我が宿敵よ。お前を最後に殺してやる。この世界とともに!!!』

 

 

 そして、赤い光に包まれていった。

 

 

「さっきと同じ…。1兆度の何万倍のエネルギーだ。宇宙は終わる。」

 

 

 日向は沈黙した。

 世界は終わる。

 焼かれてしまう、全て。

 何も残さず。

 

 

「先ほどと違うのはもうモスラはいない。さっきはモスラがいたから時間を逆流させられた。でも、もう…。」

 

 

 日向の表情は曇った。

 冬月も同じだった。

 リツコも。

 

 

 もう打つ手はない。

 勝てないのだ。

 なにをやっても。

 

 

 ネルフ本部のゲート前。

 ミサトは圧倒的な敵の数の前に倒されて行った。

 無数の触手はうねり、ミサトの体をまるで磔のように吊るしていた。

 首を締め上げ、両腕両足を縛り上げていた。

 

「う・・・あう・・・・。」

 

 

 ミサトは小さくうめき声をあげるとそのまま気を失っていった。

 

 

『こいつを知っている、俺はこいつに偉そうに指示されていた。年下の分際で!』

 

 

 魑魅魍魎のリーダーが告げた。

 彼は名もなきネルフスタッフの成れの果てだった。

 じわじわとなぶり殺してやる。

 殺した後は死体で遊ぶとしよう。

 

 

 ミサトと共に戦ってたアーノルドも限界だったのか、片膝をついていた。

 

 

 その時だった。

 赤い光が彼らを包んでいった。

 幸運にも死を感じる事もできずミサトも魑魅魍魎たちも冬月たちも、この世に生きるすべての者たち、存在するすべてがことごとく焼かれていった。

 

 

 ゴジラの口から赤い怒りの灼熱光線が放たれた。

 口だけではなく背びれからも熱線と衝撃波は放出された。

 それは一瞬で全てを破壊した。

 怒りと憎悪のエネルギーに満ちた熱線は…全てを焼き破壊した。

 巨大な重力と衝撃波が発生した。

 

 

 世界中で赤い絶望の光と高熱は世界中を焼いていった。

 そして、あがく人々を飲み込んだ。

 シンジたちの抵抗むなしく、地球は一瞬で焼き尽くされた。

 

 それはやがてその爆炎と衝撃波は宇宙空間にも延びていった。

 そこではギドラとその帝国の臣民たちが艦隊を率いていた。

 だが、彼らは一瞬でその身を焼かれていった。

 地球を破壊し、太陽系を飲み込み…宇宙全体が包まれた。

 

 

 それはシンジたちの世界だけではなかった。

 複数の多元世界が呑み込まれた。

 そこで生きる無数の生命・物体・存在は焼かれ衝撃波で潰され、圧倒的な憎悪のエネルギーで魂が潰されていった。

 

 

 何万という多元世界の多くの碇シンジは焼かれた。

 彼らの魂も、すべての能力も、知恵も…。

 一瞬で抵抗すら許されず呑み込まれた。

 多元宇宙を飲み込んだファイナル・インパクトは発動した。

 彼の怒りの炎は全てを飲み込んだ。

 

 

 そして、世界は一つになった。

 その中心にゴジラがいた。

 彼の元に無数の魂が降り注いだ。

 

 

 彼は満足した。

 そして、しばらく寝る事にした。

 

 

『万事よし。』

 

 

 

 だが、彼にはわかっていなかった。

 それは虚無の世界でしかなかったことに。

 

 

 死すらも許されない永遠の孤独が彼を待ち受けることも。

 

 

 生命すらいない、無の世界で孤独な王は眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




戦闘はゴジラの圧倒的勝利で終わりました。
しかし、ストーリーはまだ終わりではありません。
もうちょっとだけ続きます。
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